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第2章/記憶を辿って(Tomari Katsuragi)

39.真逆な二人の衝突(☆)

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 休憩時間。気がつけば終わっていたような感覚だった。
 空腹のまま夜まで働くのは無理があるから、何かしら口にはしたはずなんだけど。

 苦々しく残っているのはさっき吸った煙草の味だけ。

 ミント味のタブレットを口に放り込む。清涼感が広がりいくらかスッキリしてきたはずなのに、身体はたまらなくもう一服を求めていた。

 まだ少し時間がある。喫煙所に引き返す。
 一本をたった三分程度で吸い切って、次のに火をつける。喉が乾き、息がかすれても。動揺しているときにやりがちな癖だとわかってはいた。

 その後、歯を磨いたり手を洗ったりなどしながら思ったのだ。馬鹿みたいだと。
 こんなに煙草くさくなって。においを誤魔化すのにこんなに苦労して。嗜むというレベルではない。肇くんが心配ばかりするのも無理はないんだ。

 肇くん……。

 彼とは長い年月を共にしてきたのに、今は表情も思い浮かべられない。脳が拒絶するみたいに、彼がいまいだいているのであろう感情もろとも遮ってしまうのだ。


 仕事の方は何故か普段以上に捗った。ストック整理もすぐに終わったし、個人売だって直近では自己最高記録だ。

 なるほどな、私は変に気を張っているときの方が実績を出せるのか。皮肉なものだな。そうやって内心でのみ自嘲した。


 退勤する頃になってようやく、相原店長から聞いた話を思い返すことが出来た。


 朝、開店して間もない頃に肇くんが訪ねてきたそうだ。お客様はまだ一人もいないタイミングだ。
 彼はレジカウンターにいた相原店長にこう声をかけた。


――すみません、こちらの店舗に“千秋さん”という方はいらっしゃいますか――


 もちろん覚えはある。正確にいうとそれはエリアマネージャーのことだから店舗の従業員ではないのだけど、肇くんはさすがにそこまでは知らなかったのだろう。

 桂木トマリの恋人だと説明されても、正直なところ相原店長は困惑していたという。個人情報に関することというのもあり「申し上げられない」とだけ伝えたそうだ。

 肇くんは決して横柄な態度はとらなかった。謙虚かつ紳士的な印象だと、店内にいた皆が思っていたんじゃないかという。

 だからこそ続く言葉がより衝撃的なものになったのだろう。


――ここの男性上司は、女性スタッフを家まで送り届ける役目なのでしょうか――

――手を繋いだり、身体に触れるのも仕事のうちですか――

――アパレルってそんな仕事でしたっけ――


 静かな口調なのに、延々と反響するように聞こえてしまったのだろう。

 場所を変える提案をした相原店長に対し、肇くんは「ここで結構です」とにこやかに言い放った。考えたくはないが、これじゃああえて周りに聞かせているみたいだ。
 肇くんは変わらぬ態度のまま更に畳みかけた。


――お世話になっている皆様には感謝しています。彼女はこの仕事が大好きですから――

――でも権力を利用しておかしなことをする男がいるのなら、さすがに黙ってはいられませんよ――


 なんだか彼らしい言い方だと妙に納得してしまう。詳しい意図はまだわからないけど、彼なりの正義であることだけは伝わってくるのだ。

 複数人の来店があったタイミングで会話は途切れた。
 肇くんは「お邪魔して申し訳ありません。考えておいて下さい」と言い、律儀を頭を下げて帰っていったそうだ。


『肇くん、今夜話したい。電話でもいい。時間がとれそうなら教えてほしい』

 さっきメッセージアプリでそのように送った。上手く話せる自信はなくても放っておく訳にはいかない案件だ。

 きっとまた原因は私が作ったのだろうし……。
 そしてあろうことか千秋さんは全ての責任を負う覚悟で……

 従業員通用口を出たところ。じわ、と再び目頭が熱くなる。

 素肌を撫でる涼しい夜風が心を揺さぶる。
 アームウォーマーはしているけどノースリーブのニットだからな、羽織りを忘れてしまったから寒いのだろうと無理矢理自分を納得させようとしていた。


――トマリ。


 遠くから届いたその声は、木枯らしみたいに掠れていた。

 背が高いからよく目立つ。どれほど人の流れがあろうとも。あなたはいつだってその優しい目でこちらを見てくれた。

 だけど今は凄く、凄く、寂しそうだ。
 こちらへ歩み寄ってくるほどにその表情がハッキリしてきて私の胸の痛みも増していく。息が詰まるほどに。


「トマリ……桂木さん。ごめんね、迷惑をかけてしまって。僕のせいだ」

「千秋さんのせいな訳ないじゃないですか。なんでいつもそうやって……!」

「ううん、原因は本当に僕なんだ」

 彼の言っていることがわかるようでイマイチわからない。

 今朝、肇くんが言っていたこと。ところどころ事実とは違っていたもののおおむね合ってはいた。
 でもそれはやむを得ない事情でだろう。途中まで一緒に帰ることで私を安心させたり、恋人のフリをすることでスカウトマンを追っ払ったり。それ以外のときだって深い意味はない。事実の証明さえ出来れば肇くんだって納得してくれるかも知れないのに。

 だから私は思わず声を張り上げたんだ。

「必ず誤解を解きましょう! 千秋さんばかりが悪者扱いされるなんて私は耐えられません!」

「トマ……桂木さん、ごめん」

「何故謝るんですか!? なんでそんな悲しい顔をするんですか。千秋さんは悪くないんだから堂々としていればいいのに」

「違うんだ。僕はその……実際に……」

 うつむく千秋さん。語尾が聞き取りづらくなってきた。
 私は彼の方へ近付くのだけど、彼はその動きに合わせるようにして後ずさる。
 なんだかばつの悪そうな顔なんかして。


「僕は君に触れてしまったから」


 凄く小さな声で今更なことを言う。実に不可解。思わず首を傾げてしまったほどだ。

「だからそれは状況的に仕方なく……」

「いや、あれは僕の意思で」

「いつのことを言ってるんですか」

「…………」

「千秋さん」

 彼は答えるどころか顔を赤くして口元を押さえてしまう。
 私は若干苛立った。この人のことは尊敬しているけど、こういう煮え切らなさにはもどかしくなる。せめて今くらいはハッキリしてくれ。


――トマリ。


 そのとき。
 別方向から別の声がした。

 でも知らない人の声ではない。

 この場所で聞くことが今までなかっただけで。


 振り向く私たちの目線の先で、彼は爽やかな微笑みを綻ばせている。

「トマリ、迎えに来たよ。遅くまでお疲れ様」

「肇くん……どうして」

「たまには迎えに来たっていいでしょ。ちょうど時間がいたんだ。一緒に夕食でも食べていこうよ」

「それはもちろん構わないのだが……」

 私が悪いとはいえ、今回のスキャンダルを起こしたのは目の前の彼。なのに何故そんなに普段通りなんだろうと驚いた。

 いま私の隣にいる人が誰だかわかっていないのだろうか。ああそうか、顔を見たことがないのだからな。
 状況の理解に少し近付いたと思ったときだった。


「あなたが“千秋さん”ですか。トマリがいつもお世話になっております」


 優雅な口調で、会釈までする肇くん。あまりにも落ち着いた姿勢。

 しばらく間があった。私は隣の彼の表情も見れないまま。


「はい、僕が千秋です」

「ああやっぱり。トマリの上司でいらっしゃるという」

「そうです」


 チッ、と。

 低い舌打ちが聞こえたのはどのタイミングだっただろう。

 いつの間にか肇くんはうつむいていたからわからなかったけど、きっとすでに笑顔は消えていたのだろう。

 ドッ、ドッ、ドッと、強い脈打ちを身体中に感じた。身体が硬直して動かない。目の前のやりとりを見ていることもままならない。ただ声が聞こえるだけ。

「トマリをしつこいスカウトマンから助けてくれたとか」

 何故それを知っているんだ肇くん。相原店長が話したとは思えないのだが。

「でもそれ以外はどれもこれも必要なかったですよね、千秋さん? 惜しいなぁ~、せっかくいい人なのに」

 千秋さんの名を出したことはあったけど、何故この人だとわかるんだろう。
 疑問が浮かぶと背筋に悪寒が走った。

「ともかく。これからトマリのことは俺がしっかり守るんで。いいですね」

「はい、出過ぎた真似をして申し訳ありませ……」

「いいですね!?」

「はい」

 ピシャリと叩きつけるような肇くんの言葉の後、千秋さんの姿が遠くなったように感じた。

 何かの記憶と重なった気がした。
 私は濁流みたいに押し寄せてくる感情の波に飲まれてしまう。溢れてくるものが抑えられない。

「トマリ、どうして泣くの」

 肇くんに冷たい口調で問われても、自分でもわからないから説明が出来ない。やっと首を横に振ることが出来ただけだ。

「もう行くよ。レストランの予約ならしてあるからさ」

 空気が柔らかくなった。笑みを含んだ声色。肇くんの手が優しく私の肩に触れる。
 それでも私は動けずにいた。何故か同じようにかぶりを振ってしまう。まるで別の意志に操られているみたいに。

 空気は再び緊張を帯びる。ぴりりと肌に伝わる。

「トマリ! 行くって言ってるだろ!」

「いや……」

「早く!」

 ついさっきまで優しかった肇くんの手が、私の腕を強く掴んだ。
 多分ほんの少しの痛みだ。それなのに思わず小さな悲鳴が出てしまった。怖かったんだ。


――待って。

 引っ張られて歩く途中、背後から声がした。


「待って下さい! 何故そんな乱暴にするんですか!!」


 それは切実な思いと激しい怒気を含んだ千秋さんの声だった。


「はい?」

 肇くんは低い声で呟き、振り返る。
 見ると千秋さんも大股でこちらへ歩み寄っていた。見たこともない形相だ。





「あなたは僕に怒っているんでしょう!? 詳しい事情も聞いてないクセに、桂木さんにばかり強く出るのは違うと思います!」

「何? 俺がDV彼氏だとでも思ってんの」

「そうは言ってない。でも事実、いま彼女の腕を乱暴に掴んだ。そのまま見ている訳にはいきません」

「ふぅん、ヘタレかと思いきや意外と度胸あるじゃん。でもまずは自分の心配をしたらどうですか」

 好戦的な肇くんはこういうとき絶対に怯まない。決着が着くまでとことんやり合うタイプだと私はもう知っている。

 迷いのない足取りでズカズカとオーバーな足音を立てて千秋さんに迫っていく。

「うわ、見ろよ。三角関係だぜ」

「程々にね~」

 通りかかった他店の従業員たちが声をかけて去っていく。頻繁にこちらを 窺うかがっている人も。
 まずいと私は思った。素早く肇くんの後を追いかける。

「待ってくれ肇くん! 千秋さんも一体どうしてしまったのだ!」

「トマリはちょっと待ってて。近くで話すだけだから」

「暴力はやめてくれ!」

「そんなことしない。いいからそこで待ってて。すぐ終わるから」


 そこそこ身長差のある二人だけど、至近距離まで顔を近付けるようにしていた。いや、よく見ると肇くんが千秋さんの耳元で何が言っているようなのだ。

 千秋さんの表情が陰になって見えない。不安だけど、近付いても良いタイミングなのか判断が出来ない。

「お待たせ、トマリ。千秋さんももう帰るって」

「うん……」

「桂木さん、お疲れ様です。気を付けて帰って下さいね」

「はい……」

 話は本当にすぐ終わったが、数分前とは状況が変わっているんだろうとなんとなくわかる。
 千秋さんのぎこちない敬語が胸に突き刺さって痛かった。


「肇くん、すまない。嫌な思いをさせてしまって。でも千秋さ……あの上司は決して悪い人じゃないのだよ。ただ親切なだけなんだ」

「へぇ、そっか」

「肇くん……」

 職場最寄りの駅まで向かう途中で私は何度か彼に話しかけたけど、適当な相槌しか返ってきてないように思えた。
 いっそのこと、怒るならちゃんと私にも怒ってほしいと思った。怖くないと言ったら嘘になるけど、何がいけなかったのか言ってくれないとわからない。うやむやにされる方が不安なんだ。

「肇くん! 私が悪かったと思うのだ。本当にすまな……」

 フッ、と鼻で笑うような音がして心が不穏にざわついた。

 彼がゆっくり振り返る。横顔が見えた時点で私は本格的に凍りついた。

 彼の紅潮した頬、吊り上がった口角、そしてよどんだ色の瞳。それらを目の当たりにして。





「ああ、ごめん。ぼおっとしてた」

「肇くん……」


「あの人さ、確かにいい人だよね。トマリが沢山お世話になってきたっていうのもなんか納得できるよ。誤解とけるようにせいぜい頑張ってほしいね」


 闇夜に彼の低い含み笑いがうっすら響いていた。

 鈍感な私でも少しわかってしまったような気がした。彼の思惑としたたかさが。
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