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五話目 メオン
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だいぶ歩いたら、何か禍々しい模様の扉を見つけた。
ここに偉いやつが居そうだな。
その偉いやつがあの本を書いたのかもな。
そうだとしたら入って話を聞かなくてはな。よし、入ろう。
「おじゃましまーす」
俺はそう言って中に入った。
扉の向こうはかなり広い部屋だった。
ほかの場所よりも少し明るいので、部屋全体が見渡せる。
部屋の形はまるいようだ。真ん中に魔法陣が描かれている。
魔法陣の真ん中には、大きな青い球があり、誰かがその球を触っていた。
あれが ゲルヘナードのボスか?
それにしては背が低い。子供みたいだ。
髪は赤色のツインテール。顔は(ry。
子供だと性別が分かりにくいな。まあでも、髪型からいってたぶん女か?
女の可能性が大だけど、ツインテールの男も世の中にはいるかもしれない。
決め付けずにいたほうがいいだろうな。
とりあえず声をかけてみよう。俺はゲルヘナードのボス? に近づいてみる。
「……はマナの接続が……人体には……レメドォルの欠片が足りないか……」
何かブツブツとよくわからないことを言っているな。
ちなみに俺は人より豊富な知識を持っているがすべての知識を持っているというわけではない。
暇つぶしにこの世のありとあらゆる知識を知ろうと思ったのだが、途中で飽きた。飽きてから一切自分から頭に知識を入れていない。これがだいたい1000年前くらいの出来事だ。
1000年でどれくらい変わるか分からないが、下手したら普通の人間誰もが知っていることを知らない可能性もある。
「こんにちはー」
俺は挨拶をした。だが相手は一切聞こえていないようなようすで俺の挨拶を完全に無視。
無礼なやつだな。まあ、俺はもはや何されても心が動かなくなったので、どんだけ無礼な行動を取られてもなんとも思わんが。
「こんにちは~」
少し大きな声で挨拶をした。これなら聞こえているだろう。
今度は無視はされず、
「あとにせい」
と短い返答があった。
「今、話がしたいんだけどー」
「…………」
「話がしたいんだけど、話がしたいんだけど、話がしたいんだけど、話がしたいんだけどー」
「ええい! やかましい! 後にせいと言っておるのが分からんのか!?」
やっとこっちを見た。険悪な表情を浮かべている。
「この忙しいときに。何なのじゃ貴様は? 我が研究をしておる時は、話しかけるといつも口を酸っぱくしていっておるじゃろうに…………ぬ?」
ゲルヘナードのボス(仮)は俺の顔をじろじろと見てくる。
「おぬしだれじゃ」
「ペレス・ギャントル」
「おったかそんな奴? いやおらんじゃろ。我は記憶がいいのじゃ」
「今日始めてここに来たから、お前とは初対面だ」
「ほー」
そう言ってゲルヘナードのボス(仮)は、球から手を離し、壁に向かって歩く。そして、壁に立てかけてあった長い黒い杖を手に取る。
そしてその杖を振り邪術を使った。確か邪術ってのは元々闇属性の魔法扱いされていたけど、あまりにも人の道を外れている魔法が多くて、闇属性の魔法は一律禁止になり、その後、邪術と呼ばれるようになったとか。ちなみに呪いとかは基本的に邪術だ。
黒い闇の球が高速で俺の頭に向かって飛んできて、直撃。
その瞬間、ドーン! と爆発が起こった。
「ふん。さて続き続き」
ゲルヘナードのボス(仮)はそう言って、何事もなかったかのようにまた球を触りだした。
「今のはお前なりの挨拶か?」
爆発と言っても大したものじゃないので俺は無傷だった。
「……なに?」
もう一度、同じ邪術を使ってくる。
当然結果は同じだ。
「なんじゃお主は?」
「だからペレス・ギャントルだ。お前はなんていう名前なんだ?」
「メオンじゃ」
「メオンか実は話が聞きたいことがあって来たのだが」
「はぁー……面倒じゃのう。おぬしのようにそこそこ出来るやつを殺すのには、少々強い魔法を使わねばならん」
メオンはため息を吐きながら、杖を掲げる。
すると、杖の先端に真っ黒い闇が集まっていく。闇は徐々に凝縮され小さくなっていく。強力な攻撃邪術の準備をしているようだ。
「このアジトでさぁ。不老不死の術の書っての見たんだけど」
「けしからんやつだな。人の人のアジトを勝手に探し回りよって」
喋りながらもメオンは邪術の発動準備をやめない。
「不老不死について詳しく教えてくれないか?」
「何じゃ、不老不死になりたいのか? 残念ながらそれは叶わぬ夢じゃ。お主はここで死ぬのじゃからのう」
「いや不老不死じゃなくなりたいんじゃが。あと死ぬのなら夢が叶ったってことだし」
「何をわけの分からんことを。よし、出来た」
邪術の準備が終わったようだ。メオンは杖を俺に向ける。
ズバァアアン!! と大きな音を立てながら小さい闇の高まりが、俺の胸めがけて発射される。闇は物凄い速度で飛んでくる。
高密度に圧縮された闇属性エネルギーは凄まじく、俺の防御力を持ってしてもガードしきれない。闇の弾は俺の胸を貫通し、さらに後ろにあった扉も貫通した。
「あーあ。扉に穴を開けてしまったのう。結構気に入っておったデザインだったのに」
メオンは、確実に俺が死んだと思い、俺の状態を確認する事無くまた青い球をいじりだした。
「いや、メオン。お前なかなかだな。俺の防御を貫通するなんて」
「!?」
さすがに驚いたみたいで、目を見開きながら俺を見る。
俺の胸には穴が空いている。その穴がじわじわじわじわと塞がっていく。
「でも俺、不老不死だからその程度では死なないんだよな」
ここに偉いやつが居そうだな。
その偉いやつがあの本を書いたのかもな。
そうだとしたら入って話を聞かなくてはな。よし、入ろう。
「おじゃましまーす」
俺はそう言って中に入った。
扉の向こうはかなり広い部屋だった。
ほかの場所よりも少し明るいので、部屋全体が見渡せる。
部屋の形はまるいようだ。真ん中に魔法陣が描かれている。
魔法陣の真ん中には、大きな青い球があり、誰かがその球を触っていた。
あれが ゲルヘナードのボスか?
それにしては背が低い。子供みたいだ。
髪は赤色のツインテール。顔は(ry。
子供だと性別が分かりにくいな。まあでも、髪型からいってたぶん女か?
女の可能性が大だけど、ツインテールの男も世の中にはいるかもしれない。
決め付けずにいたほうがいいだろうな。
とりあえず声をかけてみよう。俺はゲルヘナードのボス? に近づいてみる。
「……はマナの接続が……人体には……レメドォルの欠片が足りないか……」
何かブツブツとよくわからないことを言っているな。
ちなみに俺は人より豊富な知識を持っているがすべての知識を持っているというわけではない。
暇つぶしにこの世のありとあらゆる知識を知ろうと思ったのだが、途中で飽きた。飽きてから一切自分から頭に知識を入れていない。これがだいたい1000年前くらいの出来事だ。
1000年でどれくらい変わるか分からないが、下手したら普通の人間誰もが知っていることを知らない可能性もある。
「こんにちはー」
俺は挨拶をした。だが相手は一切聞こえていないようなようすで俺の挨拶を完全に無視。
無礼なやつだな。まあ、俺はもはや何されても心が動かなくなったので、どんだけ無礼な行動を取られてもなんとも思わんが。
「こんにちは~」
少し大きな声で挨拶をした。これなら聞こえているだろう。
今度は無視はされず、
「あとにせい」
と短い返答があった。
「今、話がしたいんだけどー」
「…………」
「話がしたいんだけど、話がしたいんだけど、話がしたいんだけど、話がしたいんだけどー」
「ええい! やかましい! 後にせいと言っておるのが分からんのか!?」
やっとこっちを見た。険悪な表情を浮かべている。
「この忙しいときに。何なのじゃ貴様は? 我が研究をしておる時は、話しかけるといつも口を酸っぱくしていっておるじゃろうに…………ぬ?」
ゲルヘナードのボス(仮)は俺の顔をじろじろと見てくる。
「おぬしだれじゃ」
「ペレス・ギャントル」
「おったかそんな奴? いやおらんじゃろ。我は記憶がいいのじゃ」
「今日始めてここに来たから、お前とは初対面だ」
「ほー」
そう言ってゲルヘナードのボス(仮)は、球から手を離し、壁に向かって歩く。そして、壁に立てかけてあった長い黒い杖を手に取る。
そしてその杖を振り邪術を使った。確か邪術ってのは元々闇属性の魔法扱いされていたけど、あまりにも人の道を外れている魔法が多くて、闇属性の魔法は一律禁止になり、その後、邪術と呼ばれるようになったとか。ちなみに呪いとかは基本的に邪術だ。
黒い闇の球が高速で俺の頭に向かって飛んできて、直撃。
その瞬間、ドーン! と爆発が起こった。
「ふん。さて続き続き」
ゲルヘナードのボス(仮)はそう言って、何事もなかったかのようにまた球を触りだした。
「今のはお前なりの挨拶か?」
爆発と言っても大したものじゃないので俺は無傷だった。
「……なに?」
もう一度、同じ邪術を使ってくる。
当然結果は同じだ。
「なんじゃお主は?」
「だからペレス・ギャントルだ。お前はなんていう名前なんだ?」
「メオンじゃ」
「メオンか実は話が聞きたいことがあって来たのだが」
「はぁー……面倒じゃのう。おぬしのようにそこそこ出来るやつを殺すのには、少々強い魔法を使わねばならん」
メオンはため息を吐きながら、杖を掲げる。
すると、杖の先端に真っ黒い闇が集まっていく。闇は徐々に凝縮され小さくなっていく。強力な攻撃邪術の準備をしているようだ。
「このアジトでさぁ。不老不死の術の書っての見たんだけど」
「けしからんやつだな。人の人のアジトを勝手に探し回りよって」
喋りながらもメオンは邪術の発動準備をやめない。
「不老不死について詳しく教えてくれないか?」
「何じゃ、不老不死になりたいのか? 残念ながらそれは叶わぬ夢じゃ。お主はここで死ぬのじゃからのう」
「いや不老不死じゃなくなりたいんじゃが。あと死ぬのなら夢が叶ったってことだし」
「何をわけの分からんことを。よし、出来た」
邪術の準備が終わったようだ。メオンは杖を俺に向ける。
ズバァアアン!! と大きな音を立てながら小さい闇の高まりが、俺の胸めがけて発射される。闇は物凄い速度で飛んでくる。
高密度に圧縮された闇属性エネルギーは凄まじく、俺の防御力を持ってしてもガードしきれない。闇の弾は俺の胸を貫通し、さらに後ろにあった扉も貫通した。
「あーあ。扉に穴を開けてしまったのう。結構気に入っておったデザインだったのに」
メオンは、確実に俺が死んだと思い、俺の状態を確認する事無くまた青い球をいじりだした。
「いや、メオン。お前なかなかだな。俺の防御を貫通するなんて」
「!?」
さすがに驚いたみたいで、目を見開きながら俺を見る。
俺の胸には穴が空いている。その穴がじわじわじわじわと塞がっていく。
「でも俺、不老不死だからその程度では死なないんだよな」
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