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三話目 アジトへ

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 その後、事情を聞いた。
 邪術組織ゲルヘナードとは、最近出来た邪術を使い崇めている組織らしい。町外れにアジトを作り、近くを通りかかる旅人を邪術の実験台にするため攫っているらしい。
 被害が多いらしいが、別にそれはどうでもいい。呪いを解けるかが肝心だ。でも、難しいそうだな。なんせ最近出来た組織だ。俺が呪われたのは9984年前なので、そんな組織が呪いについて詳しい可能性は低い。

 でも、一応行ってみるか。もしかするかもしれないしな。
 ちなみにこの邪術組織の調査をしているこの3人は、

「冒険者をやっている、レミ・ファラクトーだ」

 騎士の女がそういい。

「同じく、アイシャ・シーレンよ」

 戦士の女がそういい。

「同じく……ミナ・クーゲル……です」

 魔法使いの男が怯えながらそう言った。相変わらず涙目だ。最近の男は軟弱でいかんな。名前もどこか女っぽい。
 冒険者っていうのは、色々する奴らのことだ。最初はダンジョンに潜って宝を集める奴らの事を冒険者と呼んでいたが、時代と共に意味合いが変わって、腕の立つ者が依頼を受けて普通の人間には達成不可能な事を代わりにやるやつらの事を冒険者と呼ぶようになっていた。

「俺はペレス・ギャントルだ。よろしく頼む」

「ちょっと待って。ペレスさん。あなた本当についてくる気なの?」

 アイシャが尋ねてきた。

「悪いか? 俺はこう見えても強いぞ。足手まといにはならんはずだ」

「それは……まあ、そうでしょうけど……あの一応言っておくけど、今回は調査なの。ゲルヘナードはやばい組織だからアタシ達だけでは、手に負えないわ。だからついてきても、呪いは解けないと思う……」

「大丈夫だ。とりあえずアジトの場所を教えてくれればいい。あとは俺が個人的に話しに行く」

「いや、危険なんだってば。死んじゃうわよ!?」

「……そうなったらどれほどいいことだろうか」

「だから意味わかんないって! なんなのこの人!」

 アイシャは理解できないといった感じで憤っている。

「ゲルヘナードの連中に呪われたというのなら、それを解きたいという気持ちはわかる」

「ゲルヘナードに呪われたわけじゃないぞ。呪いについて何か詳しそうだから聞いてみたいだけだ」

「なに? それじゃあ、奴らが解く方法を知っているか何も分からんではないか。それで、行こうとしているのか?」

「そうだ」

「そう言いきられるとこちらも何も言い返せないな。分かったこうしよう。とりあえず、場所を教えるから後は好きにやってくれ」

「うむ。いいぞそれで」

 場所は教えてくれるみたいだ。

「レミちゃん? いいのそれで……?」

「彼が良いと言っているのだ。問題あるまい」

「一応、守秘義務あるような……」

「付いて来られても困るだろ。私には彼を振り切る自信がない」

「それはそうだけど……」

 ごちゃごちゃと話し合っている。
 最終的に教えてもらう事になった。

「あちらへ向かって、2キロほど歩けば森があるのだが、その森のどこかに入り口があるとされている」

 レミは指を指して、ゲルヘナードのアジトがある場所は教えてくれた。けどちょっと曖昧すぎないか?

「森のどの辺にあるんだ?」

「入り口の場所の調査も我々の仕事だ。現時点では見つかっていない。森にあるらしいという情報しか知らない」

「そうか、分かった。教えてくれてありがとう。早く行って探してこないとな」

 俺はアジトのある森へ向かって歩き出した。


 ○

 アジトのある森についた。

 さて、どこにアジトの入り口はあるのか?
 だいたい地下にあるもんだよな。

 よし、掘ろう。

 俺は地面を掘り始める。方法は手だ。手で地面を掘る。
 だいたい20秒くらい掘ったら、かなり深い場所まで掘れる。ここまで掘ってないのならこの辺には無いのだろう。俺は別の場所を同じように掘る。
 何十箇所も掘って、森を穴だけにする。しかし、アジトは見つからない。地下にはないのか? 俺は諦めかけるが、最後にもう一度掘ろうと決めて、穴を掘り始める。
 すると、

「お」

 地下に空洞があった。掘り当てた俺は落ちる。

 あたりを確認してみる。薄暗いがランタンの光があるようで真っ暗ではない。
 床や壁は明らかに人工物だ。

 ここがアジトか?

 だろうな。

 よし、ここにいるやつに呪いを解く方法を聞きに行こう。
 俺はゲルヘナードのアジトと思われる場所を歩き始めた。


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