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第9章 物語は終盤へ
1. シナリオに関係はない?(反語)
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「仮面舞踏会、ですか」
また面倒そうな、というのをひた隠す。レイはそうです、と微笑んだ。
レイによれば、その仮面舞踏会は王宮主催らしく若者中心に招くのだそうだ。母が先ほど仕立屋に行きジルに会った、と言っていたことを思い出す。なるほど、ジルもその仮面舞踏会に参加するのだろう。
それにしても、計ったかのように兄がいないときに行うのだなと感心した。兄は先日から父と共に領地の一つへ出向いている。2、3週間は戻らないらしい。わたしも連れていかれそうになって大変だった。しかも王子手ずからの招待だ、断るわけにもいかず、わたしは了承した。
紅茶やお菓子をテーブルに置く。レイは以前よりもよく食べるようになった気がする。王宮のメイドさんたちも喜んでいた。やはり兄ルークとのわだかまりが無くなったからだろうか。シナリオに忠実に進んでいると思ったのだけれど、あれからレイが作品屈指のヤンデレ、と言わしめるほどのことはしてこない。
「そうそう、舞踏会にはぜひこれを付けてきてください」
レイはそう言うと小さな小箱を手渡してきた。しっかりした作りの箱に戸惑いつつ開けてみると真珠のピアスが入っていた。真珠と一緒にエメラルドも使われている、明らかに高価なそれにわたしは困ってしまう。
「あの、嬉しいですけれど、こんな高そうなもの受け取れません……」
「なんとなくそう言うと思っていたので、言い方を変えましょうか。今回のドレスコードに真珠を使うというのがあります。それから少々お伝えするのが遅れてしまって舞踏会まではそれほど時間はありません」
「……なるほど」
つまり、今から真珠を使ったアクセサリーやドレスを作るのは難しい、と。だからわたしはドレスコードを守るためにこのピアスを身に付ける以外に手がない、と。まったく、レイは本当に良い性格をしていると思う。
「ですが、仮面舞踏会は相手に正体を知られないからこそ楽しめるものでしょう? レイ様はわたしのことがわかってしまいますね」
それにエメラルドって、とわたしはチラリとレイの目を見た。レイは顔を赤らめる。
「ローズさんは、特別ですから」
あまりにも小さな声で言うから、わたしは思わず目をぱちくりしてしまった。これも計算でやっているならば本当にすごい、と思うけれど案外これが素なのかもしれない。
「ローズさんがせっかくきてくださるのに、会えずじまいだなんて、悲しいです」
「……わかりました。つけていきますね」
「ありがとうございます。話しかける時は右肩を2回叩きますから」
レイは嬉しそうに笑う。エメラルドと真珠のピアスを見つめつつなんだかんだ絆されてしまったな、と思った。
今日は仮面舞踏会当日だ。
わたしは母が仕立屋で頼んでくれた新品のドレスを身に纏っている。偶然にも淡いライトグリーンのふんわりとしたシルエットのドレスだったせいで、エメラルドのピアスをつけると揃えたみたいになってしまう。
「今日は全身レイ様色ってことね……」
まさかレイルートに進んでいるんじゃあるまいな、と多少警戒しつつ舞踏会へと入場した。白い仮面で目元を覆うと一気に視界が狭くなる。デバフをかけられたみたいでなんだか落ち着かない。
始まって数分だが、みんな普段の身分に縛られないのが嬉しいのか踊って喋って飲んだくれて楽しそうだ。わたしは踊るのが元々好きではないため、数人と談笑してすぐ壁にはけてきてしまった。カシスジュースでなんとなく酔えそうな気もする、なんて笑っていると。
トントン、と肩を2回叩かれた。振り返ると金色の仮面をつけた男性がわたしを見ている。耳たぶについたエメラルドを慈しむように触るから、わたしは「レイ様」と小さく声を上げた。
「気づいてくれたみたいでよかったです」
レイはくいっと仮面を押し上げてふわりと笑った。それからすぐに仮面を元に戻す。騒がしいから人気の少ないところに移動するのかと思っていたけれど、「前科があるので」とレイは申し訳なさそうに笑って見せる。そのまま壁際でジュースを手に談笑することになった。
少しの間、他愛もない話をして学園の話になる。レイは「ローズさんはいつもジルくんやラギーくんと一緒にいるので寂しいです」と眉を下げる。たしかに同じクラスとはいえどジルとラギーと過ごす時間の方が圧倒的に長い。それになかなか2人で会話する機会もないのだ。それから少しして話題は家族のことに移る。レイは少し壁にもたれかかっていたのを、前に歩み出てわたしを見る。
「僕、ローズさんに兄との関係を修復してもらったあとたくさん考えたんです。僕はずっと死にたくて仕方がなくて。でもいとも簡単にローズさんがそれを埋めてくれた」
「…………お礼はもう、いいですよ?」
「お礼もありますが……」
レイはそう言って口をつぐむ。続きを聞くべきか、と迷うけれどなんだか大層な言葉が飛び出してきそうでわたしもわたしで黙り込む。するとレイは「こういう雰囲気は良くないですね」と口角を少し上げた。
「またローズさんを困らせるようなことを言ってしまうところでした。たくさん話せて嬉しかったです」
レイは急ぎ足でわたしに礼をした。首を傾げるわたしにレイは少し止まって振り返る。
「そのドレス、とっても似合っていますよ。緑が似合うなんて嬉しいです」
「あ、ありがとう、ございます……」
レイはでは、と最後は綺麗な笑みを口元にたたえて去っていった。やはり仮面をつけているとはいえ、主催者側として大変なのだろう。
それにしても、とわたしはグラスに視線を落とす。てっきりレイルートに突入したと思った。2人で会ったら今度こそまずいかも、と思っていたのにあの紳士対応。談笑しただけ。別に面倒なことが起こらなくてよかったのだけれど、ではこれはどういうシナリオなのだろうか。もしかして、特に重要性のない普通の舞踏会なのでは。
そう思いかけて、すぐさまそれはないだろうと否定した。攻略対象に誘われたパーティなのだ、シナリオじゃない方がおかしい。けれどわたしを唯一知っていたレイとは特に何もなかったし、こんなにレイ一色のわたしと別キャラが関わるのも変だ。
そう首をますます傾げていたその時、突然腕を引っ張られた。
また面倒そうな、というのをひた隠す。レイはそうです、と微笑んだ。
レイによれば、その仮面舞踏会は王宮主催らしく若者中心に招くのだそうだ。母が先ほど仕立屋に行きジルに会った、と言っていたことを思い出す。なるほど、ジルもその仮面舞踏会に参加するのだろう。
それにしても、計ったかのように兄がいないときに行うのだなと感心した。兄は先日から父と共に領地の一つへ出向いている。2、3週間は戻らないらしい。わたしも連れていかれそうになって大変だった。しかも王子手ずからの招待だ、断るわけにもいかず、わたしは了承した。
紅茶やお菓子をテーブルに置く。レイは以前よりもよく食べるようになった気がする。王宮のメイドさんたちも喜んでいた。やはり兄ルークとのわだかまりが無くなったからだろうか。シナリオに忠実に進んでいると思ったのだけれど、あれからレイが作品屈指のヤンデレ、と言わしめるほどのことはしてこない。
「そうそう、舞踏会にはぜひこれを付けてきてください」
レイはそう言うと小さな小箱を手渡してきた。しっかりした作りの箱に戸惑いつつ開けてみると真珠のピアスが入っていた。真珠と一緒にエメラルドも使われている、明らかに高価なそれにわたしは困ってしまう。
「あの、嬉しいですけれど、こんな高そうなもの受け取れません……」
「なんとなくそう言うと思っていたので、言い方を変えましょうか。今回のドレスコードに真珠を使うというのがあります。それから少々お伝えするのが遅れてしまって舞踏会まではそれほど時間はありません」
「……なるほど」
つまり、今から真珠を使ったアクセサリーやドレスを作るのは難しい、と。だからわたしはドレスコードを守るためにこのピアスを身に付ける以外に手がない、と。まったく、レイは本当に良い性格をしていると思う。
「ですが、仮面舞踏会は相手に正体を知られないからこそ楽しめるものでしょう? レイ様はわたしのことがわかってしまいますね」
それにエメラルドって、とわたしはチラリとレイの目を見た。レイは顔を赤らめる。
「ローズさんは、特別ですから」
あまりにも小さな声で言うから、わたしは思わず目をぱちくりしてしまった。これも計算でやっているならば本当にすごい、と思うけれど案外これが素なのかもしれない。
「ローズさんがせっかくきてくださるのに、会えずじまいだなんて、悲しいです」
「……わかりました。つけていきますね」
「ありがとうございます。話しかける時は右肩を2回叩きますから」
レイは嬉しそうに笑う。エメラルドと真珠のピアスを見つめつつなんだかんだ絆されてしまったな、と思った。
今日は仮面舞踏会当日だ。
わたしは母が仕立屋で頼んでくれた新品のドレスを身に纏っている。偶然にも淡いライトグリーンのふんわりとしたシルエットのドレスだったせいで、エメラルドのピアスをつけると揃えたみたいになってしまう。
「今日は全身レイ様色ってことね……」
まさかレイルートに進んでいるんじゃあるまいな、と多少警戒しつつ舞踏会へと入場した。白い仮面で目元を覆うと一気に視界が狭くなる。デバフをかけられたみたいでなんだか落ち着かない。
始まって数分だが、みんな普段の身分に縛られないのが嬉しいのか踊って喋って飲んだくれて楽しそうだ。わたしは踊るのが元々好きではないため、数人と談笑してすぐ壁にはけてきてしまった。カシスジュースでなんとなく酔えそうな気もする、なんて笑っていると。
トントン、と肩を2回叩かれた。振り返ると金色の仮面をつけた男性がわたしを見ている。耳たぶについたエメラルドを慈しむように触るから、わたしは「レイ様」と小さく声を上げた。
「気づいてくれたみたいでよかったです」
レイはくいっと仮面を押し上げてふわりと笑った。それからすぐに仮面を元に戻す。騒がしいから人気の少ないところに移動するのかと思っていたけれど、「前科があるので」とレイは申し訳なさそうに笑って見せる。そのまま壁際でジュースを手に談笑することになった。
少しの間、他愛もない話をして学園の話になる。レイは「ローズさんはいつもジルくんやラギーくんと一緒にいるので寂しいです」と眉を下げる。たしかに同じクラスとはいえどジルとラギーと過ごす時間の方が圧倒的に長い。それになかなか2人で会話する機会もないのだ。それから少しして話題は家族のことに移る。レイは少し壁にもたれかかっていたのを、前に歩み出てわたしを見る。
「僕、ローズさんに兄との関係を修復してもらったあとたくさん考えたんです。僕はずっと死にたくて仕方がなくて。でもいとも簡単にローズさんがそれを埋めてくれた」
「…………お礼はもう、いいですよ?」
「お礼もありますが……」
レイはそう言って口をつぐむ。続きを聞くべきか、と迷うけれどなんだか大層な言葉が飛び出してきそうでわたしもわたしで黙り込む。するとレイは「こういう雰囲気は良くないですね」と口角を少し上げた。
「またローズさんを困らせるようなことを言ってしまうところでした。たくさん話せて嬉しかったです」
レイは急ぎ足でわたしに礼をした。首を傾げるわたしにレイは少し止まって振り返る。
「そのドレス、とっても似合っていますよ。緑が似合うなんて嬉しいです」
「あ、ありがとう、ございます……」
レイはでは、と最後は綺麗な笑みを口元にたたえて去っていった。やはり仮面をつけているとはいえ、主催者側として大変なのだろう。
それにしても、とわたしはグラスに視線を落とす。てっきりレイルートに突入したと思った。2人で会ったら今度こそまずいかも、と思っていたのにあの紳士対応。談笑しただけ。別に面倒なことが起こらなくてよかったのだけれど、ではこれはどういうシナリオなのだろうか。もしかして、特に重要性のない普通の舞踏会なのでは。
そう思いかけて、すぐさまそれはないだろうと否定した。攻略対象に誘われたパーティなのだ、シナリオじゃない方がおかしい。けれどわたしを唯一知っていたレイとは特に何もなかったし、こんなにレイ一色のわたしと別キャラが関わるのも変だ。
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