5 / 23
イポシィーの羽ペン
しおりを挟む
「オーラスさぁ~んっ! 決まりましたぁ~!!」
大声で叫びながら、白薔薇の騎士団のギルド本部の扉を開いたのは、他でもないスピーだ。
満面の笑みで小躍りをしながら、慣れた様子でギルド内を歩く。
中にいた者達は、なんだなんだ? といった表情で、スピーを見やる。
しかし、そんな事など御構い無しのスピーは、騎士団への入団受付やクエストの報告などを行うカウンターの向こう側にいる、オーラスという人物に向かって大きく手を振った。
「おぉ!? スピー君!? ようやく決まったのかぁっ!?」
オーラスと呼ばれた男は、書類の山に埋もれた机の中から姿を現した。
その風貌は、長い白髪に白い肌、さほど年老いては見えないが若くもない。
一見すると人間族に見える彼だが、その背に大きな白い翼を持っている為に、他種族である事がうかがい知れる。
それより何より特長的なのが、長く突き出た四角い顎だ。
しゃくれているにもほどがあるその顎さえなければ、彼はイケメンの部類に入るであろう。
このオーラスは、ピグモル族の村外研修における監視員の一人で、スピーの担当者だった。
「はいっ! あの人が、僕の保護者になってくれるって!!」
そう言うとスピーは、背後からゆっくりと歩いて来るヒロトを指差した。
「そうか、あの方が……、ん? ……んんんっ!? えっ!? えええっ!? あなたはもしやっ!?」
ヒロトの姿を確認したオーラスは、目を見開いて驚く。
長い顎が前に突き出て、更にしゃくれてしまっている。
「やぁ、オーラス。久しぶりだね♪ 出来れば、場所を変えてもらえるかな? みんなにバレたら面倒臭いし」
ヒロトは、少々困ったような顔で笑う。
「あ、はいっ! では……、応接室は今使ってるので、こちらの会議室へ……。スピー君も一緒に来るんだ」
「は、はいっ!」
スピーとヒロトは、オーラスに案内されて、普段はギルド幹部しか立ち入る事の出来ない会議室へと通された。
室内にある家具は、椅子が二十脚と、それらに囲われた大きなテーブルだけだ。
右側の壁には巨大な世界地図、左側の壁にはギルドの旗が飾られている。
そんな、初めて入る会議室に、スピーはちょっぴりドキドキしていた。
「いやぁ~、驚きました……。まさかあなたのようなお方に、我々のプロジェクトを手伝って頂けるとは……。どうぞ、お掛けください」
椅子に座るように促され、腰をかけるヒロト。
小さなスピーにとってその椅子は、少々高過ぎるので、スピーは椅子には座らずに、ヒロトの隣に立っている事にした。
「まぁ、ローズから話は聞いていたからね。元々僕は、在学中にピグモル族の研究をしていたから、興味はあったんだよ。で、今日たまたま道で彼と会ってね。これはもう運命だ! と思ってさ」
「そうでしたか……。今は、どちらで何を為されているんです?」
「今は東地区に店を構えている。あんまり儲かる仕事じゃないけどね、なんとかやっているよ」
「なるほど……。職種を聞いてもよろしいでしょうか?」
「あぁ、うん。素材屋だね。三年ほど前に、ようやく鑑定士の資格が取れたのさ」
「そうでしたか!? 鑑定士とはまた、難しいところを……。誠におめでとうございます」
「ははは、ありがとう♪ それで、今のところ、僕の他に三人が住み込みで働いているんだけど、もう一人いても大丈夫だし、彼なら是非うちに来て欲しいって思ってね」
そう言ったヒロトの視線が自分の方へと向けられると、スピーは誇らしげに胸を張った。
「そうですか……、分かりました。あなたほどの経歴をお持ちの方ならば、スピー君を安心して任せられます! ご協力、感謝致しますっ!! それでは、契約書を取って参りますので、少々お待ちを」
オーラスは、スピーに向かって小さくウィンクしてから、会議室を出て行った。
「……ヒロトさん、鑑定士って、何ですか?」
スピーは尋ねる。
「ん? あぁ、言ってなかったかな。僕の職業は鑑定士。まぁ、一口に鑑定士といっても、いろいろと種類があるんだけど……。僕の場合は、素材鑑定士ってのが正式名称になるかな」
「素材、鑑定士……。素材鑑定士って、何ですか?」
「名前のまんまさ。素材を鑑定する者の事だよ♪」
ヒロトの言葉に、スピーの頭の中にはクエスチョンマークがいくつも飛び交う。
「お待たせしました! こちらが契約書になります!」
会議室の扉を勢いよく開いて、オーラスが戻ってきた。
その手には、沢山の文字がビッシリと並んだ羊皮紙と、綺麗な黄色の羽ペンを持っている。
「あぁ、ありがとう。……ちょうどいいや。スピー、これは紙とペンだ。だけど、このペンにはちょっと意味があってね。何だと思う?」
「意味? ……わかりません」
「うん。オーラスはどう? わかるかい?」
「私ですかっ!? えっとぉ……。すみません、ペン立てから咄嗟に引き抜いてきたものですから、そのぉ……」
スピーは勿論のこと、急に話を振られたオーラスも、ヒロトの質問の答えがわからない。
「うん。オーラスはもう少し勉強した方がいいかな」
ヒロトに優しく釘を刺され、オーラスはちょっぴり気まずい顔になる。
「いいかいスピー。このペンに使われている黄色の羽。これは、イポシィーという名の魔鳥の羽でね、これ自体に何か魔力があるわけじゃないんだ。ただ、イポシィーには、こういう逸話がある」
***
昔々、怪我をしていたイポシィーを、若い魔女が助けた。
イポシィーはお礼に、魔女を幸せにすると約束した。
勿論、イポシィーはただの魔鳥。
魔力はあれど、特別な力は何もない。
だから、魔女はその気持ちだけで嬉しいと言って、特に何も、期待はしてなかった。
だけど、次の年の春。
魔女の暮らす村は、稀に見る大寒波に襲われた。
その為に、せっかく種を植えて芽を出した作物が、全部駄目になってしまった。
村には十分な蓄えもないし、新たに畑に撒く種もない。
周りの村も被害は似たようなもので、助けを求める相手もいない。
村人も魔女も、途方に暮れていた。
すると、困り果てた魔女の前に、あのイポシィーが現れた。
イポシィーは魔女に、沢山の作物の種を与えた。
それは、特別な力を持たないイポシィーが出来る、最大のお礼だった。
イポシィーから貰った種のおかげで、村人達は飢えを凌ぐ事が出来た。
魔女は、イポシィーのおかげで、その年を幸せに過ごす事が出来たのだった。
***
「とっても、良いお話ですね!」
ヒロトの話に、スピーは笑顔になる。
「うん。それで、そういう逸話がある事から、イポシィーの羽はこうやって、羽ペンに使われるようになったんだよ。契約書にサインをする際に、必ず約束を守ります、という意味を込めてね」
ヒロトの言葉に、スピーとオーラスは、揃って「おぉ~!」と感嘆の声を上げた。
「さすがヒロト様。私もまだまだ勉強が足りませんね」
「はは、本当にね。もう少し勉強した方がいいよ」
謙遜したつもりが、間に受けてしまったヒロトの返事に、オーラスは残念な表情になる。
「さてと……。スピー、これも素材鑑定士の仕事の一部だよ」
「えっ!? そうなんですかっ!?」
「うん。素材鑑定士の仕事は大きく三つ。一つが、目の前にある素材が何なのか、見極める事。二つ目が、その素材の使い道を考える事。そして三つ目が、その素材の行く末がどうなったのか、見守る事だ」
「ほぉ……。見極めて、考えて……、見守るんですね!?」
「そういう事。その為には、沢山の知識と経験が必要になる。だから……。君には今日から、僕の素材屋で、見習いとして働いてもらうね♪」
「はいっ! ……ん? 見習い?」
スピーは小さく首を傾げたが……
あまり難しい事を考えない質なので、それ以上は何も言えなかった。
「よし! そうと決まれば契約書にサインだ!!」
何やら上機嫌になったヒロトは、契約書にイポシィーの羽ペンでサインをした。
《私、スズキヒロトは、白薔薇の騎士団のピグモル族村外研修プロジェクトの意義に賛同し、ここにピグモル族のスピーの保護者となる事を宣言します。彼の衣食住を確保し、様々な危険から彼の身を守る事を約束します》
「はい、確かに。ご協力感謝致します、ヒロト様。それではスピー、宿舎に置いてある荷物をまとめて来なさい」
「あ、はいっ!」
オーラスに促され、スピーはギルド本部の裏側にある、ギルド団員の宿舎へと向かう。
やったぁ! これで僕も、この魔法王国フーガで一年間、村外研修が出来るぞぉっ!!
スピーの心は、希望に満ち溢れていた。
大声で叫びながら、白薔薇の騎士団のギルド本部の扉を開いたのは、他でもないスピーだ。
満面の笑みで小躍りをしながら、慣れた様子でギルド内を歩く。
中にいた者達は、なんだなんだ? といった表情で、スピーを見やる。
しかし、そんな事など御構い無しのスピーは、騎士団への入団受付やクエストの報告などを行うカウンターの向こう側にいる、オーラスという人物に向かって大きく手を振った。
「おぉ!? スピー君!? ようやく決まったのかぁっ!?」
オーラスと呼ばれた男は、書類の山に埋もれた机の中から姿を現した。
その風貌は、長い白髪に白い肌、さほど年老いては見えないが若くもない。
一見すると人間族に見える彼だが、その背に大きな白い翼を持っている為に、他種族である事がうかがい知れる。
それより何より特長的なのが、長く突き出た四角い顎だ。
しゃくれているにもほどがあるその顎さえなければ、彼はイケメンの部類に入るであろう。
このオーラスは、ピグモル族の村外研修における監視員の一人で、スピーの担当者だった。
「はいっ! あの人が、僕の保護者になってくれるって!!」
そう言うとスピーは、背後からゆっくりと歩いて来るヒロトを指差した。
「そうか、あの方が……、ん? ……んんんっ!? えっ!? えええっ!? あなたはもしやっ!?」
ヒロトの姿を確認したオーラスは、目を見開いて驚く。
長い顎が前に突き出て、更にしゃくれてしまっている。
「やぁ、オーラス。久しぶりだね♪ 出来れば、場所を変えてもらえるかな? みんなにバレたら面倒臭いし」
ヒロトは、少々困ったような顔で笑う。
「あ、はいっ! では……、応接室は今使ってるので、こちらの会議室へ……。スピー君も一緒に来るんだ」
「は、はいっ!」
スピーとヒロトは、オーラスに案内されて、普段はギルド幹部しか立ち入る事の出来ない会議室へと通された。
室内にある家具は、椅子が二十脚と、それらに囲われた大きなテーブルだけだ。
右側の壁には巨大な世界地図、左側の壁にはギルドの旗が飾られている。
そんな、初めて入る会議室に、スピーはちょっぴりドキドキしていた。
「いやぁ~、驚きました……。まさかあなたのようなお方に、我々のプロジェクトを手伝って頂けるとは……。どうぞ、お掛けください」
椅子に座るように促され、腰をかけるヒロト。
小さなスピーにとってその椅子は、少々高過ぎるので、スピーは椅子には座らずに、ヒロトの隣に立っている事にした。
「まぁ、ローズから話は聞いていたからね。元々僕は、在学中にピグモル族の研究をしていたから、興味はあったんだよ。で、今日たまたま道で彼と会ってね。これはもう運命だ! と思ってさ」
「そうでしたか……。今は、どちらで何を為されているんです?」
「今は東地区に店を構えている。あんまり儲かる仕事じゃないけどね、なんとかやっているよ」
「なるほど……。職種を聞いてもよろしいでしょうか?」
「あぁ、うん。素材屋だね。三年ほど前に、ようやく鑑定士の資格が取れたのさ」
「そうでしたか!? 鑑定士とはまた、難しいところを……。誠におめでとうございます」
「ははは、ありがとう♪ それで、今のところ、僕の他に三人が住み込みで働いているんだけど、もう一人いても大丈夫だし、彼なら是非うちに来て欲しいって思ってね」
そう言ったヒロトの視線が自分の方へと向けられると、スピーは誇らしげに胸を張った。
「そうですか……、分かりました。あなたほどの経歴をお持ちの方ならば、スピー君を安心して任せられます! ご協力、感謝致しますっ!! それでは、契約書を取って参りますので、少々お待ちを」
オーラスは、スピーに向かって小さくウィンクしてから、会議室を出て行った。
「……ヒロトさん、鑑定士って、何ですか?」
スピーは尋ねる。
「ん? あぁ、言ってなかったかな。僕の職業は鑑定士。まぁ、一口に鑑定士といっても、いろいろと種類があるんだけど……。僕の場合は、素材鑑定士ってのが正式名称になるかな」
「素材、鑑定士……。素材鑑定士って、何ですか?」
「名前のまんまさ。素材を鑑定する者の事だよ♪」
ヒロトの言葉に、スピーの頭の中にはクエスチョンマークがいくつも飛び交う。
「お待たせしました! こちらが契約書になります!」
会議室の扉を勢いよく開いて、オーラスが戻ってきた。
その手には、沢山の文字がビッシリと並んだ羊皮紙と、綺麗な黄色の羽ペンを持っている。
「あぁ、ありがとう。……ちょうどいいや。スピー、これは紙とペンだ。だけど、このペンにはちょっと意味があってね。何だと思う?」
「意味? ……わかりません」
「うん。オーラスはどう? わかるかい?」
「私ですかっ!? えっとぉ……。すみません、ペン立てから咄嗟に引き抜いてきたものですから、そのぉ……」
スピーは勿論のこと、急に話を振られたオーラスも、ヒロトの質問の答えがわからない。
「うん。オーラスはもう少し勉強した方がいいかな」
ヒロトに優しく釘を刺され、オーラスはちょっぴり気まずい顔になる。
「いいかいスピー。このペンに使われている黄色の羽。これは、イポシィーという名の魔鳥の羽でね、これ自体に何か魔力があるわけじゃないんだ。ただ、イポシィーには、こういう逸話がある」
***
昔々、怪我をしていたイポシィーを、若い魔女が助けた。
イポシィーはお礼に、魔女を幸せにすると約束した。
勿論、イポシィーはただの魔鳥。
魔力はあれど、特別な力は何もない。
だから、魔女はその気持ちだけで嬉しいと言って、特に何も、期待はしてなかった。
だけど、次の年の春。
魔女の暮らす村は、稀に見る大寒波に襲われた。
その為に、せっかく種を植えて芽を出した作物が、全部駄目になってしまった。
村には十分な蓄えもないし、新たに畑に撒く種もない。
周りの村も被害は似たようなもので、助けを求める相手もいない。
村人も魔女も、途方に暮れていた。
すると、困り果てた魔女の前に、あのイポシィーが現れた。
イポシィーは魔女に、沢山の作物の種を与えた。
それは、特別な力を持たないイポシィーが出来る、最大のお礼だった。
イポシィーから貰った種のおかげで、村人達は飢えを凌ぐ事が出来た。
魔女は、イポシィーのおかげで、その年を幸せに過ごす事が出来たのだった。
***
「とっても、良いお話ですね!」
ヒロトの話に、スピーは笑顔になる。
「うん。それで、そういう逸話がある事から、イポシィーの羽はこうやって、羽ペンに使われるようになったんだよ。契約書にサインをする際に、必ず約束を守ります、という意味を込めてね」
ヒロトの言葉に、スピーとオーラスは、揃って「おぉ~!」と感嘆の声を上げた。
「さすがヒロト様。私もまだまだ勉強が足りませんね」
「はは、本当にね。もう少し勉強した方がいいよ」
謙遜したつもりが、間に受けてしまったヒロトの返事に、オーラスは残念な表情になる。
「さてと……。スピー、これも素材鑑定士の仕事の一部だよ」
「えっ!? そうなんですかっ!?」
「うん。素材鑑定士の仕事は大きく三つ。一つが、目の前にある素材が何なのか、見極める事。二つ目が、その素材の使い道を考える事。そして三つ目が、その素材の行く末がどうなったのか、見守る事だ」
「ほぉ……。見極めて、考えて……、見守るんですね!?」
「そういう事。その為には、沢山の知識と経験が必要になる。だから……。君には今日から、僕の素材屋で、見習いとして働いてもらうね♪」
「はいっ! ……ん? 見習い?」
スピーは小さく首を傾げたが……
あまり難しい事を考えない質なので、それ以上は何も言えなかった。
「よし! そうと決まれば契約書にサインだ!!」
何やら上機嫌になったヒロトは、契約書にイポシィーの羽ペンでサインをした。
《私、スズキヒロトは、白薔薇の騎士団のピグモル族村外研修プロジェクトの意義に賛同し、ここにピグモル族のスピーの保護者となる事を宣言します。彼の衣食住を確保し、様々な危険から彼の身を守る事を約束します》
「はい、確かに。ご協力感謝致します、ヒロト様。それではスピー、宿舎に置いてある荷物をまとめて来なさい」
「あ、はいっ!」
オーラスに促され、スピーはギルド本部の裏側にある、ギルド団員の宿舎へと向かう。
やったぁ! これで僕も、この魔法王国フーガで一年間、村外研修が出来るぞぉっ!!
スピーの心は、希望に満ち溢れていた。
0
お気に入りに追加
147
あなたにおすすめの小説
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
【本編完結】さようなら、そしてどうかお幸せに ~彼女の選んだ決断
Hinaki
ファンタジー
16歳の侯爵令嬢エルネスティーネには結婚目前に控えた婚約者がいる。
23歳の公爵家当主ジークヴァルト。
年上の婚約者には気付けば幼いエルネスティーネよりも年齢も近く、彼女よりも女性らしい色香を纏った女友達が常にジークヴァルトの傍にいた。
ただの女友達だと彼は言う。
だが偶然エルネスティーネは知ってしまった。
彼らが友人ではなく想い合う関係である事を……。
また政略目的で結ばれたエルネスティーネを疎ましく思っていると、ジークヴァルトは恋人へ告げていた。
エルネスティーネとジークヴァルトの婚姻は王命。
覆す事は出来ない。
溝が深まりつつも結婚二日前に侯爵邸へ呼び出されたエルネスティーネ。
そこで彼女は彼の私室……寝室より聞こえてくるのは悍ましい獣にも似た二人の声。
二人がいた場所は二日後には夫婦となるであろうエルネスティーネとジークヴァルトの為の寝室。
これ見よがしに少し開け放たれた扉より垣間見える寝台で絡み合う二人の姿と勝ち誇る彼女の艶笑。
エルネスティーネは限界だった。
一晩悩んだ結果彼女の選んだ道は翌日愛するジークヴァルトへ晴れやかな笑顔で挨拶すると共にバルコニーより身を投げる事。
初めて愛した男を憎らしく思う以上に彼を心から愛していた。
だから愛する男の前で死を選ぶ。
永遠に私を忘れないで、でも愛する貴方には幸せになって欲しい。
矛盾した想いを抱え彼女は今――――。
長い間スランプ状態でしたが自分の中の性と生、人間と神、ずっと前からもやもやしていたものが一応の答えを導き出し、この物語を始める事にしました。
センシティブな所へ触れるかもしれません。
これはあくまで私の考え、思想なのでそこの所はどうかご容赦して下さいませ。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
チート薬学で成り上がり! 伯爵家から放逐されたけど優しい子爵家の養子になりました!
芽狐
ファンタジー
⭐️チート薬学3巻発売中⭐️
ブラック企業勤めの37歳の高橋 渉(わたる)は、過労で倒れ会社をクビになる。
嫌なことを忘れようと、異世界のアニメを見ていて、ふと「異世界に行きたい」と口に出したことが、始まりで女神によって死にかけている体に転生させられる!
転生先は、スキルないも魔法も使えないアレクを家族は他人のように扱い、使用人すらも見下した態度で接する伯爵家だった。
新しく生まれ変わったアレク(渉)は、この最悪な現状をどう打破して幸せになっていくのか??
更新予定:なるべく毎日19時にアップします! アップされなければ、多忙とお考え下さい!
あなたの子ですが、内緒で育てます
椿蛍
恋愛
「本当にあなたの子ですか?」
突然現れた浮気相手、私の夫である国王陛下の子を身籠っているという。
夫、王妃の座、全て奪われ冷遇される日々――王宮から、追われた私のお腹には陛下の子が宿っていた。
私は強くなることを決意する。
「この子は私が育てます!」
お腹にいる子供は王の子。
王の子だけが不思議な力を持つ。
私は育った子供を連れて王宮へ戻る。
――そして、私を追い出したことを後悔してください。
※夫の後悔、浮気相手と虐げられからのざまあ
※他サイト様でも掲載しております。
※hotランキング1位&エールありがとうございます!
前回は断頭台で首を落とされましたが、今回はお父様と協力して貴方達を断頭台に招待します。
夢見 歩
ファンタジー
長年、義母と義弟に虐げられた末に無実の罪で断頭台に立たされたステラ。
陛下は父親に「同じ子を持つ親としての最後の温情だ」と断頭台の刃を落とす合図を出すように命令を下した。
「お父様!助けてください!
私は決してネヴィルの名に恥じるような事はしておりません!
お父様ッ!!!!!」
ステラが断頭台の上でいくら泣き叫び、手を必死で伸ばしながら助けを求めても父親がステラを見ることは無かった。
ステラは断頭台の窪みに首を押さえつけられ、ステラの父親の上げた手が勢いよく振り下ろされると同時に頭上から鋭い刃によって首がはねられた。
しかし死んだはずのステラが目を開けると十歳まで時間が巻き戻っていて…?
娘と父親による人生のやり直しという名の復讐劇が今ここに始まる。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
全力で執筆中です!お気に入り登録して頂けるとやる気に繋がりますのでぜひよろしくお願いします( * ॑꒳ ॑*)
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる