661 / 800
★ピタラス諸島第五、アーレイク島編★
648:塔を守る番人
しおりを挟む
全ての魔法が、封じられる……、だと?
え?? 待って、それってつまり……???
「発光!」
誰よりも先に魔導書を開き、呪文を唱えたのはノリリアだ。
それは、これまで幾度となく騎士団のみんなが行使してきた、杖の先に光を灯す魔法なのだが……
「ポポッ!? なんでポッ!!?」
杖の先端に、光が灯ることはなく……
「浮遊!」
続いてインディゴが、自らの荷物を急いで床に下ろし、浮遊魔法をかけるも、それが浮かび上がる事はなく……
「だ……、駄目ですわ」
絶望的な表情でそう言って、力なく杖を下ろした。
「こちらも駄目だ」
落下による軽傷を負ったパロット学士とライラックを治癒魔法で介抱しようとしていたロビンズは、そう言って頭上の銀の書物をキッと睨み付けた。
銀の書物は、その表紙に現れた水色の一つ目を細めており、それがまるでほくそ笑んでいるかのように俺には見えた。
「魔法が無効化される……、封魔の塔……。つまり、僕達はこの先、魔法無しで塔の攻略に挑まなければならない、と……?」
マシコットの言葉に、銀の書物はユラユラと空中で揺れる。
『その通りだ、若き精霊よ。さて……、どうする? ここはまだ塔の入り口。貴様らが望むのならば、我が後方の扉の封印を解き、来た道を戻らせてやろう。その代わり、二度とここへは戻って来られなくなるがな』
二度と戻って来られない、だと?
あ、そうか……、塔の入り口の鍵は、消えてしまったんだった。
「ど、どうすりゃええんじゃ? 魔法が使えんとなると……」
いつになく不安気な声を出したのはテッチャだ。
その視線は、興奮状態から冷めて、床にへたり込んでいるカービィに向けられている。
カービィはというと、どうやら先程の魔法で魔力を使い果たしてしまったらしく、完全にもぬけの殻になってしまっているようだ。
ぼんやりとしたその目には、精気がまるで感じられない。
「何故、突然言葉を変えたの?」
……え? グレコ??
胸の前で両腕を組んだ大層偉そうな仁王立ちの格好で、グレコは問うた。
絶対に今、そこはどうでもいいだろ?って、みんなが思うであろう質問を、銀の書物に投げ掛けた。
『塔の封印が解けると同時に、我が使命は発動する。即ち、我は貴様らを導かねばならない。見たところ……、女、純血のエルフは貴様だけであるな? 他の者が我が言葉を理解出来ぬは甚だ遺憾であるが、それも時の定めだ、仕方あるまい。我はこの塔の番人である故、低能な貴様ら愚者にも理解出来よう言葉を、わざわざ使うてやっているのだ。感謝するのだな』
なんか、ややこしい言い回しだけど……
とりあえず、奴が今公用語で話しているのは、俺達に対する優しさらしいな。
態度はめちゃくちゃ偉そうなのに、結構親切なんだな。
「ポポゥ……、封魔の塔の番人……? 確か名前を、リブロ・プラタと仰いましたポ?? あなたがあたち達を、最上階まで導いて下さる、と……。つまり、敵ではないポか???」
理解の早いノリリアは、諦めたように魔導書と杖をローブの内側に仕舞って、丁寧な口調で銀の書物に話し掛けた。
『無論、我は貴様らの敵ではない。しかし、味方でもない。我は塔を守る番人、兼案内役であるからして、即ち中立的立場である。この封魔の塔を攻略せんとする挑戦者共を導き、試練を与えるが我の役目である』
ふむ、つまり……、なんだ???
「ポポ、つまり……、裁定者という事ポか?」
『否! 我は裁定者にあらず!! 貴様らがこの塔を攻略するに相応しいか否か、それを判断するのは我ではない!!!』
ふむ、なるほど……、じゃあ本当に、ただの道案内係って事か。
例えるならば、ゲームによくある、ダンジョンの攻略に必要なヒントが書かれた石碑とか、標識とか……、そういう位置付けなわけだな。
それが何故か今回は、偉そうに喋る書物である、と……
「ポポゥ、ややこしいポね……」
思わず本音が漏れるノリリア。
俺も今、心の中で同じ事を思いましたよ、はい。
とりあえず、敵ではない(味方でもないらしいが)と言う、銀の書物改めリブロ・プラタの言葉を信じ、騎士団のメンバーは皆、使い物にならない杖と魔導書を仕舞った。
そして俺達は全員でノリリアの元へと集まり、相談を始めた。
「どうしましょう? 魔法が使えないとなると……、この先に待ち構えているであろう試練とやらに、太刀打ち出来ないのでは??」
心底不安気な様子のパロット学士。
そもそも彼は魔法が使えないから、ここでは俺の次にお荷物な存在だったわけだけど……、全員魔法が使えないとなると、その順位が少し変わってきそうだな。
「しかし、ここを出ると二度と戻れないというのも、あながち嘘ではあるまい。現に塔の鍵は消失してしまっているのだからな」
魔法が行使出来ない事が心底悔しいらしいロビンズは、先程からずっと眉間に皺が寄っている。
しかし、怒りながらもロビンズは、鞄から鎮痛ポーションの瓶を取り出して、落下するパロット学士を庇ったばかりに床に背中を強打したライラックに手渡し、白魔導師としての責務を全うしていた。
「先に進みやしょう。せっかくここまで来たんでさ、行けるとこまで行きやしょうや」
鎮痛ポーションを一気飲みして、ライラックはそう言った。
「僕もライラックと同意見です。魔法は無効化されますが、魔力を吸い取られたわけではなさそうですし……。僕の場合、まだ霊力が残っているので、いざという時は炎を出せます」
今日もお顔が熱いマシコットは、手のひらの上に真っ赤な炎を発生させてみせた。
それは魔力によって作られた炎ではなくて、火の精霊とのパントゥーであるマシコットの持つ精霊の力、霊力によって作られたもののようだ。
「じゃが、試練とやらがのぉ……。万が一にも危険なものじゃと、命が危ねぇぞ?」
意外にも、小心者な台詞を吐くテッチャ。
いつもはもっとこう、豪快にガハガハ笑っているイメージだから……、うん、意外だ。
「皆、ここへ来た時点で覚悟は決まっているはずだ。如何に危険な試練であろうとも、挑み、先に進む……。そうではないのか?」
ギンロはまた……、カッコつけちゃって……
「同意。進もう、先へ。引き返す、ことは、考えるな。戦士の、名が、廃るぞ」
ティカまでもう……、やめてよ恥ずかしい……
「これは可能性の話ですけれど……。魔法が封じられているのであれば、試練と呼ばれるものも、魔法が必要なものでは無いのかも知れませんわ。でないと、いくらなんでも……、無慈悲ですわ」
困惑しつつも、冷静に先を考えるインディゴ。
確かにそうだ、その可能性は高いぞ。
魔導師から魔法を取り上げるわけだから、試練とやらはそれ相応のもののはず。
……いや、どんなものなのかは想像付かないけどね。
「ノリリア、ここはもう進むしか無いと思うわ。それに、せっかく案内役がいるんだから、とりあえず案内してもらいましょうよ。進んだ先でもし、無理難題をふっかけられたら……、その時は引き返しましょ」
いつも通り、出たとこ勝負なグレコ。
グレコってさ、結構そういうとこあるよね。
コトコ島の時もそうだったけど、大胆というか何というか……、案外後先考えないよね君。
「ポポポ……。カービィちゃんはどう思うポか?」
少し離れた場所で、まだ床にへたり込んでいるカービィに対し、声を掛けるノリリア。
カービィは完全に電池が切れてしまったようで、未だぼんやりとした目で、宙に浮かぶリブロ・プラタを見つめている。
「え? あぁ……、おいらも……。いや、おいらは、おまいの指示に従うよ、ノリリア」
まるで覇気のないその言葉に、ノリリアは少々ムッとした表情になるが、すぐさま気持ちを切り替えてこう言った。
「ポッ! 決めたポ!! このまま先に進むポよ!!!」
そして、リブロ・プラタに向かって言った。
「塔の番人リブロ・プラタ! あたち達は皆、試練に挑戦するポ!! 案内してポよ!!!」
その言葉に、リブロ・プラタは水色の目をカッと見開いた。
そして、自ら中身を開き、パラパラとページをめくって……
『それでは……、これより、第一の試練、開始! 我に続くのだぁっ!!』
そう叫んだかと思うと、そのままの状態でフワフワと空中を移動し始めた。
リブロ・プラタが向かう先は、入り口の扉から見て、対面にある奥の扉ではなく、右側にある扉の方だ。
ノリリア達は頷き合って、リブロ・プラタについて行く。
俺も、みんなの後について行こうとしたのだが……
まだへたり込んでいるカービィを視界の端に捉え、急ぎ傍まで駆け寄って、その腕を掴んだ。
「カービィ、どうしたのさ? らしくないよ??」
俺の言葉にカービィは、ハッとした表情になり、思わぬことを口にした。
「あいつ……、あの本……。そっくりなんだよ。おいらに呪いをかけた悪魔に……」
……え? マジで??
俺は、空中を移動するリブロ・プラタに視線を向けた。
銀製の書物に、突如として現れた目、そして発せられた声……
普通に考えれば、かなり気味の悪い存在だ。
あいつが、カービィに呪いをかけた悪魔に、そっくりだと???
俺は記憶を遡る。
カービィに呪いをかけたのって、確か……、悪魔の書って呼ばれる本で……
同時に、カービィの両親を殺害したはずじゃ……?
え?? てか、あいつが悪魔って……、ヤバくない???
俺の手をとって、ようやく立ち上がるカービィ。
心無しか怯えているようにも見えるその目は、真っ直ぐにリブロ・プラタを見つめていた。
え?? 待って、それってつまり……???
「発光!」
誰よりも先に魔導書を開き、呪文を唱えたのはノリリアだ。
それは、これまで幾度となく騎士団のみんなが行使してきた、杖の先に光を灯す魔法なのだが……
「ポポッ!? なんでポッ!!?」
杖の先端に、光が灯ることはなく……
「浮遊!」
続いてインディゴが、自らの荷物を急いで床に下ろし、浮遊魔法をかけるも、それが浮かび上がる事はなく……
「だ……、駄目ですわ」
絶望的な表情でそう言って、力なく杖を下ろした。
「こちらも駄目だ」
落下による軽傷を負ったパロット学士とライラックを治癒魔法で介抱しようとしていたロビンズは、そう言って頭上の銀の書物をキッと睨み付けた。
銀の書物は、その表紙に現れた水色の一つ目を細めており、それがまるでほくそ笑んでいるかのように俺には見えた。
「魔法が無効化される……、封魔の塔……。つまり、僕達はこの先、魔法無しで塔の攻略に挑まなければならない、と……?」
マシコットの言葉に、銀の書物はユラユラと空中で揺れる。
『その通りだ、若き精霊よ。さて……、どうする? ここはまだ塔の入り口。貴様らが望むのならば、我が後方の扉の封印を解き、来た道を戻らせてやろう。その代わり、二度とここへは戻って来られなくなるがな』
二度と戻って来られない、だと?
あ、そうか……、塔の入り口の鍵は、消えてしまったんだった。
「ど、どうすりゃええんじゃ? 魔法が使えんとなると……」
いつになく不安気な声を出したのはテッチャだ。
その視線は、興奮状態から冷めて、床にへたり込んでいるカービィに向けられている。
カービィはというと、どうやら先程の魔法で魔力を使い果たしてしまったらしく、完全にもぬけの殻になってしまっているようだ。
ぼんやりとしたその目には、精気がまるで感じられない。
「何故、突然言葉を変えたの?」
……え? グレコ??
胸の前で両腕を組んだ大層偉そうな仁王立ちの格好で、グレコは問うた。
絶対に今、そこはどうでもいいだろ?って、みんなが思うであろう質問を、銀の書物に投げ掛けた。
『塔の封印が解けると同時に、我が使命は発動する。即ち、我は貴様らを導かねばならない。見たところ……、女、純血のエルフは貴様だけであるな? 他の者が我が言葉を理解出来ぬは甚だ遺憾であるが、それも時の定めだ、仕方あるまい。我はこの塔の番人である故、低能な貴様ら愚者にも理解出来よう言葉を、わざわざ使うてやっているのだ。感謝するのだな』
なんか、ややこしい言い回しだけど……
とりあえず、奴が今公用語で話しているのは、俺達に対する優しさらしいな。
態度はめちゃくちゃ偉そうなのに、結構親切なんだな。
「ポポゥ……、封魔の塔の番人……? 確か名前を、リブロ・プラタと仰いましたポ?? あなたがあたち達を、最上階まで導いて下さる、と……。つまり、敵ではないポか???」
理解の早いノリリアは、諦めたように魔導書と杖をローブの内側に仕舞って、丁寧な口調で銀の書物に話し掛けた。
『無論、我は貴様らの敵ではない。しかし、味方でもない。我は塔を守る番人、兼案内役であるからして、即ち中立的立場である。この封魔の塔を攻略せんとする挑戦者共を導き、試練を与えるが我の役目である』
ふむ、つまり……、なんだ???
「ポポ、つまり……、裁定者という事ポか?」
『否! 我は裁定者にあらず!! 貴様らがこの塔を攻略するに相応しいか否か、それを判断するのは我ではない!!!』
ふむ、なるほど……、じゃあ本当に、ただの道案内係って事か。
例えるならば、ゲームによくある、ダンジョンの攻略に必要なヒントが書かれた石碑とか、標識とか……、そういう位置付けなわけだな。
それが何故か今回は、偉そうに喋る書物である、と……
「ポポゥ、ややこしいポね……」
思わず本音が漏れるノリリア。
俺も今、心の中で同じ事を思いましたよ、はい。
とりあえず、敵ではない(味方でもないらしいが)と言う、銀の書物改めリブロ・プラタの言葉を信じ、騎士団のメンバーは皆、使い物にならない杖と魔導書を仕舞った。
そして俺達は全員でノリリアの元へと集まり、相談を始めた。
「どうしましょう? 魔法が使えないとなると……、この先に待ち構えているであろう試練とやらに、太刀打ち出来ないのでは??」
心底不安気な様子のパロット学士。
そもそも彼は魔法が使えないから、ここでは俺の次にお荷物な存在だったわけだけど……、全員魔法が使えないとなると、その順位が少し変わってきそうだな。
「しかし、ここを出ると二度と戻れないというのも、あながち嘘ではあるまい。現に塔の鍵は消失してしまっているのだからな」
魔法が行使出来ない事が心底悔しいらしいロビンズは、先程からずっと眉間に皺が寄っている。
しかし、怒りながらもロビンズは、鞄から鎮痛ポーションの瓶を取り出して、落下するパロット学士を庇ったばかりに床に背中を強打したライラックに手渡し、白魔導師としての責務を全うしていた。
「先に進みやしょう。せっかくここまで来たんでさ、行けるとこまで行きやしょうや」
鎮痛ポーションを一気飲みして、ライラックはそう言った。
「僕もライラックと同意見です。魔法は無効化されますが、魔力を吸い取られたわけではなさそうですし……。僕の場合、まだ霊力が残っているので、いざという時は炎を出せます」
今日もお顔が熱いマシコットは、手のひらの上に真っ赤な炎を発生させてみせた。
それは魔力によって作られた炎ではなくて、火の精霊とのパントゥーであるマシコットの持つ精霊の力、霊力によって作られたもののようだ。
「じゃが、試練とやらがのぉ……。万が一にも危険なものじゃと、命が危ねぇぞ?」
意外にも、小心者な台詞を吐くテッチャ。
いつもはもっとこう、豪快にガハガハ笑っているイメージだから……、うん、意外だ。
「皆、ここへ来た時点で覚悟は決まっているはずだ。如何に危険な試練であろうとも、挑み、先に進む……。そうではないのか?」
ギンロはまた……、カッコつけちゃって……
「同意。進もう、先へ。引き返す、ことは、考えるな。戦士の、名が、廃るぞ」
ティカまでもう……、やめてよ恥ずかしい……
「これは可能性の話ですけれど……。魔法が封じられているのであれば、試練と呼ばれるものも、魔法が必要なものでは無いのかも知れませんわ。でないと、いくらなんでも……、無慈悲ですわ」
困惑しつつも、冷静に先を考えるインディゴ。
確かにそうだ、その可能性は高いぞ。
魔導師から魔法を取り上げるわけだから、試練とやらはそれ相応のもののはず。
……いや、どんなものなのかは想像付かないけどね。
「ノリリア、ここはもう進むしか無いと思うわ。それに、せっかく案内役がいるんだから、とりあえず案内してもらいましょうよ。進んだ先でもし、無理難題をふっかけられたら……、その時は引き返しましょ」
いつも通り、出たとこ勝負なグレコ。
グレコってさ、結構そういうとこあるよね。
コトコ島の時もそうだったけど、大胆というか何というか……、案外後先考えないよね君。
「ポポポ……。カービィちゃんはどう思うポか?」
少し離れた場所で、まだ床にへたり込んでいるカービィに対し、声を掛けるノリリア。
カービィは完全に電池が切れてしまったようで、未だぼんやりとした目で、宙に浮かぶリブロ・プラタを見つめている。
「え? あぁ……、おいらも……。いや、おいらは、おまいの指示に従うよ、ノリリア」
まるで覇気のないその言葉に、ノリリアは少々ムッとした表情になるが、すぐさま気持ちを切り替えてこう言った。
「ポッ! 決めたポ!! このまま先に進むポよ!!!」
そして、リブロ・プラタに向かって言った。
「塔の番人リブロ・プラタ! あたち達は皆、試練に挑戦するポ!! 案内してポよ!!!」
その言葉に、リブロ・プラタは水色の目をカッと見開いた。
そして、自ら中身を開き、パラパラとページをめくって……
『それでは……、これより、第一の試練、開始! 我に続くのだぁっ!!』
そう叫んだかと思うと、そのままの状態でフワフワと空中を移動し始めた。
リブロ・プラタが向かう先は、入り口の扉から見て、対面にある奥の扉ではなく、右側にある扉の方だ。
ノリリア達は頷き合って、リブロ・プラタについて行く。
俺も、みんなの後について行こうとしたのだが……
まだへたり込んでいるカービィを視界の端に捉え、急ぎ傍まで駆け寄って、その腕を掴んだ。
「カービィ、どうしたのさ? らしくないよ??」
俺の言葉にカービィは、ハッとした表情になり、思わぬことを口にした。
「あいつ……、あの本……。そっくりなんだよ。おいらに呪いをかけた悪魔に……」
……え? マジで??
俺は、空中を移動するリブロ・プラタに視線を向けた。
銀製の書物に、突如として現れた目、そして発せられた声……
普通に考えれば、かなり気味の悪い存在だ。
あいつが、カービィに呪いをかけた悪魔に、そっくりだと???
俺は記憶を遡る。
カービィに呪いをかけたのって、確か……、悪魔の書って呼ばれる本で……
同時に、カービィの両親を殺害したはずじゃ……?
え?? てか、あいつが悪魔って……、ヤバくない???
俺の手をとって、ようやく立ち上がるカービィ。
心無しか怯えているようにも見えるその目は、真っ直ぐにリブロ・プラタを見つめていた。
0
お気に入りに追加
493
あなたにおすすめの小説
アスタッテの尻拭い ~割と乗り気な悪役転生~
物太郎
ファンタジー
“彼女”は死後、一枚のカードを手に取った。
そこに書かれていたのは「役:悪役令嬢」。
『いいかい? 君はそこに書かれた君の役目を果たせばいい。失敗すれば死。一つでも取りこぼせば死。分かった?』
彼女を転生させるという謎の少年はそう言った。
アルベラ・ディオールとして転生した彼女は時に頼れる仲間を作り、時に誰かを敵に回し、“悪役令嬢”という役を成し遂げるべく二度目の人生を奔走する。
※「追放」「復讐」主体の話ではありません
※◆=イラストありページ
・「アスタッテ」って何? 転生の目的は何? をさくっと知りたい方は「65話」と「151話」をどうぞ
第一章、怪しいお薬 十歳偏 ―完―
5年後に迎える学園生活&悪役業に備えるべくアルベラは模索する。そんな中、10歳時のヒーロー達と出会ったり、父の領地で売られている怪しげな薬の事を知ったり、町で恐れられてるファミリーと出会ったり……。※少しずつ文章を修正中
第二章、水底に沈む玉 十三歳偏 ―完―
高等学園入学まであと2年。アルベラは行き倒れの奴隷の少年を見つける。それから少しして魔族の奴隷も拾い……。
彼らの出会いとアルベラの悪役令嬢としてのクエストが関わり何かが起きる?
第三章、エイヴィの翼 前編 学園入学編
高等学園の入学前に、とある他人種の少女と出会ったアルベラ。少女にもらった地図が切っ掛けで、学園一度目の長期休暇は十日前後の冒険に出ることに。
ヒロインやヒーローとも新たに出会い、自分を転生させた少年とも再会し、アルベラの悪役業も本番に。彼女の賑やかで慌ただし学園生活が始まる。
第三章、エイヴィの翼 後編 一年生長期休暇と冒険編
学園入学後の初の長期休暇。入学前に出会った他人種の少女の里観光を口実に、手に入れた地図を辿りお宝探しへ。その先でアルベラ達一行はダークエルフの双子の企てに巻き込まれる事に。
吸血鬼公爵に嫁いだ私は血を吸われることもなく、もふもふ堪能しながら溺愛されまくってます
リオール
恋愛
吸血鬼公爵に嫁ぐこととなったフィーリアラはとても嬉しかった。
金を食い潰すだけの両親に妹。売り飛ばすような形で自分を嫁に出そうとする家族にウンザリ!
おまけに婚約者と妹の裏切りも発覚。こんな連中はこっちから捨ててやる!と家を出たのはいいけれど。
逃げるつもりが逃げれなくて恐る恐る吸血鬼の元へと嫁ぐのだった。
結果、血なんて吸われることもなく、吸血鬼公爵にひたすら愛されて愛されて溺愛されてイチャイチャしちゃって。
いつの間にか実家にざまぁしてました。
そんなイチャラブざまぁコメディ?なお話しです。R15は保険です。
=====
2020/12月某日
第二部を執筆中でしたが、続きが書けそうにないので、一旦非公開にして第一部で完結と致しました。
楽しみにしていただいてた方、申し訳ありません。
また何かの形で公開出来たらいいのですが…完全に未定です。
お読みいただきありがとうございました。
優秀な姉の添え物でしかない私を必要としてくれたのは、優しい勇者様でした ~病弱だった少女は異世界で恩返しの旅に出る~
日之影ソラ
ファンタジー
前世では病弱で、生涯のほとんどを病室で過ごした少女がいた。彼女は死を迎える直前、神様に願った。
もしも来世があるのなら、今度は私が誰かを支えられるような人間になりたい。見知らぬ誰かの優しさが、病に苦しむ自分を支えてくれたように。
そして彼女は貴族の令嬢ミモザとして生まれ変わった。非凡な姉と比べられ、常に見下されながらも、自分にやれることを精一杯取り組み、他人を支えることに人生をかけた。
誰かのために生きたい。その想いに嘘はない。けれど……本当にこれでいいのか?
そんな疑問に答えをくれたのは、平和な時代に生まれた勇者様だった。
愛されない花嫁は初夜を一人で過ごす
リオール
恋愛
「俺はお前を妻と思わないし愛する事もない」
夫となったバジルはそう言って部屋を出て行った。妻となったアルビナは、初夜を一人で過ごすこととなる。
後に夫から聞かされた衝撃の事実。
アルビナは夫への復讐に、静かに心を燃やすのだった。
※シリアスです。
※ざまあが行き過ぎ・過剰だといったご意見を頂戴しております。年齢制限は設定しておりませんが、お読みになる場合は自己責任でお願い致します。
【完結】聖女が世界を呪う時
リオール
恋愛
【聖女が世界を呪う時】
国にいいように使われている聖女が、突如いわれなき罪で処刑を言い渡される
その時聖女は終わりを与える神に感謝し、自分に冷たい世界を呪う
※約一万文字のショートショートです
※他サイトでも掲載中
冷徹女王の中身はモノグサ少女でした ~魔女に呪われ国を奪われた私ですが、復讐とか面倒なのでのんびりセカンドライフを目指します~
日之影ソラ
ファンタジー
タイトル統一しました!
小説家になろうにて先行公開中
https://ncode.syosetu.com/n5925iz/
残虐非道の鬼女王。若くして女王になったアリエルは、自国を導き反映させるため、あらゆる手段を尽くした。時に非道とも言える手段を使ったことから、一部の人間からは情の通じない王として恐れられている。しかし彼女のおかげで王国は繁栄し、王国の人々に支持されていた。
だが、そんな彼女の内心は、女王になんてなりたくなかったと嘆いている。前世では一般人だった彼女は、ぐーたらと自由に生きることが夢だった。そんな夢は叶わず、人々に求められるまま女王として振る舞う。
そんなある日、目が覚めると彼女は少女になっていた。
実の姉が魔女と結託し、アリエルを陥れようとしたのだ。女王の地位を奪われたアリエルは復讐を決意……なーんてするわけもなく!
ちょうどいい機会だし、このままセカンドライフを送ろう!
彼女はむしろ喜んだ。
没落した元名門貴族の令嬢は、馬鹿にしてきた人たちを見返すため王子の騎士を目指します!
日之影ソラ
ファンタジー
かつては騎士の名門と呼ばれたブレイブ公爵家は、代々王族の専属護衛を任されていた。
しかし数世代前から優秀な騎士が生まれず、ついに専属護衛の任を解かれてしまう。それ以降も目立った活躍はなく、貴族としての地位や立場は薄れて行く。
ブレイブ家の長女として生まれたミスティアは、才能がないながらも剣士として研鑽をつみ、騎士となった父の背中を見て育った。彼女は父を尊敬していたが、周囲の目は冷ややかであり、落ちぶれた騎士の一族と馬鹿にされてしまう。
そんなある日、父が戦場で命を落としてしまった。残されたのは母も病に倒れ、ついにはミスティア一人になってしまう。土地、お金、人、多くを失ってしまったミスティアは、亡き両親の想いを受け継ぎ、再びブレイブ家を最高の騎士の名家にするため、第一王子の護衛騎士になることを決意する。
こちらの作品の連載版です。
https://ncode.syosetu.com/n8177jc/
最弱テイマーの成り上がり~役立たずテイマーは実は神獣を従える【神獣使い】でした。今更戻ってこいと言われてももう遅い~
平山和人
ファンタジー
Sランクパーティーに所属するテイマーのカイトは使えない役立たずだからと追放される。
さらにパーティーの汚点として高難易度ダンジョンに転移され、魔物にカイトを始末させようとする。
魔物に襲われ絶体絶命のピンチをむかえたカイトは、秘められた【神獣使い】の力を覚醒させる。
神に匹敵する力を持つ神獣と契約することでスキルをゲット。さらにフェンリルと契約し、最強となる。
その一方で、パーティーメンバーたちは、カイトを追放したことで没落の道を歩むことになるのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる