592 / 800
★ピタラス諸島第四、ロリアン島編★
579:思い当たる節
しおりを挟む
「な、なんだ? 今のは……??」
爆音と揺れが収まり、ゆっくりと立ち上がる俺。
周りのみんなも、緊張した面持ちで辺りを見渡している。
しかし、これといって特に異変は見当たらない。
だけど……
ゾワゾワ~
ゾワゾワゾワ~
身体中を、あのゾワゾワ~が襲い続けている。
なんていうかこう、引いては返す波が押し寄せるような、そんな感じだ。
なんだか、とてつもなく嫌な予感がする。
「モッモ君、感じるか?」
声を掛けてきたのはゼンイだ。
その視線は真っ直ぐに、扉の外へと向けられている。
「ゼンイもなの? なんか、ゾワゾワ~って」
「精霊を召喚出来る君も感じているのならば、やはりこれは霊力の波。この王宮の何処かで、誰かが、とてつもない霊力を放ったんだ」
「誰かって……。霊力は、精霊か精霊召喚師にしかないものなんだよね?」
「そうだ。だからこれは、恐らくミルクのものだ」
「ミルクの? だとしたら……」
俺は頭をフル回転させて、現状何が起きているのかを、理解しようとする。
消えたチャイロことイグと、行方知れずのミルク。
イグは、金山の中に捕らえられている、友である蛾神モシューラを救うと言っていた。
ロリアンは、邪神と化したモシューラを捕らえた神殿の封印を解く鍵は、精霊召喚師が持つ霊力だと言っていた。
そしてミルクは精霊召喚師……、つまり、霊力を持っている。
「やばい……、絶対やばいよ……。イグは、ミルクの力を使って、封印を解くつもりなんだ。邪神モシューラを、外に出すつもりなんだよ!」
俺の言葉に、ゼンイは目を見開いた。
「邪神だとっ!? まさかそんな……、この国には、邪神が存在するのかっ!??」
おぉっとぉお~っ!?
そっから説明しなきゃ駄目かいっ!??
あんた、悪魔にも気付かなかったし、案外何にも知らないのねっ!!??
「ポポッ!? 邪神とはいったい、どういう事ポねっ!??」
俺とゼンイの会話を聞き、驚いたのは近くにいたノリリアだ。
ノリリアもかぁあっ!?
てか何も知らないのは隠してた俺達のせいだよね、ごめんっ!!
けど、けど……、今はのんびり説明している場合じゃない気がするぞぉっ!??
「このリザドーニャ王国には、古くから蛾神モシューラが存在していたの。けれど五百年前、ロリアンさんが邪神と化しているモシューラに気付いて、当時の国王の協力の元、このピラミッド内に封印したらしいのよ。その封印を解く鍵となるのが、精霊召喚師が持つ霊力なの」
グレコが、めちゃくちゃ分かりやすくみんなに説明してくれた!
さすがグレコ!! グッジョブッ!!!
「じゃあ、先程から感じるこの波動はやはり、誰かの霊力……?」
マシコットがボソッと呟いた。
そういやあんたも半分精霊だったわね!?
あんたも感じていたのね、このゾワゾワ~を!!?
「モッモ、何か心当たりはねぇのか? このピラミッド内に邪神が封印されてんのは分かってんだ。後はその封印が施された場所、つまり神殿に繋がる扉がどっかにあるはずなんだよ。その扉がどこにあるか、思い当たる場所はねぇか??」
カービィに問い掛けられて、俺は戸惑う。
「そんな、扉なんて……、どこにあるんだか、僕には……」
するとカサチョが、短い顎に手を当ててこう言った。
「例えばでござるが……。邪神なる者は、その体から瘴気と呼ばれる悪気を放つと言われているでござる。強力なものならばまだしも、封印されているとなればそれは微々たるものとなり、常人は到底気付かぬはず。故に、邪神が封印されし土地に住まう者達は、知らぬ間に体を侵され、病が流行る原因にもなると……。しかしながら、神の力を持つ者には、それを感じ取る能力があると聞いた事があるでござる。それは煙の如き黒であったり、毒のような紫色であったり、時には腐物の如き悪臭を放つのだとか……。モッモ、何か思い当たる節はござらんか?」
えっ!? 何っ!??
説明が長いし、カサチョの話し方、いつも分かりにくいんだよっ!!!
「しょ、瘴気? 何それ?? 僕にはそんなもの、分か、ら……、な……、はぁあっ!?」
俺は、瞬間的に思い出していた。
地面から立ち昇る、あの黒い煙を。
おぉっ!? 思い当たる節ぃっ!!?
一箇所だけあるぞぉおっ!!!
「もももっ!? もしかしたらっ!! 中庭かもっ!!?」
声を震わせて、俺は叫んだ。
王宮の中央にある、あの美しい中庭。
その地面からは、奇妙な黒い煙のような物が漏れ出ていたのではなかったか!?
もしかすると……、いやもしかしなくても、あそこがっ!??
「行こうっ!!!」
声を上げたのはゼンイだ。
ゼンイが駆け出すと共に、俺達も走り出した。
玉座の間を飛び出し、立ち尽くす奴隷達の間を走り、通路を駆け抜けて、真っ直ぐに中庭へと向かう。
階下を見渡せる通路の端まで辿り着いた俺達が目にしたものは、まさしく最悪の事態だった。
「くっ!? 遅かったかっ!!?」
「ポポポッ!? 大変ポォッ!!?」
目の前にあるのは、巨大な、紫色が混じったドス黒い煙の柱だ。
中庭のある階下から空へと向かって、逆流する滝の如く、煙が勢いよく大量に噴出しているのだ。
それは、嗅いだ事のある焦げ臭い臭いと、何にも例え難いヌメヌメとした沼底のヘドロのような、吐き気を催す悪臭を放っている。
煙の中には赤い光を放つ細かな粒子が無数に漂っていて、それが王宮の壁や床にベタベタと付着すると、煌びやかな黄金は一瞬にして真っ黒に変色し、周りを腐蝕し始めた。
ここから見える下階は既に真っ黒で、濃い紫色の煙が充満していた。
「あっ!? あそこっ!!」
グレコが指差す先にあるのは、美しかったはずの中庭だ。
生茂る草木や花々で満たされ、色鮮やかな蝶が舞っていたはずの中庭は、死の庭園へと一変している。
そこにあったはずのガラスのドームは粉々に砕け散り、草木は枯れ果て、花々は腐り落ち、見た事のないウネウネとした奇妙な寄生植物がそこら中に蔓延っているのだ。
周囲を流れる水は黒く染まり、そこにいたはずの蝶は全て息耐えて地面に落ち、白いカビの温床となっていた。
そして、そんな死の庭園の中心に、彼らはいた。
倒れているミルクと、その隣に佇む小さな影……、生贄用の黄金のミイラ姿のままのチャイロだ。
すぐ側の地面には、轟々と止めどなく煙が噴出し続ける、歪な形の巨大な穴が空いていた。
爆音と揺れが収まり、ゆっくりと立ち上がる俺。
周りのみんなも、緊張した面持ちで辺りを見渡している。
しかし、これといって特に異変は見当たらない。
だけど……
ゾワゾワ~
ゾワゾワゾワ~
身体中を、あのゾワゾワ~が襲い続けている。
なんていうかこう、引いては返す波が押し寄せるような、そんな感じだ。
なんだか、とてつもなく嫌な予感がする。
「モッモ君、感じるか?」
声を掛けてきたのはゼンイだ。
その視線は真っ直ぐに、扉の外へと向けられている。
「ゼンイもなの? なんか、ゾワゾワ~って」
「精霊を召喚出来る君も感じているのならば、やはりこれは霊力の波。この王宮の何処かで、誰かが、とてつもない霊力を放ったんだ」
「誰かって……。霊力は、精霊か精霊召喚師にしかないものなんだよね?」
「そうだ。だからこれは、恐らくミルクのものだ」
「ミルクの? だとしたら……」
俺は頭をフル回転させて、現状何が起きているのかを、理解しようとする。
消えたチャイロことイグと、行方知れずのミルク。
イグは、金山の中に捕らえられている、友である蛾神モシューラを救うと言っていた。
ロリアンは、邪神と化したモシューラを捕らえた神殿の封印を解く鍵は、精霊召喚師が持つ霊力だと言っていた。
そしてミルクは精霊召喚師……、つまり、霊力を持っている。
「やばい……、絶対やばいよ……。イグは、ミルクの力を使って、封印を解くつもりなんだ。邪神モシューラを、外に出すつもりなんだよ!」
俺の言葉に、ゼンイは目を見開いた。
「邪神だとっ!? まさかそんな……、この国には、邪神が存在するのかっ!??」
おぉっとぉお~っ!?
そっから説明しなきゃ駄目かいっ!??
あんた、悪魔にも気付かなかったし、案外何にも知らないのねっ!!??
「ポポッ!? 邪神とはいったい、どういう事ポねっ!??」
俺とゼンイの会話を聞き、驚いたのは近くにいたノリリアだ。
ノリリアもかぁあっ!?
てか何も知らないのは隠してた俺達のせいだよね、ごめんっ!!
けど、けど……、今はのんびり説明している場合じゃない気がするぞぉっ!??
「このリザドーニャ王国には、古くから蛾神モシューラが存在していたの。けれど五百年前、ロリアンさんが邪神と化しているモシューラに気付いて、当時の国王の協力の元、このピラミッド内に封印したらしいのよ。その封印を解く鍵となるのが、精霊召喚師が持つ霊力なの」
グレコが、めちゃくちゃ分かりやすくみんなに説明してくれた!
さすがグレコ!! グッジョブッ!!!
「じゃあ、先程から感じるこの波動はやはり、誰かの霊力……?」
マシコットがボソッと呟いた。
そういやあんたも半分精霊だったわね!?
あんたも感じていたのね、このゾワゾワ~を!!?
「モッモ、何か心当たりはねぇのか? このピラミッド内に邪神が封印されてんのは分かってんだ。後はその封印が施された場所、つまり神殿に繋がる扉がどっかにあるはずなんだよ。その扉がどこにあるか、思い当たる場所はねぇか??」
カービィに問い掛けられて、俺は戸惑う。
「そんな、扉なんて……、どこにあるんだか、僕には……」
するとカサチョが、短い顎に手を当ててこう言った。
「例えばでござるが……。邪神なる者は、その体から瘴気と呼ばれる悪気を放つと言われているでござる。強力なものならばまだしも、封印されているとなればそれは微々たるものとなり、常人は到底気付かぬはず。故に、邪神が封印されし土地に住まう者達は、知らぬ間に体を侵され、病が流行る原因にもなると……。しかしながら、神の力を持つ者には、それを感じ取る能力があると聞いた事があるでござる。それは煙の如き黒であったり、毒のような紫色であったり、時には腐物の如き悪臭を放つのだとか……。モッモ、何か思い当たる節はござらんか?」
えっ!? 何っ!??
説明が長いし、カサチョの話し方、いつも分かりにくいんだよっ!!!
「しょ、瘴気? 何それ?? 僕にはそんなもの、分か、ら……、な……、はぁあっ!?」
俺は、瞬間的に思い出していた。
地面から立ち昇る、あの黒い煙を。
おぉっ!? 思い当たる節ぃっ!!?
一箇所だけあるぞぉおっ!!!
「もももっ!? もしかしたらっ!! 中庭かもっ!!?」
声を震わせて、俺は叫んだ。
王宮の中央にある、あの美しい中庭。
その地面からは、奇妙な黒い煙のような物が漏れ出ていたのではなかったか!?
もしかすると……、いやもしかしなくても、あそこがっ!??
「行こうっ!!!」
声を上げたのはゼンイだ。
ゼンイが駆け出すと共に、俺達も走り出した。
玉座の間を飛び出し、立ち尽くす奴隷達の間を走り、通路を駆け抜けて、真っ直ぐに中庭へと向かう。
階下を見渡せる通路の端まで辿り着いた俺達が目にしたものは、まさしく最悪の事態だった。
「くっ!? 遅かったかっ!!?」
「ポポポッ!? 大変ポォッ!!?」
目の前にあるのは、巨大な、紫色が混じったドス黒い煙の柱だ。
中庭のある階下から空へと向かって、逆流する滝の如く、煙が勢いよく大量に噴出しているのだ。
それは、嗅いだ事のある焦げ臭い臭いと、何にも例え難いヌメヌメとした沼底のヘドロのような、吐き気を催す悪臭を放っている。
煙の中には赤い光を放つ細かな粒子が無数に漂っていて、それが王宮の壁や床にベタベタと付着すると、煌びやかな黄金は一瞬にして真っ黒に変色し、周りを腐蝕し始めた。
ここから見える下階は既に真っ黒で、濃い紫色の煙が充満していた。
「あっ!? あそこっ!!」
グレコが指差す先にあるのは、美しかったはずの中庭だ。
生茂る草木や花々で満たされ、色鮮やかな蝶が舞っていたはずの中庭は、死の庭園へと一変している。
そこにあったはずのガラスのドームは粉々に砕け散り、草木は枯れ果て、花々は腐り落ち、見た事のないウネウネとした奇妙な寄生植物がそこら中に蔓延っているのだ。
周囲を流れる水は黒く染まり、そこにいたはずの蝶は全て息耐えて地面に落ち、白いカビの温床となっていた。
そして、そんな死の庭園の中心に、彼らはいた。
倒れているミルクと、その隣に佇む小さな影……、生贄用の黄金のミイラ姿のままのチャイロだ。
すぐ側の地面には、轟々と止めどなく煙が噴出し続ける、歪な形の巨大な穴が空いていた。
0
お気に入りに追加
493
あなたにおすすめの小説
アスタッテの尻拭い ~割と乗り気な悪役転生~
物太郎
ファンタジー
“彼女”は死後、一枚のカードを手に取った。
そこに書かれていたのは「役:悪役令嬢」。
『いいかい? 君はそこに書かれた君の役目を果たせばいい。失敗すれば死。一つでも取りこぼせば死。分かった?』
彼女を転生させるという謎の少年はそう言った。
アルベラ・ディオールとして転生した彼女は時に頼れる仲間を作り、時に誰かを敵に回し、“悪役令嬢”という役を成し遂げるべく二度目の人生を奔走する。
※「追放」「復讐」主体の話ではありません
※◆=イラストありページ
・「アスタッテ」って何? 転生の目的は何? をさくっと知りたい方は「65話」と「151話」をどうぞ
第一章、怪しいお薬 十歳偏 ―完―
5年後に迎える学園生活&悪役業に備えるべくアルベラは模索する。そんな中、10歳時のヒーロー達と出会ったり、父の領地で売られている怪しげな薬の事を知ったり、町で恐れられてるファミリーと出会ったり……。※少しずつ文章を修正中
第二章、水底に沈む玉 十三歳偏 ―完―
高等学園入学まであと2年。アルベラは行き倒れの奴隷の少年を見つける。それから少しして魔族の奴隷も拾い……。
彼らの出会いとアルベラの悪役令嬢としてのクエストが関わり何かが起きる?
第三章、エイヴィの翼 前編 学園入学編
高等学園の入学前に、とある他人種の少女と出会ったアルベラ。少女にもらった地図が切っ掛けで、学園一度目の長期休暇は十日前後の冒険に出ることに。
ヒロインやヒーローとも新たに出会い、自分を転生させた少年とも再会し、アルベラの悪役業も本番に。彼女の賑やかで慌ただし学園生活が始まる。
第三章、エイヴィの翼 後編 一年生長期休暇と冒険編
学園入学後の初の長期休暇。入学前に出会った他人種の少女の里観光を口実に、手に入れた地図を辿りお宝探しへ。その先でアルベラ達一行はダークエルフの双子の企てに巻き込まれる事に。
吸血鬼公爵に嫁いだ私は血を吸われることもなく、もふもふ堪能しながら溺愛されまくってます
リオール
恋愛
吸血鬼公爵に嫁ぐこととなったフィーリアラはとても嬉しかった。
金を食い潰すだけの両親に妹。売り飛ばすような形で自分を嫁に出そうとする家族にウンザリ!
おまけに婚約者と妹の裏切りも発覚。こんな連中はこっちから捨ててやる!と家を出たのはいいけれど。
逃げるつもりが逃げれなくて恐る恐る吸血鬼の元へと嫁ぐのだった。
結果、血なんて吸われることもなく、吸血鬼公爵にひたすら愛されて愛されて溺愛されてイチャイチャしちゃって。
いつの間にか実家にざまぁしてました。
そんなイチャラブざまぁコメディ?なお話しです。R15は保険です。
=====
2020/12月某日
第二部を執筆中でしたが、続きが書けそうにないので、一旦非公開にして第一部で完結と致しました。
楽しみにしていただいてた方、申し訳ありません。
また何かの形で公開出来たらいいのですが…完全に未定です。
お読みいただきありがとうございました。
優秀な姉の添え物でしかない私を必要としてくれたのは、優しい勇者様でした ~病弱だった少女は異世界で恩返しの旅に出る~
日之影ソラ
ファンタジー
前世では病弱で、生涯のほとんどを病室で過ごした少女がいた。彼女は死を迎える直前、神様に願った。
もしも来世があるのなら、今度は私が誰かを支えられるような人間になりたい。見知らぬ誰かの優しさが、病に苦しむ自分を支えてくれたように。
そして彼女は貴族の令嬢ミモザとして生まれ変わった。非凡な姉と比べられ、常に見下されながらも、自分にやれることを精一杯取り組み、他人を支えることに人生をかけた。
誰かのために生きたい。その想いに嘘はない。けれど……本当にこれでいいのか?
そんな疑問に答えをくれたのは、平和な時代に生まれた勇者様だった。
愛されない花嫁は初夜を一人で過ごす
リオール
恋愛
「俺はお前を妻と思わないし愛する事もない」
夫となったバジルはそう言って部屋を出て行った。妻となったアルビナは、初夜を一人で過ごすこととなる。
後に夫から聞かされた衝撃の事実。
アルビナは夫への復讐に、静かに心を燃やすのだった。
※シリアスです。
※ざまあが行き過ぎ・過剰だといったご意見を頂戴しております。年齢制限は設定しておりませんが、お読みになる場合は自己責任でお願い致します。
【完結】聖女が世界を呪う時
リオール
恋愛
【聖女が世界を呪う時】
国にいいように使われている聖女が、突如いわれなき罪で処刑を言い渡される
その時聖女は終わりを与える神に感謝し、自分に冷たい世界を呪う
※約一万文字のショートショートです
※他サイトでも掲載中
冷徹女王の中身はモノグサ少女でした ~魔女に呪われ国を奪われた私ですが、復讐とか面倒なのでのんびりセカンドライフを目指します~
日之影ソラ
ファンタジー
タイトル統一しました!
小説家になろうにて先行公開中
https://ncode.syosetu.com/n5925iz/
残虐非道の鬼女王。若くして女王になったアリエルは、自国を導き反映させるため、あらゆる手段を尽くした。時に非道とも言える手段を使ったことから、一部の人間からは情の通じない王として恐れられている。しかし彼女のおかげで王国は繁栄し、王国の人々に支持されていた。
だが、そんな彼女の内心は、女王になんてなりたくなかったと嘆いている。前世では一般人だった彼女は、ぐーたらと自由に生きることが夢だった。そんな夢は叶わず、人々に求められるまま女王として振る舞う。
そんなある日、目が覚めると彼女は少女になっていた。
実の姉が魔女と結託し、アリエルを陥れようとしたのだ。女王の地位を奪われたアリエルは復讐を決意……なーんてするわけもなく!
ちょうどいい機会だし、このままセカンドライフを送ろう!
彼女はむしろ喜んだ。
没落した元名門貴族の令嬢は、馬鹿にしてきた人たちを見返すため王子の騎士を目指します!
日之影ソラ
ファンタジー
かつては騎士の名門と呼ばれたブレイブ公爵家は、代々王族の専属護衛を任されていた。
しかし数世代前から優秀な騎士が生まれず、ついに専属護衛の任を解かれてしまう。それ以降も目立った活躍はなく、貴族としての地位や立場は薄れて行く。
ブレイブ家の長女として生まれたミスティアは、才能がないながらも剣士として研鑽をつみ、騎士となった父の背中を見て育った。彼女は父を尊敬していたが、周囲の目は冷ややかであり、落ちぶれた騎士の一族と馬鹿にされてしまう。
そんなある日、父が戦場で命を落としてしまった。残されたのは母も病に倒れ、ついにはミスティア一人になってしまう。土地、お金、人、多くを失ってしまったミスティアは、亡き両親の想いを受け継ぎ、再びブレイブ家を最高の騎士の名家にするため、第一王子の護衛騎士になることを決意する。
こちらの作品の連載版です。
https://ncode.syosetu.com/n8177jc/
最弱テイマーの成り上がり~役立たずテイマーは実は神獣を従える【神獣使い】でした。今更戻ってこいと言われてももう遅い~
平山和人
ファンタジー
Sランクパーティーに所属するテイマーのカイトは使えない役立たずだからと追放される。
さらにパーティーの汚点として高難易度ダンジョンに転移され、魔物にカイトを始末させようとする。
魔物に襲われ絶体絶命のピンチをむかえたカイトは、秘められた【神獣使い】の力を覚醒させる。
神に匹敵する力を持つ神獣と契約することでスキルをゲット。さらにフェンリルと契約し、最強となる。
その一方で、パーティーメンバーたちは、カイトを追放したことで没落の道を歩むことになるのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる