54 / 87
2章
54
しおりを挟む
ギィの目がギラギラして噛みつくようなキスをされたところで俺の腹の虫が限界を訴えて、ギィはしぶしぶキスをやめた。
「先に食事にしよう。食事で魔力を補充して、続きはまた後でな」
いっぱい魔力減ったしな。って、体液に魔力が多く含まれるからってことですね。
確かに何度も出しましたけど!
恥ずかしくてベッドに倒れこんだ俺のおでこに笑いながらキスをしてギィが身軽に立ち上がる。
「ギ、ギィ…服、服着て…」
「ベッドで食べるならこのままでいいんじゃないか?」
「ソファのとこで食べようよ」
このままベッドで食べたらなんか色々困った展開になりそうな気がプンプンするから、ご飯はちゃんと服を着て起きて食べる。
ギィはズボンだけ履いて、俺はパジャマのシャツを着て、ご飯だ!
ソファ前の床に直接座ってローテーブルの上の料理を物色していると、ギィも床に座って胡坐の中に俺を抱き込んできた。
「…食べにくくない?」
「問題ない。カイトが食べさせてくれてもいいんだぞ?」
「はぃはぃ」
照れくさくて流すような返事をしたけど耳が熱いからバレバレだろうな。
「じゃあ、俺が食べさせてやろう」
ギィが指でお肉をつまみ上げて俺の口に運んでくる。
そんなことするなら俺だって。
ギィの指ごと口に入れてゆっくり指を舐めるようにお肉を受け取り、指先をちょっと吸って口を離した。
どうだ。俺が思うちょっとエロい感じは!
お肉を噛みながら見上げたギィは、今にも俺を齧りそうな雰囲気で俺を凝視していた。
…想像以上に効果が出てしまったようだ…
「お肉、アンナさんとこのだね。おいしい!」
「はぁー…後で覚えてろよ。
ギルドにカイトの休みを伝えに行ったときに寄って来たんだ。カイトはここの料理が好きだろう?」
「アンナさんとこのお肉は食べやすいんだよね。どういう調理方法なのかは教えてもらえないんだけど」
「そういえば、ダスが食堂にミルクにいれるシロップを置くって言ってたぞ。そのうち色んな味が飲めるようになるんじゃないか?」
「本当に!?うれしいなー。苺味あるかなぁー」
いつもは部屋に2人でいてもこんなにくっついていることはないけど、今日はなんだか離れがたくてギィに凭れて後ろ頭を擦り付ける。ギィの雰囲気もいつもよりずっと甘い気がする。
今なら聞けるかな。
「ねぇ、ギィ。ギィはずっと宿を取ってるの?」
「ん?そうだな。依頼で移動することも多いがよほど長期でない限りここの部屋は取ったままだな」
「依頼で他の町に行ってもここに帰ってくるってこと?」
「そうだな。今はカイトもいるしな。カイトが他に移動したいのであればここは引き払うぞ?」
「ううん。俺はエリカがいい。ここから出かけて行ってここに帰ってくるのにずっと宿なの?家を借りたりはしないの?」
「家…。カイトは家が欲しいのか?」
「欲しいっていうか、俺がいたとこでは皆家があって、宿は日帰りできないときにだけ泊まるところだったから。昨日ギルド長にホームのこと聞いて、ここに帰ってくるなら拠点を持った方がよさそうなのに宿にしてるのはいつかここに帰ってこなくなるのかな。って思って…」
俺はここがいいから1人で住むことになるのかなって思って。と小さな声で続けた俺をギィはぎゅっと抱きしめてつむじに頬ずりしてきた。
「俺がいるところはカイトの側だと言ったはずだぞ。カイトがここを気に入っているならエリカに家を探すか。家だと風呂も付けれるしな」
「お風呂!いいなー。家だったら自炊もできるかなぁ。折角ハクから習ったのに全然役に立ってないんだよね」
「自炊もできるだろう。一度ギルドに聞いておく。
食事はもういいのか?」
「うん。もうお腹いっぱい。美味しかった!ごちそうさまでした」
「そうか。じゃあ、デザートの時間だな」
なんで俺を抱き上げてベッドに戻すんでしょうか…。
そっと下ろしてギィが覆いかぶさってくる。
「さ、存分に味わってくれ」
デザートはギィってか…。
「先に食事にしよう。食事で魔力を補充して、続きはまた後でな」
いっぱい魔力減ったしな。って、体液に魔力が多く含まれるからってことですね。
確かに何度も出しましたけど!
恥ずかしくてベッドに倒れこんだ俺のおでこに笑いながらキスをしてギィが身軽に立ち上がる。
「ギ、ギィ…服、服着て…」
「ベッドで食べるならこのままでいいんじゃないか?」
「ソファのとこで食べようよ」
このままベッドで食べたらなんか色々困った展開になりそうな気がプンプンするから、ご飯はちゃんと服を着て起きて食べる。
ギィはズボンだけ履いて、俺はパジャマのシャツを着て、ご飯だ!
ソファ前の床に直接座ってローテーブルの上の料理を物色していると、ギィも床に座って胡坐の中に俺を抱き込んできた。
「…食べにくくない?」
「問題ない。カイトが食べさせてくれてもいいんだぞ?」
「はぃはぃ」
照れくさくて流すような返事をしたけど耳が熱いからバレバレだろうな。
「じゃあ、俺が食べさせてやろう」
ギィが指でお肉をつまみ上げて俺の口に運んでくる。
そんなことするなら俺だって。
ギィの指ごと口に入れてゆっくり指を舐めるようにお肉を受け取り、指先をちょっと吸って口を離した。
どうだ。俺が思うちょっとエロい感じは!
お肉を噛みながら見上げたギィは、今にも俺を齧りそうな雰囲気で俺を凝視していた。
…想像以上に効果が出てしまったようだ…
「お肉、アンナさんとこのだね。おいしい!」
「はぁー…後で覚えてろよ。
ギルドにカイトの休みを伝えに行ったときに寄って来たんだ。カイトはここの料理が好きだろう?」
「アンナさんとこのお肉は食べやすいんだよね。どういう調理方法なのかは教えてもらえないんだけど」
「そういえば、ダスが食堂にミルクにいれるシロップを置くって言ってたぞ。そのうち色んな味が飲めるようになるんじゃないか?」
「本当に!?うれしいなー。苺味あるかなぁー」
いつもは部屋に2人でいてもこんなにくっついていることはないけど、今日はなんだか離れがたくてギィに凭れて後ろ頭を擦り付ける。ギィの雰囲気もいつもよりずっと甘い気がする。
今なら聞けるかな。
「ねぇ、ギィ。ギィはずっと宿を取ってるの?」
「ん?そうだな。依頼で移動することも多いがよほど長期でない限りここの部屋は取ったままだな」
「依頼で他の町に行ってもここに帰ってくるってこと?」
「そうだな。今はカイトもいるしな。カイトが他に移動したいのであればここは引き払うぞ?」
「ううん。俺はエリカがいい。ここから出かけて行ってここに帰ってくるのにずっと宿なの?家を借りたりはしないの?」
「家…。カイトは家が欲しいのか?」
「欲しいっていうか、俺がいたとこでは皆家があって、宿は日帰りできないときにだけ泊まるところだったから。昨日ギルド長にホームのこと聞いて、ここに帰ってくるなら拠点を持った方がよさそうなのに宿にしてるのはいつかここに帰ってこなくなるのかな。って思って…」
俺はここがいいから1人で住むことになるのかなって思って。と小さな声で続けた俺をギィはぎゅっと抱きしめてつむじに頬ずりしてきた。
「俺がいるところはカイトの側だと言ったはずだぞ。カイトがここを気に入っているならエリカに家を探すか。家だと風呂も付けれるしな」
「お風呂!いいなー。家だったら自炊もできるかなぁ。折角ハクから習ったのに全然役に立ってないんだよね」
「自炊もできるだろう。一度ギルドに聞いておく。
食事はもういいのか?」
「うん。もうお腹いっぱい。美味しかった!ごちそうさまでした」
「そうか。じゃあ、デザートの時間だな」
なんで俺を抱き上げてベッドに戻すんでしょうか…。
そっと下ろしてギィが覆いかぶさってくる。
「さ、存分に味わってくれ」
デザートはギィってか…。
6
お気に入りに追加
703
あなたにおすすめの小説
一宿一飯の恩義で竜伯爵様に抱かれたら、なぜか監禁されちゃいました!
当麻月菜
恋愛
宮坂 朱音(みやさか あかね)は、電車に跳ねられる寸前に異世界転移した。そして異世界人を保護する役目を担う竜伯爵の元でお世話になることになった。
しかしある日の晩、竜伯爵当主であり、朱音の保護者であり、ひそかに恋心を抱いているデュアロスが瀕死の状態で屋敷に戻ってきた。
彼は強い媚薬を盛られて苦しんでいたのだ。
このまま一晩ナニをしなければ、死んでしまうと知って、朱音は一宿一飯の恩義と、淡い恋心からデュアロスにその身を捧げた。
しかしそこから、なぜだかわからないけれど監禁生活が始まってしまい……。
好きだからこそ身を捧げた異世界女性と、強い覚悟を持って異世界女性を抱いた男が異世界婚をするまでの、しょーもないアレコレですれ違う二人の恋のおはなし。
※いつもコメントありがとうございます!現在、返信が遅れて申し訳ありません(o*。_。)oペコッ 甘口も辛口もどれもありがたく読ませていただいてます(*´ω`*)
※他のサイトにも重複投稿しています。
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました
タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。
クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。
死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。
「ここは天国ではなく魔界です」
天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。
「至上様、私に接吻を」
「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」
何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?
主人公の兄になったなんて知らない
さつき
BL
レインは知らない弟があるゲームの主人公だったという事を
レインは知らないゲームでは自分が登場しなかった事を
レインは知らない自分が神に愛されている事を
表紙イラストは マサキさんの「キミの世界メーカー」で作成してお借りしています⬇ https://picrew.me/image_maker/54346
ちっちゃくなった俺の異世界攻略
鮨海
ファンタジー
あるとき神の采配により異世界へ行くことを決意した高校生の大輝は……ちっちゃくなってしまっていた!
精霊と神様からの贈り物、そして大輝の力が試される異世界の大冒険?が幕を開ける!
勇者の股間触ったらエライことになった
ベータヴィレッジ 現実沈殿村落
BL
勇者さんが町にやってきた。
町の人は道の両脇で壁を作って、通り過ぎる勇者さんに手を振っていた。
オレは何となく勇者さんの股間を触ってみたんだけど、なんかヤバイことになっちゃったみたい。
雪狐 氷の王子は番の黒豹騎士に溺愛される
Noah
BL
【祝・書籍化!!!】令和3年5月11日(木)
読者の皆様のおかげです。ありがとうございます!!
黒猫を庇って派手に死んだら、白いふわもこに転生していた。
死を望むほど過酷な奴隷からスタートの異世界生活。
闇オークションで競り落とされてから獣人の国の王族の養子に。
そこから都合良く幸せになれるはずも無く、様々な問題がショタ(のちに美青年)に降り注ぐ。
BLよりもファンタジー色の方が濃くなってしまいましたが、最後に何とかBLできました(?)…
連載は令和2年12月13日(日)に完結致しました。
拙い部分の目立つ作品ですが、楽しんで頂けたなら幸いです。
Noah
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる