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2章
45 side ギィ ★
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小さな柔らかい唇を啄む。
上、下と別々に啄んで角度を変えて全体を覆うように口づけてそっと離れる。
口説かせてくれと懇願してキスをして、好きだと伝えてキスをして。見つめ合って顔を寄せると自然と目を閉じてくれるようになった。
嫌がる素振りはない。わからないと言いつつも俺のキスは心地良いと感じてくれてると思いたい。
ソファとテーブルの間に座り込んだままキスを繰り返していたが、そろそろもっと密着したい。
カイトの背中に回した腕に力を入れてもう少し引き寄せる。赤い耳にキスをして、耳たぶの裏の窪みにもキスをする。
抱き返してはくれないがしっかり俺のシャツを握っているのが愛おしい。
「カイト、ベッドへ行こう。ゆっくり寝転んで、少し話しもしよう」
「…ベッド…」
カイトの目が泳いでいる。顔もさっきより赤くなったか?ってことはこの先にどういう事があるかは知ってるってことだな。今日そこまで焦って進める気はないが。
「カイトが望まないことはしない。今日はキスだけだ。カイトが進みたいなら俺は反対しないけどな?」
揶揄うように言うと真っ赤な顔で首を振る。睨んでもかわいいだけだぞ。
「とりあえずこの場所は、俺にはちょっと狭すぎてな…」
「確かにギィには狭いよな。仕方ないから移動する「任せろ」うわっ」
照れを隠すように元気に話すから俺も調子を合わせてカイトを肩に担ぎ上げて荷物の様にベッドに運んだ。
ぽんっとベッドに落として慌てて起き上がろうとするのを許さず、覆いかぶさってカイトの頭を腕で囲い込む。
キスを一つ。
「カイトの初めてのキスは俺が貰ったが、これまで好きになった人はいなかったのか?」
横にずれて寝そべって、自然に腕枕の体勢にもっていく。カイトは…気づいてないな。
「いなかったかな。かわいいと思う子はいたけど別に告白したいとかは思わなかった」
「告白されたことは?」
「あー、中学の卒業式の時に一個下の子から告白されたけど、初めて話した子だったし好きになれるかわからなかったからお礼だけ言ってボタンあげただけで終わった」
「ふむ。卒業式というのは式典か?相手はカイトを知っていたがカイトは知らなかったんだな」
「うん。卒業式は学校が終わる式で次の月から違う学校に行く事になるんだ。だから一個下の子とはもう会わなくなるのになんで今言うんだろうって思った。言っても何もならないのに」
「そうだな。それでもその子はカイトに自分の気持ちを知って欲しかったんだろう。その告白でこうしてカイトの記憶に残っているわけだしな」
妬けるな。と告げてキスをする。
唇の合わせ目を舌でなぞるとカイトの体が小さく撥ねた。
「カイト、口を開けろ」
枕にしていた右腕を曲げてカイトの頭を引き寄せる。左腕は腰から背中に添えてカイトの体を支えながら押さえた。
おずおずと小さく開いた唇の間を舐めて、小さく薄いカイトの舌を優しく啄む。
徐々に深く侵入してカイトの口の中を堪能する。
最初は逃げていた舌も絡めて吸っていたら絡め返してくるようになった。
上口蓋を舌で撫でたらくふんと小さく鼻声が漏れる。
あぁ、かわいい。
俺のキスが気持ちいいってことを覚えてくれ。
「カイト、好きだ」
耳元で囁いて耳朶を齧り首筋にキスを這わす。
「カイト、俺を好きになれ」
また舌を絡めるキスをする。
カイトの体は熱くなって俺に擦り寄ってきた。でもダメだ。きちんとカイトが俺を欲しいと自覚するまでは待たなければ。
快楽に弱い若い体に流されるだけじゃ意味がない。俺が欲しいのはそれだけじゃないんだ。
そっとシャツの裾から手を入れて熱い素肌を味わう。
早く俺に堕ちてこい。
上、下と別々に啄んで角度を変えて全体を覆うように口づけてそっと離れる。
口説かせてくれと懇願してキスをして、好きだと伝えてキスをして。見つめ合って顔を寄せると自然と目を閉じてくれるようになった。
嫌がる素振りはない。わからないと言いつつも俺のキスは心地良いと感じてくれてると思いたい。
ソファとテーブルの間に座り込んだままキスを繰り返していたが、そろそろもっと密着したい。
カイトの背中に回した腕に力を入れてもう少し引き寄せる。赤い耳にキスをして、耳たぶの裏の窪みにもキスをする。
抱き返してはくれないがしっかり俺のシャツを握っているのが愛おしい。
「カイト、ベッドへ行こう。ゆっくり寝転んで、少し話しもしよう」
「…ベッド…」
カイトの目が泳いでいる。顔もさっきより赤くなったか?ってことはこの先にどういう事があるかは知ってるってことだな。今日そこまで焦って進める気はないが。
「カイトが望まないことはしない。今日はキスだけだ。カイトが進みたいなら俺は反対しないけどな?」
揶揄うように言うと真っ赤な顔で首を振る。睨んでもかわいいだけだぞ。
「とりあえずこの場所は、俺にはちょっと狭すぎてな…」
「確かにギィには狭いよな。仕方ないから移動する「任せろ」うわっ」
照れを隠すように元気に話すから俺も調子を合わせてカイトを肩に担ぎ上げて荷物の様にベッドに運んだ。
ぽんっとベッドに落として慌てて起き上がろうとするのを許さず、覆いかぶさってカイトの頭を腕で囲い込む。
キスを一つ。
「カイトの初めてのキスは俺が貰ったが、これまで好きになった人はいなかったのか?」
横にずれて寝そべって、自然に腕枕の体勢にもっていく。カイトは…気づいてないな。
「いなかったかな。かわいいと思う子はいたけど別に告白したいとかは思わなかった」
「告白されたことは?」
「あー、中学の卒業式の時に一個下の子から告白されたけど、初めて話した子だったし好きになれるかわからなかったからお礼だけ言ってボタンあげただけで終わった」
「ふむ。卒業式というのは式典か?相手はカイトを知っていたがカイトは知らなかったんだな」
「うん。卒業式は学校が終わる式で次の月から違う学校に行く事になるんだ。だから一個下の子とはもう会わなくなるのになんで今言うんだろうって思った。言っても何もならないのに」
「そうだな。それでもその子はカイトに自分の気持ちを知って欲しかったんだろう。その告白でこうしてカイトの記憶に残っているわけだしな」
妬けるな。と告げてキスをする。
唇の合わせ目を舌でなぞるとカイトの体が小さく撥ねた。
「カイト、口を開けろ」
枕にしていた右腕を曲げてカイトの頭を引き寄せる。左腕は腰から背中に添えてカイトの体を支えながら押さえた。
おずおずと小さく開いた唇の間を舐めて、小さく薄いカイトの舌を優しく啄む。
徐々に深く侵入してカイトの口の中を堪能する。
最初は逃げていた舌も絡めて吸っていたら絡め返してくるようになった。
上口蓋を舌で撫でたらくふんと小さく鼻声が漏れる。
あぁ、かわいい。
俺のキスが気持ちいいってことを覚えてくれ。
「カイト、好きだ」
耳元で囁いて耳朶を齧り首筋にキスを這わす。
「カイト、俺を好きになれ」
また舌を絡めるキスをする。
カイトの体は熱くなって俺に擦り寄ってきた。でもダメだ。きちんとカイトが俺を欲しいと自覚するまでは待たなければ。
快楽に弱い若い体に流されるだけじゃ意味がない。俺が欲しいのはそれだけじゃないんだ。
そっとシャツの裾から手を入れて熱い素肌を味わう。
早く俺に堕ちてこい。
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