3 / 6
プロローグ
神様はおしゃべり好き
しおりを挟む
「思い出したかのう」
「……うん」
動悸が止まらない。あの痛みがまだ体の中に残っているような気がする。
「なら良かった。良かったのう美少女にキッスなんてしてもらえてを貰えて。まあ、キスに特に意味はないのだがね、やろうと思えばおまじないすらいらないんだが、まあ気分だ。雰囲気だ。神様の気まぐれに感謝するが良い」
神様と名乗る少女の軽快な言葉に少し励まされ、幾分かは落ち着いてきた。しかし置かれている状況が絶望飛び越えて死亡だってことも併せてわかってしまった。
「僕は、僕はこれからどうなるんですか」
「うんうん、いい質問さ。素晴らしい質問さ。極論その質問だけでこのプロローグを終わってもいいくらいいい質問さ。だがここはぐっとこらえて神様の軽快なおしゃべりに少しは付き合ってくれ給えよ。神様も寂しいと感じることだってある。私は君みたいな変わった人担当の神だから他の神様と違って少しはおヒマなのさ」
「あの、もう少し要点を絞って教えていただけると嬉しいのですが」
「なんと!」
神様は驚いたように目を見開いた。お約束のように両手をほっぺたにぺたっと付けている。
「なんとなんと、神様に口答えだと!」
「ああ、すいません! そんなつもりはなかったのですが!」
「口答えなんていつ以来だろう! ああ、私は今まで人間と会話をしているという実感が湧いたよ。ここにくるにんげんたちはひどく衰弱しきってたり物言わぬ絶望に打ちひしがれている人たちばかりだからね。君みたいな人は久しぶりだよ。もっと会話をしよう、もっとおしゃべりを楽しもう。好きな人を恥ずかしながら打ち明けたり、夜通し女の子のエロいところを語り合ったりしよう!」
「いや、そんなことしませんよ。修学旅行じゃないんですから」
「おっほうーう!」
神様は文字そのままにおっほーうと言った。テンションの高い人である。いや、神様か。
「いいねいいね、ボケとツッコミこれは人類が生み出した会話の美学! 私も人類の叡智に足を踏み入れたと思おうと鼻が高いよ。素晴らしいことさね。もうこのまま僕と君の会話でこのお話続けていかないかい? プロローグが本篇
なんて新しくていいと思わないかい? タイトル詐欺なんて上等さ、だいたいこんな素人が描いた作品を誰が見るのさ。作者は大学ニートのクズ野郎だよ? そんなやつが書く作品よりも私の流れるようなセリフを堪能していた方が読者も喜ぶと思わないかい? 思うだろう?」
「さっきから全然話が進んでないんですけど、僕はこれからどうなるんですか?」
「まあまあ、先を急ぐんじゃない、若者。若者には時間があるじゃないか。まあ、君にはないんだがね、死んでしまったもの! あーはっはっはっは!」
「あの! 質問に答えてくれると嬉しいんですが」
「では答えるとしようか。だがここで一旦切るとしよう。長すぎると読者が読む気をなくしてしまうからね。次がプロローグが最後の節さ。しーゆーあげいん!」
「ちょっと、さっきからプロローグとか読者とか一体何を言ーー
「……うん」
動悸が止まらない。あの痛みがまだ体の中に残っているような気がする。
「なら良かった。良かったのう美少女にキッスなんてしてもらえてを貰えて。まあ、キスに特に意味はないのだがね、やろうと思えばおまじないすらいらないんだが、まあ気分だ。雰囲気だ。神様の気まぐれに感謝するが良い」
神様と名乗る少女の軽快な言葉に少し励まされ、幾分かは落ち着いてきた。しかし置かれている状況が絶望飛び越えて死亡だってことも併せてわかってしまった。
「僕は、僕はこれからどうなるんですか」
「うんうん、いい質問さ。素晴らしい質問さ。極論その質問だけでこのプロローグを終わってもいいくらいいい質問さ。だがここはぐっとこらえて神様の軽快なおしゃべりに少しは付き合ってくれ給えよ。神様も寂しいと感じることだってある。私は君みたいな変わった人担当の神だから他の神様と違って少しはおヒマなのさ」
「あの、もう少し要点を絞って教えていただけると嬉しいのですが」
「なんと!」
神様は驚いたように目を見開いた。お約束のように両手をほっぺたにぺたっと付けている。
「なんとなんと、神様に口答えだと!」
「ああ、すいません! そんなつもりはなかったのですが!」
「口答えなんていつ以来だろう! ああ、私は今まで人間と会話をしているという実感が湧いたよ。ここにくるにんげんたちはひどく衰弱しきってたり物言わぬ絶望に打ちひしがれている人たちばかりだからね。君みたいな人は久しぶりだよ。もっと会話をしよう、もっとおしゃべりを楽しもう。好きな人を恥ずかしながら打ち明けたり、夜通し女の子のエロいところを語り合ったりしよう!」
「いや、そんなことしませんよ。修学旅行じゃないんですから」
「おっほうーう!」
神様は文字そのままにおっほーうと言った。テンションの高い人である。いや、神様か。
「いいねいいね、ボケとツッコミこれは人類が生み出した会話の美学! 私も人類の叡智に足を踏み入れたと思おうと鼻が高いよ。素晴らしいことさね。もうこのまま僕と君の会話でこのお話続けていかないかい? プロローグが本篇
なんて新しくていいと思わないかい? タイトル詐欺なんて上等さ、だいたいこんな素人が描いた作品を誰が見るのさ。作者は大学ニートのクズ野郎だよ? そんなやつが書く作品よりも私の流れるようなセリフを堪能していた方が読者も喜ぶと思わないかい? 思うだろう?」
「さっきから全然話が進んでないんですけど、僕はこれからどうなるんですか?」
「まあまあ、先を急ぐんじゃない、若者。若者には時間があるじゃないか。まあ、君にはないんだがね、死んでしまったもの! あーはっはっはっは!」
「あの! 質問に答えてくれると嬉しいんですが」
「では答えるとしようか。だがここで一旦切るとしよう。長すぎると読者が読む気をなくしてしまうからね。次がプロローグが最後の節さ。しーゆーあげいん!」
「ちょっと、さっきからプロローグとか読者とか一体何を言ーー
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
《勘違い》で婚約破棄された令嬢は失意のうちに自殺しました。
友坂 悠
ファンタジー
「婚約を考え直そう」
貴族院の卒業パーティーの会場で、婚約者フリードよりそう告げられたエルザ。
「それは、婚約を破棄されるとそういうことなのでしょうか?」
耳を疑いそう聞き返すも、
「君も、その方が良いのだろう?」
苦虫を噛み潰すように、そう吐き出すフリードに。
全てに絶望し、失意のうちに自死を選ぶエルザ。
絶景と評判の観光地でありながら、自殺の名所としても知られる断崖絶壁から飛び降りた彼女。
だったのですが。
おばさん、異世界転生して無双する(꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆オラオラオラオラ
Crosis
ファンタジー
新たな世界で新たな人生を_(:3 」∠)_
【残酷な描写タグ等は一応保険の為です】
後悔ばかりの人生だった高柳美里(40歳)は、ある日突然唯一の趣味と言って良いVRMMOのゲームデータを引き継いだ状態で異世界へと転移する。
目の前には心血とお金と時間を捧げて作り育てたCPUキャラクター達。
そして若返った自分の身体。
美男美女、様々な種族の|子供達《CPUキャラクター》とアイテムに天空城。
これでワクワクしない方が嘘である。
そして転移した世界が異世界であると気付いた高柳美里は今度こそ後悔しない人生を謳歌すると決意するのであった。
生まれ変わり大魔法使いの自由気まま生活?いえ、生きる為には、働かなくてはいけません。
光子
ファンタジー
昔むかしーーそう遠くない50年程前まで、この世界は魔王に襲われ、人類は滅亡の一手を辿っていた。
だが、そんな世界を救ったのが、大魔法使い《サクラ》だった。
彼女は、命をかけて魔王を封印し、世界を救った。
ーーーそれから50年後。
「……あ、思い出した」
すっかり平和になった世界。
その世界で、貧乏家庭で育った5人兄弟姉妹の真ん中《ヒナキ》は、財政難な家族を救う為、貴族様達金持ちが多く通う超一流学校に、就職に有利な魔法使いになる為に入学を決意!
女子生徒達の過度な嫌がらせや、王子様の意地悪で生意気な態度をスルーしつつ懸命に魔法の勉学に励んでいたら、ある日突然、前世の記憶が蘇った。
そう。私の前世は、大魔法使いサクラ。
もし生まれ変わったらなら、私が取り戻した平和を堪能するために、自由気ままな生活をしよう!そう決めていたのに、現実は、生きる為には、お金が必要。そう、働かなきゃならない!
それならせめて、学校生活を楽しみつつ、卒業したらホワイトな就職先を見付けようと決意を新たに、いつか自由気ままな生活を送れるようになるために、頑張る!
不定期更新していきます。
よろしくお願いします。
婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ!
タヌキ汁
ファンタジー
国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。
これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。
3歳で捨てられた件
玲羅
恋愛
前世の記憶を持つ者が1000人に1人は居る時代。
それゆえに変わった子供扱いをされ、疎まれて捨てられた少女、キャプシーヌ。拾ったのは宰相を務めるフェルナー侯爵。
キャプシーヌの運命が再度変わったのは貴族学院入学後だった。
婚約破棄と領地追放?分かりました、わたしがいなくなった後はせいぜい頑張ってくださいな
カド
ファンタジー
生活の基本から領地経営まで、ほぼ全てを魔石の力に頼ってる世界
魔石の浄化には三日三晩の時間が必要で、この領地ではそれを全部貴族令嬢の主人公が一人でこなしていた
「で、そのわたしを婚約破棄で領地追放なんですね?
それじゃ出ていくから、せいぜいこれからは魔石も頑張って作ってくださいね!」
小さい頃から搾取され続けてきた主人公は 追放=自由と気付く
塔から出た途端、暴走する力に悩まされながらも、幼い時にもらった助言を元に中央の大教会へと向かう
一方で愛玩され続けてきた妹は、今まで通り好きなだけ魔石を使用していくが……
◇◇◇
親による虐待、明確なきょうだい間での差別の描写があります
(『嫌なら読むな』ではなく、『辛い気持ちになりそうな方は無理せず、もし読んで下さる場合はお気をつけて……!』の意味です)
◇◇◇
ようやく一区切りへの目処がついてきました
拙いお話ですがお付き合いいただければ幸いです
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる