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第一章
18. 合コン
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「かんぱーい!」
明るい声と共に、グラスをぶつけ合う音が響いた。
5対5の男子のメンバーは、俺・祥吾・暁人の一年組と、俺は初めましての三年生の先輩が二名だ。暁人に参加させてほしいと、学食で頼み込んできたらしい。
女子大生の女の子達は二年生もしくは三年生ということで少し年上だ。
なぜこの構成になったかといえば、駅前で暁人が逆ナンされたことがきっかけだったとか……。イケメン滅べ!と思いつつ、感謝をしてノンアルをグビグビ飲んだ。
「ねぇ、間宮くんだっけ?可愛いねぇ~!身長いくつなの?」
向かいに座るお姉さんにいきなり致命傷になりかねるジャブをくらい、カシスオレンジを吹き出しそうになる。
「163センチですよ」
涼しい顔をして答えたのは、右隣に座っている祥吾だった。
その頭を一発叩いて訂正する。
「165センチです!」
なおも口を開こうとする祥吾の口に、焼き鳥を突っ込んで黙らせる。
すると、お姉さんは声をあげて笑った。
「二人仲良いねぇ!いつから友達なの?」
「新入生ガイダンスの時に、迷子になってたら蒼大が話かけてくれて……」
「えー、蒼大くんやさしいね!」
美人に褒められて悪い気はしない。
鼻高々としていれば、そこへ左隣に座っていた暁人が割り込んできた。
「でも蒼大まで迷子になってるところを、俺が見つけて会場に連れてってあげたんだよ」
ね~♪という口に、野菜スティックのキュウリを捩じ込んだ。
「ちょ、マミちゃん。なんで祥吾には肉で、俺は野菜なのさ」
「うるせぇ。食物繊維とって出直してこいや」
ギャーギャーと言い合いになっていると、斜め向かいのお姉さんが言った。
「暁人くん、お肉食べたいの?焼き鳥追加で注文しようか?」
そうこうしている間に席替えとなり、祥吾の隣は身長を聞いてきたお姉さん。暁人の隣には気の利く焼き鳥のお姉さんが、ちゃっかり隣をゲットしていた。
いつの間にか出来始める陣取り合戦にあえなく撃沈し、俺は一番端の席になってしまう。白く燃え尽きようとしていれば、隣にいた先輩が声をかけてくれた。
「おい、間宮。なんか飲むか?」
有り難くノンアルのカシスオレンジを追加で頼み、つまみをやけ食いする。ムシャムシャと食べていれば、注文を終えた先輩が言った。
「あーあ、結局女子みんな一ノ瀬と栗原狙いじゃんな。やってらんねぇ」
「そうっすね。マジでイケメン滅べばいいと思います」
そう答えれば、先輩に肩を組まれる。
二人でグダグダとぼやいていれば、向かいに座るもう一人の先輩が届いたドリンクを渡してくれた。
「ほら、間宮きたぞ。飲め飲め」
「あざーす!いただきます!」
グイッと一口飲むと、爽やかなオレンジが口に広がる。
しかし、飲み下した瞬間、妙な違和感を感じてグラスを見た。
「ん?これ、なんかー……」
「ほらほら、飲めよ間宮」
肩に回された腕に、強く揺さぶられる。
すぐに気のせいだったかと思い、俺はそのまま先輩達と飲み交わした。
明るい声と共に、グラスをぶつけ合う音が響いた。
5対5の男子のメンバーは、俺・祥吾・暁人の一年組と、俺は初めましての三年生の先輩が二名だ。暁人に参加させてほしいと、学食で頼み込んできたらしい。
女子大生の女の子達は二年生もしくは三年生ということで少し年上だ。
なぜこの構成になったかといえば、駅前で暁人が逆ナンされたことがきっかけだったとか……。イケメン滅べ!と思いつつ、感謝をしてノンアルをグビグビ飲んだ。
「ねぇ、間宮くんだっけ?可愛いねぇ~!身長いくつなの?」
向かいに座るお姉さんにいきなり致命傷になりかねるジャブをくらい、カシスオレンジを吹き出しそうになる。
「163センチですよ」
涼しい顔をして答えたのは、右隣に座っている祥吾だった。
その頭を一発叩いて訂正する。
「165センチです!」
なおも口を開こうとする祥吾の口に、焼き鳥を突っ込んで黙らせる。
すると、お姉さんは声をあげて笑った。
「二人仲良いねぇ!いつから友達なの?」
「新入生ガイダンスの時に、迷子になってたら蒼大が話かけてくれて……」
「えー、蒼大くんやさしいね!」
美人に褒められて悪い気はしない。
鼻高々としていれば、そこへ左隣に座っていた暁人が割り込んできた。
「でも蒼大まで迷子になってるところを、俺が見つけて会場に連れてってあげたんだよ」
ね~♪という口に、野菜スティックのキュウリを捩じ込んだ。
「ちょ、マミちゃん。なんで祥吾には肉で、俺は野菜なのさ」
「うるせぇ。食物繊維とって出直してこいや」
ギャーギャーと言い合いになっていると、斜め向かいのお姉さんが言った。
「暁人くん、お肉食べたいの?焼き鳥追加で注文しようか?」
そうこうしている間に席替えとなり、祥吾の隣は身長を聞いてきたお姉さん。暁人の隣には気の利く焼き鳥のお姉さんが、ちゃっかり隣をゲットしていた。
いつの間にか出来始める陣取り合戦にあえなく撃沈し、俺は一番端の席になってしまう。白く燃え尽きようとしていれば、隣にいた先輩が声をかけてくれた。
「おい、間宮。なんか飲むか?」
有り難くノンアルのカシスオレンジを追加で頼み、つまみをやけ食いする。ムシャムシャと食べていれば、注文を終えた先輩が言った。
「あーあ、結局女子みんな一ノ瀬と栗原狙いじゃんな。やってらんねぇ」
「そうっすね。マジでイケメン滅べばいいと思います」
そう答えれば、先輩に肩を組まれる。
二人でグダグダとぼやいていれば、向かいに座るもう一人の先輩が届いたドリンクを渡してくれた。
「ほら、間宮きたぞ。飲め飲め」
「あざーす!いただきます!」
グイッと一口飲むと、爽やかなオレンジが口に広がる。
しかし、飲み下した瞬間、妙な違和感を感じてグラスを見た。
「ん?これ、なんかー……」
「ほらほら、飲めよ間宮」
肩に回された腕に、強く揺さぶられる。
すぐに気のせいだったかと思い、俺はそのまま先輩達と飲み交わした。
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