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冒険者Dと近隣国
前世の記憶2〜ジャクリーンとダリア
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錬金術師のジャクリーンの本名はサガラと言った。王都の南地区のドランザ商会のドロワ•ドランザの娘だった。
少し人より小柄なところから他人に侮られる事が多かったサガラだったけど記憶力と魔力だけは人より抜きん出ていた。
同じ貴族の子女からは家格が男爵で馬鹿にされてはいたがそれを跳ね返せる頭の良さがあった。貴族学園では常に成績は上位に居たし、魔法でも優秀な成績を修めていたのだ。
けれどそれを妬む伯爵家の令嬢とその取り巻きに虐めを受けて、キレてしまったのだ。
ポーションを作る授業で相手の素材にポーションを毒に変える素材を混ぜたのだ。伯爵家の令嬢はそのポーションを試飲することで身体の中を腐らせて死んだ。
サガラは誰にも見られないようにした積りだったが他の生徒に見られていて告発を受けてしまった。そのせいでサガラは貴族学園を逃げ出した。
そして、父親のドロワは娘の犯した罪のせいで爵位を取り上げられ、商人として再起を謀る羽目になっていた。
昔の知り合いの貴族から目を付けられないようにカイゼル髭を生やし姿まで誤魔化していた。そんな父親の苦労も知らずにサガラは逃げていた。
サガラは身を隠すために魔法で姿形を変えて名前もジャクリーンに変えていた。持ち前の知識で錬金術を独学で学び、一度は冒険者になったが治癒魔導師とは違いコストの高い錬金術だった為に冒険者よりも頼られやすい傭兵に転身した。
幾つかの傭兵団を渡り歩き、『暁燿旅団』に所属することになったのだ。
そしてリーダーのヴォルンタリにテイマーのノルダと多剣のビエラの補佐をするように命令を受けて嫌々ながら貴族のアンナの護衛として同行することになった。
だけどこの仕事でとんでもない体験をして仕舞った。アンナが追っていたディーと言う男の故郷の森に入った時に自分の過去世と言う物を思い出してしまったのだ。
ジャクリーンと名前を変えたサガラの過去世はある侯爵の娘だった。気位が高く身分が人の価値だと断じて伯爵位未満の貴族を馬鹿にしていた。子爵、男爵などは唯の駒だと信じていた。
だから学園の中では談笑しながら歩いて来て自分に敬意を払わないと思った相手にはキツく当たったり、自分の美学に反する者が居れば圧力を掛ける悪徳令嬢だった。
自分に歯向かう者は家格で脅し更には使っている商家からの経済的な圧力は当たり前で潰した男爵家、騎士爵家は片手を越えていた。子爵家なら無理矢理にでも自分の侯爵家の派閥に取り込んでいたのだ。だから、潰されたある騎士爵家の男に襲われて乱暴されて殺されてしまった。相手の騎士爵家の男も自害して果てた。
全てを思い出すことで自分の身勝手さをジャクリーンは自覚してしまったのだ。
ダリア•マルチネスは軽槍を使う『暁燿旅団』の団員で18才になった年齢の事は誰にも言っていない。黒目黒髪で腰まで長い髪、QTとほぼ同じくらいの背丈でありながら細身でとても小顔でスタイルは良い。
マルチネス準男爵家の次女でハサイエル侯爵家の騎士見習いだった。出身は東方にある弓月国の巫女の家系で母親がマジェント共和王国に踊り子として流れ着いた時にホーネット•マルチネスに見初められて出来た子供である。
兄が父の跡目を継ぐ為に騎士団に入ったから女だてらにと呆れられながらもハサイエル侯爵家の騎士見習いになったのだ。もちろん父の騎士姿や兄に憧れたせいだ。
ハサイエル侯爵家の娘アンナが王家の騒動に巻き込まれ姿を消してしまった為にダリアは経験を見込まれて父の知り合いの『暁燿旅団』に入ることになった。それでもアンナを慕い、アンナの行方を探していた。
ひょんなことからQTと知り合い、王都に戻っていたアンナと再会出来た喜びは大きい。いずれは再度アンナの護衛騎士となりたいと考えて今回のディーの捜索の旅に同行し、ディーの故郷の森に入って自分の過去世と向き合う事になってしまった。
ダリアの前世はイギリスの財閥の娘だった。名前をマーガレット•ミネアと言った。
ミネア財閥は世界にアパレルの店舗を沢山持つ企業だった。服飾の勉強の為に日本に来て日本文化に惚れ、アニメに嵌った。
お金に飽かせて沢山のグッズを買い込み、声優のコンサートに行き、ある有名声優に惚れ込んだ。
マーガレットよりも年上の声優に近付く為に実家の財閥を動かし、スポンサーとして知り合いになった。年の差12もあったがマーガレットには少しも気にならなかった。
だがその年上の声優には籍は入れていないが事実上の妻がいた。
マーガレットは浮気相手とされ事実上の妻に痴情の縺れで殺されてしまったのだ。
ダリアは前世を思い出すことで自分が転生者だと知った。アニメでは知っていても自分がそうなるなんて思わなかったのだ。
弓月国の巫女の家系に生まれた事も前世が影響したのかと思わないでは居られなかった。巫女姿は何度も好きなアニメのコスプレでした事があったから因果を感じないでは居られない。
少し人より小柄なところから他人に侮られる事が多かったサガラだったけど記憶力と魔力だけは人より抜きん出ていた。
同じ貴族の子女からは家格が男爵で馬鹿にされてはいたがそれを跳ね返せる頭の良さがあった。貴族学園では常に成績は上位に居たし、魔法でも優秀な成績を修めていたのだ。
けれどそれを妬む伯爵家の令嬢とその取り巻きに虐めを受けて、キレてしまったのだ。
ポーションを作る授業で相手の素材にポーションを毒に変える素材を混ぜたのだ。伯爵家の令嬢はそのポーションを試飲することで身体の中を腐らせて死んだ。
サガラは誰にも見られないようにした積りだったが他の生徒に見られていて告発を受けてしまった。そのせいでサガラは貴族学園を逃げ出した。
そして、父親のドロワは娘の犯した罪のせいで爵位を取り上げられ、商人として再起を謀る羽目になっていた。
昔の知り合いの貴族から目を付けられないようにカイゼル髭を生やし姿まで誤魔化していた。そんな父親の苦労も知らずにサガラは逃げていた。
サガラは身を隠すために魔法で姿形を変えて名前もジャクリーンに変えていた。持ち前の知識で錬金術を独学で学び、一度は冒険者になったが治癒魔導師とは違いコストの高い錬金術だった為に冒険者よりも頼られやすい傭兵に転身した。
幾つかの傭兵団を渡り歩き、『暁燿旅団』に所属することになったのだ。
そしてリーダーのヴォルンタリにテイマーのノルダと多剣のビエラの補佐をするように命令を受けて嫌々ながら貴族のアンナの護衛として同行することになった。
だけどこの仕事でとんでもない体験をして仕舞った。アンナが追っていたディーと言う男の故郷の森に入った時に自分の過去世と言う物を思い出してしまったのだ。
ジャクリーンと名前を変えたサガラの過去世はある侯爵の娘だった。気位が高く身分が人の価値だと断じて伯爵位未満の貴族を馬鹿にしていた。子爵、男爵などは唯の駒だと信じていた。
だから学園の中では談笑しながら歩いて来て自分に敬意を払わないと思った相手にはキツく当たったり、自分の美学に反する者が居れば圧力を掛ける悪徳令嬢だった。
自分に歯向かう者は家格で脅し更には使っている商家からの経済的な圧力は当たり前で潰した男爵家、騎士爵家は片手を越えていた。子爵家なら無理矢理にでも自分の侯爵家の派閥に取り込んでいたのだ。だから、潰されたある騎士爵家の男に襲われて乱暴されて殺されてしまった。相手の騎士爵家の男も自害して果てた。
全てを思い出すことで自分の身勝手さをジャクリーンは自覚してしまったのだ。
ダリア•マルチネスは軽槍を使う『暁燿旅団』の団員で18才になった年齢の事は誰にも言っていない。黒目黒髪で腰まで長い髪、QTとほぼ同じくらいの背丈でありながら細身でとても小顔でスタイルは良い。
マルチネス準男爵家の次女でハサイエル侯爵家の騎士見習いだった。出身は東方にある弓月国の巫女の家系で母親がマジェント共和王国に踊り子として流れ着いた時にホーネット•マルチネスに見初められて出来た子供である。
兄が父の跡目を継ぐ為に騎士団に入ったから女だてらにと呆れられながらもハサイエル侯爵家の騎士見習いになったのだ。もちろん父の騎士姿や兄に憧れたせいだ。
ハサイエル侯爵家の娘アンナが王家の騒動に巻き込まれ姿を消してしまった為にダリアは経験を見込まれて父の知り合いの『暁燿旅団』に入ることになった。それでもアンナを慕い、アンナの行方を探していた。
ひょんなことからQTと知り合い、王都に戻っていたアンナと再会出来た喜びは大きい。いずれは再度アンナの護衛騎士となりたいと考えて今回のディーの捜索の旅に同行し、ディーの故郷の森に入って自分の過去世と向き合う事になってしまった。
ダリアの前世はイギリスの財閥の娘だった。名前をマーガレット•ミネアと言った。
ミネア財閥は世界にアパレルの店舗を沢山持つ企業だった。服飾の勉強の為に日本に来て日本文化に惚れ、アニメに嵌った。
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だがその年上の声優には籍は入れていないが事実上の妻がいた。
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ダリアは前世を思い出すことで自分が転生者だと知った。アニメでは知っていても自分がそうなるなんて思わなかったのだ。
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