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冒険者Dと近隣国
私掠船強奪
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秘密基地を出ても海上スレスレに運航する。
バラナビィーチの港街ラワヴァッツの港湾をゆっくりと進み、漁をする小舟や出港するベラーシの船や入港してくる他国の船を確認していく。見つかると騒ぎになるので出来るだけ遠くからだ。
ランドルトに要望した改造はかなりの点で満足行く状況だ。
航行した範囲を地図化して表示しながら、方角表示が出来る航行ナビシステムを設置したのだ。エアインテイクも魔法世界ならではで吸引している海水を分解して酸素と水素を取り出して見せた。ただし、量は少ない。
呼吸の為には酸素だけが得られれば良い訳では無く、定期的に浮上して空気を取り込む必要があるのだ。敵の居ない所で浮上してエアインテイクして潜水して、魔法によって水から酸素を補充する事で長時間の潜航が可能になったのだ。
敵船の位置把握は音響ソナーが設えられた。ユキの索敵に頼らずに済むように音響の原理を説明しただけで短期間に方向と距離を割り出せる魔導具を生み出して見せたのだ。何処まで優秀なのだろうランドルトは。取り敢えずはこれで充分だ。
アーゾフ海は海とは名前が付いて居るが巨大な湖のようなもので大洋と接する半島は2つの国が港を持っていて出入りを監視しているのだ。その国の一つがバラギア王国、もう一つがオスマン帝国だ。
オスマン帝国は200年程前に起こったイズラームを救国者としたイズラーム宗教を元に生まれた帝国で、専制主義の宗教国家だ。
厳格なアーランと言う聖なる書物の細かな規則に基づいて生活が営まれている。俺には理解不能だが女は目以外を晒してはならんとか道の端を歩けとか、子供に教育を与えてはいけないとか、男の子には戦い方を教えるとか書いてあるらしい。日常の生活の中にイズラームの生家に向かって礼拝を半日ごとにする事になっているらしい。他にも断食をする日にちがあったり、豚や牛を喰ってはいけないようだ。なのに猿や駱駝は喰うのだ。旨いらしいから1度くらい食べてみたいがな。
戒律に反すれば有無も言わせず、男女共身分を問わず殺されるらしいから信徒にはなりたく無いがな。
半島の反対側バラギア王国は何度かオスマン帝国に侵食されながらもこれを押し戻した国だ。侵食されるたびにイズラーム教を押し付けられ、反抗を繰り返しているせいでとんでも無く自由な国だ。
ただし、イズラーム宗教だけは頑として許可されて居ない。何を信じるかは個人に委ねても良いのでは無いかと思うが、オスマン帝国が信徒が居る事を理由に侵略を繰り返すので許可されないそうだ。
貿易や交流から言えばベラーシ王国よりもウクイラナ王国と親交が強い。互いに協力し合ってオスマン帝国を押し戻したりしているのだ。
今はアロシア帝国がウクイラナ王国が侵略を受けているのでバラギア王国が協力しているようだ。
だから、バラギア半島とオスマン半島の間の海峡ダルフネスは船による戦闘の最前線なのだ。ウクイラナ王国の船が出入りする時はバラギア王国の船が護衛するがアロシア帝国の船が出入りする時はオスマン帝国の船が護衛して互いに牽制し合っているらしい。
そんな中でアロシア帝国の物と思われる私掠船が跋扈しているようだ。
私掠船は船速を重視しているのか、やや幅狭で軽量な長さ20m前後、幅5m程度が多いらしい。勿論帆船で風魔法や水魔法のアシストが入るらしい。
商船を襲って荷物を奪えばさっさと撤退すると言う。中には襲っても何も取らずに逃げる事もあって何をしたいのか分からない場合もあるようだ。
つまりは商船の妨害が目的と言う事になる。ウクイラナの商船が恐れて海上輸送をしなければ武器や人員を送れない。それは即ち敗戦となるからだ。
逆に豊富な穀物を輸出して外貨を稼げないとやはり武器や傭兵を雇えず戦えなくなるのだ。
ウクイラナを援助している国はマジェント共和王国だけでなく、アロシア帝国の弱体化を望む国があるのだ。表立って戦っているのはウクイラナ王国とアロシア帝国だが、複数の国の代理戦争でもある。
戦いはまだ1年未満だが、長引けばウクイラナ王国に不利になり、負ければ周辺国に取ってアロシア帝国と直接接する事になり、アロシア帝国の脅威が増す事に直結すると言う事だ。
つまり、此処でおれがアロシア帝国の私掠船から物資を略奪する事はマジェント共和王国の為になると言う事だ。はっははは。
以上が建前だが、船上での戦いは中々に愉快だ。
戦う事を目的にしている訳だから、遠目からアロシア帝国の国旗を掲げている船を見付けて、襲う事にした。
商船はだいたいオスマン帝国の軍船が伴走しているがよっぽどでないと1艘しか居ない。でも私掠船は商船に、見せかけた軍船とコテコテの軍船の2艘らしい事は聞いてある。
私掠船で無くてただの商船でも襲えばアロシア帝国にダメージを与えられるから俺にはどっちでも良いんだがな。わっはははは。
海中を進みながら見つけたアロシア帝国の船は元は白かったらしい商船と少しボロい軍船のペアだった。
大した荷物は運べなそうな商船の大きさだったが最初の獲物としてはまずまずと獲物に決めた。
バラナビィーチの港街ラワヴァッツの港湾をゆっくりと進み、漁をする小舟や出港するベラーシの船や入港してくる他国の船を確認していく。見つかると騒ぎになるので出来るだけ遠くからだ。
ランドルトに要望した改造はかなりの点で満足行く状況だ。
航行した範囲を地図化して表示しながら、方角表示が出来る航行ナビシステムを設置したのだ。エアインテイクも魔法世界ならではで吸引している海水を分解して酸素と水素を取り出して見せた。ただし、量は少ない。
呼吸の為には酸素だけが得られれば良い訳では無く、定期的に浮上して空気を取り込む必要があるのだ。敵の居ない所で浮上してエアインテイクして潜水して、魔法によって水から酸素を補充する事で長時間の潜航が可能になったのだ。
敵船の位置把握は音響ソナーが設えられた。ユキの索敵に頼らずに済むように音響の原理を説明しただけで短期間に方向と距離を割り出せる魔導具を生み出して見せたのだ。何処まで優秀なのだろうランドルトは。取り敢えずはこれで充分だ。
アーゾフ海は海とは名前が付いて居るが巨大な湖のようなもので大洋と接する半島は2つの国が港を持っていて出入りを監視しているのだ。その国の一つがバラギア王国、もう一つがオスマン帝国だ。
オスマン帝国は200年程前に起こったイズラームを救国者としたイズラーム宗教を元に生まれた帝国で、専制主義の宗教国家だ。
厳格なアーランと言う聖なる書物の細かな規則に基づいて生活が営まれている。俺には理解不能だが女は目以外を晒してはならんとか道の端を歩けとか、子供に教育を与えてはいけないとか、男の子には戦い方を教えるとか書いてあるらしい。日常の生活の中にイズラームの生家に向かって礼拝を半日ごとにする事になっているらしい。他にも断食をする日にちがあったり、豚や牛を喰ってはいけないようだ。なのに猿や駱駝は喰うのだ。旨いらしいから1度くらい食べてみたいがな。
戒律に反すれば有無も言わせず、男女共身分を問わず殺されるらしいから信徒にはなりたく無いがな。
半島の反対側バラギア王国は何度かオスマン帝国に侵食されながらもこれを押し戻した国だ。侵食されるたびにイズラーム教を押し付けられ、反抗を繰り返しているせいでとんでも無く自由な国だ。
ただし、イズラーム宗教だけは頑として許可されて居ない。何を信じるかは個人に委ねても良いのでは無いかと思うが、オスマン帝国が信徒が居る事を理由に侵略を繰り返すので許可されないそうだ。
貿易や交流から言えばベラーシ王国よりもウクイラナ王国と親交が強い。互いに協力し合ってオスマン帝国を押し戻したりしているのだ。
今はアロシア帝国がウクイラナ王国が侵略を受けているのでバラギア王国が協力しているようだ。
だから、バラギア半島とオスマン半島の間の海峡ダルフネスは船による戦闘の最前線なのだ。ウクイラナ王国の船が出入りする時はバラギア王国の船が護衛するがアロシア帝国の船が出入りする時はオスマン帝国の船が護衛して互いに牽制し合っているらしい。
そんな中でアロシア帝国の物と思われる私掠船が跋扈しているようだ。
私掠船は船速を重視しているのか、やや幅狭で軽量な長さ20m前後、幅5m程度が多いらしい。勿論帆船で風魔法や水魔法のアシストが入るらしい。
商船を襲って荷物を奪えばさっさと撤退すると言う。中には襲っても何も取らずに逃げる事もあって何をしたいのか分からない場合もあるようだ。
つまりは商船の妨害が目的と言う事になる。ウクイラナの商船が恐れて海上輸送をしなければ武器や人員を送れない。それは即ち敗戦となるからだ。
逆に豊富な穀物を輸出して外貨を稼げないとやはり武器や傭兵を雇えず戦えなくなるのだ。
ウクイラナを援助している国はマジェント共和王国だけでなく、アロシア帝国の弱体化を望む国があるのだ。表立って戦っているのはウクイラナ王国とアロシア帝国だが、複数の国の代理戦争でもある。
戦いはまだ1年未満だが、長引けばウクイラナ王国に不利になり、負ければ周辺国に取ってアロシア帝国と直接接する事になり、アロシア帝国の脅威が増す事に直結すると言う事だ。
つまり、此処でおれがアロシア帝国の私掠船から物資を略奪する事はマジェント共和王国の為になると言う事だ。はっははは。
以上が建前だが、船上での戦いは中々に愉快だ。
戦う事を目的にしている訳だから、遠目からアロシア帝国の国旗を掲げている船を見付けて、襲う事にした。
商船はだいたいオスマン帝国の軍船が伴走しているがよっぽどでないと1艘しか居ない。でも私掠船は商船に、見せかけた軍船とコテコテの軍船の2艘らしい事は聞いてある。
私掠船で無くてただの商船でも襲えばアロシア帝国にダメージを与えられるから俺にはどっちでも良いんだがな。わっはははは。
海中を進みながら見つけたアロシア帝国の船は元は白かったらしい商船と少しボロい軍船のペアだった。
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