37 / 154
王都のQT
キュウの仕事ー大工仕事と狩り
しおりを挟む
棟梁のドルトルさんのところの大工の仕事は順調に進む。
キュウの仕事は煉瓦積みが主だが、木材の運搬も熟せる事が分かると手伝う様になった。
棟梁のドルトルさんの動きやスキルを『まねまね』したり、ダイワ、セキスの木材加工技術を『まねまね』することでどんどん上手になっていくのがQTにも分かった。
何事も経験だねとの弁はヨハンナさんだ。Dはあたしの固有スキル『まねまね』に興味があるらしく、スキルチェックは毎日して、変化があったら教えろと言われている。何かを期待しているようにも思えた。
午後からのパーティ破軍の星のお手伝いも楽しい。
時間が多くないので西の魔森でも浅い所でしか狩りをしないけど、もっと馴れたら深い所まで行くからとローリエに言われている。
狩るのは主にグレイベアかグレイウルフである。グレイベアからは魔石の他、肉や毛皮が素材として取れる。グレイウルフは肉が旨くないので魔石と毛皮である。
解体をメンバーのみんなから習うが人によって手順か違ったり、何処を重視しているか分かる。
クレソンは魔法使いらしく、魔石は丁寧に綺麗に取り出して欲しいと言う。ベルクはお肉が好きらしく解体時の血抜きは厳重に、丁寧にする。
ローリエは素早さを優先し、多少雑でも良いとも言うのだ。急ぎの時は解体すらしなくて良いと言うのだ。
Dの様に空間倉庫が使えれば凄く便利そうだが、どうにも『まねまね』出来る気がしない。他にもローリエから教えて貰った『収納』なる魔法があるらしいが見たことが無いので『まねまね』出来なくて残念と思う。
そんな充実した数日を過ごして10日程で大工の仕事が完了した。
出来た家は2階建ての魔導具の雑貨屋である。1階はお店で2階が居住空間だ。
完成時に注文主さんにあったが凄く裕福そうな人だが、目が細く抜け目無さそうに見えた。まぁ、あたしには関係無いけど。
午前の仕事が終わったから、破軍の星だけの仕事に移行するかと思えたが、ヨハンナさんはあたしのランクがD級になるまでは駄目だと言う。これはDからも注意されていると言うのだ。
破軍の星のみんなも残念がっていたが、あたしが参加してから魔森の浅い場所でもそれなりの狩りが出来ていることで収入が安定したので余り文句は無いようだ。
ヨハンナさんからはあと半月程度はE級で頑張らないと進級は無理と言われている。
それで次にヨハンナさんから指示された街中の依頼は商業ギルドのお手伝いだった。荷物や手紙の配達が主な仕事である。
王都東地区冒険者ギルドの筆頭受付嬢ランさんからの手紙を王都東地区商業ギルドのギルドマスターのドネツクさんに渡す事から始まった。
ドネツクさんはさん付けで呼びたくないような人物だった。身長は低く、ハゲデブだった。しかも目つきが嫌らしい。
あたしみたいな貧相な身体でさえ舐めるように見てくるのは下心ありありだろう。渡した手紙を胡乱な目で見て、こういったのだ。
「で、本当に使い物になんのかよ、オメェ!」
グダグダ文句を言いつつ、配送係のソーロさんの所に連れていき、新しい手伝いだと紹介して、さっさと居なくなった。
居なくて返って安心出来た。
配送係のソーロさんはちょっと痩せ気味で気の弱そうな小声の人だった。
商業ギルドでは加入している商人同士の連絡や簡単な物品の受け渡しをしている。これは王都に店を構えている商人だけに向けたサービスらしく、露店や屋台などの人や都市間の移動商人には与えられて居ない。その分年会費が高いようだ。金額は知らないが。
配送係のソーロさんに依ると物量そのものは余り多くないが商人と店の場所を覚えるのが大変なのだと言う。他の商業ギルドから人材が来るまでの繋として冒険者ギルドに依頼したらしい。
期間はほぼ半月であたしの条件にも当て嵌まったらしい。
最初に受けたのは手紙で王都全域の商人に対する連絡物だった。与えられたカバンに満杯の手紙と商人リストを渡された。商人の数は78人。期間は2日と余り時間が無い。
商人リストには商人の名前と王都の住所が書かれている。かなり重要なリストで無くしたら金貨5枚の罰金らしい。
受け取るにも手が震える程だった。
最初はアンリさんの『ヨロコビ』という名前の花屋さんだった。行ってみるとあの大工の仕事をした隣の店だったのは偶然だろう。
王都内を走り回り、手紙を配り回って、半日で31人迄だった。
昼ごはんを軽く屋台で食べて破軍の星のみんなと合流したけど疲れのせいか、余り狩りも芳しく無かった。
ローリエさん達も心配してくれて早めに狩りを終えた。
このままDの邸宅に帰ろうとも思ったが、配送が半分も満たなかった事が気掛かりでかなり迷った。
迷った末に明日は早くから配送を始める事にした。破軍の星のみんなも無理だったら明日は休んで良いとも言ってくれたからだ。
キュウの仕事は煉瓦積みが主だが、木材の運搬も熟せる事が分かると手伝う様になった。
棟梁のドルトルさんの動きやスキルを『まねまね』したり、ダイワ、セキスの木材加工技術を『まねまね』することでどんどん上手になっていくのがQTにも分かった。
何事も経験だねとの弁はヨハンナさんだ。Dはあたしの固有スキル『まねまね』に興味があるらしく、スキルチェックは毎日して、変化があったら教えろと言われている。何かを期待しているようにも思えた。
午後からのパーティ破軍の星のお手伝いも楽しい。
時間が多くないので西の魔森でも浅い所でしか狩りをしないけど、もっと馴れたら深い所まで行くからとローリエに言われている。
狩るのは主にグレイベアかグレイウルフである。グレイベアからは魔石の他、肉や毛皮が素材として取れる。グレイウルフは肉が旨くないので魔石と毛皮である。
解体をメンバーのみんなから習うが人によって手順か違ったり、何処を重視しているか分かる。
クレソンは魔法使いらしく、魔石は丁寧に綺麗に取り出して欲しいと言う。ベルクはお肉が好きらしく解体時の血抜きは厳重に、丁寧にする。
ローリエは素早さを優先し、多少雑でも良いとも言うのだ。急ぎの時は解体すらしなくて良いと言うのだ。
Dの様に空間倉庫が使えれば凄く便利そうだが、どうにも『まねまね』出来る気がしない。他にもローリエから教えて貰った『収納』なる魔法があるらしいが見たことが無いので『まねまね』出来なくて残念と思う。
そんな充実した数日を過ごして10日程で大工の仕事が完了した。
出来た家は2階建ての魔導具の雑貨屋である。1階はお店で2階が居住空間だ。
完成時に注文主さんにあったが凄く裕福そうな人だが、目が細く抜け目無さそうに見えた。まぁ、あたしには関係無いけど。
午前の仕事が終わったから、破軍の星だけの仕事に移行するかと思えたが、ヨハンナさんはあたしのランクがD級になるまでは駄目だと言う。これはDからも注意されていると言うのだ。
破軍の星のみんなも残念がっていたが、あたしが参加してから魔森の浅い場所でもそれなりの狩りが出来ていることで収入が安定したので余り文句は無いようだ。
ヨハンナさんからはあと半月程度はE級で頑張らないと進級は無理と言われている。
それで次にヨハンナさんから指示された街中の依頼は商業ギルドのお手伝いだった。荷物や手紙の配達が主な仕事である。
王都東地区冒険者ギルドの筆頭受付嬢ランさんからの手紙を王都東地区商業ギルドのギルドマスターのドネツクさんに渡す事から始まった。
ドネツクさんはさん付けで呼びたくないような人物だった。身長は低く、ハゲデブだった。しかも目つきが嫌らしい。
あたしみたいな貧相な身体でさえ舐めるように見てくるのは下心ありありだろう。渡した手紙を胡乱な目で見て、こういったのだ。
「で、本当に使い物になんのかよ、オメェ!」
グダグダ文句を言いつつ、配送係のソーロさんの所に連れていき、新しい手伝いだと紹介して、さっさと居なくなった。
居なくて返って安心出来た。
配送係のソーロさんはちょっと痩せ気味で気の弱そうな小声の人だった。
商業ギルドでは加入している商人同士の連絡や簡単な物品の受け渡しをしている。これは王都に店を構えている商人だけに向けたサービスらしく、露店や屋台などの人や都市間の移動商人には与えられて居ない。その分年会費が高いようだ。金額は知らないが。
配送係のソーロさんに依ると物量そのものは余り多くないが商人と店の場所を覚えるのが大変なのだと言う。他の商業ギルドから人材が来るまでの繋として冒険者ギルドに依頼したらしい。
期間はほぼ半月であたしの条件にも当て嵌まったらしい。
最初に受けたのは手紙で王都全域の商人に対する連絡物だった。与えられたカバンに満杯の手紙と商人リストを渡された。商人の数は78人。期間は2日と余り時間が無い。
商人リストには商人の名前と王都の住所が書かれている。かなり重要なリストで無くしたら金貨5枚の罰金らしい。
受け取るにも手が震える程だった。
最初はアンリさんの『ヨロコビ』という名前の花屋さんだった。行ってみるとあの大工の仕事をした隣の店だったのは偶然だろう。
王都内を走り回り、手紙を配り回って、半日で31人迄だった。
昼ごはんを軽く屋台で食べて破軍の星のみんなと合流したけど疲れのせいか、余り狩りも芳しく無かった。
ローリエさん達も心配してくれて早めに狩りを終えた。
このままDの邸宅に帰ろうとも思ったが、配送が半分も満たなかった事が気掛かりでかなり迷った。
迷った末に明日は早くから配送を始める事にした。破軍の星のみんなも無理だったら明日は休んで良いとも言ってくれたからだ。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
異世界を【創造】【召喚】【付与】で無双します。
FREE
ファンタジー
ブラック企業へ就職して5年…今日も疲れ果て眠りにつく。
目が醒めるとそこは見慣れた部屋ではなかった。
ふと頭に直接聞こえる声。それに俺は火事で死んだことを伝えられ、異世界に転生できると言われる。
異世界、それは剣と魔法が存在するファンタジーな世界。
これは主人公、タイムが神様から選んだスキルで異世界を自由に生きる物語。
*リメイク作品です。
「優秀な妹の相手は疲れるので平凡な姉で妥協したい」なんて言われて、受け入れると思っているんですか?
木山楽斗
恋愛
子爵令嬢であるラルーナは、平凡な令嬢であった。
ただ彼女には一つだけ普通ではない点がある。それは優秀な妹の存在だ。
魔法学園においても入学以来首位を独占している妹は、多くの貴族令息から注目されており、学園内で何度も求婚されていた。
そんな妹が求婚を受け入れたという噂を聞いて、ラルーナは驚いた。
ずっと求婚され続けても断っていた妹を射止めたのか誰なのか、彼女は気になった。そこでラルーナは、自分にも無関係ではないため、その婚約者の元を訪ねてみることにした。
妹の婚約者だと噂される人物と顔を合わせたラルーナは、ひどく不快な気持ちになった。
侯爵家の令息であるその男は、嫌味な人であったからだ。そんな人を婚約者に選ぶなんて信じられない。ラルーナはそう思っていた。
しかし彼女は、すぐに知ることとなった。自分の周りで、不可解なことが起きているということを。
実力を隠して勇者学園を満喫する俺、美人生徒会長に目をつけられたので最強ムーブをかましたい
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング2位獲得作品】
ゼルトル勇者学園に通う少年、西園寺オスカーはかなり変わっている。
学園で、教師をも上回るほどの実力を持っておきながらも、その実力を隠し、他の生徒と同様の、平均的な目立たない存在として振る舞うのだ。
何か実力を隠す特別な理由があるのか。
いや、彼はただ、「かっこよさそう」だから実力を隠す。
そんな中、隣の席の美少女セレナや、生徒会長のアリア、剣術教師であるレイヴンなどは、「西園寺オスカーは何かを隠している」というような疑念を抱き始めるのだった。
貴族出身の傲慢なクラスメイトに、彼と対峙することを選ぶ生徒会〈ガーディアンズ・オブ・ゼルトル〉、さらには魔王まで、西園寺オスカーの前に立ちはだかる。
オスカーはどうやって最強の力を手にしたのか。授業や試験ではどんなムーブをかますのか。彼の実力を知る者は現れるのか。
世界を揺るがす、最強中二病主人公の爆誕を見逃すな!
※小説家になろう、pixivにも投稿中。
※小説家になろうでは最新『勇者祭編』の中盤まで連載中。
家の猫がポーションとってきた。
熊ごろう
ファンタジー
テーブルに置かれた小さな瓶、それにソファーでくつろぐ飼い猫のクロ。それらを前にして俺は頭を抱えていた。
ある日どこからかクロが咥えて持ってきた瓶……その正体がポーションだったのだ。
瓶の処理はさておいて、俺は瓶の出所を探るため出掛けたクロの跡を追うが……ついた先は自宅の庭にある納屋だった。 やったね、自宅のお庭にダンジョン出来たよ!? どういうことなの。
始めはクロと一緒にダラダラとダンジョンに潜っていた俺だが、ある事を切っ掛けに本気でダンジョンの攻略を決意することに……。
イラついた俺は強奪スキルで神からスキルを奪うことにしました。神の力で最強に・・・(旧:学園最強に・・・)
こたろう文庫
ファンタジー
カクヨムにて日間・週間共に総合ランキング1位!
死神が間違えたせいで俺は死んだらしい。俺にそう説明する神は何かと俺をイラつかせる。異世界に転生させるからスキルを選ぶように言われたので、神にイラついていた俺は1回しか使えない強奪スキルを神相手に使ってやった。
閑散とした村に子供として転生した為、強奪したスキルのチート度合いがわからず、学校に入学後も無自覚のまま周りを振り回す僕の話
2作目になります。
まだ読まれてない方はこちらもよろしくおねがいします。
「クラス転移から逃げ出したイジメられっ子、女神に頼まれ渋々異世界転移するが職業[逃亡者]が無能だと処刑される」
モンスターのいない世界で私の作るゴーレムだけがモンスター扱いでした。仲間だけレベルアップさせ巣立たせたら仲間達が世界の頂点に立っちゃいました
覧都
ファンタジー
世界は奴隷が貴族と悪徳商人に支配される、まさに暗黒時代。
一人の転生奴隷少女が、奴隷の解放のため立ち上がります。
使える魔法はゴーレム魔法のみ、ゴーレム魔法の可能性を見いだし、仲間と共に奴隷の解放を目指します。
クラス転移したひきこもり、僕だけシステムがゲームと同じなんですが・・・ログアウトしたら地球に帰れるみたいです
こたろう文庫
ファンタジー
学校をズル休みしてオンラインゲームをプレイするクオンこと斉藤悠人は、登校していなかったのにも関わらずクラス転移させられた。
異世界に来たはずなのに、ステータス画面はさっきやっていたゲームそのもので…。
所詮は他人事と言われたので他人になります!婚約者も親友も見捨てることにした私は好きに生きます!
ユウ
恋愛
辺境伯爵令嬢のリーゼロッテは幼馴染と婚約者に悩まされてきた。
幼馴染で親友であるアグネスは侯爵令嬢であり王太子殿下の婚約者ということもあり幼少期から王命によりサポートを頼まれていた。
婚約者である伯爵家の令息は従妹であるアグネスを大事にするあまり、婚約者であるサリオンも優先するのはアグネスだった。
王太子妃になるアグネスを優先することを了承ていたし、大事な友人と婚約者を愛していたし、尊敬もしていた。
しかしその関係に亀裂が生じたのは一人の女子生徒によるものだった。
貴族でもない平民の少女が特待生としてに入り王太子殿下と懇意だったことでアグネスはきつく当たり、婚約者も同調したのだが、相手は平民の少女。
遠回しに二人を注意するも‥
「所詮あなたは他人だもの!」
「部外者がしゃしゃりでるな!」
十年以上も尽くしてきた二人の心のない言葉に愛想を尽かしたのだ。
「所詮私は他人でしかないので本当の赤の他人になりましょう」
関係を断ったリーゼロッテは国を出て隣国で生きていくことを決めたのだが…
一方リーゼロッテが学園から姿を消したことで二人は王家からも責められ、孤立してしまうのだった。
なんとか学園に連れ戻そうと試みるのだが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる