上 下
4 / 5
本編

よん

しおりを挟む





 ここは乙女ゲームの世界で私はその主人公ヒロイン
 主人公ヒロインは攻略対象と恋愛して幸せにならなきゃいけなくて。
 誰かなんて決められない私はどうせならと逆ハーレムを目指した。のだけど。
 彼らは前世の私が記憶していた彼らとは無視できない違いがあった。
 会長は意中の人と無自覚相思相愛だし、チャラ男はヤンデレストーカー、副会長は片思い中な不憫わんこで、イケメン紳士はとても可愛い女の人、同級生は腹黒策士で、妖しい彼は危ないドMだった。
 あまりにもあんまりな現実に、主人公ヒロインの幸せがどうとかなど霞の如く消えていく。そもそも私は、逆ハーレムなどを作れたとして本当に幸せになれたんだろうか?主人公ヒロインの幸せが私の幸せになりえたのだろうか?

 ああ、私は今まで何をやってたんだろう。
 何も手に入らなかった割に犠牲にしたのはあまりに大きなものだ。
 これが私の望んで行動した結果だとは分かってる。
 けれど。
 いつだって、頭の片隅に囁く声が聞こえていたんだ。

主人公ヒロインじゃない、自分の意思はどこにある?』






「ってことでね!今はぼっちのこの現状なわけなのですよ!!」

 憂い、怒り、嘆き、恐れ、悲しみと限りなく負に近い内情。
 涙混じりにそれら全てをまぜこぜにしながら今までに至るまでを洗いざらいまるっと吐き出した。
 感情の赴くままに滑らせた言葉たちは一段と大きな声で幕を閉じる。握りこぶしのおまけつきで。

 ぜぇぜぇと荒い息を繰り返しながら落ち着けるためにすうはあと大きく深呼吸をした。四、五回と繰り返し最後に盛大に息を吐くと、乱れた呼吸は落ち着いたもの変わる。

 溜め込んでいたものをいっきに吐き出したせいか。ずずっと大きく鼻をすすって流れた涙を拭う今は、いっそ清々しいくらいの気分だ。
 きっと自分が思う以上に今までのこともそれの捌け口が無いことも心の重荷になっていたんだろう。
 時に発散させることも大切なことなんだな、うん。

 そんな風に納得しつつすっきりさっぱり晴々しくなった私とは反対に、聞かされた方はどうかといえば。
 なんとも言えない、苦虫を噛み潰しそこね苦くないがどこか嫌な違和感だけ残る、とでも言いたげな様子が張り付いていた。微妙そうな表情すらイケメンな我がイトコ様は流石である。うむ。

 なんと声をかければいいのか考えあぐねいているようで。壊れた玩具のように口を開いたり閉じたりそんなことを繰り返していたが終いには小さなため息が耳に届いた。どうやら諦めたらしい。

 相も変わらずの電波発言だ。返答に困窮する程度にしか信じてもらえていないのかもしれない。いやむしろ丸きり信じていないのか。しかしまあそれも当然だろう。
 夢見る乙女や分別のつかない幼い子供ならともかく、いい年をした大人がこんなことを信じるはずがない。
 むしろ手放しで信じると言い出したら正気か?と疑いたくなるぐらいである。

 だから信じる信じないはどうでもいいことなのだ。
 それよりも、こんな馬鹿馬鹿しい話を腰を折ることなく最後まで聞いてくれていたことの方が私にとっては大事で。

 話の途中、合間合間にされる相槌は覇気の失われた微妙としか言えないものがされていた。
 そして始終、誤魔化しがきかないくらい口元はぴくぴくと引きつっていた。

 それでもだ。

 じっと私から視線逸らさず耳をかたむけてくれている姿勢は真剣に受け取ってくれようとしているのだとしっかり伝わって。それがどれだけ嬉しかったか。それがどれだけ私の心を軽くしたか。


「イチ兄、聞いてくれてありがとう。あと、心配かけてごめんなさい」

 荒んだ心が穏やかになったのを示すが如くごく自然にこぼれた感謝と謝罪。思ってもいないほど優しい声音をしていて自分でも驚いた。
 しかしその驚きすら心地よい。それを与えてくれた当人は今までの引きつりが嘘のような優しい微笑みに変えてぐりぐりと頭を撫でていく。

 大きくてあたたかいイチ兄の手。
 いつだって慈しむように撫でてくれるその手が子供の頃から大好きだ。
 成長するにつれ、気恥ずかしさがまさって撫でられてもすぐに逃げるようになっていたけれど。
 今日ぐらいはいいだろう。逃げずにちゃんと甘えよう。大好きな大好きなこの手に。イチ兄に。

「私って馬鹿だ」

 親に甘える子猫のように。イチ兄に軽くすりよってみる。
 少し驚いた様子を見せつつも当然のように受け入れてくれるのが嬉しい。

「朝比奈日和は確かに主人公ヒロインだったけど、今の朝比奈日和は私で。主人公ヒロインなんかじゃない。そんなの当たり前なのに。当たり前、だけど、分かってなかった。私は主人公ヒロインだから、恋愛しなきゃって。そう思い込んでて。でも、恋愛するほど誰が好きかなんて分からなくて。だから、みんなと恋愛すればいいやって、馬鹿で極端な選択しちゃって」

 うん、と簡素な相槌が続きを促す。

「でも、別に、そうじゃないのに。私は私で、主人公ヒロインじゃない。攻略対象だって私の知ってるゲームの攻略対象彼らじゃない。そもそもここは、乙女ゲームじゃなくて現実なのに。どんなに似てたってゲームではないのに。だから恋愛しなきゃいけない必要性なんてなかったのに」

 頭を撫でていた手がするりと肩に移り、ぎゅっと抱き寄せられた。
 ふわりと鼻を掠めるのは前に私が好きだと言った香水の匂い。爽やかだが甘くもありイチ兄に似ているとおもった。

「馬鹿な思い込みと馬鹿な選択で、結局は自分の首を絞めてさ。友達できずにこんなとこでぼっち飯しててさ」

 本当、馬鹿だなぁ。
 一人語りの最後にそう呟いた。見事なくらいに自嘲に濡れてていっそ笑えるぐらいだった。
 いや、むしろ笑ってしまえばいいのかもしれない。
 このあんまりな惨状も笑いのネタだと思えば猫の額ほどには救われる。
 ただそれを話して笑ってくれる相手がイチ兄しか思い浮かばないあたりが更に悲しくなるところだが。

「今からでも遅くないぞ。友達、作らないのか」
「作らないというか作れないよ、きっと。私、人見知りするし、攻略対象イケメンばっか追っかけてたから多分いい印象持たれてないし。誰も仲良くしたくないって」

 至極もっともな言葉だった。だが、作ろうと思って友達が作れると言うのなら現在私はこんなところにいやしなかっただろう。
 苦笑とともにそうこたえる。と、何故だが盛大に嘆息された。

「……お前は本当に思い込みが激しいよな」
「え……?」

 思わずもれてしまった言葉だったのか。およそ人に聞かせる声量ではなかったが、抱き寄せられ密着した状態の私にはばっちり聞こえていた。

 そして今更だが、端から見ればイチャイチャしてるようにしか見えないだろう現状に気付いた。私だって乙女だ。いくら身内といえどイケメンとイチャイチャ密着は恥ずかしいのである。慌てつつもそれを悟られないよう不自然にならないようにイチ兄から距離を置いた。
 その際、肩に置かれた手が一瞬だけ引き留めるように力が入ったのが気になったのだが、きっと私に久々に甘えられて名残惜しくなったからに違いない。イケメン教師はイトコを甘やかすのが大好きなのだから。

「誰も仲良くしたくないってどうして端から決めつけてるんだよ。そう思い込んでるからきっかけが余計に掴めないんじゃないか?仲良くしたくないに決まってるなんて思いながら誰かに話しかけようなんてしないもんな。そんなお前の雰囲気を感じ取ってまわりも話しかけられなかったんだろ」

 名残惜しげな視線を向けつつも今度は子どもに言い聞かせるようにゆっくりと言葉をつなげていく。そのどれもが柔らかい口調であるのにぐさりぐさりと私の胸に突き刺さる。

 正しくイチ兄の言う通りだ。
 何にもしないうちからまわりは誰も仲良くしたくなかろうと思い込み、それが募れば募るほど話しかけることが戸惑われてドツボにはまっていたのだ。
 だから出来れば誰か話しかけてくれればなんて他力本願もいいとこな考えもあったのだが。
 他でもない私自身がその妨げになっていたなど思っていなかった。なんて滑稽なことか。でも確かに、そんな後ろ向きなオーラがただよう相手に話しかけなどできないだろう。
 改めて他者にそう指摘され、何もかも全てひっくるめて不思議なくらいにストンと府に落ちた。

 私が思い込みを捨ててしまえば。
 私が少しの勇気を持てば。
 私を取り巻く環境も、変わっていってくれるのだろうか。

「私と仲良くなりたいって思ってくれる子っているのかな?」

 そんなこと、あり得ないと決めつけていた。何故決めつけていたのかは今では自分でもよく分からない。まともな主人公《ヒロイン》にもなれない私には、きっと全て無理なのだと心のどこかで諦めていたからかもしれない。
 半ば願望にも似た質問にイチ兄は当然だと笑みを浮かべた。

「当たり前だろ。お前のこと伝えてくれた奴とかな」
「え?」
「あいつはお前の心配してたんだぞ?仲良くなりたくない奴の心配なんてしないだろ。ましてや、俺に知らせるなんてな」
「……心配、してくれてた子、いたんだ」

 ああ、というしっかりした返事に胸が熱くなる。
 きっとその子は優しい子なんだろう。クラスメイトというだけの大して関わりのない私を心配してくれるくらいなのだから。
 でもその優しさがありがたい。そしてとても嬉しかった。

「手始めにそいつと仲良くなればいい。お前なら大丈夫だから」
「……うん。ありがとう、イチ兄」

 イチ兄の勧めるように、その子に声をかけてみようと思う。
 人見知りなんて言い訳を持たず、思い込みなんて捨ててしまって。
 うまくいかなかったら、という不安ももちろんないわけじゃないが、イチ兄が大丈夫と言ってくれるのだから大丈夫に決まってる。

 思い込んでばっかでまわりが見えていなかった私。
 そんな私に改めて色々と気付かせてくれたイチ兄の言葉だから信じられる。
 少し弱気になっても、今みたいに色々聞いてもらって頭を撫でてもらえば単純な私はまた元気になるだろう。
 他でもないイチ兄がいてくれるから。

「私、頑張ってみる。逆ハー目指してぼっちになっちゃうような馬鹿だけど、頑張って友達作ってみる!」
「友達ってそんな気張って作るようなもんでもないと思うが……」

 硬く決めた決意に苦笑が降りかかった。
 残念、私にとっては気張るものなのだよ!と口にすれば再び嘆息されること間違いなしなので飲み込んで、代わりにえへへと笑って隣に座るイチ兄を仰ぎ見る。

 イケメン教師なイトコ様。
 私にたいしてめったら甘くて、気遣いが不得手で、でも誰よりも優しくてあたたかい。
 そんな彼が側にいるのなら。
 きっと、また落ち込もうとも大丈夫だ。
 私の大好きな手で慰めてもらえれば、落ちた気力も沸き上がる。失せた笑顔も甦る。

「本当に、ありがとうイチ兄!」
「っ……!ああ」

 今まさに私はにっこり笑顔で感謝の気持ちを目一杯こめて、イチ兄に抱き付いてやった。
 驚いたようすをみせたのち当然のように頭に乗せられる手に私はいっそう笑みを深くした。






 逆ハー目指したらぼっちになったったww

 ……けれど、私は本当にぼっちな訳じゃない。
 心配をして、話を聞いて、慰めて、元気をくれる人がいる。側にいてくれる。
 私は私で主人公ヒロインじゃないから逆ハーレムなんて必要ない。
 これからは主人公ヒロインとしてではなく私自身の意思で全てを決めていく。
 そんな私の背中を大丈夫だと押してくれる人がいるんだ。
 だから、私は頑張ろうと思う。
 次の目標はもう決まってる。
 下らない思い込みを捨てて、精一杯の勇気をだして。


 ぼっち脱却目指してやんよ!!

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

マイナー18禁乙女ゲームのヒロインになりました

東 万里央(あずま まりお)
恋愛
十六歳になったその日の朝、私は鏡の前で思い出した。この世界はなんちゃってルネサンス時代を舞台とした、18禁乙女ゲーム「愛欲のボルジア」だと言うことに……。私はそのヒロイン・ルクレツィアに転生していたのだ。 攻略対象のイケメンは五人。ヤンデレ鬼畜兄貴のチェーザレに男の娘のジョバンニ。フェロモン侍従のペドロに影の薄いアルフォンソ。大穴の変人両刀のレオナルド……。ハハッ、ロクなヤツがいやしねえ! こうなれば修道女ルートを目指してやる! そんな感じで涙目で爆走するルクレツィアたんのお話し。

悪役令嬢なのに、完落ち攻略対象者から追いかけられる乙女ゲーム……っていうか、罰ゲーム!

待鳥園子
恋愛
とある乙女ゲームの悪役令嬢に生まれ変わったレイラは、前世で幼馴染だったヒロインクロエと協力して、攻略条件が難し過ぎる騎士団長エンドを迎えることに成功した。 最難易度な隠しヒーローの攻略条件には、主要ヒーロー三人の好感度MAX状態であることも含まれていた。 そして、クリアした後でサポートキャラを使って、三人のヒーローの好感度を自分から悪役令嬢レイラに移したことを明かしたヒロインクロエ。 え。待ってよ! 乙女ゲームが終わったら好感度MAXの攻略対象者三人に私が追いかけられるなんて、そんなの全然聞いてないんだけどー!? 前世からちゃっかりした幼馴染に貧乏くじ引かされ続けている悪役令嬢が、好感度関係なく恋に落ちた系王子様と幸せになるはずの、逆ハーレムだけど逆ハーレムじゃないラブコメ。 ※全十一話。一万五千字程度の短編です。

転生悪役令嬢、物語の動きに逆らっていたら運命の番発見!?

下菊みこと
恋愛
世界でも獣人族と人族が手を取り合って暮らす国、アルヴィア王国。その筆頭公爵家に生まれたのが主人公、エリアーヌ・ビジュー・デルフィーヌだった。わがまま放題に育っていた彼女は、しかしある日突然原因不明の頭痛に見舞われ数日間寝込み、ようやく落ち着いた時には別人のように良い子になっていた。 エリアーヌは、前世の記憶を思い出したのである。その記憶が正しければ、この世界はエリアーヌのやり込んでいた乙女ゲームの世界。そして、エリアーヌは人族の平民出身である聖女…つまりヒロインを虐めて、規律の厳しい問題児だらけの修道院に送られる悪役令嬢だった! なんとか方向を変えようと、あれやこれやと動いている間に獣人族である彼女は、運命の番を発見!?そして、孤児だった人族の番を連れて帰りなんやかんやとお世話することに。 果たしてエリアーヌは運命の番を幸せに出来るのか。 そしてエリアーヌ自身の明日はどっちだ!? 小説家になろう様でも投稿しています。

おデブな悪役令嬢の侍女に転生しましたが、前世の技術で絶世の美女に変身させます

ちゃんゆ
恋愛
男爵家の三女に産まれた私。衝撃的な出来事などもなく、頭を打ったわけでもなく、池で溺れて死にかけたわけでもない。ごくごく自然に前世の記憶があった。 そして前世の私は… ゴットハンドと呼ばれるほどのエステティシャンだった。 サロン勤めで拘束時間は長く、休みもなかなか取れずに働きに働いた結果。 貯金残高はビックリするほど貯まってたけど、使う時間もないまま転生してた。 そして通勤の電車の中で暇つぶしに、ちょろーっとだけ遊んでいた乙女ゲームの世界に転生したっぽい? あんまり内容覚えてないけど… 悪役令嬢がムチムチしてたのだけは許せなかった! さぁ、お嬢様。 私のゴットハンドを堪能してくださいませ? ******************** 初投稿です。 転生侍女シリーズ第一弾。 短編全4話で、投稿予約済みです。

婚約破棄された悪役令嬢は、満面の笑みで旅立ち最強パーティーを結成しました!?

アトハ
恋愛
「リリアンヌ公爵令嬢! 私は貴様の罪をここで明らかにし、婚約を破棄することを宣言する!」  突き付けられた言葉を前に、私――リリアンヌは内心でガッツポーズ!  なぜなら、庶民として冒険者ギルドに登録してクエストを受けて旅をする、そんな自由な世界に羽ばたくのが念願の夢だったから!  すべては計画どおり。完璧な計画。  その計画をぶち壊すのは、あろうことかメインヒロインだった!? ※ 他の小説サイト様にも投稿しています

私はざまぁされた悪役令嬢。……ってなんだか違う!

杵島 灯
恋愛
王子様から「お前と婚約破棄する!」と言われちゃいました。 彼の隣には幼馴染がちゃっかりおさまっています。 さあ、私どうしよう?  とにかく処刑を避けるためにとっさの行動に出たら、なんか変なことになっちゃった……。 小説家になろう、カクヨムにも投稿中。

家庭の事情で歪んだ悪役令嬢に転生しましたが、溺愛されすぎて歪むはずがありません。

木山楽斗
恋愛
公爵令嬢であるエルミナ・サディードは、両親や兄弟から虐げられて育ってきた。 その結果、彼女の性格は最悪なものとなり、主人公であるメリーナを虐め抜くような悪役令嬢となったのである。 そんなエルミナに生まれ変わった私は困惑していた。 なぜなら、ゲームの中で明かされた彼女の過去とは異なり、両親も兄弟も私のことを溺愛していたからである。 私は、確かに彼女と同じ姿をしていた。 しかも、人生の中で出会う人々もゲームの中と同じだ。 それなのに、私の扱いだけはまったく違う。 どうやら、私が転生したこの世界は、ゲームと少しだけずれているようだ。 当然のことながら、そんな環境で歪むはずはなく、私はただの公爵令嬢として育つのだった。

私の婚約者は6人目の攻略対象者でした

みかん桜(蜜柑桜)
恋愛
王立学園の入学式。主人公のクラウディアは婚約者と共に講堂に向かっていた。 すると「きゃあ!」と、私達の行く手を阻むように、髪色がピンクの女生徒が転けた。『バターン』って効果音が聞こえてきそうな見事な転け方で。 そういえば前世、異世界を舞台にした物語のヒロインはピンク色が定番だった。 確か…入学式の日に学園で迷って攻略対象者に助けられたり、攻略対象者とぶつかって転けてしまったところを手を貸してもらったり…っていうのが定番の出会いイベントよね。 って……えっ!? ここってもしかして乙女ゲームの世界なの!?  ヒロイン登場に驚きつつも、婚約者と共に無意識に攻略対象者のフラグを折っていたクラウディア。 そんなクラウディアが幸せになる話。 ※本編完結済※番外編更新中

処理中です...