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3 ※パウル視点

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リアが実家に遊びに行ったきり帰ってこない……。無断で出かけた上に、向こうに泊まる気か?あれほど出かけるときは伝えろと言ったのに、俺に直接話もしないなんて!全く、あいつは何を考えているんだ!

「おい、リアの様子を見てこい」

「かしこまりました」

俺は雇っている密偵に命令し、リアの行動を把握することにした。全く手間をかけさせやがって……。結婚した時は、シーラよりも言うことを聞きそうだったから選んでやったというのに、従順だったのは最初だけだったな。

俺がこんなに愛情を注いでやっているのに、何が不満なんだ?戻ってきたら、従順になるまで言い聞かせないとな……

密偵の報告によると、リアは実家に戻ったまま、他には出かけていないようだった。今日は帰ってこないだろう。明日の朝、迎えに行くとしよう。



翌日リアの家に行くと、シーラが出迎えくれた。婚約を破棄して以来だから、会うのは久々だ。落ち込んでいると思ったが、笑顔で迎え入れてくれた。

「久しぶりね、パウル。リアを迎えに来てくれたの?まだ支度をしているようだから、少し待ってて」

「あぁ、では少し待たせてもらうよ」

「あの子にも困ったものね。結婚したのに実家に入り浸ってしまって……パウルにも迷惑をかけているのではなくて?」

さすがシーラだ。妹のことをよく分かっているな。きっと彼女もリアのことで苦労したのだろう。つまり今や、彼女は僕の一番の理解者なんだ!

「そうなんだよ!最近言うこと聞いてくれないし、わがままだし……苦労しているんだよ」

「やはりそうなのね……あの子は少し精神的に幼いですから。しっかり言い聞かせないと、理解してもらえない時があるの。大変だと思うけれど、パウルがきちんと教育していくしかないわ」

確かにリアは少し子どもっぽいからな。そうだな……俺が一から躾けてやらないといけないのだろう。

「そうだな、それが夫の務めなのだろうな」

「えぇ、応援しているわ!」

シーラと話している間にリアがやって来た。昨日より機嫌が良さそうだ。だが、帰ったらきっちり反省してもらわないとな。

「パウル様!迎えに来てくださったのですか?嬉しい!」

「あぁ。さて、帰ろう。帰ったら少し話がある」

「私もお願いしたいことがありますの。さ、帰りましょう」

リアと二人でいえを出ようとした時、シーラに呼び止められた。

「また何かあったら相談に乗るわよ。苦労なさると思うけど、パウルならきっとリアと上手くいきますわ」

リアに聞こえないように、こっそりと囁かれた。リアは良い姉をもったな。
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