上 下
109 / 294
・・・『始動』・・・

・・エドナ・ラティス・・2・・

しおりを挟む
「・・女子野球でのポジションは、どこだった・・?・・」

「・・ピッチャーとサードでした・・ピッチャーでの登板は、あんまり無かったですね・・変化球のコントロールが上手くなかったので・・」

「・・あんまり変化球に頼らなくても、コーナーを突くコントロールに緩急を混ぜれば、結構打ち取れると思うけどね・・?・・」

「・・それでも上手い人には打たれますよ・・」

「・・バレエとかダンスはやらなかったの・・?・・」

「・・小さい頃にやってましたが、辞めました・・性に合わなかったんですね・・」

「・・エドナは体幹が良くて足腰が安定しているから、何をやってもフォームが綺麗だよ・・スポーツ万能だな・・?・・」

「・・そんな事全然無いですよ・・エマの方がずっとすごいですよ・・脚も速いし反応も素早いし、私よりちょっと身体が小さいですけど、体重移動のタイミングが的確なのと、その移動を素早く行えるので、どんなボールを投げても打っても球威は私より強いです・・変化球のコントロールも良くて、よくキレてました・・エマに勝てるのは、射撃とゴルフくらいですね・・他の球技でもスポーツでも、エマに勝てた事はありません・・格闘技でもフィオナには勝てないです・・」

「・・まあ、上には上がいるからな・・さてと・・次は何をやる・・?・・」

「・・バスケでシュートの打ち合いをしてから、ビームライフル射撃場に入って・・それで上がりましょう・・?・・」

「・・OK・・ラストスパートだな・!・」

・・ドリブルからのシュートの打ち合いを25分続けたが、かなりバテた・・私のシュートは7割阻止されたが、エドナのシュートは4割程しか阻止出来なかった・・息がかなりアガったので暫時休憩を取る・・落ち着いて呼吸を整えてから・・ビームライフル射撃場に入る・・やはり射撃競技はエドナの独壇場だ・・10ゲーム続けたが、私はアベレージで84P・・最高点でも94Pだったのに対して、エドナはアベレージで97P・・最高点で99Pを叩き出した・・満足気な表情でライフルを降ろした彼女を、美しいと思った・・。

・・心地好い疲れを感じながら、シャワールームに入る・・珍しいと思ったが、ここのシャワールームは入っている人の顔が観える・・顔から下は絶対に観えない・・気恥ずかしさはあったが他に入っている人もいなかったので、お互いに相手の顔を観ながらシャワーを浴びた・・気持ち良さ気に浴びながら身体を洗うエドナの顔を観て、健康的な艶めかしさを感じた・・。

・・あがって元の服を着込み、取り敢えず休憩室でコーヒーを飲みながら一服点ける・・エドナもコーヒーを頼んだ・・身体を動かした後の一服はかなり効く・・心地好い満足感・安堵感に包まれる・・。

「・・アドルさん・・今日は連れて来て下さって、ありがとうございました・・思い切り身体を動かせてスッキリしました・・ちょっと・・ムシャクシャしていたものですから・・」

「・・うん・・どうしてムシャクシャしていたのかは訊かないけど、スッキリして貰って好かったよ・・今度、瞑想を教えるよ・・ストレスコントロールには瞑想が1番だから・・」

「・・ありがとうございます・・お待ちしています・・」

「・・それにしても、結構疲れたな・・今夜はよく眠れそうだ・・じゃ、ちょっと食べて帰ろうか・・?・・」

・・そして、施設内のレストランに入り、ミネストローネ・パスタを頼んだ・・飲み物は特に頼まずに、食べながらウィリアム・アーネットが作った料理の素晴らしさについて語り合う・・食べ終わってからもう一杯コーヒーを頼み、一服しながら飲む・・。

「・・開幕したら、どこかの平日の夜に、また来ようか・?・今度はもっと違うスポーツを試してみよう・・?・・」

「・・はい・・お誘い、お待ちしています・・」

「・・じゃあ、帰ろうか・・?・・」

「・・はい・・」

・・それから25分後に、私達はリサが住む巨大タワーマンションの地下3階駐車スペースに戻っていた・・。

・・降りると2人とも後部座席に乗り、ウィンドウのスモークレベルを9まで上げて抱き合う・・体勢を様々に、上下にも入れ換えながら深いキスを交わし合う・・それを15分も続けて、漸く離れた・・。

・・エドナが驚いたように口に右手を当てている・・私の唇も痙攣している・・。

「・・初めてだった・・?・・気持ちを込めて長いキスをすると、よくあるよ・・ちょっと激しかったな・・?・・」

「・・大丈夫です・・初めてだったので、ちょっと驚きました・・アドルさん・・今日は色々と、本当にありがとうございました・・私も今夜はぐっすりと眠れそうです・・」

「・・そう・・それは良かった・・明日も色々と忙しいから、寝坊しないでな・・?・・」

「・・アドルさん・・女優は朝に強いんですよ・・忘れました・・?・・」

「・・ああ、そうだったね・・ごめんごめん・・要らない心配だったな・・じゃあ、エドナ・・おやすみ・・」

「・・おやすみなさい、アドルさん・・気を付けて帰って下さい・・」

「・・分かった、ありがとう・・君もな・・?・・」

「・・はい・・」

・・そう応えると、エドナはドアを開けて降りる・・降りて運転席に廻り込もうとするする私に小さく手を振って、彼女は自分の車に乗り込むとモーターを起動させてスムーズに発車し、出て行った・・。

・・そのテールランプを見送ってから、新車と旧車のモーターを起動させ、ナビゲーションアレイを同期させると自動追尾システムをセットアップして、ゆっくりと新車をスタートさせた・・。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

忘却の艦隊

KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。 大型輸送艦は工作艦を兼ねた。 総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。 残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。 輸送任務の最先任士官は大佐。 新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。 本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。    他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。 公安に近い監査だった。 しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。 そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。 機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。 完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。 意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。 恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。 なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。 しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。 艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。 そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。 果たして彼らは帰還できるのか? 帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?

ビキニに恋した男

廣瀬純一
SF
ビキニを着たい男がビキニが似合う女性の体になる話

三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る

マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息 三歳で婚約破棄され そのショックで前世の記憶が蘇る 前世でも貧乏だったのなんの問題なし なによりも魔法の世界 ワクワクが止まらない三歳児の 波瀾万丈

断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた

兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。

乾坤一擲

響 恭也
SF
織田信長には片腕と頼む弟がいた。喜六郎秀隆である。事故死したはずの弟が目覚めたとき、この世にありえぬ知識も同時によみがえっていたのである。 これは兄弟二人が手を取り合って戦国の世を綱渡りのように歩いてゆく物語である。 思い付きのため不定期連載です。

処理中です...