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・・・『始動』・・・

・・合宿・・6・・

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・・リサの歌声は透明感が強くて好い・・もう彼女に合わせて伴奏しながら歌うのにも慣れてきた・・この楽曲は、切なくて悲しいストーリーの歌詞なのに、リズムは速くアップテンポでスピードを保って終始するので、悲しい共感情に圧倒されるとか、引き摺られるような状態にはならずに終わる・・そのスタイルが若者の支持を集めているのだろう・・気持ち良く歌い切れたし、弾き切って終わった・・。

「・・ハンナ・!・3曲目は君が歌っていた『ラブ・スコール』にしよう・!?・・」

「・・えっ?!・・はい・・?・憶えてるかな・・?・・」

「・・イントロが聴こえれば、大丈夫だろう・・?・・」

・・シエナは歌い出しから私の顔しか観ない・・私の肩に手を置いたり、首や頭を触ったりしながら私と視線を合わせようとしている・・私も間奏が終って2番に入ってからは、彼女と視線を合わせて歌う・・情感を込めて歌い上げた後で、シエナの方から顔を寄せて来たので・・ゆっくりとキスを交わした・・。

・・ハンナは私がギターを構える前から一つの椅子を折半して座り、左腕を私の肩に廻す・・イントロに入るともう思い出したようで、彼女も最初から私と視線を合わせて歌う・・『シークレット・デザイア』と『ラブ・スコール』も、ちょっとジャジーなラブ・バラードなので、2人とも私に絡みやすいようだ・・静かに余韻を惹いて終えると、ハンナも私に軽くキスして頬を密着させて抱き締めた・・。

・・ハンナが離れてから、ライトビアをグラスに注いで貰って半分程飲み、『例え世界中が敵になっても』・・『夢の舟乗り』・・『ポプラ通りの家』・・『誰が為に』・・『我らの旅立ち』・・『ガラス越しに消えた夏』・・『スターウルフ・青春の旅立ち』・・を、歌い継いでいったが・・ふと思い付いて、『ギターのジロー』を基にした代え歌を披露してみる事にした・・。

「・・皆、次はちょっとした代え歌なんだけど、楽しんで聴いてくれ・・ちょっとおかしいかも知れないけどね・・」

「・・ギターのアドル~僕らの仲間~優しく強い・艦長だ~皆と一緒に~切り抜ける~デ・プリに紛れて・・撃ち込むぞ~群がる敵艦・突破しろ~・・・
・・ディファイアントは・・僕らの家さ~強くて速い・軽巡だ~知恵と力で~突破する~ス・テップワークで・・躱したら~カウンターショットを・・撃ち込むぜ~」

・・これを歌い終わると、皆大喜びで拍手しながら歓声を挙げた・・思いの外、気に入って貰えたようだ・・。

「・・よ~し・・それじゃ、もうそろそろ好い時間だから、お風呂に入って温まってください・・私は最後に入って、温まったら出て直ぐ寝るから・・それで明日は早くから起きて、色々と始めた方が好いよ・・4.5人で一緒に入って下さいね・・?・・」

「・・アドルさん・・私と一緒に入りませんかぁ・・?!・・」

・・そう冗談目化して訊いたのは、マレット・フェントンだ・・。

「・・悪いな、マレット・・俺はリサと一緒に最後に入るからさ・・何てな・・そんな事する訳ねーだろ・・!・・さあ、冗談言ってないでチャッチャッと入っちゃってよ・!・人数が多いんだからさ・・」

・・私がそう応えるとシエナ・ミュラーがアンバー・リアム、シンシア・ラスター、ミーナン・ヘザー、ジェレイント・セキュラ、ハンナ・ハーパーの5人を指名して、バスルームに行かせた・・。

・・その後は特に何をするでも無く過ごし、リサを最後に行かせて戻って来てから、私が最後にお風呂を貰った・・。

「・・お風呂、頂きました・・広くて好い浴室だね・・」

・・と、戻ってからリサに言う・・。

「・・ありがとうございます・・」

「・・それじゃ、悪いけど、寝かせて貰うよ・・」

・・そう言って、購入した寝袋を拡げる・・空気でも水でも膨らませられる枕が入っている・・寝袋の中に身体を入れて、中で服を脱いで楽な恰好になる・・。

「・・それじゃ、皆・・お休みな・・」

・・そう言うと、頭も寝袋の中に入れて、口を締めた・・。

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