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・・・『始動』・・・
・・フィオナ・コアー・・カリッサ・シャノン・・3
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「・・アドルさん・・あの利益率を考え付いた経緯を、教えて頂きますか・・?・・」
・・アンバー女史が食べる手を止めて、私を真っ直ぐに観る・・。
「・・食べながらで良いですよ、アンバーさん・・そんなに難しい話じゃありません・・僕は自宅にアイソレーション・タンクベッドを設置していてね・・こいつの使い勝手の良さはよく解っています・・で、僕は出来るだけ長くゲームを楽しみたい・・どうすれば良いだろうか・・?・・で、タンクベッドです・・こいつを20隻全艦に装備できれば・・全艦で配信番組のファーストシーズンは生き延びられる・・生き延びられれば経験値が積めて、他艦よりは一歩先に踏み出せる・・同時に配信番組も続けて制作される事になる・・でも、タンクベッドは高額です・・安価で全艦に装備するなら、こいつをビジネスにするしかない・・それから考えがまとまっていきました・・2社より3社での業務提携ならば、宣伝・販売・配達・設置・アフターケアの事務実務コストを抑えられる・・ウチは地力が強いから、利益率を低く設定して儲けが薄くても別に構わない・・それに・・セカンドシーズンが始まれば、強力な新規顧客が付くでしょう・・つまり、89000隻弱にもなっている現時点での参加艦です・・タンクベッドのCMは3社がそれぞれで打ち出すだろうし・・それとは別にこちらが何も言わなくても、タンクベッド装備の話は知れ渡るでしょうからね・・」
「・・すごい・・ですね・・でも、どうしてタンクベッドを発想できたんですか・・?・・」
・・と、アンバー女史・・。
「・・何もすごくはないですよ・・タンクベッドを使えばナイトタイムを3時間に短縮できて、デイタイムを5時間増やせます・・増やした時間内で集中的に訓練を行えば、クルーの練度をそれだけ上げられる・・これが他艦に対して一歩を先んじられる、と言う事です・・それに・・ビジネスプランとしてもイージーな話です・・規模は大きいですけれどもね・・」
「・・今の台詞、聴きましたか・?・アンバーさん・・?・・こんなスゴイ話をイージーだって言う処が、先輩の底知れない処ですよ・・最近じゃ先輩には社長の器があるんじゃないかと、思う事もあります・・」
・・と、スコットがサンドイッチをパクついて、烏龍茶を飲みながら言う・・。
「・・アドルさんは、社長になると思います・・次ではないですけれども・・次の次ですね・・」
・・と、リサさんがハーブティーを飲みながら言った・・。
「・・俺の事はどうでも良いよ・・それより危惧している事が一つある・・」
「・・何ですか、それは・・?・・」
と、ズライ・エナオ・・。
「・・『ロイヤル・ロード・クライトン』が沈んだら、トーマス・クライトン社長は引責辞任する可能性が高い・・辞任されれば次は、グレイス・カーライル副社長が昇格されるだろう・・自分としてはゲーム大会が終わるまで、社長には社長でいて欲しい・・近くに居るなら『ディファイアント』で『ロイヤル・ロード・クライトン』を守る事も出来るだろうが・・遠くにいたら、間に合わない・・せめて、模擬戦闘訓練をしつこく繰り返しておくしかないだろうな・・」
・・リサさんは冷静に聴いてくれているように観えるし、スコットは食べながら聴いている・・だが他の5人は少し呆気に取られているようだ・・。
「・・おっと(苦笑)・・変な話になっちゃったね・・食べよう、食べよう・・ヨエルもペイトンも足りなかったら何でも頼んでくれ・・アンバーさんも遠慮しないでね・・?・・」
「・・ありがとうございます・・でも、私はそろそろお腹一杯です・・実は感動して胸も一杯なんですが・・」
・・ヨエルとペイトンは、その時ちょうど通り掛かったウェイターにスコットが頼んだサイドメニューの単品料理をそのまま頼んだ・・。
「・・アドルさん・・車にギターを積んでいらっしゃいますね・・?・・明後日の壮行会で歌って下さるんですか・・?・・」
・・と、アンバー女史・・。
「・・ええ、そうなりますね・・でも歌わされるより飲まされる方が多いと思いますけど・(苦笑)・」
「・・先輩~・・営業本部壮行会の広報告知を観ましたけど、女優さん方とメッチャ絡んでたじゃないですか・・あれじゃ、何を言われるか判りませんよ・・?・・」
「・・仕方ないだろう・?!・チーフの指示でああ言う風に撮ったんだからさ・・」
「・(笑)・私も明後日の壮行会は楽しみにしています(笑)・・でもせっかくギターを積んでいらっしゃるんですから、毎週金曜日の終業後にラウンジで何曲か歌って頂くのは無理でしょうか・・?・・」
・・これには驚かされた・・。
「・・ここで・!?・・それはマズイでしょ・!?・・まあ街中じゃないから、そんなに大騒ぎにはならないと思うけど・・なあスコット・・ヤバイよな・・?・・」
「・・う~・・まあ騒ぎにはなりませんね・・人だかりはできるでしょうけど・・終業後で疲れてもいるし、帰る人は帰るでしょうし・・これでも皆、結構クールですから・・」
「・・私は聴きたいです・・仕事の疲れが癒されます・・」と、リサさん・・。
「・・私はそうなったら、アドル係長の隣に座ります・・」と、マーリー・・。
「・・私も聴きたいです・・まだ生で聴いた事が無いので・・」と、ズライ・エナオ・・。
「・・参ったな・・でもまあ好いか・・乗り掛かった船でもあるし・・同僚達への感謝と特別サービスって事で・・来週から始めるかな・・?・・」
「・・やったー!・・今からすごい楽しみです!・・社の掲示板に書いておきますね・・?・・」
・・と、そう言ってマーリー・マトリンがサンドイッチを頬張る・・。
「・・あんまり派手に書かないでくれよ、マーリー・・?・・」
「・・分かってますよ・・」
「・・そろそろ昼休みも終わりだな・・じゃあ俺はこの一つを貰ってと・・あとは行き渡るかな・?・どうだい・・?・・」
「・・もう大満足です・・」 「・・僕も腹一杯です・・」 「・・充分に頂きました・・」
「・・食べ過ぎました、キツイす・・」 「・・ご馳走様でした・・ありがとうございました・・」
「・・もう充分に頂きました・・ご馳走様でした・・ありがとうございました・・」
「・・夕飯、食べなくても良い位に頂きました・・ありがとうございました・・ご馳走様でした・・」
「・・よ~し・・じゃあ、片付けて上がろう・・午後もあるからな・・居眠りするなよ・・」
「・・居眠りしないように、ちょっとエアコンの設定温度を下げますよ・・」
・・と、スコットがそう締め括り、ナプキンで口を拭うと烏龍茶を飲み干して立ち上がった・・。
・・午後の業務も順当・順調に推移し、余裕を持った進捗で着地して終業となった・・。
・・ラウンジでいつものようにコーヒーを飲みながら一服している・・右隣にはリサさん・・左隣はスコット・・スコットの対面にはマーリー・・私の対面にはアンバーさん・・リサさんの対面にはズライが座っているのだが、この構図はちょっとキツイ・・アンバーさんが私にある程度ご執心なのはもう明らかだ・・何しろ棟が違うのに、こっちのラウンジに来ているんだから・・アンバーさんに対する他の3人からの電圧が高まりつつあるのは、スコットにも知れているだろう・・。
「・・リサさん、ハーブティーはまだ残ってる・?・好ければ一杯貰えるかな・・?・・」
・・そう言ってコーヒーを飲み干すと、カップを拭き上げてから彼女の前に置く・・。
「・・あ?、はい・・どうぞ・・」
・・ちょっと戸惑いつつも注いでくれる・・カップを満たした処で彼女の保温ボトルが空になる・・。
「・・ありがとう・・」
・・そう言いながらテーブルの下で彼女の左膝に右手を一瞬だけ置いて離す・・ハーブティーの素晴らしい香りと味わいが心身の疲れを解す・・と同時に彼女の電圧もかなり下がったようだ・・。
「・・今日のハーブティーも旨いね・・」 「・・ありがとうございます・・」
「・・今日は直帰ですか・・アドルさん・・?・・」と、アンバー女史・・。
「・・うん・・相互共済課の受け渡し窓口で頼んでいた物を受取って、積み込んだら帰ります・・」
「・・手伝いますよ、先輩・・」
「・・悪いな・・多分台車で2つ分くらいはあるからさ・・」
「・・超有名人になっちゃって、もう素顔じゃ買い物にも出られませんね・・?・・」
・・と、ロシアンティーを飲みながらマーリー・マトリンが言う・・。
「・・そうなんだよ・・この前、娘と友達たちの買い物に付き合ったんだけど・・ハンチングを被ってサングラスを掛けて行ったら、案外気付かれなかったね・・最後には気付かれたけど・・」
「・・へえ・・先輩のその格好、観たいですね・・」と、スコット・・。
「・・何を買われたんですか・・?・・」と、ズライ・エナオ・・。
「・・昼飯を外食して、新しいギターを買って、後は娘たちの買い物に付き合っただけだよ・・」
「・・アドルさん・・社宅ではおひとりなんですよね・・?・・料理とか大変ですか・・?・・」
・・と、アンバー女史・・。
「・・いや、もう慣れたね・・ってか、賄い料理は得意なんだ・・」
「・・先輩が料理上手だって話をチラチラ聞くんスけど・・一度ご馳走になりたいスね・・?・・」
「・・だから賄い料理だって言ったろ・・人に食べさせられるような大したものじゃないよ(笑)・・」
「・・でも、アドルさんの淹れるミルクティーは最高の味わいですよね・・?・・」と、マーリー・・。
「・・そうですね・・それは私も同感です・・」と、リサさん・・。
「・・私もアドル係長の淹れたミルクティーが飲みたいです・・」と、アンバー女史・・。
「・・まあ、今度ね・・・それじゃ、そろそろ失礼するよ・・皆も早く帰ってゆっくり休んでね・・」
・・そう言って立ち上がった私は、スコットを伴って相互共済課の受け渡し窓口に行き、台車を2つ借りて購入代行を頼んでいた品物を分けて乗せ、私の車まで運んでトランクと後部座席に積み込んだ・・。
・・台車の返却をスコットとマーリーに頼んで、右手を挙げて他のメンバーに挨拶してから乗り込み、発車させる・・。
・・社宅に帰着した私は物品を室内に運び込み、収納・整頓してやれやれと着換えた処で玄関のチャイムが鳴った・・。
・・開けるとフィオナ・コアーとカリッサ・シャノンがいる・・今日は結構驚く日だ・・。
「・・何時から居たの・・?・・さあ、入って・・寒かっただろう・・?・・」そう言って招き入れる・・。
「・・こんばんは・・ありがとうございます・・お邪魔します・・実は40分ほど前には着いていたのですが、お帰りではなかったので2人で手分けして周囲にカメラや不審な人間がいないか、観察していました・・」
「・・それは・・君達にとっては危なくないのかも知れないけど、充分に気を付けて下さい・・さあ、上がって下さい・・」
・・2人をリビングに通し、コートを預かって座って貰う・・キッチンでアールグレイを点て、ミルクティーに仕上げて持って行く・・2人とも一口飲むと目を閉じてソファーに背を預け、大きく息を吐いた・・。
「・・美味しいです・・一口でこんなに解れて癒されるなんて・・」と、フィオナ・コアー・・。
「・・本当に・・定期的に頂かないと、居られなくなってきています・・」と、カリッサ・シャノン・・。
「・・ありがとう・・お疲れ様だったね・・それで・・観察してみた結果は、どうだったのかな・・?・・」
「・・先ず、不審な人物は観ませんでした・・が、ここにレンズを向けていたカメラは3台発見しました・・撤去も破壊もしませんでしたが、レンズは塞いでおきました・・次に社宅周辺を観察しましたが、集音マイクのようなものは発見できませんでした・・以上です・・」
・・と、ミルクティーを飲みながらフィオナ・コアーが説明する・・。
「・・ありがとう・・やっぱり観られていたね・・でもまあ、そんなに神経質に気にする必要もないだろう・・例え君達が来て泊って行ったにしても、会議・打合せ・親睦会と・・幾らでも説明できる・・知り合って間もない人物を、ここに招き入れる事もないから盗聴器を仕掛けられるような心配も無い・・大丈夫だよ・・ありがとうね・・それで、他に何か報告する事でもあるかな・・?・・」
「・・はい・・実は今日、保安部とサポートクルーの全員で、改めて撮影セットの見学に行きました・・」
「・・それは本当にお疲れ様でした・・そしてありがとう・・改めて見学してみてどうだったかな・・?・・」
「・・はい・・見学させて貰いながら、保安部・保安要員としての在り方・役割について考えていました・・アドルさんは、私達にどう言う役割を考えているのですか・・?・・」
「・・うん・・先ず保安部要員は、艦の内外全般に亘る保守・守備を担うと考えて欲しい・・全乗員が良いコンディションで乗艦できなければ、原則として出航はしない、と言う私の基本方針は聞いているね・?・それでもゲーム中には戦闘に於いて負傷し、離席して医療室に向かうクルーもいるだろう・・その場合に直ちに入れ替わってその席に着き、サポートながら指示された操作・調査・報告を熟して貰う・・その為には日頃からクルー全般の任務に於ける訓練も継続して受けて貰う・・勿論、無理の無い範囲でね・・次に保安部要員は全員がシャトルパイロットであると自覚して欲しい・・見学で観たと思うけど、シャトルは8機ある・・マニュアルを読んで貰えれば解ると思うけど・・この機体はポッドモジュール・コンビネーション・バリエントシップと言う種別で、コックピットブロックモジュールとエンジンブロックモジュールを主軸として、様々なポッドモジュールの組み合わせや組み換えでその都度、必要に応じた機体の構成が出来る・・だから、対艦・対空戦闘用の装備もできるし、探索地上車としての装備も出来るんだ・・本当に、やって貰う事が多くて申し訳ないと思うんだけど・・君達にはマニュアルの読み込みとシミュレーション訓練と実地の操縦訓練を並行して行って貰います・・3つ目なんだけど・・これを君達にやって貰わなきゃならないような事態に陥るのは、出来得る限り避けたいし、陥らないように注意して行動・操艦しますが、どうしても避けられずに敵艦のクルーが『ディファイアント』に乗り込んで来た場合・・白兵戦を展開せざるを得なくなるでしょう・・その場合に備えて、全乗員に一程度の対人戦闘訓練も施します・・勿論ゲームですから、撃たれた場合にはゲーム大会推進本部のメインコンピューターから特定個人のヘルメットを通じて、貴方は戦死です・戦闘不能です・行動不能ですと通告されますので・・その後は通告された通りに行動して貰う事になります・・戦死と判定された人には、そのままセットの外に出て貰えれば良いんですが・・捕虜の取り扱いをどうしようかな・・?・・うん、そうだね・・3つあるエクサザイズ・トレーニング施設のどれかを使いましょう・・中に入って貰って、内外から完全に封鎖すれば良い・・そして2日間が過ぎて入港したら、そのまま解放すれば良いでしょう・・うん・・ざっと考えてこの3つくらいかな、と思いますけど・・あとは補給支援作業や生活環境支援作業を手伝って貰う場合もあるでしょう・・こんな処ですね・・他に何か思い付きますか・・?・・」
「・・アドルさん・・詳細で懇切丁寧な説明をありがとうございます・・おかげではっきりと把握できました・・これからは、今聞かせて頂いた事を心に留めて自覚して怠りないように行動したいと思います・・取り敢えず開幕までは、保安部の全員に呼び掛けてマニュアルの読み込みや、読み合わせなどもやっていきたいと思います・・」
・・と、そう言って私に会釈すると、フィオナ・コアーはミルクティーを飲み干した・・。
「・・こちらこそ、ありがとうございます・・是非、読み合わせなども行って下さい・・何か質問や疑問があったら何時でも連絡を下さい・・『ディファイアント』を守り保持する上で、私は貴女方を最も信頼しています・・」
「・・私も感謝申し上げます・・詳しく丁寧に説明して頂きましたので、よく解りました・・これからは副保安部長として、メンバーの模範となれるように頑張ります・・取り敢えず、マニュアルをもっと読み込みます・・」
「・・本当に、どうもありがとうございます・・これからも宜しくお願いします・・」
・・そう言って頭を下げた時に、腹が結構大きく鳴った・・私は頭を掻いて笑ったが、2人とも口を押さえて笑っている・・そう言えば、帰ってからまだ何も口にしていない・・。
「・・あの(笑)・・お話に夢中になってしまって・(笑)・すみませんでした・・お腹(笑)・・空かれますよね・・?・・私達で好ければ・・お造りしましょうか・(笑)・?・・」
・・アンバー女史が食べる手を止めて、私を真っ直ぐに観る・・。
「・・食べながらで良いですよ、アンバーさん・・そんなに難しい話じゃありません・・僕は自宅にアイソレーション・タンクベッドを設置していてね・・こいつの使い勝手の良さはよく解っています・・で、僕は出来るだけ長くゲームを楽しみたい・・どうすれば良いだろうか・・?・・で、タンクベッドです・・こいつを20隻全艦に装備できれば・・全艦で配信番組のファーストシーズンは生き延びられる・・生き延びられれば経験値が積めて、他艦よりは一歩先に踏み出せる・・同時に配信番組も続けて制作される事になる・・でも、タンクベッドは高額です・・安価で全艦に装備するなら、こいつをビジネスにするしかない・・それから考えがまとまっていきました・・2社より3社での業務提携ならば、宣伝・販売・配達・設置・アフターケアの事務実務コストを抑えられる・・ウチは地力が強いから、利益率を低く設定して儲けが薄くても別に構わない・・それに・・セカンドシーズンが始まれば、強力な新規顧客が付くでしょう・・つまり、89000隻弱にもなっている現時点での参加艦です・・タンクベッドのCMは3社がそれぞれで打ち出すだろうし・・それとは別にこちらが何も言わなくても、タンクベッド装備の話は知れ渡るでしょうからね・・」
「・・すごい・・ですね・・でも、どうしてタンクベッドを発想できたんですか・・?・・」
・・と、アンバー女史・・。
「・・何もすごくはないですよ・・タンクベッドを使えばナイトタイムを3時間に短縮できて、デイタイムを5時間増やせます・・増やした時間内で集中的に訓練を行えば、クルーの練度をそれだけ上げられる・・これが他艦に対して一歩を先んじられる、と言う事です・・それに・・ビジネスプランとしてもイージーな話です・・規模は大きいですけれどもね・・」
「・・今の台詞、聴きましたか・?・アンバーさん・・?・・こんなスゴイ話をイージーだって言う処が、先輩の底知れない処ですよ・・最近じゃ先輩には社長の器があるんじゃないかと、思う事もあります・・」
・・と、スコットがサンドイッチをパクついて、烏龍茶を飲みながら言う・・。
「・・アドルさんは、社長になると思います・・次ではないですけれども・・次の次ですね・・」
・・と、リサさんがハーブティーを飲みながら言った・・。
「・・俺の事はどうでも良いよ・・それより危惧している事が一つある・・」
「・・何ですか、それは・・?・・」
と、ズライ・エナオ・・。
「・・『ロイヤル・ロード・クライトン』が沈んだら、トーマス・クライトン社長は引責辞任する可能性が高い・・辞任されれば次は、グレイス・カーライル副社長が昇格されるだろう・・自分としてはゲーム大会が終わるまで、社長には社長でいて欲しい・・近くに居るなら『ディファイアント』で『ロイヤル・ロード・クライトン』を守る事も出来るだろうが・・遠くにいたら、間に合わない・・せめて、模擬戦闘訓練をしつこく繰り返しておくしかないだろうな・・」
・・リサさんは冷静に聴いてくれているように観えるし、スコットは食べながら聴いている・・だが他の5人は少し呆気に取られているようだ・・。
「・・おっと(苦笑)・・変な話になっちゃったね・・食べよう、食べよう・・ヨエルもペイトンも足りなかったら何でも頼んでくれ・・アンバーさんも遠慮しないでね・・?・・」
「・・ありがとうございます・・でも、私はそろそろお腹一杯です・・実は感動して胸も一杯なんですが・・」
・・ヨエルとペイトンは、その時ちょうど通り掛かったウェイターにスコットが頼んだサイドメニューの単品料理をそのまま頼んだ・・。
「・・アドルさん・・車にギターを積んでいらっしゃいますね・・?・・明後日の壮行会で歌って下さるんですか・・?・・」
・・と、アンバー女史・・。
「・・ええ、そうなりますね・・でも歌わされるより飲まされる方が多いと思いますけど・(苦笑)・」
「・・先輩~・・営業本部壮行会の広報告知を観ましたけど、女優さん方とメッチャ絡んでたじゃないですか・・あれじゃ、何を言われるか判りませんよ・・?・・」
「・・仕方ないだろう・?!・チーフの指示でああ言う風に撮ったんだからさ・・」
「・(笑)・私も明後日の壮行会は楽しみにしています(笑)・・でもせっかくギターを積んでいらっしゃるんですから、毎週金曜日の終業後にラウンジで何曲か歌って頂くのは無理でしょうか・・?・・」
・・これには驚かされた・・。
「・・ここで・!?・・それはマズイでしょ・!?・・まあ街中じゃないから、そんなに大騒ぎにはならないと思うけど・・なあスコット・・ヤバイよな・・?・・」
「・・う~・・まあ騒ぎにはなりませんね・・人だかりはできるでしょうけど・・終業後で疲れてもいるし、帰る人は帰るでしょうし・・これでも皆、結構クールですから・・」
「・・私は聴きたいです・・仕事の疲れが癒されます・・」と、リサさん・・。
「・・私はそうなったら、アドル係長の隣に座ります・・」と、マーリー・・。
「・・私も聴きたいです・・まだ生で聴いた事が無いので・・」と、ズライ・エナオ・・。
「・・参ったな・・でもまあ好いか・・乗り掛かった船でもあるし・・同僚達への感謝と特別サービスって事で・・来週から始めるかな・・?・・」
「・・やったー!・・今からすごい楽しみです!・・社の掲示板に書いておきますね・・?・・」
・・と、そう言ってマーリー・マトリンがサンドイッチを頬張る・・。
「・・あんまり派手に書かないでくれよ、マーリー・・?・・」
「・・分かってますよ・・」
「・・そろそろ昼休みも終わりだな・・じゃあ俺はこの一つを貰ってと・・あとは行き渡るかな・?・どうだい・・?・・」
「・・もう大満足です・・」 「・・僕も腹一杯です・・」 「・・充分に頂きました・・」
「・・食べ過ぎました、キツイす・・」 「・・ご馳走様でした・・ありがとうございました・・」
「・・もう充分に頂きました・・ご馳走様でした・・ありがとうございました・・」
「・・夕飯、食べなくても良い位に頂きました・・ありがとうございました・・ご馳走様でした・・」
「・・よ~し・・じゃあ、片付けて上がろう・・午後もあるからな・・居眠りするなよ・・」
「・・居眠りしないように、ちょっとエアコンの設定温度を下げますよ・・」
・・と、スコットがそう締め括り、ナプキンで口を拭うと烏龍茶を飲み干して立ち上がった・・。
・・午後の業務も順当・順調に推移し、余裕を持った進捗で着地して終業となった・・。
・・ラウンジでいつものようにコーヒーを飲みながら一服している・・右隣にはリサさん・・左隣はスコット・・スコットの対面にはマーリー・・私の対面にはアンバーさん・・リサさんの対面にはズライが座っているのだが、この構図はちょっとキツイ・・アンバーさんが私にある程度ご執心なのはもう明らかだ・・何しろ棟が違うのに、こっちのラウンジに来ているんだから・・アンバーさんに対する他の3人からの電圧が高まりつつあるのは、スコットにも知れているだろう・・。
「・・リサさん、ハーブティーはまだ残ってる・?・好ければ一杯貰えるかな・・?・・」
・・そう言ってコーヒーを飲み干すと、カップを拭き上げてから彼女の前に置く・・。
「・・あ?、はい・・どうぞ・・」
・・ちょっと戸惑いつつも注いでくれる・・カップを満たした処で彼女の保温ボトルが空になる・・。
「・・ありがとう・・」
・・そう言いながらテーブルの下で彼女の左膝に右手を一瞬だけ置いて離す・・ハーブティーの素晴らしい香りと味わいが心身の疲れを解す・・と同時に彼女の電圧もかなり下がったようだ・・。
「・・今日のハーブティーも旨いね・・」 「・・ありがとうございます・・」
「・・今日は直帰ですか・・アドルさん・・?・・」と、アンバー女史・・。
「・・うん・・相互共済課の受け渡し窓口で頼んでいた物を受取って、積み込んだら帰ります・・」
「・・手伝いますよ、先輩・・」
「・・悪いな・・多分台車で2つ分くらいはあるからさ・・」
「・・超有名人になっちゃって、もう素顔じゃ買い物にも出られませんね・・?・・」
・・と、ロシアンティーを飲みながらマーリー・マトリンが言う・・。
「・・そうなんだよ・・この前、娘と友達たちの買い物に付き合ったんだけど・・ハンチングを被ってサングラスを掛けて行ったら、案外気付かれなかったね・・最後には気付かれたけど・・」
「・・へえ・・先輩のその格好、観たいですね・・」と、スコット・・。
「・・何を買われたんですか・・?・・」と、ズライ・エナオ・・。
「・・昼飯を外食して、新しいギターを買って、後は娘たちの買い物に付き合っただけだよ・・」
「・・アドルさん・・社宅ではおひとりなんですよね・・?・・料理とか大変ですか・・?・・」
・・と、アンバー女史・・。
「・・いや、もう慣れたね・・ってか、賄い料理は得意なんだ・・」
「・・先輩が料理上手だって話をチラチラ聞くんスけど・・一度ご馳走になりたいスね・・?・・」
「・・だから賄い料理だって言ったろ・・人に食べさせられるような大したものじゃないよ(笑)・・」
「・・でも、アドルさんの淹れるミルクティーは最高の味わいですよね・・?・・」と、マーリー・・。
「・・そうですね・・それは私も同感です・・」と、リサさん・・。
「・・私もアドル係長の淹れたミルクティーが飲みたいです・・」と、アンバー女史・・。
「・・まあ、今度ね・・・それじゃ、そろそろ失礼するよ・・皆も早く帰ってゆっくり休んでね・・」
・・そう言って立ち上がった私は、スコットを伴って相互共済課の受け渡し窓口に行き、台車を2つ借りて購入代行を頼んでいた品物を分けて乗せ、私の車まで運んでトランクと後部座席に積み込んだ・・。
・・台車の返却をスコットとマーリーに頼んで、右手を挙げて他のメンバーに挨拶してから乗り込み、発車させる・・。
・・社宅に帰着した私は物品を室内に運び込み、収納・整頓してやれやれと着換えた処で玄関のチャイムが鳴った・・。
・・開けるとフィオナ・コアーとカリッサ・シャノンがいる・・今日は結構驚く日だ・・。
「・・何時から居たの・・?・・さあ、入って・・寒かっただろう・・?・・」そう言って招き入れる・・。
「・・こんばんは・・ありがとうございます・・お邪魔します・・実は40分ほど前には着いていたのですが、お帰りではなかったので2人で手分けして周囲にカメラや不審な人間がいないか、観察していました・・」
「・・それは・・君達にとっては危なくないのかも知れないけど、充分に気を付けて下さい・・さあ、上がって下さい・・」
・・2人をリビングに通し、コートを預かって座って貰う・・キッチンでアールグレイを点て、ミルクティーに仕上げて持って行く・・2人とも一口飲むと目を閉じてソファーに背を預け、大きく息を吐いた・・。
「・・美味しいです・・一口でこんなに解れて癒されるなんて・・」と、フィオナ・コアー・・。
「・・本当に・・定期的に頂かないと、居られなくなってきています・・」と、カリッサ・シャノン・・。
「・・ありがとう・・お疲れ様だったね・・それで・・観察してみた結果は、どうだったのかな・・?・・」
「・・先ず、不審な人物は観ませんでした・・が、ここにレンズを向けていたカメラは3台発見しました・・撤去も破壊もしませんでしたが、レンズは塞いでおきました・・次に社宅周辺を観察しましたが、集音マイクのようなものは発見できませんでした・・以上です・・」
・・と、ミルクティーを飲みながらフィオナ・コアーが説明する・・。
「・・ありがとう・・やっぱり観られていたね・・でもまあ、そんなに神経質に気にする必要もないだろう・・例え君達が来て泊って行ったにしても、会議・打合せ・親睦会と・・幾らでも説明できる・・知り合って間もない人物を、ここに招き入れる事もないから盗聴器を仕掛けられるような心配も無い・・大丈夫だよ・・ありがとうね・・それで、他に何か報告する事でもあるかな・・?・・」
「・・はい・・実は今日、保安部とサポートクルーの全員で、改めて撮影セットの見学に行きました・・」
「・・それは本当にお疲れ様でした・・そしてありがとう・・改めて見学してみてどうだったかな・・?・・」
「・・はい・・見学させて貰いながら、保安部・保安要員としての在り方・役割について考えていました・・アドルさんは、私達にどう言う役割を考えているのですか・・?・・」
「・・うん・・先ず保安部要員は、艦の内外全般に亘る保守・守備を担うと考えて欲しい・・全乗員が良いコンディションで乗艦できなければ、原則として出航はしない、と言う私の基本方針は聞いているね・?・それでもゲーム中には戦闘に於いて負傷し、離席して医療室に向かうクルーもいるだろう・・その場合に直ちに入れ替わってその席に着き、サポートながら指示された操作・調査・報告を熟して貰う・・その為には日頃からクルー全般の任務に於ける訓練も継続して受けて貰う・・勿論、無理の無い範囲でね・・次に保安部要員は全員がシャトルパイロットであると自覚して欲しい・・見学で観たと思うけど、シャトルは8機ある・・マニュアルを読んで貰えれば解ると思うけど・・この機体はポッドモジュール・コンビネーション・バリエントシップと言う種別で、コックピットブロックモジュールとエンジンブロックモジュールを主軸として、様々なポッドモジュールの組み合わせや組み換えでその都度、必要に応じた機体の構成が出来る・・だから、対艦・対空戦闘用の装備もできるし、探索地上車としての装備も出来るんだ・・本当に、やって貰う事が多くて申し訳ないと思うんだけど・・君達にはマニュアルの読み込みとシミュレーション訓練と実地の操縦訓練を並行して行って貰います・・3つ目なんだけど・・これを君達にやって貰わなきゃならないような事態に陥るのは、出来得る限り避けたいし、陥らないように注意して行動・操艦しますが、どうしても避けられずに敵艦のクルーが『ディファイアント』に乗り込んで来た場合・・白兵戦を展開せざるを得なくなるでしょう・・その場合に備えて、全乗員に一程度の対人戦闘訓練も施します・・勿論ゲームですから、撃たれた場合にはゲーム大会推進本部のメインコンピューターから特定個人のヘルメットを通じて、貴方は戦死です・戦闘不能です・行動不能ですと通告されますので・・その後は通告された通りに行動して貰う事になります・・戦死と判定された人には、そのままセットの外に出て貰えれば良いんですが・・捕虜の取り扱いをどうしようかな・・?・・うん、そうだね・・3つあるエクサザイズ・トレーニング施設のどれかを使いましょう・・中に入って貰って、内外から完全に封鎖すれば良い・・そして2日間が過ぎて入港したら、そのまま解放すれば良いでしょう・・うん・・ざっと考えてこの3つくらいかな、と思いますけど・・あとは補給支援作業や生活環境支援作業を手伝って貰う場合もあるでしょう・・こんな処ですね・・他に何か思い付きますか・・?・・」
「・・アドルさん・・詳細で懇切丁寧な説明をありがとうございます・・おかげではっきりと把握できました・・これからは、今聞かせて頂いた事を心に留めて自覚して怠りないように行動したいと思います・・取り敢えず開幕までは、保安部の全員に呼び掛けてマニュアルの読み込みや、読み合わせなどもやっていきたいと思います・・」
・・と、そう言って私に会釈すると、フィオナ・コアーはミルクティーを飲み干した・・。
「・・こちらこそ、ありがとうございます・・是非、読み合わせなども行って下さい・・何か質問や疑問があったら何時でも連絡を下さい・・『ディファイアント』を守り保持する上で、私は貴女方を最も信頼しています・・」
「・・私も感謝申し上げます・・詳しく丁寧に説明して頂きましたので、よく解りました・・これからは副保安部長として、メンバーの模範となれるように頑張ります・・取り敢えず、マニュアルをもっと読み込みます・・」
「・・本当に、どうもありがとうございます・・これからも宜しくお願いします・・」
・・そう言って頭を下げた時に、腹が結構大きく鳴った・・私は頭を掻いて笑ったが、2人とも口を押さえて笑っている・・そう言えば、帰ってからまだ何も口にしていない・・。
「・・あの(笑)・・お話に夢中になってしまって・(笑)・すみませんでした・・お腹(笑)・・空かれますよね・・?・・私達で好ければ・・お造りしましょうか・(笑)・?・・」
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舞台は、数多ある地球圏パラレルワールドのひとつ。
超大規模、超高密度、超高速度、超圧縮高度複合複層処理でのハイパー・ヴァーチャル・エクステンデッド・ミクシッド・リアリティ(超拡張複合仮想現実)の技術が、一般にも普及して定着し、ハイパーレベル・データストリーム・ネットワークが一般化した未来社会。
主人公、アドル・エルクは36才で今だに独身。
インターナショナル・クライトン・エンタープライズ(クライトン国際総合商社)本社第2棟・営業3課・セカンドセクション・フォースフロアで勤務する係長だ。
政・財・官・民・公・軍がある目的の為に、共同で構築した『運営推進委員会』
そこが企画した、超大規模ヴァーチャル体感サバイバル仮想空間艦対戦ゲーム大会。
『サバイバル・スペース・バトルシップ』
この『運営推進委員会』にて一席を占める、データストリーム・ネットワーク・メディア。
『トゥーウェイ・データ・ネット・ストリーム・ステーション』社が企画した
『サバイバル・スペースバトルシップ・キャプテン・アンド・クルー』と言う連続配信リアル・ライヴ・ヴァラエティショウが、民間から男性艦長演者10名と女性艦長演者10名を募集し、アドル・エルクはそれに応募して当選を果たしたのだ。
彼がこのゲーム大会に応募したのは、これがウォー・ゲームではなく、バトル・ゲームと言う触れ込みだったからだ。
ウォー・ゲームであれば、参加者が所属する国・団体・勢力のようなものが設定に組み込まれる。
その所属先の中での振る舞いが面倒臭いと感じていたので、それが設定に組み込まれていない、このゲームが彼は気に入った。
だがこの配信会社は、艦長役演者に当選した20名を開幕前に発表しなかった。
連続配信リアル・ライヴ・ヴァラエティショウが配信されて初めて、誰が選ばれたのかが判る仕掛けにしたのだ。
艦長役演者に選ばれたのが、今から90日前。以来彼は土日・祝日と終業後の時間を使って準備を進めてきた。
配信会社から送られた、女性芸能人クルー候補者名簿から自分の好みに合い、能力の高い人材を副長以下のクルーとして選抜し、面談し、撮影セットを見学し、マニュアルファイルを頭に叩き込み、彼女達と様々な打ち合わせや協議を重ねて段取りや準備を積み上げて構築してきた。
彼の目的はこのゲーム大会を出来る限りの長期間に亘って楽しむ事。
会社からの給与とボーナス・艦長報酬と配信会社からのギャラ・戦果に応じた分配賞金で大金持ちになる事と、自分が艦長として率いる『ディファイアント』に経験値を付与し続けて、最強の艦とする事。
スタッフ・クルー達との関係構築も楽しみたい。
運営推進委員会の真意・本当の目的は気になる処だが、先ずは『ディファイアント』として、戦い抜く姿を観せる事だな。
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