45 / 294
・・・『集結』・・・
・・シエナ・ミュラー・・ハンナ・ウェアー・・
しおりを挟む
「・・エンジンを総て停止して慣性で航行している際にコースを変更するには、ロケットアンカーを使います・・艦首・艦尾に計8基装備されているロケットアンカーを、周辺の岩塊デプリに撃ち込んでそのアンカーを基点として艦のコースを変えます・・」
「・・素晴らしい・・正解です、シエナさん・・おめでとう・・さすがですね・・やはり貴女を副長に据えたのは正解でした・・ハルさんとは協議されましたか・・?・・」
「・・ありがとうございます・・アドルさん・・ええ、ハルと話し合って、この解を出しました・・」
「・・分かりました・・それで・・3時間デートはどうしますか・・?・・」
「・・誰にも言わないで、お互いに変装してデートしましょう・・」
「・・分かりました・・後で話しましょうね・・?・・」 「・・はい・・」
このやり取りをハンナ・ウェアーは、すごく羨ましそうに観ていた・・。
「・・さて、ハンナさん・・質問して下さい・・そろそろ私のデータベースを完成させないと、間に合わなくなるでしょうから・・どんな質問でも好いですよ・・」
「・・分かりました・・では、伺います・・アドルさんは、最終的にどうされるお積りですか・・?・・」
「・・出来得る限りこのゲームに参加していたいですが、何せ軽巡宙艦ですから撃沈されるのは避けられないでしょう・・遅かれ早かれね・・そうなれば私のゲームは終わりです・・総てを清算して、皆さんともお別れです・・皆さんには、またどこかからオファーが入るでしょう・・私は元の生活に戻ります・・リサさんも、私の秘書ではなくなるでしょう・・『ディファイアント』が沈めば・・艦長として偶像視されていた私も、元の私に戻ります・・そんなところでしょうね・・」
「・・何を清算されるんですか・・?・・」と、シエナ・ミュラー・・。
「・・同じ軽巡宙艦を相手にするなら、負けるつもりはありません・・『ディファイアント』が存続し続ける限り、最初は少額でしょうが賞金がプールされ続けるでしょう・・私はハル・ハートリー参謀に依頼してその全額を一括管理して貰おうと考えています・・そして『ディファイアント』が沈んでゲームが終了したら、私を除く全員の頭割りで慰労金として支給します・・それが清算です・・」
「・・なぜアドルさんは受け取らないんですか・・?・・」と、ハンナ・ウェアー・・。
「・・私は当選確率五億分の一以下で選ばれたんです・・それだけでも充分ですよ・・課長にもなって給料も上がりますし、今期のボーナスは凄いでしょう・・充分に報われていますよ・・それに最後の最後まで私に付き合ってくれた皆さんへのお礼として・・私に出来るのはこれしか無いでしょうからね・・」
「・・そんな事を今仰ったら・・皆受け取りませんよ・・」と、シエナ・ミュラー・・。
「・・それは困りますね・・副長とカウンセラーで説得して下さい(笑)・・」
「・・『ディファイアント』が沈んだら、それまでの賞金でまた艦長として登録して出場すれば良いんです・・そうすれば、また私達もアドルさんに付いて行けます・・私はアドルさん以外からのオファーは受けません・・皆もそうでしょう・・私達を率いる事が出来るのは、アドルさんだけですよ・・」と、ハンナ・ウェアー・・。
「・・そう言って頂けるのは、嬉しいです・・それに、夢の拡がるお話ですね・・それじゃ、次の質問をどうぞ・・?・・」
「・・アドルさんのデータベースを作る上での質問は、もうありません・・」
「・・そうですか・・?・・分かりました・・じゃ、私のデータベースが仕上がるのを楽しみにしています・・仕上がったら、3時間デートしましょうね・・?・・何をしましょうか・・?・・」
「・・考えます・・けど・・変装はしません・・」
「・・分かりました・・じゃあ、タクシーを呼びますね・・」
そう言って立ち上がると、2人とも続いて立ち上がる・・。
「・・アドルさん・・今夜はまだ・・・!・・」
シエナ・ミュラーがそう言い掛けたが、右手の人差し指を彼女の唇に当てて止める・・。
「・・僕も君達とまだ一緒にいたいけど、明日もある・・今夜はもう帰って、早く寝んで明日に備えて下さい・・僕達はいつでも逢えるから・・結局・・4ヶ月待てなかったのは、僕の方だったね・・」
そう言って右手でシエナを、左手でハンナの腰を抱いて引寄せると、3人で40秒ほどハグし合ってから、ハンナの左頬にキスして30秒接吻し、シエナの顎にキスして30秒接吻し、またハンナと15秒接吻し、シエナとも15秒接吻して、2人の身体を離すと携帯端末を取りに行く・・2人ともまたソファーに座り込んで大きく息を吐く・・。
ここに来る迄のタクシー運賃をビットポイントでシエナさんの口座に振り込み、ドライバーに運賃を支払って2人を乗せ、発車して行くタクシーを見送る・・見えなくなってから中に入る・・。
「・・あたし、もうダメだわ・・もうアドルさんから離れられない・・」
後部座席のサウンドシールドを上げて、ハンナ・ウェアーが言う・・。
「・・とっくにそうでしょ・・?・・アタシもだけどね・・」と、シエナ・ミュラー・・。
「・・でもアドルさんには離婚して欲しくない・・彼の家庭も守りたいよ・・」
「・・アタシもだよ・・」
「・・アドルさんが、あんなことを考えているなんて・・アタシの人生・・もう決まったかな・・?・・」
「・・アタシもそうだね・・」
「・・アタシ達の他に、誰かアドルさんとキスしたかな・・?・・」
「・・分からない・・でもアタシ達には止められないよ・・」
「・・そうだね・・」
「・・ハンナ・・明日はピシッとしていくわよ・・」
「・・分かった・・皆にも言おう・・」
「・・そうだね・・」
「・・素晴らしい・・正解です、シエナさん・・おめでとう・・さすがですね・・やはり貴女を副長に据えたのは正解でした・・ハルさんとは協議されましたか・・?・・」
「・・ありがとうございます・・アドルさん・・ええ、ハルと話し合って、この解を出しました・・」
「・・分かりました・・それで・・3時間デートはどうしますか・・?・・」
「・・誰にも言わないで、お互いに変装してデートしましょう・・」
「・・分かりました・・後で話しましょうね・・?・・」 「・・はい・・」
このやり取りをハンナ・ウェアーは、すごく羨ましそうに観ていた・・。
「・・さて、ハンナさん・・質問して下さい・・そろそろ私のデータベースを完成させないと、間に合わなくなるでしょうから・・どんな質問でも好いですよ・・」
「・・分かりました・・では、伺います・・アドルさんは、最終的にどうされるお積りですか・・?・・」
「・・出来得る限りこのゲームに参加していたいですが、何せ軽巡宙艦ですから撃沈されるのは避けられないでしょう・・遅かれ早かれね・・そうなれば私のゲームは終わりです・・総てを清算して、皆さんともお別れです・・皆さんには、またどこかからオファーが入るでしょう・・私は元の生活に戻ります・・リサさんも、私の秘書ではなくなるでしょう・・『ディファイアント』が沈めば・・艦長として偶像視されていた私も、元の私に戻ります・・そんなところでしょうね・・」
「・・何を清算されるんですか・・?・・」と、シエナ・ミュラー・・。
「・・同じ軽巡宙艦を相手にするなら、負けるつもりはありません・・『ディファイアント』が存続し続ける限り、最初は少額でしょうが賞金がプールされ続けるでしょう・・私はハル・ハートリー参謀に依頼してその全額を一括管理して貰おうと考えています・・そして『ディファイアント』が沈んでゲームが終了したら、私を除く全員の頭割りで慰労金として支給します・・それが清算です・・」
「・・なぜアドルさんは受け取らないんですか・・?・・」と、ハンナ・ウェアー・・。
「・・私は当選確率五億分の一以下で選ばれたんです・・それだけでも充分ですよ・・課長にもなって給料も上がりますし、今期のボーナスは凄いでしょう・・充分に報われていますよ・・それに最後の最後まで私に付き合ってくれた皆さんへのお礼として・・私に出来るのはこれしか無いでしょうからね・・」
「・・そんな事を今仰ったら・・皆受け取りませんよ・・」と、シエナ・ミュラー・・。
「・・それは困りますね・・副長とカウンセラーで説得して下さい(笑)・・」
「・・『ディファイアント』が沈んだら、それまでの賞金でまた艦長として登録して出場すれば良いんです・・そうすれば、また私達もアドルさんに付いて行けます・・私はアドルさん以外からのオファーは受けません・・皆もそうでしょう・・私達を率いる事が出来るのは、アドルさんだけですよ・・」と、ハンナ・ウェアー・・。
「・・そう言って頂けるのは、嬉しいです・・それに、夢の拡がるお話ですね・・それじゃ、次の質問をどうぞ・・?・・」
「・・アドルさんのデータベースを作る上での質問は、もうありません・・」
「・・そうですか・・?・・分かりました・・じゃ、私のデータベースが仕上がるのを楽しみにしています・・仕上がったら、3時間デートしましょうね・・?・・何をしましょうか・・?・・」
「・・考えます・・けど・・変装はしません・・」
「・・分かりました・・じゃあ、タクシーを呼びますね・・」
そう言って立ち上がると、2人とも続いて立ち上がる・・。
「・・アドルさん・・今夜はまだ・・・!・・」
シエナ・ミュラーがそう言い掛けたが、右手の人差し指を彼女の唇に当てて止める・・。
「・・僕も君達とまだ一緒にいたいけど、明日もある・・今夜はもう帰って、早く寝んで明日に備えて下さい・・僕達はいつでも逢えるから・・結局・・4ヶ月待てなかったのは、僕の方だったね・・」
そう言って右手でシエナを、左手でハンナの腰を抱いて引寄せると、3人で40秒ほどハグし合ってから、ハンナの左頬にキスして30秒接吻し、シエナの顎にキスして30秒接吻し、またハンナと15秒接吻し、シエナとも15秒接吻して、2人の身体を離すと携帯端末を取りに行く・・2人ともまたソファーに座り込んで大きく息を吐く・・。
ここに来る迄のタクシー運賃をビットポイントでシエナさんの口座に振り込み、ドライバーに運賃を支払って2人を乗せ、発車して行くタクシーを見送る・・見えなくなってから中に入る・・。
「・・あたし、もうダメだわ・・もうアドルさんから離れられない・・」
後部座席のサウンドシールドを上げて、ハンナ・ウェアーが言う・・。
「・・とっくにそうでしょ・・?・・アタシもだけどね・・」と、シエナ・ミュラー・・。
「・・でもアドルさんには離婚して欲しくない・・彼の家庭も守りたいよ・・」
「・・アタシもだよ・・」
「・・アドルさんが、あんなことを考えているなんて・・アタシの人生・・もう決まったかな・・?・・」
「・・アタシもそうだね・・」
「・・アタシ達の他に、誰かアドルさんとキスしたかな・・?・・」
「・・分からない・・でもアタシ達には止められないよ・・」
「・・そうだね・・」
「・・ハンナ・・明日はピシッとしていくわよ・・」
「・・分かった・・皆にも言おう・・」
「・・そうだね・・」
0
お気に入りに追加
86
あなたにおすすめの小説
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます
まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。
貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。
そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。
☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。
☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。
忘却の艦隊
KeyBow
SF
新設された超弩級砲艦を旗艦とし新造艦と老朽艦の入れ替え任務に就いていたが、駐留基地に入るには数が多く、月の1つにて物資と人員の入れ替えを行っていた。
大型輸送艦は工作艦を兼ねた。
総勢250艦の航宙艦は退役艦が110艦、入れ替え用が同数。
残り30艦は増強に伴い新規配備される艦だった。
輸送任務の最先任士官は大佐。
新造砲艦の設計にも関わり、旗艦の引き渡しのついでに他の艦の指揮も執り行っていた。
本来艦隊の指揮は少将以上だが、輸送任務の為、設計に関わった大佐が任命された。
他に星系防衛の指揮官として少将と、退役間近の大将とその副官や副長が視察の為便乗していた。
公安に近い監査だった。
しかし、この2名とその側近はこの艦隊及び駐留艦隊の指揮系統から外れている。
そんな人員の載せ替えが半分ほど行われた時に中緊急警報が鳴り、ライナン星系第3惑星より緊急の救援要請が入る。
機転を利かせ砲艦で敵の大半を仕留めるも、苦し紛れに敵は主系列星を人口ブラックホールにしてしまった。
完全にブラックホールに成長し、その重力から逃れられないようになるまで数分しか猶予が無かった。
意図しない戦闘の影響から士気はだだ下がり。そのブラックホールから逃れる為、禁止されている重力ジャンプを敢行する。
恒星から近い距離では禁止されているし、システム的にも不可だった。
なんとか制限内に解除し、重力ジャンプを敢行した。
しかし、禁止されているその理由通りの状況に陥った。
艦隊ごとセットした座標からズレ、恒星から数光年離れた所にジャンプし【ワープのような架空の移動方法】、再び重力ジャンプ可能な所まで移動するのに33年程掛かる。
そんな中忘れ去られた艦隊が33年の月日の後、本星へと帰還を目指す。
果たして彼らは帰還できるのか?
帰還出来たとして彼らに待ち受ける運命は?
三歳で婚約破棄された貧乏伯爵家の三男坊そのショックで現世の記憶が蘇る
マメシバ
ファンタジー
貧乏伯爵家の三男坊のアラン令息
三歳で婚約破棄され
そのショックで前世の記憶が蘇る
前世でも貧乏だったのなんの問題なし
なによりも魔法の世界
ワクワクが止まらない三歳児の
波瀾万丈
断腸の思いで王家に差し出した孫娘が婚約破棄されて帰ってきた
兎屋亀吉
恋愛
ある日王家主催のパーティに行くといって出かけた孫娘のエリカが泣きながら帰ってきた。買ったばかりのドレスは真っ赤なワインで汚され、左頬は腫れていた。話を聞くと王子に婚約を破棄され、取り巻きたちに酷いことをされたという。許せん。戦じゃ。この命燃え尽きようとも、必ずや王家を滅ぼしてみせようぞ。
乾坤一擲
響 恭也
SF
織田信長には片腕と頼む弟がいた。喜六郎秀隆である。事故死したはずの弟が目覚めたとき、この世にありえぬ知識も同時によみがえっていたのである。
これは兄弟二人が手を取り合って戦国の世を綱渡りのように歩いてゆく物語である。
思い付きのため不定期連載です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる