54 / 296
室内爆散の公開記録 - これはペットではありませんね
しおりを挟むウラー!
室内爆散です。
少しは前進したと思っていた矢先、クソゲ掲示板でとある報告がきたのです。
通称天元さんが、またいじられた……もとい、アイテムで変な効果を強制的につけられたというのです。
いや、天元さんって誰やねん。
といいたくなる気持ちはわかる。
だって天元さんはクソゲ掲示板以外にはほとんど出没しないレアキャラだからね。
クソゲ愛好家もそりゃ知らない人のほうが多いってね。
クソゲ愛好家ってなんだよ。ぶっ殺すぞ。
さておき。
天元さんは、公開記録も公式も非公式も書いてないしね。
(……書いてないのにそこまで削れた様子もなく続いてるってすごくね?)
ともかく、他の掲示板には書き込まないが難易度別のクソゲにはいるって人な。
まぁ、珍しくはない。クソゲだという特徴を覗けば、その難易度以外は書き込まないってタイプの人はちょろちょろいるっぽいし。クソゲだと全難易度見放題だぜー。いいだろー。うらやましいだろー。かわってやるからすぐいって。いって! すぐ! 変わるから! 変われ! カイワレ。
別にいい。そんなものは個人の自由だし。他の掲示板も記録もみないし、周りに人いるけどコミュニケーションからの情報取得もしない! ってなるとお前唯一の情報源やぞ情報甘く見てんのかこっち強制ソロやぞ死ねよと思うけど。
まぁ、だからその天元さんについてちょっと説明すると、天元さんは呪いにかけられたというか、運営にいじられたというか、そういう可哀そうなどうしようもない理不尽を押し付けられてしまった人なのだ。
それが他の掲示板にも公開記録にも出てこない理由なんだけど……ここでは細かい理由はよそうじゃないか。
俺だって恨みは買いたくない。あの人はあの人でキノコちゃんとは別の何か怖さがあるのだ。
まぁ、その天元さんが更なる理不尽を追加されたーってことなんだけど。
天元さん曰く、なんかアイテムらしい何かが落ちてて、不審に思って近づいた。
そうしたら、拾う行動してないのに近づいただけで発動したっていうの。
で、アイテムはクソゲは死んだらポイントでロックを出すたびにかけないと普通にロストする使用なんだけど、それは残ってるらしい。
罠にしても酷くね?
で、他のクソゲにそういうアイテムトラップあるんじゃね?
って話になっていって他のクソゲにとっても他人事じゃすまない感じになったのね。
で、俺、実はその話が出た時点で思い当たることがあったのよ。
今日も元気に死んでいこう!
って矛盾を宣言しつつダンジョン進んでて、ふと後ろを見たんだよ。
そしたら、いつからあったのか、そこには浮遊する謎の黒い球体があった。
うぁぁ! っていったね。
ホラーゲーム苦手な人がゾンビが突然出てきて驚いたくらいのテンションのうわぁああああ! が出たね。
その後雑音絶対許さないマンに音探知でばりばり食われるまでが流れだったよ。
ぼちぼちポイント食われまくって死にまくって病気対策できて、他人が出すを音を絶対許さない隣人をフィーチャーしたみたいな奴に次階層で殺されまくり―の、そっちに神経割いてたらつい忘れがちな透明マンとかコミュ障とかにもたまに殺されーのの毎日で、久方ぶりに素で、心の底からただびっくりして「うわぁああああ!」って言ったわ。
そして、リスポーンするやん。
したんだけど、後ろにいるわけ。
球体。
黒い球体。
ウチュウジンでも退治させる気かよ!
とか、色々言いたい気分だけど、必死に我慢した。
キノコとか寄生虫とか、特定のアイテムとか、部屋まで出てくるやつは何が条件で何するか怖くてしかたねぇ。
で、しばらく警戒だけはしつつなるべく目にも入れないようにしていたんだけど、特に何もない。
そんで掲示板を覗いたら、天元さんの報告だ。
これじゃね?
俺に電流が走ったのだ。
ぴしゃりらん! みたいな、よくわからない音で電流が走った感じにひらめきが来たのだ。
別に真実を見抜いたわけでもないし、人と心が通じ合う能力を得たわけでもないけどひらめいたのだ。
これだ。これに違いない。運営の嫌がらせというなの仕掛けというか、専用アイテム的サムシングだ……!
って。
ますます触れたくねぇ……
このまま放置できないかな?
と考えたんだけど、放置したらしたで、
(もしかして放置したらしただけ何か悪い展開が後々おこる的アイテムだったらどうしよう)
という嫌な想像が付きまとうのだ。ないなら内でどっと疲れる、どのパターンでも嫌がらせができるというクソ仕様だぜ!
関係ない(と思う)が、その日、とりあえず保留して眠った俺の夢は悪夢だった。
寝て冷めても、当たり前のように球体はいた。寄り添われるならせめて会話が通じる相手が良い。後ろをついてくる時点で、死んだ飼い犬と妹を思い出してリスポーンより立ち直りに時間かかったぞこの野郎。
ちなみにこの黒いのは、どうやら大体後ろについているようだが、寝るときはなんか上にいる。見たくないのに視界に入る。ビームを出さないだけありがたいとか一瞬思うあたり感覚がマヒしてる。
貫通して壁の中にいる! という風にはならないらしい。
離れないという意思を感じる……! こっちには大迷惑にしかならない、強い、強い意志を……!
で、嫌な予感はするんだけど、とりあえず放置してクソゲで今いる中で話し合ってみよう! ってのが今の流れなのだ。
天元さんが見つけて、俺も見つけた。
なんか、そういう流れがっていうか、仕掛けのあるポイントにきた感があるんだよね。
それか、そういう仕掛けをそのタイミングで運営がしたか。
だから俺ら以外も見つけそうな予感がひしひしとするのだ。
むしろ見つけろ、犠牲者よ増えろ……!
とはさすがに(俺は)思っていない。
だってクソゲはもう十分クソゲなんだから、これ以上理不尽がなくてもいいじゃないか!
と思うのだ。
思うので、できれば俺のこれも何事もなく消えてくれたりしませんか?
ボク、いい子にするからぁ!
ダメだって?
知ってた。
運営死ね、とつぶやく元気もなくなんよー。
頼むよ頼むよー。
0
お気に入りに追加
12
あなたにおすすめの小説

どこかで見たような異世界物語
PIAS
ファンタジー
現代日本で暮らす特に共通点を持たない者達が、突如として異世界「ティルリンティ」へと飛ばされてしまう。
飛ばされた先はダンジョン内と思しき部屋の一室。
互いの思惑も分からぬまま協力体制を取ることになった彼らは、一先ずダンジョンからの脱出を目指す。
これは、右も左も分からない異世界に飛ばされ「異邦人」となってしまった彼らの織り成す物語。
魔人に就職しました。
ミネラル・ウィンター
ファンタジー
殺気を利用した剣術の達人である男、最上 悟(さいじょう さとる)。彼は突然、異世界に転移してしまう。その異世界で出会った魔物に魔人と呼ばれながら彼は魔物と異世界で平和に暮らす事を目指し、その魔物達と共に村を作った。
だが平和な暮らしを望む彼を他所に魔物達の村には勇者という存在が突如襲い掛かるのだった―――
【ただいま修正作業中の為、投稿しなおしています】

半分異世界
月野槐樹
ファンタジー
関東圏で学生が行方不明になる事件が次々にしていた。それは異世界召還によるものだった。
ネットでも「神隠しか」「異世界召還か」と噂が飛び交うのを見て、異世界に思いを馳せる少年、圭。
いつか異世界に行った時の為にとせっせと準備をして「異世界ガイドノート」なるものまで作成していた圭。従兄弟の瑛太はそんな圭の様子をちょっと心配しながらも充実した学生生活を送っていた。
そんなある日、ついに異世界の扉が彼らの前に開かれた。
「異世界ガイドノート」と一緒に旅する異世界

【ヤベェ】異世界転移したった【助けてwww】
一樹
ファンタジー
色々あって、転移後追放されてしまった主人公。
追放後に、持ち物がチート化していることに気づく。
無事、元の世界と連絡をとる事に成功する。
そして、始まったのは、どこかで見た事のある、【あるある展開】のオンパレード!
異世界転移珍道中、掲示板実況始まり始まり。
【諸注意】
以前投稿した同名の短編の連載版になります。
連載は不定期。むしろ途中で止まる可能性、エタる可能性がとても高いです。
なんでも大丈夫な方向けです。
小説の形をしていないので、読む人を選びます。
以上の内容を踏まえた上で閲覧をお願いします。
disりに見えてしまう表現があります。
以上の点から気分を害されても責任は負えません。
閲覧は自己責任でお願いします。
小説家になろう、pixivでも投稿しています。

俺のスキルが無だった件
しょうわな人
ファンタジー
会社から帰宅中に若者に親父狩りされていた俺、神城闘史(かみしろとうじ)。
攻撃してきたのを捌いて、逃れようとしていた時に眩しい光に包まれた。
気がつけば、見知らぬ部屋にいた俺と俺を狩ろうとしていた若者五人。
偉そうな爺さんにステータスオープンと言えと言われて素直に従った。
若者五人はどうやら爺さんを満足させたらしい。が、俺のステータスは爺さんからすればゴミカスと同じだったようだ。
いきなり金貨二枚を持たされて放り出された俺。しかし、スキルの真価を知り人助け(何でも屋)をしながら異世界で生活する事になった。
【お知らせ】
カクヨムで掲載、完結済の当作品を、微修正してこちらで再掲載させて貰います。よろしくお願いします。

日本帝国陸海軍 混成異世界根拠地隊
北鴨梨
ファンタジー
太平洋戦争も終盤に近付いた1944(昭和19)年末、日本海軍が特攻作戦のため終結させた南方の小規模な空母機動部隊、北方の輸送兼対潜掃討部隊、小笠原増援輸送部隊が突如として消失し、異世界へ転移した。米軍相手には苦戦続きの彼らが、航空戦力と火力、機動力を生かして他を圧倒し、図らずも異世界最強の軍隊となってしまい、その情勢に大きく関わって引っ掻き回すことになる。

やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。

大和型戦艦、異世界に転移する。
焼飯学生
ファンタジー
第二次世界大戦が起きなかった世界。大日本帝国は仮想敵国を定め、軍事力を中心に強化を行っていた。ある日、大日本帝国海軍は、大和型戦艦四隻による大規模な演習と言う名目で、太平洋沖合にて、演習を行うことに決定。大和、武蔵、信濃、紀伊の四隻は、横須賀海軍基地で補給したのち出港。しかし、移動の途中で濃霧が発生し、レーダーやソナーが使えなくなり、更に信濃と紀伊とは通信が途絶してしまう。孤立した大和と武蔵は濃霧を突き進み、太平洋にはないはずの、未知の島に辿り着いた。
※ この作品は私が書きたいと思い、書き進めている作品です。文章がおかしかったり、不明瞭な点、あるいは不快な思いをさせてしまう可能性がございます。できる限りそのような事態が起こらないよう気をつけていますが、何卒ご了承賜りますよう、お願い申し上げます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる