シトゥルスヌーの機関車

翔子

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 足掻き

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 いや、死ぬわけにはいかない。

 オレは生きたい……誰かを蹴落としてまでも。こんなんで死にたくない!!

 オレは重いGに負けずに、身体に鞭を打って立ち上がった。

 この客車を機関車から引き離す!

「何をなさるつもりです? 往生際の悪い事を成さるつもりなら───」

「うるせえ!! オレは呪いには屈しない!! 生きるんだよ!」

 オレは座席の肘置きを馬鹿力でへし折った。脆くなっていたのか簡単に折れた。

 オレはそれを持って、客車とを繋ぐ連結部位を叩いた。無我夢中で叩いた。

 叩いた。

 叩いた。

 叩いた。

 叩いた。


 手に血が滲み出ても、海の潮が顔に掛かっても、車内アナウンスが必死めいた声で止めようとしても……。


 連結に向かって何度も……

 何度も。

 何度も。
 
 何度も。

 何度も。

 衝撃を与え続けた。


 大きく音がし、連結部分が粉々になると、辺りが真っ白な光に包まれた。


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