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車中
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「どうだった?浜田くんとは会えたのか?」
車に乗り込むなり町田は聞いた。
「えぇ、まぁ」
「はっきりと教えてくれ!」
「会えました」
「アポイントメントは取れたんだろうな」
「それが、、、」
河村が言い淀む。
「ダメだったのか?じゃぁ、この車を浜田くんのもとにやってくれ」
「わがままを仰らないでください。公職の帰り道にストーカーなんて、、、」
「ストーカーだと?バカを言うな、一途な愛だ」
「取り敢えず、一度、ご自宅に戻りましょう」
朝から爽やかな笑顔を振り撒き続けた町田が、ようやく本当の顔を出す。
考えてみれば、自宅にはタヌキ親父を絵で描いたような祖父と父親、そして息子を溺愛しつつ、息子と同い年のテニスコーチと浮気している母親、祖父と父の手が付いている、あるいは、手が付いていた女性達がお手伝いとして働いている。
この自動車は貴公子議員と言われる町田が、普通の一青年に戻れる数少ない場所なのかと、河村は思う。
だが、この後、浜田のことをどう説明するか、、、、
河村は困る。
先程、町田を車からおろし、河村はそのまま、町田が執心している浜田の自宅に向かった。
町田に説明したように、浜田からは連絡はなかった。
が、河村は浜田の大体の様子は知っている。
浜田の仲間の栗山という少年とはよく連絡を取り合っていたからだ。
今日も栗山が浜田の家に居るのを知っていたので、栗山に連絡して訪ねたのだ。
浜田の豪邸の駐車場に車を停めると、栗山が迎えに来ていた。
河村が車を降りるとスッと近寄り腕を組もうとする。
「ダメですよ。人が見ているかもしれません」
「ケチ臭いな。最近の大人は奥手が多くて困るよ」
と言いつつ、腕を河村の尻にあて、さわさわさわってくる。
「大人が奥手ではなく、最近の高校生が乱れているんじゃないですか?」
「また、訳知り顔で、河村さんも、楽しいこと一緒にしましょうよ」
「今日は仕事の合間なので、服を脱いでる暇はありません」
「つまんないの」
「で、浜田くんは中に居るのかい?」
「いますよー。朝から三発続けてやって、今、ブレイクタイム注意。ちょっとなら話せるって」
「朝から三発って、君ら若いな」
「それが、最近、僕のを使ってくれなくて、クモの巣が張っちゃいそう。河村さん、近々、やりましょ」
「近々ね」
「約束だよ」
二人はいわゆるセフレの関係だった。
河村は性には淡白なタイプだったので、河村から連絡を取ることはほとんど無かったが、栗山から誘いがあるとよほどの用事がない限り、断らなかった。
よほどの用事とは、趣味のプラモデルを作るということなのだが、その事実を知った栗山の自尊心はいたく傷つけられたらしい。
是が非でも自分を最優先にさせたいらしく、それから誘いの頻度は増え、河村へのサービスも濃厚になった。
それはそれで、河村にとっては気持ちがよかったのでありがたかった。
河村も健康な男であるということだ。
河村は、栗山に連れられ、浜田の家に入った。
ふぅ
河村は軽くため息を衝く。
それからの浜田との会話をどう説明するか。
そして、そのリビングルームで見た光景を町田に話していいものかどうか。。。
悩む。
チラリと後部座席を見ると、ネクタイを緩めた町田は眠っていた。
疲れた顔だ、、、無理もない、、、朝から多くの支援者達の前で、姿勢を正し、愛想を振り撒き続けたのだから。
ま、今、起こして話すこともないか。
河村は車を走らせる。
車に乗り込むなり町田は聞いた。
「えぇ、まぁ」
「はっきりと教えてくれ!」
「会えました」
「アポイントメントは取れたんだろうな」
「それが、、、」
河村が言い淀む。
「ダメだったのか?じゃぁ、この車を浜田くんのもとにやってくれ」
「わがままを仰らないでください。公職の帰り道にストーカーなんて、、、」
「ストーカーだと?バカを言うな、一途な愛だ」
「取り敢えず、一度、ご自宅に戻りましょう」
朝から爽やかな笑顔を振り撒き続けた町田が、ようやく本当の顔を出す。
考えてみれば、自宅にはタヌキ親父を絵で描いたような祖父と父親、そして息子を溺愛しつつ、息子と同い年のテニスコーチと浮気している母親、祖父と父の手が付いている、あるいは、手が付いていた女性達がお手伝いとして働いている。
この自動車は貴公子議員と言われる町田が、普通の一青年に戻れる数少ない場所なのかと、河村は思う。
だが、この後、浜田のことをどう説明するか、、、、
河村は困る。
先程、町田を車からおろし、河村はそのまま、町田が執心している浜田の自宅に向かった。
町田に説明したように、浜田からは連絡はなかった。
が、河村は浜田の大体の様子は知っている。
浜田の仲間の栗山という少年とはよく連絡を取り合っていたからだ。
今日も栗山が浜田の家に居るのを知っていたので、栗山に連絡して訪ねたのだ。
浜田の豪邸の駐車場に車を停めると、栗山が迎えに来ていた。
河村が車を降りるとスッと近寄り腕を組もうとする。
「ダメですよ。人が見ているかもしれません」
「ケチ臭いな。最近の大人は奥手が多くて困るよ」
と言いつつ、腕を河村の尻にあて、さわさわさわってくる。
「大人が奥手ではなく、最近の高校生が乱れているんじゃないですか?」
「また、訳知り顔で、河村さんも、楽しいこと一緒にしましょうよ」
「今日は仕事の合間なので、服を脱いでる暇はありません」
「つまんないの」
「で、浜田くんは中に居るのかい?」
「いますよー。朝から三発続けてやって、今、ブレイクタイム注意。ちょっとなら話せるって」
「朝から三発って、君ら若いな」
「それが、最近、僕のを使ってくれなくて、クモの巣が張っちゃいそう。河村さん、近々、やりましょ」
「近々ね」
「約束だよ」
二人はいわゆるセフレの関係だった。
河村は性には淡白なタイプだったので、河村から連絡を取ることはほとんど無かったが、栗山から誘いがあるとよほどの用事がない限り、断らなかった。
よほどの用事とは、趣味のプラモデルを作るということなのだが、その事実を知った栗山の自尊心はいたく傷つけられたらしい。
是が非でも自分を最優先にさせたいらしく、それから誘いの頻度は増え、河村へのサービスも濃厚になった。
それはそれで、河村にとっては気持ちがよかったのでありがたかった。
河村も健康な男であるということだ。
河村は、栗山に連れられ、浜田の家に入った。
ふぅ
河村は軽くため息を衝く。
それからの浜田との会話をどう説明するか。
そして、そのリビングルームで見た光景を町田に話していいものかどうか。。。
悩む。
チラリと後部座席を見ると、ネクタイを緩めた町田は眠っていた。
疲れた顔だ、、、無理もない、、、朝から多くの支援者達の前で、姿勢を正し、愛想を振り撒き続けたのだから。
ま、今、起こして話すこともないか。
河村は車を走らせる。
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