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楽市楽座
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氏真の初陣から三カ月が立っていた。
先の掃討戦が功を奏したのか、武田が真篠砦に
兵を送ることはなかった。
ただ、警戒しているのか、真篠砦の城主に原大隅守
を送ってきた。
駿府館では、それに対抗するために城を築くべきだ
と主張する者がいたが、未だ甲相駿三国同盟が結ば
れている中でそのようなことをすれば武田に攻める
名分を与えてしまうので、静観の構えを取ることが
決まった。
氏真は、来たる武田との戦に備え岡部に鍛えさせて
いた兵達を朝比奈にも鍛えさせることにしたのだ。
それと同時に、忍びである鬼鮫達に武田家のことを
探らせていた。
三河国の大名である松平元康の備えには、曳馬城の
城主を飯尾連竜に掛川城の城主を朝比奈泰朝にする
ことで、万全を期していた。
この頃になると、駿府館には氏真の評判を聞きつけた
商人達が商売をしにいたる所から駆けつけて来た。
氏真は、商人達の為に楽市楽座令を出すなどして、
新たに入ってくる商人達が商売しやすい環境を整えて
いたので、商人から駿府館に入ってくる税が莫大に増えたのだった。
氏真は、徴収した税の3割を財政が逼迫している朝廷
に毎年献上することに決めたのだった。
(そして、この税のおかげで氏真は、史上最大の危機
を乗り越えるのだが、それはまだ先の話である)
先の掃討戦が功を奏したのか、武田が真篠砦に
兵を送ることはなかった。
ただ、警戒しているのか、真篠砦の城主に原大隅守
を送ってきた。
駿府館では、それに対抗するために城を築くべきだ
と主張する者がいたが、未だ甲相駿三国同盟が結ば
れている中でそのようなことをすれば武田に攻める
名分を与えてしまうので、静観の構えを取ることが
決まった。
氏真は、来たる武田との戦に備え岡部に鍛えさせて
いた兵達を朝比奈にも鍛えさせることにしたのだ。
それと同時に、忍びである鬼鮫達に武田家のことを
探らせていた。
三河国の大名である松平元康の備えには、曳馬城の
城主を飯尾連竜に掛川城の城主を朝比奈泰朝にする
ことで、万全を期していた。
この頃になると、駿府館には氏真の評判を聞きつけた
商人達が商売をしにいたる所から駆けつけて来た。
氏真は、商人達の為に楽市楽座令を出すなどして、
新たに入ってくる商人達が商売しやすい環境を整えて
いたので、商人から駿府館に入ってくる税が莫大に増えたのだった。
氏真は、徴収した税の3割を財政が逼迫している朝廷
に毎年献上することに決めたのだった。
(そして、この税のおかげで氏真は、史上最大の危機
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