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一章 異世界に飛ばされた女子高生
フライング・ソード
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武器屋の中へと入ると、そこには壁に剣や槍、盾に斧が飾られている。
そして、店内の両サイドには床に所狭しと置かれたいくつもの底の深い樽に無造作に剣と槍が突っ込まれ、さらに鎧が飾られていた。
さらにはショーケースみたいなのもあり、そこにはナイフが並べられている。
それらには値札が付けられているけど、そこに書かれている通貨単位は「エント」。
日本の「円」に似たような言葉だけど、こんな通貨単位は勿論わたしは知らないし、持ってもいない。
そして、店の奥にあるカウンターへと目をやると、そこには一人の男性の姿があった。
ユーリはその男性がいるカウンターへと向かっていたため、わたしも慌てて彼の後へと付いていった。
「オヤジさん武器が欲しいんだけどいいかい?」
「おお、ユーリじゃねぇか。どうした?武器が壊れたのか……って、壊れてねえじゃねえか……。予備でも買いに来たのか?」
「今日は僕の武器じゃなくてこの娘の武器を買いに来たんだ。」
ユーリが指でわたしをさすと店長だろうか、そのオヤジさんと呼ばれた男性はわたしへと視線を向けた。
「ほほぉ~……、ユーリがエミリー以外の女と来るのは珍しいな……。それで、どんなのを探してるんだ?」
「サナはどんなのがいい?」
「待ってよ……!わたし、お金なんて持ってないよ……っ!?」
オヤジさんとユーリの視線がわたしへと向けられるが、わたしは全力で首を横に振った!
わたしはこの世界のお金なんて全然持っていないのだっ!
……日本円ならあるけど
「お金は心配しなくていいよ。僕もカナさんに助けてもらったときに装備を買うお金を出してもらった事があるからね」
「そ、そうなんだ……」
そう言えば、お姉ちゃんって困ってる人にすぐ手を差し伸べていたっけ……。
勿論、騙される事もあったけど、その時は意地でも探し出して全力で殴り倒していた覚えがある。
普段は優しいけど、怒らせると口よりも先に手が出るタイプ、それがわたしのお姉ちゃん「武久 佳奈」なのだ!
それにしても武器か……。
どんな武器がいいかと聞かれても実際困る……。
「わたし武器なんて持ったことないし……。ねえユーリ、お姉ちゃんはどんな武器を持ってたの?」
「カナさん……?確か片手剣と盾を持ってたかな……?」
わたしの問にユーリは腰に手を当て、思い出すかのように答えてくれた。
お姉ちゃんは剣か……。
なら、わたしも同じのがいいかな……?
「なら、わたしも剣を扱ってみたい」
「ふむ、嬢ちゃんは剣が欲しいのか。だが、剣と言っても色々ある。店の奥に試し斬りが出来る巻き藁という木の棒に藁を巻いた物を置いてあるから試してみて手に馴染むものを買うといい」
「はい、ありがとうございます」
オヤジさんの許可を得て樽から適当な剣を手に取ると、ズシリとした重さが手にのしかかる……。
重さにして1~2キロほどかな……?
鞘から抜くと銀色の両刃の剣が姿を現した。
そして、ユーリとオヤジさんが後ろで見守る中、わたしはその剣を手に持ち、巻き藁という物の前に立つと剣を構えた……。
「はあ……っ!!」
わたしは力いっぱい剣を横へと振る……っ!
すると、巻き藁は全くの無傷で、後ろから何とも言えない二人のビミョ~な視線を感じる……。
わたしが振るった剣の軌道は巻き藁のど真ん中を捉えていた!
あのまま行けば間違いなく真っ二つに斬れていたに違いないっ!
そう、あのまま行けば……!
何が言いたいのかと言うと、剣を振るった瞬間、剣はわたしの手からすっぽ抜け、壁へと突き刺さっていたのだ……っ!
「あ……、あれ……?」
おかしい……、こんなハズでは……。
「なあユーリ……。この嬢ちゃんに刃物は持たせない方が良いんじゃないのか……?」
「……僕もそう思った」
結局これくらいなら使えるだろうということで短剣だけをユーリに買ってもらって武器屋を後にしたのだった……。
そして、店内の両サイドには床に所狭しと置かれたいくつもの底の深い樽に無造作に剣と槍が突っ込まれ、さらに鎧が飾られていた。
さらにはショーケースみたいなのもあり、そこにはナイフが並べられている。
それらには値札が付けられているけど、そこに書かれている通貨単位は「エント」。
日本の「円」に似たような言葉だけど、こんな通貨単位は勿論わたしは知らないし、持ってもいない。
そして、店の奥にあるカウンターへと目をやると、そこには一人の男性の姿があった。
ユーリはその男性がいるカウンターへと向かっていたため、わたしも慌てて彼の後へと付いていった。
「オヤジさん武器が欲しいんだけどいいかい?」
「おお、ユーリじゃねぇか。どうした?武器が壊れたのか……って、壊れてねえじゃねえか……。予備でも買いに来たのか?」
「今日は僕の武器じゃなくてこの娘の武器を買いに来たんだ。」
ユーリが指でわたしをさすと店長だろうか、そのオヤジさんと呼ばれた男性はわたしへと視線を向けた。
「ほほぉ~……、ユーリがエミリー以外の女と来るのは珍しいな……。それで、どんなのを探してるんだ?」
「サナはどんなのがいい?」
「待ってよ……!わたし、お金なんて持ってないよ……っ!?」
オヤジさんとユーリの視線がわたしへと向けられるが、わたしは全力で首を横に振った!
わたしはこの世界のお金なんて全然持っていないのだっ!
……日本円ならあるけど
「お金は心配しなくていいよ。僕もカナさんに助けてもらったときに装備を買うお金を出してもらった事があるからね」
「そ、そうなんだ……」
そう言えば、お姉ちゃんって困ってる人にすぐ手を差し伸べていたっけ……。
勿論、騙される事もあったけど、その時は意地でも探し出して全力で殴り倒していた覚えがある。
普段は優しいけど、怒らせると口よりも先に手が出るタイプ、それがわたしのお姉ちゃん「武久 佳奈」なのだ!
それにしても武器か……。
どんな武器がいいかと聞かれても実際困る……。
「わたし武器なんて持ったことないし……。ねえユーリ、お姉ちゃんはどんな武器を持ってたの?」
「カナさん……?確か片手剣と盾を持ってたかな……?」
わたしの問にユーリは腰に手を当て、思い出すかのように答えてくれた。
お姉ちゃんは剣か……。
なら、わたしも同じのがいいかな……?
「なら、わたしも剣を扱ってみたい」
「ふむ、嬢ちゃんは剣が欲しいのか。だが、剣と言っても色々ある。店の奥に試し斬りが出来る巻き藁という木の棒に藁を巻いた物を置いてあるから試してみて手に馴染むものを買うといい」
「はい、ありがとうございます」
オヤジさんの許可を得て樽から適当な剣を手に取ると、ズシリとした重さが手にのしかかる……。
重さにして1~2キロほどかな……?
鞘から抜くと銀色の両刃の剣が姿を現した。
そして、ユーリとオヤジさんが後ろで見守る中、わたしはその剣を手に持ち、巻き藁という物の前に立つと剣を構えた……。
「はあ……っ!!」
わたしは力いっぱい剣を横へと振る……っ!
すると、巻き藁は全くの無傷で、後ろから何とも言えない二人のビミョ~な視線を感じる……。
わたしが振るった剣の軌道は巻き藁のど真ん中を捉えていた!
あのまま行けば間違いなく真っ二つに斬れていたに違いないっ!
そう、あのまま行けば……!
何が言いたいのかと言うと、剣を振るった瞬間、剣はわたしの手からすっぽ抜け、壁へと突き刺さっていたのだ……っ!
「あ……、あれ……?」
おかしい……、こんなハズでは……。
「なあユーリ……。この嬢ちゃんに刃物は持たせない方が良いんじゃないのか……?」
「……僕もそう思った」
結局これくらいなら使えるだろうということで短剣だけをユーリに買ってもらって武器屋を後にしたのだった……。
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