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2章 貴族の生活
18.食いしん坊さんなのね
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テレシーとミーシアを連れて自分の部屋に入ったリタとティオ。
リタは先ほどのクッキーをお皿にたくさん盛り付けて部屋に持ってきており、それを見つめているティオは既によだれを垂らしていた。
一方のテレシーはまだ恥ずかしがっており、メイドのミーシアにしがみついたまま椅子に座っていた。
「ええっと…その子が前に手紙で教えてくれた…ティオ…くん?」
「うん!私の義弟だよ!可愛いでしょ!」
「へ!あ、ティ、ティオ・アスタルトです…テレシーさん、よろしくお願い…します…」
「わ、私、テレシー・キレイヌ…よ、よろしくね…ティオくん!」
「私はテレシー様の専属メイドのミーシアと申します」
互いに初対面なだけにぎこちない挨拶を交わした。
そんな中でもティオはミーシアの顔を見つめていた。
何か疑問を抱いたらしくそれをリタに伝え…。
「お姉ちゃん…」
「何、どうしたの?」
「ミーシアさんって、耳長い…」
ティオは驚いていた。
ミーシアの耳が自分やリタと違って尖っているかのように長かったことに。
「あはは、もしかしてティオ知らなかったの?」
「え?」
「あのね、ミーシアもティオと同じ亜獣人なのよ」
「え!亜獣人!?」
「はい、私は"エルフ"なんです」
「エルフ・・・?」
「長い耳はエルフの特性のようなものなのです、そういえばティオ様は確か竜人だと聞いてますが…?」
「え、あ、うん、僕は竜人なの…でもよかった、僕以外に亜獣人がいて…」
「私も、良かったよ…『竜人が義弟になった』ってリタが手紙に書いてあったから、怖い子かと思ってたの…」
ティオとテレシーはそれぞれ別の意味で安心していた。
「あ、そうでした!実は私達もお菓子をお土産として持ってきたのでした!」
「お菓子!!」
"お菓子"という言葉に目の色を変えたティオ。
テーブルにはさっきリタと焼いたクッキーの他にシュークリーム、シフォンケーキ、マカロンと合計4種類のお菓子がテーブルに並べられ、ティオは既に夢中であった。
そんなティオを見てリタは彼が既に食べたくて仕方ない事に気付き、ようやくお菓子に手を付けて食べる事にしたのだった。
ティオは次々とお菓子を手にとっては口に運んで食べているのに対して、リタとテレシーはゆっくりと味わっていた。
「ティオくんって、食いしん坊さんなのね…」
「だって、全部美味しいんだもん!」
「偉いでしょ!ティオって、好き嫌い無くてごはんとか残さず食べるのよ!」
「へぇ、すごいね…」
「うふふ、本当に可愛いですね…」
ミーシアの言葉に気付いていないティオはただお菓子を幸せそうな笑みを浮かべながら食べ続けていた。
そんな時に、テレシーがリタに言った。
「リタ!」
「ん?何?」
「あのね…!」
一方でガイアとグルワは、それぞれの娘の事である話をしていた。
「え?本当なのか?」
「はい、来年テレシーも13歳になるので、学校に入れようと思っているんです、リタ嬢も同じ学校にどうかと思いまして…」
「学校か…確かに、今のあの子なら…」
少々深い話をしていた2人の雑談は続くのだった。
リタは先ほどのクッキーをお皿にたくさん盛り付けて部屋に持ってきており、それを見つめているティオは既によだれを垂らしていた。
一方のテレシーはまだ恥ずかしがっており、メイドのミーシアにしがみついたまま椅子に座っていた。
「ええっと…その子が前に手紙で教えてくれた…ティオ…くん?」
「うん!私の義弟だよ!可愛いでしょ!」
「へ!あ、ティ、ティオ・アスタルトです…テレシーさん、よろしくお願い…します…」
「わ、私、テレシー・キレイヌ…よ、よろしくね…ティオくん!」
「私はテレシー様の専属メイドのミーシアと申します」
互いに初対面なだけにぎこちない挨拶を交わした。
そんな中でもティオはミーシアの顔を見つめていた。
何か疑問を抱いたらしくそれをリタに伝え…。
「お姉ちゃん…」
「何、どうしたの?」
「ミーシアさんって、耳長い…」
ティオは驚いていた。
ミーシアの耳が自分やリタと違って尖っているかのように長かったことに。
「あはは、もしかしてティオ知らなかったの?」
「え?」
「あのね、ミーシアもティオと同じ亜獣人なのよ」
「え!亜獣人!?」
「はい、私は"エルフ"なんです」
「エルフ・・・?」
「長い耳はエルフの特性のようなものなのです、そういえばティオ様は確か竜人だと聞いてますが…?」
「え、あ、うん、僕は竜人なの…でもよかった、僕以外に亜獣人がいて…」
「私も、良かったよ…『竜人が義弟になった』ってリタが手紙に書いてあったから、怖い子かと思ってたの…」
ティオとテレシーはそれぞれ別の意味で安心していた。
「あ、そうでした!実は私達もお菓子をお土産として持ってきたのでした!」
「お菓子!!」
"お菓子"という言葉に目の色を変えたティオ。
テーブルにはさっきリタと焼いたクッキーの他にシュークリーム、シフォンケーキ、マカロンと合計4種類のお菓子がテーブルに並べられ、ティオは既に夢中であった。
そんなティオを見てリタは彼が既に食べたくて仕方ない事に気付き、ようやくお菓子に手を付けて食べる事にしたのだった。
ティオは次々とお菓子を手にとっては口に運んで食べているのに対して、リタとテレシーはゆっくりと味わっていた。
「ティオくんって、食いしん坊さんなのね…」
「だって、全部美味しいんだもん!」
「偉いでしょ!ティオって、好き嫌い無くてごはんとか残さず食べるのよ!」
「へぇ、すごいね…」
「うふふ、本当に可愛いですね…」
ミーシアの言葉に気付いていないティオはただお菓子を幸せそうな笑みを浮かべながら食べ続けていた。
そんな時に、テレシーがリタに言った。
「リタ!」
「ん?何?」
「あのね…!」
一方でガイアとグルワは、それぞれの娘の事である話をしていた。
「え?本当なのか?」
「はい、来年テレシーも13歳になるので、学校に入れようと思っているんです、リタ嬢も同じ学校にどうかと思いまして…」
「学校か…確かに、今のあの子なら…」
少々深い話をしていた2人の雑談は続くのだった。
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