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1章 姉弟になるまで
4.お休みなさいの時間だよ
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入浴を済ませたリタとティオは、服を着て食事をしようとしていた。一方2人の入浴に乱入してきたサティは、父親に怒られていたのだった。
「サティ、お前またリタとお風呂に入ろうとしていたのか!」
「だって、最近リタってば、一緒にお風呂に入ろうって言っても断っちゃうばかりで…」
「当たり前だろ…あいつもう12だぞ…その歳でもう姉と入るなんて恥ずかしいだろ…」
「ではなぜあの子は良いのですか!?」
「まぁ、リタなりにも良し悪しがあるから…」
「うぇ~!十数年共に過ごした姉の私より、今日会ったばかりの男の子に負けるなんて~!!」
父親だけでなく、兄であるサイガやユーリからも引くような眼差しを向けられてしまいサティは泣き顔が滲み出ていたのだった。
一方で、ティオは食事リタと共に彼女の部屋で食事をしていた。
献立は「コーンポタージュのスープ」であり、ティオは昼間に食べたビーフシチューと同様に幸せそうに美味しく食べていた。
「このスープ美味しい…」
「そう?」
「うん!このサクサクしたやつとか美味しい!」
「うふふ…」
喜んで食べてくれるティオにうれしさを感じるリタであったが、ティオのほっぺにスープの一部が付着しているのが見えた。
幸せな笑みを浮かべたティオの口元をそっと拭いてあげたリタもまたニッコリしたのだった。
「「ごちそうさまでした!」」
2人は食事を終え、今度は寝る準備の為に、寝間着に着替えて歯磨きをした。
そして、就寝の時間…。ティオはリタの部屋で彼女と同じベッドで寝る事となった。
「うわ~あったか~い!」
「シーツ洗ってもらったからね!」
あったかい毛布に身を包んだ2人。そして、眠りにつこうとした時。
「ティオ…おやすみ…」
「お、おやすみ…」
灯りが消えて2人は眠りについた。
だが、ティオは慣れない場所だからかなのか、なかなか寝付けず何度か目を覚ましていた。
というのも、自分の隣にいるリタの寝ている姿があり、彼女の寝顔にドキドキしていたからであった。それだけでなく、彼女が寝返りをする度に、胸がポヨン、ポヨヨンと大きく揺れるのがはっきりとしている事もあり、ティオは2つの事で寝付けなかったのだった。
それだけにとどまらず、ティオはリタの揺れる胸を見て、先ほどの入浴時の出来事を思い出していた。事故とは言え、あの時触れてしまったリタの胸の感触が、今もまだ覚えておりティオはドキドキしながらリタの胸にそっと手を近づけた…。
(ちょっと、ちょっとだけなら…)
年相応の少年らしい想いに圧されたティオであったが…
「ん~…」
「あ…」
リタは反対方向に寝返り背中を向けてしまった…。
(もう一回触りたかったな…)
しょんぼりした表情を浮かべて、ティオは諦めて再び、眠りについた。
眠りについてからある程度の時間がたった頃…
ティオの様子がおかしかった…
あまりに寝付けていないだけでなく、どういう訳か悪夢を見ているかのように魘されている様子であった。
しかし、それは間違いなく悪夢であった。それは過去のティオの記憶であり、謎の男が圧力を掛けて彼に話しかけている状況。
そして、その時ティオは苦しそうに息を切らしていた…。
『もっとだ…もっと寄越すんだ…どうした100号…お前は抵抗すら出来ないただの実験材料…俺の言うことだけ聞いていればいいのだ…さぁ…寄越すんだ!!』
『もういや…こんなの…いや…』
「うわあああああああああああああああ!!!」
あまりにも恐ろしい夢(記憶)であった…。
そして、その夢により、ティオはまたしても目を覚ました…。それも叫び声と共に…そして当然、その叫び声に驚いてリタも目を覚ました。
「え!?な、なに!」
「はぁ…はぁ…はぁ…」
「ティオ…どうしたの?大丈夫?」
ティオは完全に疲れたかのように息切れをしていた。そんな状況のティオを見てリタも心配になり、そっと彼の背中を擦った。
「怖い夢でも見ちゃった?」
「あの人…」
「え?」
「あの人…怖い人…僕の一番嫌いな…怖い人…」
夢の内容を思い出してしまい、ティオは泣いてしまった…。当然と言えば当然かもしれない…まだ小さい上に臆病な面がある彼からしたら、泣いてしまうのも無理はない…。そう感じたリタであった。
「怖い人の夢見ちゃったのね…大丈夫だから…もうその怖い人…ティオには会いに来ないと思うから…」
「・・・・・」
優しく抱き締めてくれたリタの腕の中は、暖かかった…。抱き締められてる内にティオは、悪夢の恐怖を徐々に緩和していった。
「ごめんなさい…驚かしてしまって…」
「大丈夫だよ、ティオ…私が側にいるから…」
「うん…」
こうしてまた、リタになだめられてティオは彼女と共に今度こそ眠りについた…
悪夢の無い…優しい眠りに…
そして、朝になりリタとティオは目覚めた…
大きなあくびを同時にしてしまった2人、その瞬間2人は微笑んだ…
「ティオ、おはよう…よく眠れた?」
「あ、おはよう…うん!リタさんが側にいてくれたから!」
「うふふ!良かった…」
夜中の騒動がまるで嘘だったかのように微笑ましい「おはよう」で挨拶を交わしたものの…ティオが異変に気づいた。
「ん?なんか動いてる?」
「え?」
掛け布団が異様なまでにもぞもぞと動いており、不思議に思うティオであったが、これもリタには確信が付いた。
そして、布団を剥いで眼にしたものは…
「きゃあ!サティお姉さま!!」
「きゃ…リタ…おはよう…」
「え!?サティさん!?」
なんと、布団の中に寝巻き姿である姉のサティが隠れていた…。
理由を問いただした所、サティは寂しげな顔でリタを責めるように言う。
「リタ…夕べは私に"お休みのキス"してなかったじゃない!!」
「え!?」
「いつもしてくれてるじゃない!!なんでくれなかったの!?」
「お休みのキスって…?」
「え…?その…というか、お姉さま、なんで私のベッドに!?」
サティはリタに話した。
実は夕べ、例のお休みのキスをしていなかった為に、リタとティオが部屋に入る前にベッドの下に潜り込んでいたらしい…。
さらに聞けば2人が寝ている内にリタの頬にキスをしようとしたが、ティオの魘された叫び声によって驚き慌ててベッドの下に引き返したとの事だった…。
「そんな事を…というか、あの時から今までベッドの下にいたんですか!?」
キスを求められていた事と、ベッドの下に隠れていた事、2つの事に驚くリタとは裏腹にティオには疑問が沸いていた…。
「お休みのキスって、なあ~に?」
「ティオ…今はそれどころじゃ…」
「さぁリタ、お姉ちゃんにおはようのキスを…」
ティオの無邪気な質問やサティから求められるキスに、リタは朝から戸惑っていたのだった。
「もう、なんでこんな事に~!!」
楽しくも慌ただしい1日が、始まろうとしていなのだった。
「サティ、お前またリタとお風呂に入ろうとしていたのか!」
「だって、最近リタってば、一緒にお風呂に入ろうって言っても断っちゃうばかりで…」
「当たり前だろ…あいつもう12だぞ…その歳でもう姉と入るなんて恥ずかしいだろ…」
「ではなぜあの子は良いのですか!?」
「まぁ、リタなりにも良し悪しがあるから…」
「うぇ~!十数年共に過ごした姉の私より、今日会ったばかりの男の子に負けるなんて~!!」
父親だけでなく、兄であるサイガやユーリからも引くような眼差しを向けられてしまいサティは泣き顔が滲み出ていたのだった。
一方で、ティオは食事リタと共に彼女の部屋で食事をしていた。
献立は「コーンポタージュのスープ」であり、ティオは昼間に食べたビーフシチューと同様に幸せそうに美味しく食べていた。
「このスープ美味しい…」
「そう?」
「うん!このサクサクしたやつとか美味しい!」
「うふふ…」
喜んで食べてくれるティオにうれしさを感じるリタであったが、ティオのほっぺにスープの一部が付着しているのが見えた。
幸せな笑みを浮かべたティオの口元をそっと拭いてあげたリタもまたニッコリしたのだった。
「「ごちそうさまでした!」」
2人は食事を終え、今度は寝る準備の為に、寝間着に着替えて歯磨きをした。
そして、就寝の時間…。ティオはリタの部屋で彼女と同じベッドで寝る事となった。
「うわ~あったか~い!」
「シーツ洗ってもらったからね!」
あったかい毛布に身を包んだ2人。そして、眠りにつこうとした時。
「ティオ…おやすみ…」
「お、おやすみ…」
灯りが消えて2人は眠りについた。
だが、ティオは慣れない場所だからかなのか、なかなか寝付けず何度か目を覚ましていた。
というのも、自分の隣にいるリタの寝ている姿があり、彼女の寝顔にドキドキしていたからであった。それだけでなく、彼女が寝返りをする度に、胸がポヨン、ポヨヨンと大きく揺れるのがはっきりとしている事もあり、ティオは2つの事で寝付けなかったのだった。
それだけにとどまらず、ティオはリタの揺れる胸を見て、先ほどの入浴時の出来事を思い出していた。事故とは言え、あの時触れてしまったリタの胸の感触が、今もまだ覚えておりティオはドキドキしながらリタの胸にそっと手を近づけた…。
(ちょっと、ちょっとだけなら…)
年相応の少年らしい想いに圧されたティオであったが…
「ん~…」
「あ…」
リタは反対方向に寝返り背中を向けてしまった…。
(もう一回触りたかったな…)
しょんぼりした表情を浮かべて、ティオは諦めて再び、眠りについた。
眠りについてからある程度の時間がたった頃…
ティオの様子がおかしかった…
あまりに寝付けていないだけでなく、どういう訳か悪夢を見ているかのように魘されている様子であった。
しかし、それは間違いなく悪夢であった。それは過去のティオの記憶であり、謎の男が圧力を掛けて彼に話しかけている状況。
そして、その時ティオは苦しそうに息を切らしていた…。
『もっとだ…もっと寄越すんだ…どうした100号…お前は抵抗すら出来ないただの実験材料…俺の言うことだけ聞いていればいいのだ…さぁ…寄越すんだ!!』
『もういや…こんなの…いや…』
「うわあああああああああああああああ!!!」
あまりにも恐ろしい夢(記憶)であった…。
そして、その夢により、ティオはまたしても目を覚ました…。それも叫び声と共に…そして当然、その叫び声に驚いてリタも目を覚ました。
「え!?な、なに!」
「はぁ…はぁ…はぁ…」
「ティオ…どうしたの?大丈夫?」
ティオは完全に疲れたかのように息切れをしていた。そんな状況のティオを見てリタも心配になり、そっと彼の背中を擦った。
「怖い夢でも見ちゃった?」
「あの人…」
「え?」
「あの人…怖い人…僕の一番嫌いな…怖い人…」
夢の内容を思い出してしまい、ティオは泣いてしまった…。当然と言えば当然かもしれない…まだ小さい上に臆病な面がある彼からしたら、泣いてしまうのも無理はない…。そう感じたリタであった。
「怖い人の夢見ちゃったのね…大丈夫だから…もうその怖い人…ティオには会いに来ないと思うから…」
「・・・・・」
優しく抱き締めてくれたリタの腕の中は、暖かかった…。抱き締められてる内にティオは、悪夢の恐怖を徐々に緩和していった。
「ごめんなさい…驚かしてしまって…」
「大丈夫だよ、ティオ…私が側にいるから…」
「うん…」
こうしてまた、リタになだめられてティオは彼女と共に今度こそ眠りについた…
悪夢の無い…優しい眠りに…
そして、朝になりリタとティオは目覚めた…
大きなあくびを同時にしてしまった2人、その瞬間2人は微笑んだ…
「ティオ、おはよう…よく眠れた?」
「あ、おはよう…うん!リタさんが側にいてくれたから!」
「うふふ!良かった…」
夜中の騒動がまるで嘘だったかのように微笑ましい「おはよう」で挨拶を交わしたものの…ティオが異変に気づいた。
「ん?なんか動いてる?」
「え?」
掛け布団が異様なまでにもぞもぞと動いており、不思議に思うティオであったが、これもリタには確信が付いた。
そして、布団を剥いで眼にしたものは…
「きゃあ!サティお姉さま!!」
「きゃ…リタ…おはよう…」
「え!?サティさん!?」
なんと、布団の中に寝巻き姿である姉のサティが隠れていた…。
理由を問いただした所、サティは寂しげな顔でリタを責めるように言う。
「リタ…夕べは私に"お休みのキス"してなかったじゃない!!」
「え!?」
「いつもしてくれてるじゃない!!なんでくれなかったの!?」
「お休みのキスって…?」
「え…?その…というか、お姉さま、なんで私のベッドに!?」
サティはリタに話した。
実は夕べ、例のお休みのキスをしていなかった為に、リタとティオが部屋に入る前にベッドの下に潜り込んでいたらしい…。
さらに聞けば2人が寝ている内にリタの頬にキスをしようとしたが、ティオの魘された叫び声によって驚き慌ててベッドの下に引き返したとの事だった…。
「そんな事を…というか、あの時から今までベッドの下にいたんですか!?」
キスを求められていた事と、ベッドの下に隠れていた事、2つの事に驚くリタとは裏腹にティオには疑問が沸いていた…。
「お休みのキスって、なあ~に?」
「ティオ…今はそれどころじゃ…」
「さぁリタ、お姉ちゃんにおはようのキスを…」
ティオの無邪気な質問やサティから求められるキスに、リタは朝から戸惑っていたのだった。
「もう、なんでこんな事に~!!」
楽しくも慌ただしい1日が、始まろうとしていなのだった。
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