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69話、かつて、彼と共に見た景色
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あれから、ファートの目に入る範囲の場所を転々と移動しては、夕暮れ時を待ちわびつつサニーに絵を描かせているが。その瞬間を待っていると、時の流れがやたらと遅く感じるな。
気持ちやその時の気分によって、時の流れがこんなに変わってくるだなんて。常に一定で、一方通行で流れているかと思いきや、案外そうでもなかったようだ。ただ私が、そう決め付けていただけなのかもしれない。
サニーは今、遥か遠くに見える湿地帯を描いている。本当は砂浜に下りて、そこから海を描かせたい所であるが。
生憎、景観を台無しにしている魔物の骨がそこら中に落ちているし、砂浜の下には大量の魔物が潜んでいるので、あえなく断念した。
しかし、ファートには宝の山に見えているようで。背後からひっきりなしに、ファートの嬉々とした奇声が上がっている。何かいい骨でも発見したのだろう。とりあえず、あいつの遠征は成功だな。
あとは、サニーに幻想的な夕日を描かせてやり、感銘する夜景を拝ませてやるだけだ。これは、私が見たいという大きなわがままも含まれているけども。
「お母さん」
不意にサニーに呼ばれたので、横目を左に送ってみれば、サニーの青い横目と合った。
「なんだ?」
「夕日に染まった海って、どれぐらい綺麗なの?」
「そうだな……。思わず感動するような、目の前に広がってる海が、全て煌びやかに輝く宝石に見えてくるような、一言ではとても言い表せないほど綺麗な光景だ」
「そんなになんだ! お母さんがそこまで言うなら、絶対に綺麗だねっ」
「ああ、決して後悔はさせない。日没は結構早く終わってしまうから、描くなら素早く描けよ」
「うんっ、わかった!」
期待に胸を膨らませるべく、私の感想を誇張して言ってしまったが。実は、この海で夕日が沈んでいく様をまともに見た事がない。
迫害の地に来てから八十五年以上は経っているものの、ここへ来たのは三回ぐらいだ。いずれも、海の向こう側にある凍原、雪原地帯へ行く為だけに。
海を超えている最中に見たはずなのだが、当時の私は全ての興味が消え失せていたので、まったくと言っていいほど覚えていない。
あの時の私は、精神的に追い詰められた状態でいて、心が闇の底にまで堕ちていたからな。
それに比べて現在は、過去の私がだいぶ戻ってきた。甘えたいという気持ちも湧いてきて、歯止めがまったく効かなくなり、あれからずっとサニーに引っ付いている。ひと時も離れずに、ずっとだ。
そろそろサニーに鬱陶しいと思われているかもしれないが、私は文句を言われるまでやめるつもりはない。いや、言われてもやめないだろう。
それ程までに、サニーの体を抱きしめ、頬を寄せ合っているこの瞬間が、たまらなく好きなんだ。たぶん今の私は、迫害の地で一番幸せ者に違いない。
しかし、時間はそれを許してはくれない。青空がだんだんと白みを帯びてきた。太陽が月に空を譲るべく、眠りに就く準備を始めている。
断腸の思いでサニーから頬を離し、背後にある海を確認してみれば。いつの間にか太陽と海との距離が、だいぶ近づいてきていた。
「サニー。そろそろ太陽が夕日に変わるが、海の方に向くか?」
「えっ、もうなの? うん、お願い!」
『もう』という事は、サニーは少なからず現状を楽しんでいたようだ。それが絵を描いていたからなのか。私と寄り添っていたからなのかまでは知らないけども。
サニーの要望を聞く為に、私は風の杖を再召喚し、一枚布を動かして海へと戻っていく。ファートが何かしている砂浜を通り過ぎ、目線の先が海だけになる場所まで来て、一枚布を止めた。
前に広がっているのは、直視出来る程までに輝きが収まっている白い太陽と、その白の色が移り、やや物寂し気に波を立たせている海。そして雄大なる群青が薄まり、青白くなってきた空。
まるで、まどろむ白い太陽のせいで、他の色も眠りに就いてしまった様な景色だ。だが、ここから燃え上がるように活力を取り戻し、全てが鮮烈なる夕日色に染まっていく。
「まだかなまだかな~」
「もう少しだ」
目視でも分かるように。白い太陽が海へ近づいて行くに連れ、地平線からほんのりと朱色に色付き、徐々に上へ向かっていっている。
それと同時に空を仰いでみれば。真上から夜の帳が現れ、周りを淡い紺色に塗り替え始めている。まだ青白さを保っている空に、せっかちな一番星も出てきたな。
その近くには空の色が映っている、半透明にも見えなくはない色白の月。今日の月はやけに大きい。夜になれば本来の色を取り戻し、太陽に代わって夜空を照らしてくれるだろう。
「本当だっ。空が下からだんだん赤くなってきたや」
「ここからが早いぞ。絵を描く準備をしろ」
「そうだね、わかった!」
素直に言う事を聞き、色棒を取り出すサニー。赤、朱、黄、紫、薄紫、紺、と、どんどん出している。
事前にそれらの色を準備出来るという事は、普段から空を細かく観察している証拠になる。サニーの観察力も中々のものだ。
だが色棒を出し終えても、一向に描き出そうとはしない。サニーの青い瞳は、瞬きもせずに海を見据えたまま。真剣そのもので、深く集中している様にも見える。
絵になる絶好の瞬間を待っているな。なら私は邪魔をしないよう、かつて彼と一緒に何度も見てきた、海に沈んでいく夕日を眺めていよう。
サニーから体を離して視線を海に戻してみると、太陽は既に夕日へ姿を変えていた。海を走っている反射光もそう。日中に比べると柔らかでいて、印象に残る儚さが、一つ一つの煌めきに宿っている。
ここからは黄昏時だ。もう夕日から目を離せないし、何も考えられない。懐かしい夕日に五感を全て魅了され、潮の匂いと波の音が遠ざかっていく。
「よし、ここっ!」
辺りが無音の世界に包まれた頃。サニーの声が無音を裂き、画用紙と色棒の擦れ合う音もしてきては、一瞬だけ五感を取り戻し、また夕日に奪われていった。
ようやく描き始めたようだが、私の目線は、鮮やかに燃え盛る夕日を捉えたまま。己の瞬きすら煩わしく思える程、美しくて懐かしい夕日だ。……この瞬間で私の隣に、ピースが居たらなぁ。
未だに叶わぬ夢を願ってしまったせいで、視界がだんだんとボヤけていき、右頬に何かが伝っていく感触がした。間違いない。私は今、涙を流している。
サニーに気付かれたら心配されると思い、慌ててローブの袖で顔を拭うも、また夕日の輪郭が歪み、視界が霞んでいく。
ダメだ。この勝手に湧き出てくる涙は、もう自分の意思で止める事が出来ない。鼻をすすりたいけども、サニーに泣いている事がバレてしまうから我慢しないと。
漏れ出しそうな声を押し殺し、鼻で震えた呼吸をする私。頼むサニー。そのまま夕日が沈むまでの間、絵を描く事だけに集中していてくれ。間違ってでも振り向くな。
今の私は、弱い部分を剥き出しにしている。もし心配でもされて『大丈夫?』と声を掛けられた途端に、我慢の限界がきて大泣きし出してしまうだろう。
そんなのは嫌だ。弱い私なんかを、サニーに見せたくない。……けれども、海に落ちていく夕日が、時の流れから置き去りにされた記憶を全て蘇らせ、ピースに逢いたいという気持ちを際限なく膨らませていくんだ。
ピース、ピース……、逢いたい。またいつものように、頭を優しく撫でてほしい。私の心を癒してくれる、温かな笑顔が見たい。その大きな身体で、いつものように私の体を抱きしめてくれ……。
一度サニーに甘えてしまったせいか。甘えたい気持ちが抑えられなくなり、叶わぬわがままが全て涙に変わり、私のローブにぽたぽたと落ちていく。
もう涙を拭う事さえ出来ない。口を強く噤ぎ、手を限界まで握り締めて、夕日に向かって叫びたい気持ちを抑えるのに精一杯だ。
頑張ってくれ、私の心よ。夕日が沈み切るまで、なんとか持ち堪えてくれ……。
気持ちやその時の気分によって、時の流れがこんなに変わってくるだなんて。常に一定で、一方通行で流れているかと思いきや、案外そうでもなかったようだ。ただ私が、そう決め付けていただけなのかもしれない。
サニーは今、遥か遠くに見える湿地帯を描いている。本当は砂浜に下りて、そこから海を描かせたい所であるが。
生憎、景観を台無しにしている魔物の骨がそこら中に落ちているし、砂浜の下には大量の魔物が潜んでいるので、あえなく断念した。
しかし、ファートには宝の山に見えているようで。背後からひっきりなしに、ファートの嬉々とした奇声が上がっている。何かいい骨でも発見したのだろう。とりあえず、あいつの遠征は成功だな。
あとは、サニーに幻想的な夕日を描かせてやり、感銘する夜景を拝ませてやるだけだ。これは、私が見たいという大きなわがままも含まれているけども。
「お母さん」
不意にサニーに呼ばれたので、横目を左に送ってみれば、サニーの青い横目と合った。
「なんだ?」
「夕日に染まった海って、どれぐらい綺麗なの?」
「そうだな……。思わず感動するような、目の前に広がってる海が、全て煌びやかに輝く宝石に見えてくるような、一言ではとても言い表せないほど綺麗な光景だ」
「そんなになんだ! お母さんがそこまで言うなら、絶対に綺麗だねっ」
「ああ、決して後悔はさせない。日没は結構早く終わってしまうから、描くなら素早く描けよ」
「うんっ、わかった!」
期待に胸を膨らませるべく、私の感想を誇張して言ってしまったが。実は、この海で夕日が沈んでいく様をまともに見た事がない。
迫害の地に来てから八十五年以上は経っているものの、ここへ来たのは三回ぐらいだ。いずれも、海の向こう側にある凍原、雪原地帯へ行く為だけに。
海を超えている最中に見たはずなのだが、当時の私は全ての興味が消え失せていたので、まったくと言っていいほど覚えていない。
あの時の私は、精神的に追い詰められた状態でいて、心が闇の底にまで堕ちていたからな。
それに比べて現在は、過去の私がだいぶ戻ってきた。甘えたいという気持ちも湧いてきて、歯止めがまったく効かなくなり、あれからずっとサニーに引っ付いている。ひと時も離れずに、ずっとだ。
そろそろサニーに鬱陶しいと思われているかもしれないが、私は文句を言われるまでやめるつもりはない。いや、言われてもやめないだろう。
それ程までに、サニーの体を抱きしめ、頬を寄せ合っているこの瞬間が、たまらなく好きなんだ。たぶん今の私は、迫害の地で一番幸せ者に違いない。
しかし、時間はそれを許してはくれない。青空がだんだんと白みを帯びてきた。太陽が月に空を譲るべく、眠りに就く準備を始めている。
断腸の思いでサニーから頬を離し、背後にある海を確認してみれば。いつの間にか太陽と海との距離が、だいぶ近づいてきていた。
「サニー。そろそろ太陽が夕日に変わるが、海の方に向くか?」
「えっ、もうなの? うん、お願い!」
『もう』という事は、サニーは少なからず現状を楽しんでいたようだ。それが絵を描いていたからなのか。私と寄り添っていたからなのかまでは知らないけども。
サニーの要望を聞く為に、私は風の杖を再召喚し、一枚布を動かして海へと戻っていく。ファートが何かしている砂浜を通り過ぎ、目線の先が海だけになる場所まで来て、一枚布を止めた。
前に広がっているのは、直視出来る程までに輝きが収まっている白い太陽と、その白の色が移り、やや物寂し気に波を立たせている海。そして雄大なる群青が薄まり、青白くなってきた空。
まるで、まどろむ白い太陽のせいで、他の色も眠りに就いてしまった様な景色だ。だが、ここから燃え上がるように活力を取り戻し、全てが鮮烈なる夕日色に染まっていく。
「まだかなまだかな~」
「もう少しだ」
目視でも分かるように。白い太陽が海へ近づいて行くに連れ、地平線からほんのりと朱色に色付き、徐々に上へ向かっていっている。
それと同時に空を仰いでみれば。真上から夜の帳が現れ、周りを淡い紺色に塗り替え始めている。まだ青白さを保っている空に、せっかちな一番星も出てきたな。
その近くには空の色が映っている、半透明にも見えなくはない色白の月。今日の月はやけに大きい。夜になれば本来の色を取り戻し、太陽に代わって夜空を照らしてくれるだろう。
「本当だっ。空が下からだんだん赤くなってきたや」
「ここからが早いぞ。絵を描く準備をしろ」
「そうだね、わかった!」
素直に言う事を聞き、色棒を取り出すサニー。赤、朱、黄、紫、薄紫、紺、と、どんどん出している。
事前にそれらの色を準備出来るという事は、普段から空を細かく観察している証拠になる。サニーの観察力も中々のものだ。
だが色棒を出し終えても、一向に描き出そうとはしない。サニーの青い瞳は、瞬きもせずに海を見据えたまま。真剣そのもので、深く集中している様にも見える。
絵になる絶好の瞬間を待っているな。なら私は邪魔をしないよう、かつて彼と一緒に何度も見てきた、海に沈んでいく夕日を眺めていよう。
サニーから体を離して視線を海に戻してみると、太陽は既に夕日へ姿を変えていた。海を走っている反射光もそう。日中に比べると柔らかでいて、印象に残る儚さが、一つ一つの煌めきに宿っている。
ここからは黄昏時だ。もう夕日から目を離せないし、何も考えられない。懐かしい夕日に五感を全て魅了され、潮の匂いと波の音が遠ざかっていく。
「よし、ここっ!」
辺りが無音の世界に包まれた頃。サニーの声が無音を裂き、画用紙と色棒の擦れ合う音もしてきては、一瞬だけ五感を取り戻し、また夕日に奪われていった。
ようやく描き始めたようだが、私の目線は、鮮やかに燃え盛る夕日を捉えたまま。己の瞬きすら煩わしく思える程、美しくて懐かしい夕日だ。……この瞬間で私の隣に、ピースが居たらなぁ。
未だに叶わぬ夢を願ってしまったせいで、視界がだんだんとボヤけていき、右頬に何かが伝っていく感触がした。間違いない。私は今、涙を流している。
サニーに気付かれたら心配されると思い、慌ててローブの袖で顔を拭うも、また夕日の輪郭が歪み、視界が霞んでいく。
ダメだ。この勝手に湧き出てくる涙は、もう自分の意思で止める事が出来ない。鼻をすすりたいけども、サニーに泣いている事がバレてしまうから我慢しないと。
漏れ出しそうな声を押し殺し、鼻で震えた呼吸をする私。頼むサニー。そのまま夕日が沈むまでの間、絵を描く事だけに集中していてくれ。間違ってでも振り向くな。
今の私は、弱い部分を剥き出しにしている。もし心配でもされて『大丈夫?』と声を掛けられた途端に、我慢の限界がきて大泣きし出してしまうだろう。
そんなのは嫌だ。弱い私なんかを、サニーに見せたくない。……けれども、海に落ちていく夕日が、時の流れから置き去りにされた記憶を全て蘇らせ、ピースに逢いたいという気持ちを際限なく膨らませていくんだ。
ピース、ピース……、逢いたい。またいつものように、頭を優しく撫でてほしい。私の心を癒してくれる、温かな笑顔が見たい。その大きな身体で、いつものように私の体を抱きしめてくれ……。
一度サニーに甘えてしまったせいか。甘えたい気持ちが抑えられなくなり、叶わぬわがままが全て涙に変わり、私のローブにぽたぽたと落ちていく。
もう涙を拭う事さえ出来ない。口を強く噤ぎ、手を限界まで握り締めて、夕日に向かって叫びたい気持ちを抑えるのに精一杯だ。
頑張ってくれ、私の心よ。夕日が沈み切るまで、なんとか持ち堪えてくれ……。
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