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攻略編 3-3

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私はアベル様の部屋をノックした。中から入室の許可の声が聞こえて中に入るとアベル様が出迎えてくれた。
そして部屋の中にあるソファーへ座るよう促された。私が腰を下ろすとアベル様も向かい合うように座った。私は覚悟を決めて口を開いた。「実は……レオン様と約束をしておりました……」
そう切り出すと、アベル様は少し驚いたような表情をした後で言った。
「それはどんな約束だったのですか?」
私は頷くと続けて言った。
「はい……アベル様のことをよろしくと言われました。」
私がそう言うと、アベル様は驚いた表情をした後で複雑な表情になった。そして少し沈黙が続いた後、アベル様は口を開いた。「レティはそれでレオンの事をどう思っているのかい?」
(どう思っているか……?)私はしばらく考えた後に答えた。
「はい……レオン様のことは、とても心優しい方だと思います……」
私は本心を口にした。するとアベル様は少しホッとしたような表情を見せた後に言った。
「そうか……ありがとうレティ。」
(お礼を言われるようなことは何もしておりませんのに...)私が不思議に思っているとアベル様は続けて言った。
「レティ、僕からもお願いがあるんだが聞いてもらえるかな?」
「はい……何でしょうか?」
私が聞き返すとアベル様は真剣な表情で話し始めた。
「実は……僕の病気を治すためにも聖女様の力が必要なんだ。」
「えっ?」
(聖女の力が必要……?)私が驚いていると、アベル様は続けて言った。
「レティの力が必要なんだ。」
「私の力ですか……?」
(そういえば、前にレオン様が言っていたわね……私の力で病が治れば良いと)私は納得して頷いた。そしてふと疑問に思ったことを聞いてみることにした。
「もしかして、レオン様の病気も私の力で治せるのですか?」
そう聞くとアベル様の表情が曇った。そしてしばらく沈黙が続いた後、アベル様は口を開いた。
「それは……まだわからないんだ……」
(え……?)私は驚いて聞き返した。「それはどういうことですか?」
アベル様は少し躊躇っているようだったが、ゆっくりと話し始めた。
「実はレオンの病は僕が発症したものより深刻なんだ……」
(ということは……私とアベル様では症状が違うということですか?)私は色々と考え込んでいるとアベル様は更に話を続けた。
「レオンの病は……一度発症すると完治することが難しいと言われているんだ……」
(そんな……)私は言葉を失った。そしてしばらく沈黙が続いた後、アベル様が口を開いた。
「でも、レティが手伝ってくれればもしかしたら治せるかもしれない。」
私が顔を上げるとアベル様と目が合った。
私は大きく深呼吸をしてから言った。
「私で良ければお手伝いさせてください」
そう答えるとアベル様は嬉しそうに笑って言った。
「ありがとう……レティ。」
「いえ……」
私が答えているとアベル様が言った。
「では早速お願いできるかな?」
「はい……」
「その前に、レオン様より、アベル様のご病気も癒やしてほしいと頼まれました。どちらもお引き受けいたしますので。次は、アベル様の番です。よろしいでしょうか。」
「あぁ...レオン。お前は...。」
アベル様は、珍しく表情を崩していた。
私も力がある限り尽くしたいと考えています。しかし、本当に治せるのでしょうか?私は不安に思いながらも頷いた。そしてアベル様の方を見て言った。
「それでは、目を瞑っていただけますか?」
するとアベル様は頷いて目を瞑った。私はその姿を見て言った。
「いきます……」すると私の体が光輝き始めた。
「すごいな……キミの力は本当に。」アベル様は思わずといった様子で呟いた。
すると私の周りから光が溢れて部屋中が明るくなった。そしてしばらくすると光が消えた。私はホッと安堵のため息をついた後、アベル様に問いかけた。
「お加減はいかがですか?」
「あぁ……少し体が軽くなった気がするよ……」
そう言うとアベル様は立ち上がって部屋の中を歩き始めた。その様子を見て私は安心したような表情を浮かべた後で言った。
「良かったです。」
「レティのおかげだよ……ありがとう。」
アベル様は私に微笑みかけると、再び私の方を見た。そして私の頬に触れると真剣な眼差しで言った。
「レティ……これからも僕の側に居てくれるかい?」
「はい」私は迷わず答えると頷いた。するとアベル様はホッとしたような表情を見せた後で言った。
「そうか……良かった……」そしてアベル様は優しい表情を浮かべると続けて言った。
「レティ、今日は色々と疲れただろう?そろそろ部屋に戻った方が良いんじゃないかな?」
確かにそうですね……私は頷くとお礼を言った。
「はい……ではこれで失礼します。」
「うん、おやすみ。」
「おやすみなさい。」アベル様は優しく微笑むと私の頭を撫でてくれた。そして私が部屋から出るまで見送ってくれた。
(ありがとうございます……アベル様)
心の中でお礼を言うと、私は自室へ戻ったのだった。
*****
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