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第0話 アタリ付きアイスで異世界転生!
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クーラーの効いた校長室で、校長先生の長い話が行われている。
その映像をクラスの自分の席でぼーっと眺めながら話を耳の右から左へと受け流している。
期末テストも無事に終え、高校1年生の夏休みを迎えることになった。
高校では、良いことも悪いことも特になく、大人しく過ごしている。
私の通う高校は、女子高で田舎の県境にある。
通っていた中学校から近い場所は選ばず、離れた場所にある高校を選んだ。
ここは、のどかで平和だ。
クラスメイトは裕福な家庭が多いのか、みんな余裕を持っていて基本的には優しい生徒ばかりだ。
小学校、特に中学校ではあまり良い思い出を持っていなかった私には、環境を変えてスタートする良い機会にすることができた。ひとつだけ心残りがあるとするならば、小学校の頃から仲が良くて遊んでいたあの子とは中学校にあがると離れ離れになってしまった。しばらくは連絡をしていたが中学1年生の夏に何も言わずに連絡を途絶えてしまったことだ。
この夏休みは、特に予定も入れず図書館に行って本を読むか自習室で勉強をすることがメインになるな。
部活には入っていないのだが、図書委員会の仕事があった。
そんなことを考えながら、古い小さなお店に入っていく。
ここには、学校の帰りに週一回くらいの頻度で通っている。
寄り道は良くないので、こっそりとだ。
お菓子や雑誌、日用品なども置いてある駄菓子屋さんのようなお店だ。
ここの良いところは、コンビニやスーパーではあまり見かけない珍しい商品も置いてあるところだ。
お菓子やジュースを買っているが、今日は誘惑に負けて棒アイスを買った。
この全人類のやる気を奪うような暑さだから、溶ける前に...と食べていたところ、なんだか見覚えのある他校の生徒がカツアゲのようなことをされていた。
他校生A「今日もアイス4つ頼むわ~」
他校生B「いやw1人で何個食べるんだよww」
見覚えのある他校生『もう、お小遣いがあまりなくて...(小声)」
他校生A「は?声小さすぎて良く聞こえねーしありえねー。気分下がるわ。」
他校生B「あーあ。こりゃこいつのご機嫌が良くなるにはしばらくかかるなーすぐなおせるなら高級アイスくらいじゃない?」
見覚えのある他校生そ「そんな...」
なぜ、アイスにこだわるのか...?暑いからなのか?と心の中でツッコミを入れていたところ、見ているのがバレてしまった。
他校生B「あー、見せ物じゃないんだけどな。ま、良く見たらすごい可愛いから連絡先交換してくれたら許してあげようかな」
見覚えのある他校生「!!」
他校生A「俺のタイプじゃねえ...」
めろ「あの、カツアゲかなにかですか?」
他校生B「えww、第一声がそれなの?ww」
他校生A「お前、面白そうなやつだな。」
見覚えのある他校生「あ、あの...すみません。アイス買ってくるので...」
他校生A「最初から素直にそういえば許してやったのに」
見覚えのある他校生は、急いでお店の中へ駆け込もうとした。
突然、私は見覚えのある他校生にケガをしないように細心の注意を払ってか優しくかつ強引に手を掴まれお店へ連れられた。
他校生B「可愛い子ともっとお話できると思ったのに残念。」
他校生A「チッ」
***お店の中***
めろ『びっくりしたー!君、どこかで会ったことあるっけ?』
見覚えのある他校生『あ、いや...知りません。すみません。巻き込んでしまって。』
ああいう風に絡まれるのも無理もない。小中学生の時は男子に人気で目立ちすぎためろは、逆高校デビューをしたのだ。 校則はきちんと守り、制服は着崩すこともなくスカートの丈はひざ下。黒髪のおさげにメガネをかけている。一見地味に見えるが、ウイッグをとれば金髪でカラコンを外せば碧眼...青に近い色をしている。
めろ『そっかー!てかカツアゲされてたの?』
見覚えのある他校生『いえ、そういうわけじゃ...』
めろ『ふーん。てかさ、異世界転生って興味ある?』
見覚えのある他校生『唐突ですね...』
見覚えのある他校生が、少し戸惑っている。少し面白いと思ってしまった。
めろ『なんか君、めろの知り合いに似てるしそれに外に出てもピンチだし、一緒に遊びに行こっか!』
見覚えのある他校生『え、めろってまさか...』
見覚えのある他校生が話す途中で、謎の光に包まれた。
======
ざっくり説明すると、アイスのアタリを引いためろちゃんが、見覚えのある他校生と異世界転生をすることになったのです。
・アイス 120円
【商品名】異世界転生アイスバー
【レア度】高い 滅多に置いていない商品でアタリを引ける確率も少ない 幸運のアイテム
【発動条件】ピンチ状態を共にする仲間が、共通する願い事を持っている場合
光に包まれながら、願い事を心の中で唱えた。
めろは、特別なことは望みません。普通の村娘としてしあわせに生きたいです。欲を言うなら、知り合いに似てる他校生くんと、仲良くなれたらいいな...。
その映像をクラスの自分の席でぼーっと眺めながら話を耳の右から左へと受け流している。
期末テストも無事に終え、高校1年生の夏休みを迎えることになった。
高校では、良いことも悪いことも特になく、大人しく過ごしている。
私の通う高校は、女子高で田舎の県境にある。
通っていた中学校から近い場所は選ばず、離れた場所にある高校を選んだ。
ここは、のどかで平和だ。
クラスメイトは裕福な家庭が多いのか、みんな余裕を持っていて基本的には優しい生徒ばかりだ。
小学校、特に中学校ではあまり良い思い出を持っていなかった私には、環境を変えてスタートする良い機会にすることができた。ひとつだけ心残りがあるとするならば、小学校の頃から仲が良くて遊んでいたあの子とは中学校にあがると離れ離れになってしまった。しばらくは連絡をしていたが中学1年生の夏に何も言わずに連絡を途絶えてしまったことだ。
この夏休みは、特に予定も入れず図書館に行って本を読むか自習室で勉強をすることがメインになるな。
部活には入っていないのだが、図書委員会の仕事があった。
そんなことを考えながら、古い小さなお店に入っていく。
ここには、学校の帰りに週一回くらいの頻度で通っている。
寄り道は良くないので、こっそりとだ。
お菓子や雑誌、日用品なども置いてある駄菓子屋さんのようなお店だ。
ここの良いところは、コンビニやスーパーではあまり見かけない珍しい商品も置いてあるところだ。
お菓子やジュースを買っているが、今日は誘惑に負けて棒アイスを買った。
この全人類のやる気を奪うような暑さだから、溶ける前に...と食べていたところ、なんだか見覚えのある他校の生徒がカツアゲのようなことをされていた。
他校生A「今日もアイス4つ頼むわ~」
他校生B「いやw1人で何個食べるんだよww」
見覚えのある他校生『もう、お小遣いがあまりなくて...(小声)」
他校生A「は?声小さすぎて良く聞こえねーしありえねー。気分下がるわ。」
他校生B「あーあ。こりゃこいつのご機嫌が良くなるにはしばらくかかるなーすぐなおせるなら高級アイスくらいじゃない?」
見覚えのある他校生そ「そんな...」
なぜ、アイスにこだわるのか...?暑いからなのか?と心の中でツッコミを入れていたところ、見ているのがバレてしまった。
他校生B「あー、見せ物じゃないんだけどな。ま、良く見たらすごい可愛いから連絡先交換してくれたら許してあげようかな」
見覚えのある他校生「!!」
他校生A「俺のタイプじゃねえ...」
めろ「あの、カツアゲかなにかですか?」
他校生B「えww、第一声がそれなの?ww」
他校生A「お前、面白そうなやつだな。」
見覚えのある他校生「あ、あの...すみません。アイス買ってくるので...」
他校生A「最初から素直にそういえば許してやったのに」
見覚えのある他校生は、急いでお店の中へ駆け込もうとした。
突然、私は見覚えのある他校生にケガをしないように細心の注意を払ってか優しくかつ強引に手を掴まれお店へ連れられた。
他校生B「可愛い子ともっとお話できると思ったのに残念。」
他校生A「チッ」
***お店の中***
めろ『びっくりしたー!君、どこかで会ったことあるっけ?』
見覚えのある他校生『あ、いや...知りません。すみません。巻き込んでしまって。』
ああいう風に絡まれるのも無理もない。小中学生の時は男子に人気で目立ちすぎためろは、逆高校デビューをしたのだ。 校則はきちんと守り、制服は着崩すこともなくスカートの丈はひざ下。黒髪のおさげにメガネをかけている。一見地味に見えるが、ウイッグをとれば金髪でカラコンを外せば碧眼...青に近い色をしている。
めろ『そっかー!てかカツアゲされてたの?』
見覚えのある他校生『いえ、そういうわけじゃ...』
めろ『ふーん。てかさ、異世界転生って興味ある?』
見覚えのある他校生『唐突ですね...』
見覚えのある他校生が、少し戸惑っている。少し面白いと思ってしまった。
めろ『なんか君、めろの知り合いに似てるしそれに外に出てもピンチだし、一緒に遊びに行こっか!』
見覚えのある他校生『え、めろってまさか...』
見覚えのある他校生が話す途中で、謎の光に包まれた。
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ざっくり説明すると、アイスのアタリを引いためろちゃんが、見覚えのある他校生と異世界転生をすることになったのです。
・アイス 120円
【商品名】異世界転生アイスバー
【レア度】高い 滅多に置いていない商品でアタリを引ける確率も少ない 幸運のアイテム
【発動条件】ピンチ状態を共にする仲間が、共通する願い事を持っている場合
光に包まれながら、願い事を心の中で唱えた。
めろは、特別なことは望みません。普通の村娘としてしあわせに生きたいです。欲を言うなら、知り合いに似てる他校生くんと、仲良くなれたらいいな...。
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