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蜂黒須怪異談∞X∞
0007話「雨の用心棒」
しおりを挟む「1」
幼い頃の俺は梅田家の次男坊として将来的に無視家をやらせるために家族や親類から無視されていた。
当時の俺は無視が嫌で無視家になりたくなかった。
そんな毎日無視されていた頃、俺は下校時、商店街の付近で雨がポツポツ降っていていき、次第に土砂降りになってたんだよ。その日うっかり、傘を忘れてたから身体を濡れないよう近くの本屋で雨宿りしていたら、そこに派手な金ピカの装飾をつけたたくさんの派手な着色した傘を乗せた押し車を押す派手な金魚柄の甚平を着たおっさんが俺の前に現れたんだよな。
そいつは雨の用心棒と名乗っていたんだな。
雨の日に現れて濡れないように傘を所持してない方に配ってるらしいと聞いて俺は当然傘を求めたさ。
ま、その傘も派手だし目立つ金魚を描いてたから目を瞑ったぞ。
ま、そこで俺が傘をさすとな、俺の周囲にはかなり人だかりができていて俺と同じ派手な傘をさしていたな。
この傘は一種の曰く付きのモノだったわけさ。
ま、帰り道はウザくてしょうがなかったけどな。
「2」
で、俺がいつも学校では、1人で過ごしてることが多かった。いつも平凡であり特色もない俺は他の生徒から無視されるどころか教師さえも無視されていた。そんな無視されるのが嫌で俺はあの傘を差して教室では傘を差す人だかりができるが一時期目立つだけで次第に無視されてそれだけだった。とうとう俺は学校を通うのやめて不登校になり自分の部屋で引きこもっていた。そうだな、生徒おろか担任教師さえも見舞いこなかったな。でもそんな時に運命的な出会いするんだな。
その方は夢見飛鳥先生だ。当時としては夢想家の詩で名を馳せていて知らされていたんだ。そんな俺のために詩を作り励ましてくれたんだ。俺はいつも無視さられて忘れさられていたと思ってた。でも違ったんだな。だから俺は無視にしない真の無視家になろうと目指した。
そしていつもいじめられている生徒を助けたり、人の嫌がる仕事を積極的にやったり、無視してる虫や本や勉強したりしたんだな。そのきっかけ作った怪異談雨の用心棒は俺には無視できない思い出があったからな。
「3」
えるみ「ムッシーさようなら」
虫男「ああ。気をつけて帰るんだぞ」
その怪異談を聞いた古宮永えるみと親友の佐倉朋恵は部室から帰宅に向かう。
えるみと朋恵は一緒の帰り道にポツポツと雨が降り、ザーザーと勢いよく降り続けていた。
えるみ「よく降るね」
朋恵「本当ね」
彼女達は天気予報が快晴と信じていたので雨傘は持ち込んでいなかった。近くのパン屋で雨宿りしてるとそこに派手な金魚柄の甚平着た中年男性が手押し車に乗せた傘を配っていた。
その時えるみ達は虫男が聞かされた雨の用心棒と知り、えるみは手から喉が出るほど傘が欲しかったので雨の用心棒から傘をもらう。一方で朋恵は派手な金魚柄の雨傘は傘を差して歩くのは嫌だったので傘はもらわずそのまま雨宿りしてやり過ごすことにした。
その時えるみは朋恵と別れて各自帰路に向かう。
ーー「????」ーー
とある、怪しい男が懐に包丁を隠していてめぼしい若い女性を狙っていた。
そこに派手な金魚柄の雨傘を差してるえるみに狙いを定めようとしたが、彼女の周囲には雨傘が多くさしているの見て彼はとどまりあきらめて次のターゲットを探していく。
その時に難を逃れたえるみだが、その離れた場所で朋恵の刺殺死体があがり知るのは、帰宅してテレビの速報ニュースを視聴する時だった。
雨の用心棒 完
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