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空ノ蝉怪異談S【完結】

183話「視力検査」

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「1」

「次の方どうぞ」
 病院では患者や病院関係者がかなり行き来して混雑して混む。
 そこで毎月8回の視力検査をこの病院は実施してる。
 そこに彼女黒木あかねも視力検査を行う。
 今日は視力を上げるために気合いを入れてきた。
 その視力検査で人生を左右されるから彼女も必死である。
 その理由とはーー。

 ーー「花咲小学校6年2組」ーー

「では、今日はここまでです」
 担任の黒澤先生の授業終えると放課後のチャイムが鳴った。
「起立!礼」と当番の号令してクラスのみんなは「ありがとうございました!」と終礼した。
 あたしは教材をランドセルに入れて帰宅する準備してると黒澤先生に呼び止められる。
「黒木さん。あなたこの前風邪熱で休んだから、まだ視力検査受けてないよね?」
「はい。そうです」
「なら、両親に頼んでかかりつけの病院か眼科に視力検査を受けてきなさい。その検査結果の紙を学校に持ってきてちょうだいね」
「あ、はいわかりました」
 と、用件済んだ黒澤先生はそのまま立ち去っていた。

「2」

 ーー「夢山大学病院内」ーー

 あたしはお母さんに言われて石山県で大きい夢山大学病院に1人で来ていた。中はとても広くて迷子になりそうだった。
 今日はここで視力検査をやるのだけど……どこだろう?とあたしは探していた。
 と、そこにあたしと同じくらいの黒髪の三つ編みのおさげの少女に尋ねてみた。
「ねー?視力検査どこでやるか知ってる?」
「視力検査は私も受けるとこよ。案内してあげる」
「ありがとう♪」と喜んでついていった。
 名前を聞いてみると、八木楓さんという方らしいのであたしの名前を教えてあげた。
 そして楓の案内の元に視力検査会場に向かった。

「3」

 ーー「視力検査会場」ーー

「ここよ」と楓の案内の元に無事ついたあたしは受付する人から整理番号もらった。
 整理番号の数字は64。
 ちなみに楓は65だった。
 視力検査会場はそれなりに多いが集まる人達は変わった服装や頭を丸めてる人達が多かった。
「整理番号64番のかたどうぞ」
「あ、はい」と受付の人に呼ばれたのであたしは視力検査会場の中に入る。
 この時、あたしはこの視力検査会場に誤解してることにまだ気づいてなかった。
「……」

 ーー「検査室内」ーー

「じゃあ始めるよ」
 と検査の人が渡されたの写真を取り出して見せた。
「これは……?」
 と、あたしは首をかしげたので説明してくれた。
「この写真に写る赤い点を何個か教えてください」
「わかりました。えーと」
 その写真はバーベキューしてる人達だが、あたしは目を凝らしてみるとはっきり写っていたので答えた。
「4個です」
「ほう。ではこれは?」
 と、次に手渡された写真はうっすらと見えにくいが答える。
「7個です」
「ふむふむ」と検査の人もうなずいていた。そこでいくつか写真を見せて最後の写真はわからなかったけどなんなくこなせていた。

 ーーーーー

「次はこの2つの人形を比べてどちらにオーラがあるかを測る検査だよ。どちらかな?」
 これも楽勝だった。
「右です」
「ふむふむこれは?」
「左です」
「ほう、君なかなかもんだね」と、検査で褒められた。

 ーーーーー

「最後の検査は人物の背後に映るナニカを当てる検査だ。私に映るのは何かな?」
「えーと。なんかお侍さんが見えて、あとおじいさんもいます」
「そうか。ありがとう。これで視力検査は終了するよ。会場外にお待ちください。すぐ検査結果が出ますので」
 と、あたしは会場外に待った。
 そこでしばらく待っていると、検査結果がでた。
 判定B+だった。
 ちなみに楓さんはC++だったが何故か悔しそうだった。
 視力検査結果終えたあたしは楓さんと別れて帰宅の途についた。

 ーー「黒木家」ーー

「ただいま」と、あたしは帰宅すると、お母さんは洗い物していたのを中断して玄関先まで出迎えてくれた。
「おかえりなさい。検査の結果見せてちょうだい」
「はい。これ」とあたしは手渡した。
「どれどれ……ん?これは……」
「お母さん?どうしたの?」
「あなた、これ間違えて受けてるわよ。この視力検査結果は一般じゃなく体質のやつよ?」
「体質?」と、意味わからなかったがどうやらあたしは誤解していたらしい。この視力検査は幽霊や異形なモノ達を視る視力を測る類だったから。
「来週も受けに行きなさい。それと今日は大事なお話があるからね」
「わかった」としぶしぶ従う私。
 そのお話とはお母さんが霊能者であったこと。あたしに対して隠していたらしい。その後からは、母親から霊能者として指導受けた。そう、あたしが霊能者になるきっかけ与えてくれたのは、あの少女だったからね。
 あと、一般の視力検査結果は1.2と右左はまずまずだった。

「4」

 ーー「現在」ーー

「B++か。まずまずね」
 あたしは視力検査結果の帰り道だった。
 そしてたびたび視力検査結果を見て視力を落ちないように目のケアは忘れない。
 と、その途中に墓地があったので視力を測る。
「……34」
 と、はっきりと数は確認できた。前は28だったが視力は上がってる実感を湧いたあたしは鼻唄を出しながら帰宅した。

 視力検査   完
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