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野花怪異談N③巻【完結】

37話「おまえのつぶ像に〇〇したら、地の果てまでぶつよ」

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「1」

 ーー「M国M市」ーー

 砂漠のとある市街地。
 さまざまな民族が集い人だかりが出来ている。
 ただそこに浮かない家族がいる。
 身なりはとてもいいので貧しさはない。
 家族は転々と住居を変えている。
 そこに家族は自分の住居へ帰宅すると子供達は暗い顔して部屋に籠る。
 妻は家族のために料理の準備する。
 夫は何もせず椅子に座ったまま。
 そこにいつものアレが来る。
 建物が揺れていき、ドンドンと中のガラス戸棚が叩かれる。
 そう、この家族一家だけがこの目に合う。
 彼らはある物を〇〇したせいで悲惨な目に合うからだ。
 そしてドカドカと建物全体が叩かれていき物が破壊されていく。
 子供達は耳を塞いで喚き。
 妻は涙が溢れ落ちながら調理をする。
 夫はこの世の運命を祈るようにつぶやく。
 次第にこの家族の住居は至るところにぶつけられていた。

 「2」

 ーー「粒願寺」ーー

 この寺はつぶ教のつぶ僧達が集う信者ためのお寺である。
 基本的にお経を読むときは常につぶつぶとつぶやく。
 ちなみにぶつぶつは禁忌とされており、ぶつぶつとつぶやくと相手にぶつけられると信じられている。
 と、そこに観光で来た八木楓、永木桜、八木瑠奈、永木翼、八木凪、そして無視さられている梅田虫男がやってきた。
「ここがつぶ教ためが集うお寺か」
 翼は感心する。
「みんなつぶつぶて、つぶやいてるね」
「そうね。あれがつぶ像様よ」
 凪が指すつぶ僧の向こうには祀られている立派なつぶ像があった。
「あら、凄そうなつぶ像ですね」
 楓達はじっくりと眺める。
「ははは、立派なもんでしょう?」
 そう言ってきたのこの粒願寺の住職である。
「こんにちわ。すごく立派ですから、うちも欲しいくらいです♪」
「ははは、そんなにつぶ像をお気に召されたかい?でも、つぶ像に下手なぞんざいな扱いすると……ぶつけられますからね」
 ぞわりとした背筋の鳥肌が立つようになった桜は思わず楓の背中に隠れる。
「あら。それ詳しく教えていただきますか?」
「はい。いいでしょう。このつぶ像にはーー」
 住職はつぶ像について詳しく教えてくれた。

「3」

ーー「山田骨董品店」ーー

    俺は店の古い引き戸を開ける。
「ちーす。親父いるか?」
「おー。いらっしゃい。はぁー」
    白髪混じりの親父は息を吹きあげながら、何やら物を布巾で磨きあげる。
「ん?親父何を磨いてるんだ?」
    親父は磨きながら言った。
「あー。これか?これはつぶ像様だよ。懇意してるお客様からタダで譲ってくれたもんだよ。どうだい。立派なもんだろ?」
    親父はそのつぶ像とやらを自慢気に見せる。
    俺は思わず唾を呑み込んだ。
    欲しい。欲しすぎる。
    俺は生粋の骨董品コレクターである。
    俺ん家は昔から掘り出し物が溢れている。
    親父から持ってるつぶ像は何がなんでも欲しかった。
「親父!」
「なんだ?」
「そいついくらで買う?」
「……そいつは物の値段次第だな。そうだなー」
    俺と親父は値段交渉して俺は交渉に勝ち取り見事俺の手元に渡った。

 「4」

 ーー「長谷の自宅」ーー

 俺は早速つぶ像をコレクションルームに飾る。
 俺の名は長谷信吾。
 39歳。
 骨董品コレクターだ。
 俺が骨董品集めたきっかけは両親が昔から骨董品など集めるのが趣味なので俺も幼い頃から集めるようになった。
 俺は欲しい物があり、手元に届く物であれば無理しても購入する。
 骨董品がおかずなら、ごはん何杯でもいける。
「さてと。忘れずに記念撮影しとこう」
 俺は欠かさずやってることは、まず骨董品を入手したら、アレをして骨董品と一緒に記念撮影することである。早速プロマイドカメラで撮影した。
 プロマイドカメラなので写した写真はすぐ現像されて出てくる。
「どれどれ。ん?なんだこれ?」
 俺が写したつぶ像の写真に白いモヤみたいな物が写っていた。
 ただ。プロマイドカメラの故障かな?と二回目写すと普通の写真になった。
 気のせいかと思い、この時俺はモヤみたいな写真を破り捨てて綺麗に写した写真をアルバムに入れた。
 この時俺は気にしなかった。まさかあんな目に合うとは思わなかった。

 「5」


 ーー「3日目」ーー

 俺が違和感が感じたのはこの時からだった。
(ガタガタガタ)
「また、鳴ってるな。風強いのかな?」
 俺の自宅は結構古い家である。
 なので結構雨ふるときは雨漏りする。
(ガタガタ)
 俺は気にせずコレクター品を磨いていた。


 ーー「7日目」ーー

「ただいま」
 と、両親もだいぶ前に亡くなり一人暮らしの俺はさっそく戦利品をコレクションルームに飾る。
(ガタガタガタガタガタ)
「あ、まただ。少しうるさいな」
 最近少しガタガタと音を立ててるようになって俺が自宅にいるときはガタガタとなりっぱなしである。
 すると、
(ドンドンドンドンドンドンドンドンドンドン)
 うぉっ!?と俺は何事か?と思わず家中音の出所を調べたがそれらしい物は見当たらなかった。
「気のせいかな?」
(ガタガタ)

 ーー「14日目」ーー

「………」
 俺は怯えていた。まさかアレが来るなんて。
(ドカドカドカドカドカドカドカドカ)
 ビクッと俺はすかさず反応する。
 あの爆音みたいな叩く音は毎日するようになり、おかげで毎晩眠れなくて寝不足である。
 近所からも爆音が聞こえてクレームが来て俺も精神的に追いつめられていた。
 一体俺が何をしたんだ!と俺はふとあるプロマイドカメラ目線が映る。
「もしかして!」
 俺はカメラは見てある物思いつく。
「そうか!アレだな。根本的な原因は!」
 俺は早速つぶ像を持ち出して外に出かけた。

 「6」

 俺は早速つぶ像をいつもの骨董品店で引き払うと安堵した。
 しばらくするとあのつぶ像に手に渡った持ち主は俺と同じ目に合ったと風の噂で聞いた。
 つぶ像の行方は俺は知らない。
 俺は家を引っ越ししたが自宅に寝れない俺は車で寝泊まりしていた。
「ふー。あの爆音ならなくてすむぜ」
(ドンドン)
 と、どこかでドンドンする。
「!?ま、まさかこの車までは来ないだろうな」
(ドォーン)
 しばらくすると聞いたことないような爆弾のような爆音が鳴り地面が思い切り揺れた。
 俺はその光景を見て思わず目を見開く。


 自宅に巨大な拳が突き破っていた。


 俺は思わず車にエンジンをかけて逃げた。
 ただどこもドカドカと車のガラスに叩く音がする。そして走り出す目の前の地面に突き出す拳に誤ってハンドルを右に切って電柱にぶつかった。
 車はエアバックが作動して俺はなんとか無事であった。
「な、なんだよ!?」
 その車の周りにはつぶ像が置かれていた。
 そして目の前にいた人物はあっと驚いてしまう。
「ば、バカな!?な、なんで親父がいるんだ!?」
 この世にいないはずの骨董品店の親父が目の前にいた。それだけじゃなく全て俺が骨董品集めるため関わった人達ばかりもいた。
 そして車が激しく叩かれて揺れて車はペシャンコになるほど車内は狭くなり俺はその場から出られなくなった。

 「7」

 ーー「粒願寺の墓地」ーー

 墓にそっと軽く手を合わせる中年男性。
「山田さんいらっしゃいましたか」
 山田と呼ばれた中年男性は楓達と住職にお辞儀する。
「ええ。ここに来ると父を思い出すので」
「ふむ。ひどい有り様ですね」
 虫男の問いかけにそこの墓に山田という墓があるがボロボロになって何か硬い物でぶつけられた跡があった。
「これが例の話された方ですか?」
 凪はそう言うと住職は軽くうなずく。
 そして山田はゆっくりと口を開く。
「父はあのつぶ像でかなり人から恨まれました。私の家でもつぶ像で被害を受けた人々から、かなり罵詈雑言言われました」
「そ、そんな!悪いのはつぶ像に〇〇したからでしょ?そこまで責めるのは筋違いだと思うな」
 桜は言った。
 ただ山田は深いため息吐いた。
「まぁ、父も彼らにあえて黙っていましたからね。父は彼らの〇〇することに憤慨してましたからね」
 楓はそっと山田の墓に近づき優しく触れる。
「つぶ像もそれに応えるかのように報復したみたいですからね」
 みんなは揃って軽く手を合わせた。



 ーー「????」ーー

 ここは特殊な頑丈に作られた建物。
 ここではある〇〇に犯した人達を収容する施設である。
「例のあの555番がそうですか?」
「ああ。つぶ像に〇〇だけじゃなく。昔、骨董品強盗殺人を繰り返した列挙とした大罪人だよ」
 警棒持った黒の制服を着た2人組の男性職員がある部屋に向かっている。
 そこの部屋に着くと厳重に収容されてる555番の長谷信吾がいる部屋を覗く。
「555番!気分どうだ?」
「…………」
 長谷は顔は皺だらけで髪は長くボサボサで白髪混じり、顎髭は伸びぱなっしでただ何もせず呆然としてあさっての方向を見てる。
「反応ありませんね」
「しょうがないさ。礼察が駆けつける頃にはよほど怖い目にあったらしいからな」
 と、1人の男性職員が肩をくすめる。
「でも、信じられませんね。まさかつぶ像に名前をしただけでこんな目に合うなんて」
「そうだな。自分のするかどうかは俺らに理解したがいが、結構被害者も多数いるから、こいつみたく廃人なるから、おまえも気をつけろよ」
「ははは。まさかあんな目に合うとわかってるかわからなくてもまさかつぶ像にはしませんよ」
 男性職員2人組は長谷に向かって一言言った後去っていった。
 男性職員2人組去ったあと、どこかで地響きが鳴る。そして長谷の周囲にドンドンドンドンと次第にドカドカドォーンと爆音にぶつけられて揺れて長谷は思わず顔を両手で隠し懺悔してつぶやいていた。

 おまえのつぶ像に記名したら、地の果てまでぶつよ  完
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