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おまけ
続いていく物語1
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晴人が部に配属になってから、一ヶ月が過ぎていた。
部内研修では結局パズルゲームを作成して終了となり、それと同時にちょうど佳境を迎えたプロジェクトに組み入れられたのだ。
新人の晴人にできるのは書類整理などの簡単な作業だったが、それでも作成中のシステムのテストに少しだけ携わることができて、社会人になったのだという実感を噛み締めていた。
そしてようやくプロジェクトも目処が立ち、忙しくて延び延びになっていた晴人の歓迎会が開かれることになったのだ。
「今月からこのチームに入ってもらっている、空井晴人くんの歓迎会を始めたいと思います」
居酒屋にて、和やかに歓迎会は始まった。
会社としての歓迎会は別にあり、今日はチームの歓迎会というごく内輪のものだ。
「空井君、仕事には慣れたかい?」
「は……はい、何とか……」
晴人の育成担当である主任の問いかけに対し、やや口ごもりながら晴人は頷く。
涼しげな顔で酒を飲むこの相手は、かつてゲーム世界の中で行動を共にしたセイだった。
しかし、配属になった日にそれを肯定するような発言をしていたにも関わらず、この一ヶ月でそれらしい素振りを見せることはなく、会社の先輩と後輩という間柄のままだ。
この飲み会をきっかけに、どうにか一歩を踏み出せないかと晴人は模索していた。
だが何をどうすればよいのかわからず、時間だけが過ぎていく。
結局、二時間程度の歓迎会はあっという間に終わってしまった。何も進展がなかったと、晴人はがっくりとうな垂れる。
「二次会どうする?」
「俺、帰るわ。飲み会の日くらいしか早く帰れないし」
「後はお若い方におまかせして」
ところがチームのメンバーがほとんど帰ってしまい、晴人の他にはセイと、晴人よりひとつ上の先輩という三人だけが取り残された。
「三人だけかー。じゃあ、何か買って主任の部屋に行こう! 確か、主任の部屋ってこの近くでしたよね?」
「……まあ、構わないけれど。でも、ただの一人暮らし用の部屋だし、何もないよ。空井君はそんなところでいいの?」
「え? は……はい! 俺は大丈夫です!」
しかもセイの部屋に行くという流れになってきたのだ。
不意打ちのようにセイから尋ねられ、晴人は一瞬だけ戸惑ったものの、渡りに船とばかりに背筋を伸ばして首を縦に振る。
部内研修では結局パズルゲームを作成して終了となり、それと同時にちょうど佳境を迎えたプロジェクトに組み入れられたのだ。
新人の晴人にできるのは書類整理などの簡単な作業だったが、それでも作成中のシステムのテストに少しだけ携わることができて、社会人になったのだという実感を噛み締めていた。
そしてようやくプロジェクトも目処が立ち、忙しくて延び延びになっていた晴人の歓迎会が開かれることになったのだ。
「今月からこのチームに入ってもらっている、空井晴人くんの歓迎会を始めたいと思います」
居酒屋にて、和やかに歓迎会は始まった。
会社としての歓迎会は別にあり、今日はチームの歓迎会というごく内輪のものだ。
「空井君、仕事には慣れたかい?」
「は……はい、何とか……」
晴人の育成担当である主任の問いかけに対し、やや口ごもりながら晴人は頷く。
涼しげな顔で酒を飲むこの相手は、かつてゲーム世界の中で行動を共にしたセイだった。
しかし、配属になった日にそれを肯定するような発言をしていたにも関わらず、この一ヶ月でそれらしい素振りを見せることはなく、会社の先輩と後輩という間柄のままだ。
この飲み会をきっかけに、どうにか一歩を踏み出せないかと晴人は模索していた。
だが何をどうすればよいのかわからず、時間だけが過ぎていく。
結局、二時間程度の歓迎会はあっという間に終わってしまった。何も進展がなかったと、晴人はがっくりとうな垂れる。
「二次会どうする?」
「俺、帰るわ。飲み会の日くらいしか早く帰れないし」
「後はお若い方におまかせして」
ところがチームのメンバーがほとんど帰ってしまい、晴人の他にはセイと、晴人よりひとつ上の先輩という三人だけが取り残された。
「三人だけかー。じゃあ、何か買って主任の部屋に行こう! 確か、主任の部屋ってこの近くでしたよね?」
「……まあ、構わないけれど。でも、ただの一人暮らし用の部屋だし、何もないよ。空井君はそんなところでいいの?」
「え? は……はい! 俺は大丈夫です!」
しかもセイの部屋に行くという流れになってきたのだ。
不意打ちのようにセイから尋ねられ、晴人は一瞬だけ戸惑ったものの、渡りに船とばかりに背筋を伸ばして首を縦に振る。
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