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第三章 巡り会い
93.七年目の再会
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「やっぱり……マリオン兄さん……」
懐かしい姿を眺めながら、ミゼアスは声をつまらせる。様々な思い出が胸にわきあがり、つい瞳に涙が滲む。
「本当に……ミゼアスなのですね」
驚愕に青色の瞳を大きく見開いていたマリオンは、ふと表情を和らげて微笑みを浮かべた。
ミゼアスもつられて、口元が緩んでいく。
「まさか、こんなところで会えるとは……」
「マリオン、昨日入荷した竪琴は……おや?」
マリオンが口を開きかけたところで、遮るように声が響いた。
先ほど、荷物を運んでいた男が戻ってきたのだ。男は声をかけたところで、見つめあうミゼアスとマリオンの様子を眺めて首を傾げる。
「……あなたは、本当にいつもいつも間が悪いですね。邪魔をしないでください」
苦虫を噛み潰したような表情でマリオンが言い放つ。
ミゼアスの知るマリオンらしからぬ、あまりにも直情的な姿だ。しかし、こうも遠慮なく物事を言えるということは、むしろ心を許しているからなのだろうとミゼアスには感じられた。
「よかった……マリオン兄さん、幸せそうで」
長年、胸の奥につかえていた小さな塊が消えていくようだ。ミゼアスは心からの安堵を覚え、微笑む。
「幸せそうって……あのですね、この姿を見てどうしてその言葉がでてくるのですか」
マリオンの表情が呆れに彩られる。昔よりもかなり表情が豊かになったようだと、ミゼアスにはこの表情すら好ましく思える。
「じゃあ、幸せではないのですか?」
「……それなりにやっていますよ」
苦笑して視線をそらすマリオン。感情表現が下手で素直になれないところは、変わっていないようだ。
「ところで、あなたが島を出たという噂は聞いていましたが、ここにいるということは本当なのですね。おめでとう、と言うべきですか?」
「ああ……紹介します。僕の旦那様のジェスです。ジェス、こちらは昔、僕の先輩だったマリオン兄さん」
成り行きを呆然と眺めていたアデルジェスの手を引っ張ると、はじかれたようにアデルジェスは頭を下げた。
「ど……どうも……初めまして……じゃなくて、えっと……こんにちは。アデルジェスと申します……」
かなり混乱した調子で、アデルジェスはどうにか挨拶らしき言葉を述べる。
懐かしい姿を眺めながら、ミゼアスは声をつまらせる。様々な思い出が胸にわきあがり、つい瞳に涙が滲む。
「本当に……ミゼアスなのですね」
驚愕に青色の瞳を大きく見開いていたマリオンは、ふと表情を和らげて微笑みを浮かべた。
ミゼアスもつられて、口元が緩んでいく。
「まさか、こんなところで会えるとは……」
「マリオン、昨日入荷した竪琴は……おや?」
マリオンが口を開きかけたところで、遮るように声が響いた。
先ほど、荷物を運んでいた男が戻ってきたのだ。男は声をかけたところで、見つめあうミゼアスとマリオンの様子を眺めて首を傾げる。
「……あなたは、本当にいつもいつも間が悪いですね。邪魔をしないでください」
苦虫を噛み潰したような表情でマリオンが言い放つ。
ミゼアスの知るマリオンらしからぬ、あまりにも直情的な姿だ。しかし、こうも遠慮なく物事を言えるということは、むしろ心を許しているからなのだろうとミゼアスには感じられた。
「よかった……マリオン兄さん、幸せそうで」
長年、胸の奥につかえていた小さな塊が消えていくようだ。ミゼアスは心からの安堵を覚え、微笑む。
「幸せそうって……あのですね、この姿を見てどうしてその言葉がでてくるのですか」
マリオンの表情が呆れに彩られる。昔よりもかなり表情が豊かになったようだと、ミゼアスにはこの表情すら好ましく思える。
「じゃあ、幸せではないのですか?」
「……それなりにやっていますよ」
苦笑して視線をそらすマリオン。感情表現が下手で素直になれないところは、変わっていないようだ。
「ところで、あなたが島を出たという噂は聞いていましたが、ここにいるということは本当なのですね。おめでとう、と言うべきですか?」
「ああ……紹介します。僕の旦那様のジェスです。ジェス、こちらは昔、僕の先輩だったマリオン兄さん」
成り行きを呆然と眺めていたアデルジェスの手を引っ張ると、はじかれたようにアデルジェスは頭を下げた。
「ど……どうも……初めまして……じゃなくて、えっと……こんにちは。アデルジェスと申します……」
かなり混乱した調子で、アデルジェスはどうにか挨拶らしき言葉を述べる。
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