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第三章 巡り会い
82.とっておきの娼館
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食事も終えて部屋に戻り、アデルジェスはミゼアスから今日の出来事を聞いていた。
花嫁修業は順調なようだ。まだ一人で料理はさせてもらえず、手伝いをしているようだが、ここは客に料理を出す場所なので仕方がないだろう。ただ、盛り付けは手放しで褒められているらしい。
料理の基本を学ぶことができて、ミゼアスは満足しているようだ。
ミゼアスを向かい合わせの形で膝に乗せ、柔らかい髪を撫でながら、アデルジェスは微笑ましく頷く。話が一区切りしたところで、アデルジェスは誘いを持ちかけてみることにする。
「楽器を売っている店を見つけたよ。今の仕事は明日までだし、明後日、一緒に見に行ってみない?」
「ジェス……ありがとう。嬉しいよ」
感激した様子で、ミゼアスが抱きついてくる。身体をすりよせながら、何回も触れるだけの口づけを繰り返す。溢れんばかりの喜びが伝わってきて、アデルジェスも口元が緩んだ。
何と可愛らしい姿だろう。やはり、少しくらい無理をしてでも、ミゼアスの気に入った物を買ってあげたいものだ。
翌日、仕事を終えてアデルジェスは帰ろうとしていた。
わずか数日の付き合いだったが、一緒に働いた者たちには仲間意識のようなものが生まれている。解散ということで飲みに行こうという話も出ていた。
アデルジェスも誘われたが、愛しいミゼアスが待っているので断った。宿で待っているミゼアス以上に大切なものなど、ない。
「とっておきの娼館があるんだが……残念だな」
ますます行ってはならない場所だ。アデルジェスは悪いけれど、と言いながら断る。
「とっておきの娼館? どんなところだ?」
他の男が反応した。興味津々といった様子で問いかける。
「ここだけの話だけれどな、不夜島って知っているだろ? 俺たちなんか、まともに相手なんざしてもらえない高嶺の花ばかりの高級娼館」
得意げに男は語り、いったん言葉を区切って周りを見回す。
「なんと、最高位の五花にして白花第一位だった、不夜島のミゼアスがその娼館にいるんだってよ!」
花嫁修業は順調なようだ。まだ一人で料理はさせてもらえず、手伝いをしているようだが、ここは客に料理を出す場所なので仕方がないだろう。ただ、盛り付けは手放しで褒められているらしい。
料理の基本を学ぶことができて、ミゼアスは満足しているようだ。
ミゼアスを向かい合わせの形で膝に乗せ、柔らかい髪を撫でながら、アデルジェスは微笑ましく頷く。話が一区切りしたところで、アデルジェスは誘いを持ちかけてみることにする。
「楽器を売っている店を見つけたよ。今の仕事は明日までだし、明後日、一緒に見に行ってみない?」
「ジェス……ありがとう。嬉しいよ」
感激した様子で、ミゼアスが抱きついてくる。身体をすりよせながら、何回も触れるだけの口づけを繰り返す。溢れんばかりの喜びが伝わってきて、アデルジェスも口元が緩んだ。
何と可愛らしい姿だろう。やはり、少しくらい無理をしてでも、ミゼアスの気に入った物を買ってあげたいものだ。
翌日、仕事を終えてアデルジェスは帰ろうとしていた。
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得意げに男は語り、いったん言葉を区切って周りを見回す。
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