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2つの結婚式
しおりを挟む茉莉子に電話すると、少し眠たそうに電話に出ていた。
「お姉ちゃん、暇?」
「なに、朝っぱらから。暇とかって。まぁ、暇だけど。」
「今から遊びに行っていい? いいよね? いいでしょ?」
「それって強制じゃないの。わかったわよ。来なさいね。」
麗奈は燥いでスキップしながら、姉のマンションまで行っていた。
10階の姉の番号を押すと、ドアが開いて中に入りエレベーターで10階まで上がった。
姉の部屋でチャイムを鳴らすと、茉莉子が出てきてドアを開けてくれた。
「こんな早くから、なんか用事なの?麗奈。」
「私5時起きですよ。もう、8時だし。」
「お兄さん寝てるのね。お仕事疲れてるんでしょうね。」
「もう、着替えて起きて来るわよ。それにしても、あんたのマンション広いわよね。ビックリしたわよ。ワンフロアーじゃないの。色々な設備整っているし。あれで仕事できなきゃ、洒落にならないわよ。PCも2台もあったし。」
「PCは貰い物です。これで作曲しなさいって渡されました。使い方わからないので1ヶ月位指導してもらいましたけどね。ところでね、今日は相談があったのよね?お兄さんが起きてからの方がいいわね。」
「待っててね、今、紅茶入れるから。私達はコーヒーだけど、麗奈は紅茶でしょ?」
「うわぁ、お姉ちゃんいつからそんなに親切になったの?」
「だって、大家さんでしょ? 」
「もう、それは言わないでよ。恥ずかしいじゃないの。」
「わかった わかった 言わないわよ。」
「いつもね、ファミレスばかりだったけどね。千葉の時大衆食堂に入ったのね。すっごく美味しくてね。600円でやすかったわよ。」
「ファミレスばかりだと飽きちゃうものね。いくら系列違ってもさぁ。」
「そうなのよね。まぁ、朝食はいいんですけどね。焼き魚と納豆と漬物と味噌汁とご飯だから、自宅の時より豪勢だしね。」
「和食しか食べてなかったの?」
「うん 洋食とかお昼とか夜食べるから、朝は和食にしてましたね。今回は騙されちゃってね。会社に。」
「騙されたの? どんなふうに?」
「会社は出発前に、1県1箇所だって言ってたんだけどね。どうも、おかしかったのよね。行く前にステーキ食べさせたり、北海道でたくさんの海鮮を並べられてね。葉月に調べてもらったら、1県2箇所で 1箇所2ステージだったのよね。」
「きついわよね。文句言ったの?」
「マネージャーも知ってて、教えなかったからね。そこの海鮮全部食べれば許すってみんなで車に戻っちゃったわよ。みんなで、やるしかないってね。」
そんな話しをしていると、聡が起きてきた。
「お兄さん、おはようございます。お邪魔してます。」
「麗奈の声がうるさくて寝れないよ。なんて、嘘だよ。もう、起きないといけないからね。ところで、2人が揃ってから話しってなんだい?」
「まぁ、幸平もいたほうがいいんですけどね。いるのかしら?」
「じゃ、ちょっと、呼んできてあげるわよ。どうせ、幸平も暇してるんだからね。」
「ところで、今日は休みなのかな?」
「えっと、ツアーが昨日で終わったので1週間の休暇です。」
「へー 羨ましいけど、全国回ってきたんだものね ご苦労様。」
幸平と詩織が、玄関から入ってきていた。
「うわ、麗姉ちゃん。ばっかにお洒落してるじゃん。どっかいくの?」
「普段着ですよ。まぁ、こんなのしかないですけどね。」
「ところで2組呼んでどうしたの?麗奈。」
「2人の結婚式っていつかなって聞こうかと思ってました。場所とかもね。」
「場所は幸平と一緒のところで教会でやるのよ。私達が9月土曜日の2週で、幸平達が9月土曜日の4週だよね。都内でやることになったの。それがどうかしたの?」
「一応、スケジュールもあるし。聞いておかないといけないかなってね。それとね、二組を祝福したいって人がいるのよね。2次会でもいいんですけどね。2次会の場所とか決めてあるの?」
「まぁ、大体居酒屋かなって思ってたけどね。」
「それなら、ちょっと、大き目の広い場所借りてよ。場所代と飲み物は定価でいいからさ。」
「わかんないわよ。どうしたの?説明してよね。」
「バンドのメンバーが是非お祝いしたいって言うから、私達がちょっとボリューム下げて演奏するから、何人でもオーケーですよ。ライブ形式の二次会ってどうかしらね?」
「他のメンバーさんが言ってくれたの?私は嬉しいしね。あんた達のライブなんて今5000円でもチケット手に入らないんだから。みんな喜ぶと思うわよ。私としてはいいけど、聡は?」
「俺は、ファンだからな。すっごく嬉しいし。良い二次会になると思うから。」
「幸平達は? 嫌?」
「嫌なわけないだろ。麗姉が演奏してくれるんだから、みんな嬉しがるよ。」
「ただ、二次会は誰が出るとか言わないでね。ビックリした方がいいでしょ?勿論、披露宴に出席した人は全員来てもらって構わないのよ。披露宴ではソロで歌うので。」
「お 曲できたの?」
「まだだけどね。ちょっと、頭には浮かんでいるの。」
「そうなんだ、まだまだ日があるからね。」
「披露宴は何名くるのかしら?」
「私のところは70名かしらね。幸平は?」
「俺は、まだ若いし下っ端だから50名だな。」
「じゃ、120枚 色紙用意するわね。いいでしょ?引き出物の中に入れてあげて。いらなければ捨てればいいんだからね。」
「そこまでしてくれなくていいよ。麗姉無理し過ぎだよ。ここだって、本当は家賃40万と管理費3万だろ。それが管理費なくって5万なんて。」
「いいじゃないの。兄弟なんだしね。助けてもらうこともあるわよ。」
「こうなると、場所の問題になるわよね。」
「ちょっと、待っててね。100人入れればいいわよね。2次会いっぱい呼んでいいからね。ある程度の場所聞いてみるけど、どこの教会なの?」
「青山だよ。結構奮発したんだから。」
「ちょっと、外に出てくるわね。待っててね。」
麗奈は携帯を持って、玄関から出ていった。
「あの大人しい麗姉が凄いよね。昔は並以下の女子だったのにね。」
「あんた、麗奈の事1番好きだったじゃないの。私なんかよりも、麗奈 麗奈って。」
「俺達、なにもかも助けられてるよな。なんかあったらすぐに駆けつけてあげないとな。」
麗奈は洋子に電話して、9月の2週と4週の土曜日をメンバー全員予定を入れないように頼んでいた。
そして、車をその時用意してもらうようにも頼んだ。
次は善人に電話をすると、青山近くで100人程収容できる広いところがないか探してもらってった。
姉と弟の2次会で使うので、そこでバンドで演奏すると伝えていた。
「そしたら、アンプとかマイクとかテーブルもいるだろうが。」
「あ 忘れてました。車2台ダメでしょうか?お金払いますので。」
「場所は、目ぼしいところを探しておくから、9月の土曜日で2週と4週だな。任せろ。」
「ありがとうございます。社長 感謝します。失礼します。」
玄関から入ってくると、麗奈はニコニコしていた。
「スケジュールも開けて貰ったし、会場は今、探して貰っています。飾り付けとかないですけどいいですよね?」
「ああ 十分だよ。ありがとうなね 麗奈 一生の思い出になるわよ。」
「土曜日にしたのって、お父さんやお母さんがこっちに来るからでしょ?」
「2人共、週休二日だから。土曜日にやって、ゆっくり泊まってもらってから帰ってもらおうかなって思っていたのよ。」
「これで、1個終わったわね。みんながお姉ちゃんや弟を祝福したいって言うからね。披露宴でも二次会でも良かったんですけどね。披露宴だと1曲しかできないでしょ?二次会なら、ずっと歌っていられるものね。ラッキーかしらね。」
「麗奈は相変わらず、歌うことが好きなのね。私達の二次会とか音大の人多いからきっとビックリするわよ。まぁ、麗奈が妹だなんて内緒だけどね。でも、生徒も来ちゃうからどうしようかしらね。」
「お姉ちゃん、私が妹で恥ずかしいの? ちょっと、がっかり・・・・・・・・」
「違うわよ、生徒に妹のサイン頼まれるのが嫌なだけよ。」
「なんだ、それなら言えば書くのに。でも、下手ですよ。サインなんてあまりしないからね。」
「もう、お昼になるけど。麗奈食べていく?作るわよ。」
「いいえ、用件終わったので失礼しますよ。お昼にメンバーに会って報告しなきゃいけないしね。じゃ、お姉ちゃん・幸平・お兄さん・詩織さん失礼しますね。また、来ますよ。」
麗奈は玄関から出ていった。
「ちょっと、麗奈さん一回り人間として大きくなったんじゃないのかな?」
「さぁ、元々あんな娘だけどね。でも、麗奈には感謝してるわよ。ここまで考えてくれたなんて思わなかったしね。メンバーさんにも感謝しないとね。」
茉莉子達は4人で、昼食を作り始めていた。
マンションに帰ると麗奈は洋子の部屋に行き、昼食でみんなが来るのを待っていた。
「遅いわね。電話してみますね。」
みんなに電話して、洋子のところにメンバーは集まっていた。
純也は休日なので、どこかに出かけたらしい。
5人で昼食を食べ終わると、麗奈はみんなに言った。
「みんながやってくれると言ったので、姉や弟のところで日時を聞いてきました。9月ですけど、どちらも土曜日で第2と第4土曜日になります。よろしくおねがいします。ライブ形式の二次会が良いと思っているんですけど、意見とかありますか?」
「麗奈が、その方がいいってんだったら。全く構わないよ。場所は?」
「えっと、場所は、青山で善人さんに100人位入れる場所を探して貰っています。そしたら、怒られました。アンプは?マイクは?ミキサーは?ってね。」
「あはは すっかり忘れてたよね。でも、社長承諾したんだろ?」
「はい、車2台出してくださいってお願いしました。」
「じゃ、大丈夫だよ。後は、私達が盛り上げる演奏をしないとね。」
「みんな ありがとうございます 姉も弟もみんなによろしくと言ってました。」
「麗奈、ところで結婚式に行く服装持っているの?」
「え 普段着じゃダメですか?」
「ダメに決まってるでしょ? こっちのお母さんに聞いてみたら?」
「え お母さん?」
「優さんだよ。優さんなら、相談に乗ってくれると思うよ。」
「そうですよね。服装を姉に聞くわけにもいかなですしね。1着あればいいから。」
「結構かかるよ。ドレスとバックと靴・それにネックレスだからね。ピアスも変えたほうがいいかもよ。」
「そうなんですね。まだ、時間あるので相談してみますよ。」
4人は昼食の片付けをすると、洋子の部屋を後にしていた。
麗奈は部屋に戻ると、優に電話をかけていた。
「優さん、先日はありがとうございました。えっと、少し相談なんですけど。」
「大体わかっているわよ。結婚式の服装でしょ?善人から聞いたからね。麗奈なら電話かけてくると思ってたわよ。」
「わかりましたか?すいません。どんな服装かわからないし、メンバーに聞くとバックとか靴とかネックレスとかピアスも変えたほうがいいって言うし。」
「ええ そうね。どうせ1週間暇なんでしょ?こっちが暇になったら電話するから買いに行きましょうね。」
「ありがとうございます 感謝します。」
メンバーに色紙の事を言い忘れたので、急いで連絡していた。
「枚数多いですけど、すいません。PrettyGirlsは書きますので、サインしてもらえませんか?」
「いいよ どうせ、8月下旬までにでしょ? わかった。私からみんなに言っておくからね。あんまり気にしないの。私達親友でしょ? 仲間でしょ?」
あすか達は、快く引き受けてくれていた。
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