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9.過去の清算
驚くのは早いよ
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「お前……」
「驚くのは早いよ」
そう言うと、ノアと名乗っていたトラヴィスは、次々と顔を変えていく。
「お前、その顔……!」
トラヴィスがそう言って見せたのは、エディ王子そのものの顔だった。
もし、服もエディ王子のものを着ていたら、全く見分けがつかない。
普通なら、変装をしたとしても、例えばちょっとした匂いで別人だと気づけるケースはある。
でも、匂いですら、トラヴィスはエディ王子そのもの。
さらに声帯まで完璧に変化させているせいだろうか。出てくる声すら、エディ王子そのもの。
「…………人体の魔って、ほんとどこまでできるの?」
「細胞を使って変化させられるものなら、どんなものにだって変えられる。……遺伝子ですら、ね」
遺伝子、というワードをわざわざ出してきたことが気になった。
でも、今のデモンストレーションを見たことによって芽生えた、もう1つの嫌な予感の確認の方が先ではないか……と思った私は、先にこちらを確認しなくてはいけないと思った。
「それって、女にも化けられるってこと?」
「僕にできないことはないよ」
どこまでできるのか、という事実確認より最も先に確認したいもの。
「つまり、あなたはカサブランカにもなれるってことよね」
「……それを聞く理由は?」
それは、あのビジョンが本当は誰だったのか確認する必要があったから。
「毒」だとアザレアが認識したものを、エディ王子に飲ませようとしたカサブランカが、本物なのか。
それとも偽物なのか。
「驚くのは早いよ」
そう言うと、ノアと名乗っていたトラヴィスは、次々と顔を変えていく。
「お前、その顔……!」
トラヴィスがそう言って見せたのは、エディ王子そのものの顔だった。
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普通なら、変装をしたとしても、例えばちょっとした匂いで別人だと気づけるケースはある。
でも、匂いですら、トラヴィスはエディ王子そのもの。
さらに声帯まで完璧に変化させているせいだろうか。出てくる声すら、エディ王子そのもの。
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