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9.過去の清算
私が欲しいのは
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「生贄って……」
「そこにいらっしゃる、獣の性欲を私の代わりに受け止めてくれる子羊ちゃん、という意味ですわ」
つまり一言で言うなら、カサブランカの代わりにカサブランカの役目を担える女、ということ。
「本当に小説なんかで、釣れるのかしらって疑っていたけれど……効果は良かったみたいね」
意味深な視線を、液晶越しに私とエディ王子にカサブランカは向けてきた。
「随分と、お楽しみだったようですわね……殿下。私との時とは、表情も仕草も、触れ方も何もかも違う」
「それは違う!」
エディ王子が即座に反論した。
でも、プルメリアの顔をしたカサブランカは、冷たくこう言い放つ。
「殿下が違うとおっしゃっても、私の目にはそう映りましたの。それはつまり、私にとっては正しいということなのです」
「カシー……本当にお前が、カシーなのか……?」
「お認めになりたくないというのなら、それでも構いませんわ。私がこのプルメリアの体を使ってやりたいことは、どうせ変わりませんので」
「あなたがやりたいことって、一体なんなの……?」
私が尋ねると、カサブランカは「ほほほほほ」と、高笑いが似合わないプルメリアの声で笑った。
「あら、何故小説を私が書いたかとか、仕組みとかはどうでもいいんですの?まだお話ししてあげたいことは、たくさんありましたのに……ねぇ……」
「どうでも良くない!けど」
本題は、それじゃない。
「私が誰のせいでここの世界に来たかより、あなたが今何をしたいか、これから何をする気なのかの方が重要よ!」
過去は変えられない。
でも、今からつながる未来は、これから起きる。
つまり、どうとでもできるのは、今この瞬間からなのだから。
「何をする気か…………それは、そこにいるノアに聞くのが1番早いですわよ」
「なんですって……」
「私は、私の目的のために手を組んだだけですが、あなたをこの世界に呼ぶと決めたのは、ノアなのですから」
その時、液晶画面に映るプルメリアの姿をしたカサブランカが、少しずつ薄くなり始めた。
「あら……もう時間のようですわね……」
「時間って、何!?」
「私、あなたたちとおしゃべりをしている時間はもうないんですの。計画のために、やらなくてはいけないことがありますので」
そう言うと、プルメリアの姿をしたカサブランカは、ナイフのようなものを手に、アルフィーが入ったアザレアの体に進んでいった。
「何をする気!?」
「私が欲しいのは、知の魔人の能力。そのために、知の魔人にはもう少し私に従順になってもらわなきゃ、困るのです」
そう言うと、プルメリアの姿をしたカサブランカは、アザレアの髪の毛を思いっきり鷲掴みにした。
そしてその瞬間だった。液晶がぷつりと切れたのは。
「そこにいらっしゃる、獣の性欲を私の代わりに受け止めてくれる子羊ちゃん、という意味ですわ」
つまり一言で言うなら、カサブランカの代わりにカサブランカの役目を担える女、ということ。
「本当に小説なんかで、釣れるのかしらって疑っていたけれど……効果は良かったみたいね」
意味深な視線を、液晶越しに私とエディ王子にカサブランカは向けてきた。
「随分と、お楽しみだったようですわね……殿下。私との時とは、表情も仕草も、触れ方も何もかも違う」
「それは違う!」
エディ王子が即座に反論した。
でも、プルメリアの顔をしたカサブランカは、冷たくこう言い放つ。
「殿下が違うとおっしゃっても、私の目にはそう映りましたの。それはつまり、私にとっては正しいということなのです」
「カシー……本当にお前が、カシーなのか……?」
「お認めになりたくないというのなら、それでも構いませんわ。私がこのプルメリアの体を使ってやりたいことは、どうせ変わりませんので」
「あなたがやりたいことって、一体なんなの……?」
私が尋ねると、カサブランカは「ほほほほほ」と、高笑いが似合わないプルメリアの声で笑った。
「あら、何故小説を私が書いたかとか、仕組みとかはどうでもいいんですの?まだお話ししてあげたいことは、たくさんありましたのに……ねぇ……」
「どうでも良くない!けど」
本題は、それじゃない。
「私が誰のせいでここの世界に来たかより、あなたが今何をしたいか、これから何をする気なのかの方が重要よ!」
過去は変えられない。
でも、今からつながる未来は、これから起きる。
つまり、どうとでもできるのは、今この瞬間からなのだから。
「何をする気か…………それは、そこにいるノアに聞くのが1番早いですわよ」
「なんですって……」
「私は、私の目的のために手を組んだだけですが、あなたをこの世界に呼ぶと決めたのは、ノアなのですから」
その時、液晶画面に映るプルメリアの姿をしたカサブランカが、少しずつ薄くなり始めた。
「あら……もう時間のようですわね……」
「時間って、何!?」
「私、あなたたちとおしゃべりをしている時間はもうないんですの。計画のために、やらなくてはいけないことがありますので」
そう言うと、プルメリアの姿をしたカサブランカは、ナイフのようなものを手に、アルフィーが入ったアザレアの体に進んでいった。
「何をする気!?」
「私が欲しいのは、知の魔人の能力。そのために、知の魔人にはもう少し私に従順になってもらわなきゃ、困るのです」
そう言うと、プルメリアの姿をしたカサブランカは、アザレアの髪の毛を思いっきり鷲掴みにした。
そしてその瞬間だった。液晶がぷつりと切れたのは。
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