406 / 455
8.神から与えられたのは、罰と……
驚くべき王の正体
しおりを挟む
「ごめんなさい、エディ」
王妃は、エディ王子が何かを言う前に涙を流しながら謝罪した。
「王妃は悪くない。この国に追放された王妃に惹かれて、私から王妃になるようにお願いしたのだ」
と、まるで浮気をした旦那の言い訳のようなものを王は並べ立ててくる。
(なんだこれは。私は昭和のメロドラマでも見てるのか?)
この情報だけで推測するなら……このホープスターの王とやらが、エディ王子のお母さんに恋焦がれて、奪い去ったという、不倫的展開だったということだろうか。
(私は、これをどこまで聞いていいんだろう?)
世の中いろんな家庭事情があるのは分かっているつもりだ。
私もそうだったから。
だからこそ、踏み込むべきかそうじゃないかは慎重に見極めないといけないというのが、私の価値観。
特に横恋慕系は、できることなら一切関わるべきではないと、私は思っている。
愛が絡む案件ほど、拗れた時に変に二次災害を受ける可能性もあるのだから。
「あの……これ、私聞かなくてもいい話……ですよね……」
おずおずと片手を上げながら私は尋ねる。
すると、その場にいたほぼ全員から
「何故だ」
という返答が返ってくる。
「え?何故って言われても……皆さんのこの修羅場っぽい話に私は必要ない気が」
「いや、君こそ必要なんだよ……カサブランカ……いや…………さん」
「っ!?」
心臓が口から喉ちんこごと飛び出るかと思った。
いや、むしろ半分以上でかかっていたのではないだろうか。
どうして、ホープスターという異世界の国の王様が、私の前世名を知っているのだ!?
「ああ、私がお伝えしましたから」
ノアさんがさも当然のように言ってくるので
「…………ですよねー…………」
と返事をするしかできなかった。
ただ、エディ王子が困惑顔で私を見ているのは分かったので
「すみません、この場では一旦ランカという名前で統一させてもらっていいですか?」
とだけ先に伝えておいた。
王と王妃が頷いたのを確認してから、私は更に聞いてみた。
どこまで、ノアの話を聞いているのか。
そしてどこまでを信じているのか。
それから…………何故、ノアと繋がってるのか。
(エディ王子関連の修羅場は、もしこの流れに関係しているなら、後で心の準備をしてから聞こう……)
「実は……」
最初に切り出したのは王だった。
「私も、仲間なんですよ。ランカさん……いや……姉さん」
「…………ねえ……さん…………?」
私のことをそう呼ぶ人間は、前世でたった1人しかいない。
私が、心の片隅で絶対的な未練として残ってる唯一の存在。
「ま、まさかあなた…………」
王妃は、エディ王子が何かを言う前に涙を流しながら謝罪した。
「王妃は悪くない。この国に追放された王妃に惹かれて、私から王妃になるようにお願いしたのだ」
と、まるで浮気をした旦那の言い訳のようなものを王は並べ立ててくる。
(なんだこれは。私は昭和のメロドラマでも見てるのか?)
この情報だけで推測するなら……このホープスターの王とやらが、エディ王子のお母さんに恋焦がれて、奪い去ったという、不倫的展開だったということだろうか。
(私は、これをどこまで聞いていいんだろう?)
世の中いろんな家庭事情があるのは分かっているつもりだ。
私もそうだったから。
だからこそ、踏み込むべきかそうじゃないかは慎重に見極めないといけないというのが、私の価値観。
特に横恋慕系は、できることなら一切関わるべきではないと、私は思っている。
愛が絡む案件ほど、拗れた時に変に二次災害を受ける可能性もあるのだから。
「あの……これ、私聞かなくてもいい話……ですよね……」
おずおずと片手を上げながら私は尋ねる。
すると、その場にいたほぼ全員から
「何故だ」
という返答が返ってくる。
「え?何故って言われても……皆さんのこの修羅場っぽい話に私は必要ない気が」
「いや、君こそ必要なんだよ……カサブランカ……いや…………さん」
「っ!?」
心臓が口から喉ちんこごと飛び出るかと思った。
いや、むしろ半分以上でかかっていたのではないだろうか。
どうして、ホープスターという異世界の国の王様が、私の前世名を知っているのだ!?
「ああ、私がお伝えしましたから」
ノアさんがさも当然のように言ってくるので
「…………ですよねー…………」
と返事をするしかできなかった。
ただ、エディ王子が困惑顔で私を見ているのは分かったので
「すみません、この場では一旦ランカという名前で統一させてもらっていいですか?」
とだけ先に伝えておいた。
王と王妃が頷いたのを確認してから、私は更に聞いてみた。
どこまで、ノアの話を聞いているのか。
そしてどこまでを信じているのか。
それから…………何故、ノアと繋がってるのか。
(エディ王子関連の修羅場は、もしこの流れに関係しているなら、後で心の準備をしてから聞こう……)
「実は……」
最初に切り出したのは王だった。
「私も、仲間なんですよ。ランカさん……いや……姉さん」
「…………ねえ……さん…………?」
私のことをそう呼ぶ人間は、前世でたった1人しかいない。
私が、心の片隅で絶対的な未練として残ってる唯一の存在。
「ま、まさかあなた…………」
0
お気に入りに追加
569
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
【R18】幼馴染の男3人にノリで乳首当てゲームされて思わず感じてしまい、次々と告白されて予想外の展開に…【短縮版】
うすい
恋愛
【ストーリー】
幼馴染の男3人と久しぶりに飲みに集まったななか。自分だけ異性であることを意識しないくらい仲がよく、久しぶりに4人で集まれたことを嬉しく思っていた。
そんな中、幼馴染のうちの1人が乳首当てゲームにハマっていると言い出し、ななか以外の3人が実際にゲームをして盛り上がる。
3人のやり取りを微笑ましく眺めるななかだったが、自分も参加させられ、思わず感じてしまい―――。
さらにその後、幼馴染たちから次々と衝撃の事実を伝えられ、事態は思わぬ方向に発展していく。
【登場人物】
・ななか
広告マーケターとして働く新社会人。純粋で素直だが流されやすい。大学時代に一度だけ彼氏がいたが、身体の相性が微妙で別れた。
・かつや
不動産の営業マンとして働く新社会人。社交的な性格で男女問わず友達が多い。ななかと同じ大学出身。
・よしひこ
飲食店経営者。クールで口数が少ない。頭も顔も要領もいいため学生時代はモテた。短期留学経験者。
・しんじ
工場勤務の社会人。控えめな性格だがしっかり者。みんなよりも社会人歴が長い。最近同棲中の彼女と別れた。
【注意】
※一度全作品を削除されてしまったため、本番シーンはカットしての投稿となります。
そのため読みにくい点や把握しにくい点が多いかと思いますがご了承ください。
フルバージョンはpixivやFantiaで配信させていただいております。
※男数人で女を取り合うなど、くっさい乙女ゲーム感満載です。
※フィクションとしてお楽しみいただきますようお願い申し上げます。
【R18】悪役令嬢を犯して罪を償わせ性奴隷にしたが、それは冤罪でヒロインが黒幕なので犯して改心させることにした。
白濁壺
恋愛
悪役令嬢であるベラロルカの数々の悪行の罪を償わせようとロミリオは単身公爵家にむかう。警備の目を潜り抜け、寝室に入ったロミリオはベラロルカを犯すが……。
【R-18】悪役令嬢ですが、罠に嵌まって張型つき木馬に跨がる事になりました!
臣桜
恋愛
悪役令嬢エトラは、王女と聖女とお茶会をしたあと、真っ白な空間にいた。
そこには張型のついた木馬があり『ご自由に跨がってください。絶頂すれば元の世界に戻れます』の文字が……。
※ムーンライトノベルズ様にも重複投稿しています
※表紙はニジジャーニーで生成しました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる