351 / 455
8.神から与えられたのは、罰と……
一度、リセット
しおりを挟む
(どうにもこうにも、このままだと良くない……)
私の脳の中でアルフィーと会話をし、私が通訳してエディ王子に伝えるというだけで、相当な時間のロスが発生していたのだ。
1回、アルフィーを自分の脳から出したい。
一度、リセットだ。
そう思った時
「霊の魔人に触れろ」
「え?」
「そうすれば、この体から俺は抜けられる」
「サンクス」
話をする前に話が通る。
まさにツーカー。
指示出しをする手間が省かれるのは、本当に楽。
この楽さを覚えてしまったら、いちいち考えたことを、口にしたり文字に起こしたりするのが馬鹿馬鹿しくなる。
こんなチートすぎる能力がもしあったなら、現世での仕事はもっとスムーズだったんだろうな……と虚しい妄想までしてしまう。
そんなわけで、私は地面にぐったりしているアザレアの体に触れようとしたが……。
「本当に大丈夫……?」
確か、アザレアの体は相当危ないことになっている……と、アルフィーが言っていた。
そんな状況で、アザレアの体にアルフィーを戻したら……アザレアが死んじゃうなんてこともあるのでは。
「おそらく後数回くらいなら大丈夫かもしれないが、保証はできない」
「…………マジか…………」
「俺も、正直どうなるか分からない」
「うー………………」
実際、アザレアは小さく可愛らしい声で、うめき声をあげ続けている……。
私も、一瞬取り憑かれた時感覚を体験はしたから、それを同じ状況だったとすれば……と仮定するが……あれは、きつい。
徹夜明けであれされたら、私は数日は意識を失っていたかもしれない。
それくらい、肉体的には大きな衝撃を与えてくるのだ。霊が体に入るというのは。
(どうするかなぁ……)
霊が入ることで、アザレアの体に少しでもメリットがデメリットを上回ることができれば……まだいけるのでは?
(あ、これなら……)
「どうした、何か思いついたようだな」
「あ、そうなのよ、アルフィー」
年齢的にはだいぶ先輩だけど、もういちいちさん付けするのもめんどくさいし、何より脳をシェアした仲間みたいなものなので、容赦無くタメ語呼び捨てにさせてもらうことにした。
「あのさ、この後アザレアの体に戻ってもらうんだけど」
「腹括ったのか」
「ああ、それで本題はこれからなんだけど」
「本題?」
「そ、今から私が脳内でイメージすること、アザレアの中に入ったら少し実践してくれる?」
「は?」
「いいから、読む!」
「わ、わかった……」
「…………」
「…………ランカ…………」
「何」
「このポーズは…………何だ…………」
「何って、亡骸のポーズ」
「亡骸だと!?」
「そう。これをすると、全身体の力が抜けてリラックスできるのよ~」
昔、あまりにも体調悪い時期が続いた時、ダメ元でヨガの体験レッスンに行った。
他のポーズは体の硬さでほとんどお遊戯会のダンスレベルでしかできなかったが、唯一このポーズだけは
「うわっ、ヨガしてる!癒される!」
と思ったものなのだ。
本当は温泉とかマッサージとか色々試してあげたかったが、今すぐできそうなこととして、横になるだけでできるこのポーズが無難かな、と思ったのだ。
我ながら、良いアイディアだと思うのだが……。
「…………」
「いいから、まずはやる」
「………………分かった」
「よし、話が早い」
アルフィーが何か言いたそうな様子なのは気にしないことにして、とりあえずアザレアのほっぺに触ってみた。
同姓同士なら許される、セクハラにはならないかもだけどちょっと触ってみたかった、アザレアの天使のようなほっぺは……やわらかくて、食べたらカスタードクリームが出るんじゃないか……とまで思った。
私の脳の中でアルフィーと会話をし、私が通訳してエディ王子に伝えるというだけで、相当な時間のロスが発生していたのだ。
1回、アルフィーを自分の脳から出したい。
一度、リセットだ。
そう思った時
「霊の魔人に触れろ」
「え?」
「そうすれば、この体から俺は抜けられる」
「サンクス」
話をする前に話が通る。
まさにツーカー。
指示出しをする手間が省かれるのは、本当に楽。
この楽さを覚えてしまったら、いちいち考えたことを、口にしたり文字に起こしたりするのが馬鹿馬鹿しくなる。
こんなチートすぎる能力がもしあったなら、現世での仕事はもっとスムーズだったんだろうな……と虚しい妄想までしてしまう。
そんなわけで、私は地面にぐったりしているアザレアの体に触れようとしたが……。
「本当に大丈夫……?」
確か、アザレアの体は相当危ないことになっている……と、アルフィーが言っていた。
そんな状況で、アザレアの体にアルフィーを戻したら……アザレアが死んじゃうなんてこともあるのでは。
「おそらく後数回くらいなら大丈夫かもしれないが、保証はできない」
「…………マジか…………」
「俺も、正直どうなるか分からない」
「うー………………」
実際、アザレアは小さく可愛らしい声で、うめき声をあげ続けている……。
私も、一瞬取り憑かれた時感覚を体験はしたから、それを同じ状況だったとすれば……と仮定するが……あれは、きつい。
徹夜明けであれされたら、私は数日は意識を失っていたかもしれない。
それくらい、肉体的には大きな衝撃を与えてくるのだ。霊が体に入るというのは。
(どうするかなぁ……)
霊が入ることで、アザレアの体に少しでもメリットがデメリットを上回ることができれば……まだいけるのでは?
(あ、これなら……)
「どうした、何か思いついたようだな」
「あ、そうなのよ、アルフィー」
年齢的にはだいぶ先輩だけど、もういちいちさん付けするのもめんどくさいし、何より脳をシェアした仲間みたいなものなので、容赦無くタメ語呼び捨てにさせてもらうことにした。
「あのさ、この後アザレアの体に戻ってもらうんだけど」
「腹括ったのか」
「ああ、それで本題はこれからなんだけど」
「本題?」
「そ、今から私が脳内でイメージすること、アザレアの中に入ったら少し実践してくれる?」
「は?」
「いいから、読む!」
「わ、わかった……」
「…………」
「…………ランカ…………」
「何」
「このポーズは…………何だ…………」
「何って、亡骸のポーズ」
「亡骸だと!?」
「そう。これをすると、全身体の力が抜けてリラックスできるのよ~」
昔、あまりにも体調悪い時期が続いた時、ダメ元でヨガの体験レッスンに行った。
他のポーズは体の硬さでほとんどお遊戯会のダンスレベルでしかできなかったが、唯一このポーズだけは
「うわっ、ヨガしてる!癒される!」
と思ったものなのだ。
本当は温泉とかマッサージとか色々試してあげたかったが、今すぐできそうなこととして、横になるだけでできるこのポーズが無難かな、と思ったのだ。
我ながら、良いアイディアだと思うのだが……。
「…………」
「いいから、まずはやる」
「………………分かった」
「よし、話が早い」
アルフィーが何か言いたそうな様子なのは気にしないことにして、とりあえずアザレアのほっぺに触ってみた。
同姓同士なら許される、セクハラにはならないかもだけどちょっと触ってみたかった、アザレアの天使のようなほっぺは……やわらかくて、食べたらカスタードクリームが出るんじゃないか……とまで思った。
0
お気に入りに追加
569
あなたにおすすめの小説
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
【R-18】クリしつけ
蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。
【R18】幼馴染の男3人にノリで乳首当てゲームされて思わず感じてしまい、次々と告白されて予想外の展開に…【短縮版】
うすい
恋愛
【ストーリー】
幼馴染の男3人と久しぶりに飲みに集まったななか。自分だけ異性であることを意識しないくらい仲がよく、久しぶりに4人で集まれたことを嬉しく思っていた。
そんな中、幼馴染のうちの1人が乳首当てゲームにハマっていると言い出し、ななか以外の3人が実際にゲームをして盛り上がる。
3人のやり取りを微笑ましく眺めるななかだったが、自分も参加させられ、思わず感じてしまい―――。
さらにその後、幼馴染たちから次々と衝撃の事実を伝えられ、事態は思わぬ方向に発展していく。
【登場人物】
・ななか
広告マーケターとして働く新社会人。純粋で素直だが流されやすい。大学時代に一度だけ彼氏がいたが、身体の相性が微妙で別れた。
・かつや
不動産の営業マンとして働く新社会人。社交的な性格で男女問わず友達が多い。ななかと同じ大学出身。
・よしひこ
飲食店経営者。クールで口数が少ない。頭も顔も要領もいいため学生時代はモテた。短期留学経験者。
・しんじ
工場勤務の社会人。控えめな性格だがしっかり者。みんなよりも社会人歴が長い。最近同棲中の彼女と別れた。
【注意】
※一度全作品を削除されてしまったため、本番シーンはカットしての投稿となります。
そのため読みにくい点や把握しにくい点が多いかと思いますがご了承ください。
フルバージョンはpixivやFantiaで配信させていただいております。
※男数人で女を取り合うなど、くっさい乙女ゲーム感満載です。
※フィクションとしてお楽しみいただきますようお願い申し上げます。
【R18】悪役令嬢を犯して罪を償わせ性奴隷にしたが、それは冤罪でヒロインが黒幕なので犯して改心させることにした。
白濁壺
恋愛
悪役令嬢であるベラロルカの数々の悪行の罪を償わせようとロミリオは単身公爵家にむかう。警備の目を潜り抜け、寝室に入ったロミリオはベラロルカを犯すが……。
【R-18】悪役令嬢ですが、罠に嵌まって張型つき木馬に跨がる事になりました!
臣桜
恋愛
悪役令嬢エトラは、王女と聖女とお茶会をしたあと、真っ白な空間にいた。
そこには張型のついた木馬があり『ご自由に跨がってください。絶頂すれば元の世界に戻れます』の文字が……。
※ムーンライトノベルズ様にも重複投稿しています
※表紙はニジジャーニーで生成しました
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる