上 下
131 / 455
5.私の本当のミッション

秘められた能力

しおりを挟む
(何が起こった……!?)

いかにも生命力たっぷりです、と言いたげな程、瑞々しかった植物たちが、あっという間にシワシワになってしまった。
タネも仕掛けもあるマジックだと言われた方が、ずっと現実味がある。

「これが、カサブランカ様の肉体に秘められた能力です」
「秘められたって……」

これ、秘めておけるレベルのものなのか……?
自分の身がしたことと、自分の心のギャップがすごい。

「この力を知っている人は、きっとこの世界にはごく僅か。王とカサブランカ様のお父上、そして私……くらいでしょうか」
「待って。エディ王子は知らないの?」
「魔力があることは、流石に教わっているでしょう。あれでもこの国の王位継承者ですから」
「あれでもって……」

何だろう。
ノアは、エディにすごい厳しい気がする。
兄弟って……こんなにピリピリしてるもんだっけ……?
ふと。
エディ王子という単語を思い出してから、連想するように思い出してしまった出来事があった。

「というか……それを教えるだけなら、さっきみたいなことしなくてもよくないですか?」
「さっきみたいなこと……とは?」
「だからその…………エッチなこと……」

乳首触りながらする話じゃないだろう。

「必要なことですよ」
「え」
「性的興奮は、あなたの体の細胞が持つ様々な能力が活性化するのです」

そういえば……漫画とかアニメで、セックスは免疫力を高めたり、美肌にする効果があると聞いたことがある。
おひとりさまエッチにも、その効果はある……らしい。
それと近しいのかも、と妙に納得した。

「そしたらさっきの……力は……」
「私の手で、性的興奮を最大限まで湧き上がらせ、この体の能力を高めた結果です」
「な、なるほど……」
「元々、カサブランカ様が生まれつき持っている能力も桁違いでしたが……もう1人、桁違いの魔力を持つのが愚弟です」

愚弟……。
エディ王子のこと、ノアは嫌いなのか?
と、そんなことは一旦考えるのはよそう。
それより、ちゃんと続きを聞かなくては。

「愚弟とカサブランカ様が伽で交わることで、互いの魔力を増幅させ合うという現象が、今起きています」
「あれ……?エディ王子の魔力を高めるための伽じゃないんですか?」
「表向きは、そう言われていますし、この伽のことを知っている人間の大半は、そう信じています。でも、真実は違います」
「真実……」

ノアは、私の胸を指差しながら

「この伽によって、カサブランカ様もまた、王子と同じ効果を得てしまっている。たった一言、ある言葉を言ってしまえば……彼女はこの国レベルであれば、あっという間に破壊してしまうでしょう」
「ちょ、ちょっと待って……もう少し、整理させて欲しい……痛っ……!!」

ひどい頭痛がしてきた。
それこそ、脳に槍がささったかのような鋭い痛み。
私の頭脳のキャパを超える話が繰り広げられたせいなのかもしれない。
だとしても、痛みが思考の邪魔をする。

「しまった……カサブランカ様……それを施してたんですね……」
「……それって……」
「真実を知ろうとすると、体が全力で拒否をするという術です」

……そんなものまであるのか。
魔法って、何でもありだな……。

「いけませんね……。このままだと、その体がしばらく寝たきりになってしまうので、今日はこれ以上真実をお話するのをやめた方が良さそうですね」
「はい!?」

(しばらく寝たきり!?)

ほんともう、次から次へと。
情報過多にも程がある。
勘弁してくれ。
私は頭痛を堪えながら、これだけはどうしても聞いておきたかった。

「私は……次、どうすればいいの……!」

これだけは、聞いておきたい。
せめて。
それ以外は……どうやってカサブランカが私の魂を体に入れたのか、とか、こちら側の意味とかは……もうこの際一旦置いといてもいいから。

「私が、無事でいる方法を教えて欲しい……!」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

校長室のソファの染みを知っていますか?

フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。 しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。 座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る

【R-18】クリしつけ

蛙鳴蝉噪
恋愛
男尊女卑な社会で女の子がクリトリスを使って淫らに教育されていく日常の一コマ。クリ責め。クリリード。なんでもありでアブノーマルな内容なので、精神ともに18歳以上でなんでも許せる方のみどうぞ。

生贄にされた先は、エロエロ神世界

雑煮
恋愛
村の習慣で50年に一度の生贄にされた少女。だが、少女を待っていたのはしではなくどエロい使命だった。

【R18】幼馴染の男3人にノリで乳首当てゲームされて思わず感じてしまい、次々と告白されて予想外の展開に…【短縮版】

うすい
恋愛
【ストーリー】 幼馴染の男3人と久しぶりに飲みに集まったななか。自分だけ異性であることを意識しないくらい仲がよく、久しぶりに4人で集まれたことを嬉しく思っていた。 そんな中、幼馴染のうちの1人が乳首当てゲームにハマっていると言い出し、ななか以外の3人が実際にゲームをして盛り上がる。 3人のやり取りを微笑ましく眺めるななかだったが、自分も参加させられ、思わず感じてしまい―――。 さらにその後、幼馴染たちから次々と衝撃の事実を伝えられ、事態は思わぬ方向に発展していく。 【登場人物】 ・ななか 広告マーケターとして働く新社会人。純粋で素直だが流されやすい。大学時代に一度だけ彼氏がいたが、身体の相性が微妙で別れた。 ・かつや 不動産の営業マンとして働く新社会人。社交的な性格で男女問わず友達が多い。ななかと同じ大学出身。 ・よしひこ 飲食店経営者。クールで口数が少ない。頭も顔も要領もいいため学生時代はモテた。短期留学経験者。 ・しんじ 工場勤務の社会人。控えめな性格だがしっかり者。みんなよりも社会人歴が長い。最近同棲中の彼女と別れた。 【注意】 ※一度全作品を削除されてしまったため、本番シーンはカットしての投稿となります。 そのため読みにくい点や把握しにくい点が多いかと思いますがご了承ください。 フルバージョンはpixivやFantiaで配信させていただいております。 ※男数人で女を取り合うなど、くっさい乙女ゲーム感満載です。 ※フィクションとしてお楽しみいただきますようお願い申し上げます。

【R18】悪役令嬢を犯して罪を償わせ性奴隷にしたが、それは冤罪でヒロインが黒幕なので犯して改心させることにした。

白濁壺
恋愛
悪役令嬢であるベラロルカの数々の悪行の罪を償わせようとロミリオは単身公爵家にむかう。警備の目を潜り抜け、寝室に入ったロミリオはベラロルカを犯すが……。

孕ませねばならん ~イケメン執事の監禁セックス~

あさとよる
恋愛
傷モノになれば、この婚約は無くなるはずだ。 最愛のお嬢様が嫁ぐのを阻止? 過保護イケメン執事の執着H♡

【R-18】悪役令嬢ですが、罠に嵌まって張型つき木馬に跨がる事になりました!

臣桜
恋愛
悪役令嬢エトラは、王女と聖女とお茶会をしたあと、真っ白な空間にいた。 そこには張型のついた木馬があり『ご自由に跨がってください。絶頂すれば元の世界に戻れます』の文字が……。 ※ムーンライトノベルズ様にも重複投稿しています ※表紙はニジジャーニーで生成しました

私は何人とヤれば解放されるんですか?

ヘロディア
恋愛
初恋の人を探して貴族に仕えることを選んだ主人公。しかし、彼女に与えられた仕事とは、貴族たちの夜中の相手だった…

処理中です...