【R18】処女だったのに、異世界転生したら俺様王子の伽の相手として調教されていました

5.私の本当のミッション

堰を切ったように

私は、ノアに、自分の世界のことと名前を簡単に説明した。
するとノアは、とても興味津々に私の世界のことを聞いてきたので、私はついつい懐かしい事を話してしまった。

仕事のことから始まって……好きなヲタク文化のこと。
それから、コンクリートで作られた建物のこと。
生活のこと。
食べ物のこと。
そして私がその世界では死んでしまい、気がついたらこの世界にいたということ。
この世界は、自分が直前まで読んでいた小説の世界に瓜二つだということ。
そこの主人公カップルは確かにエディ王子とプルメリアという聖女で、カサブランカは悪女としてエディ王子に処罰される……という、あらすじの細かいところまで語ってしまった。

堰を切ったように……というのはこういうことを言うのだろう。
ノアは私の話を、微笑みながらずっと聞いてくれていた。
その時間はどれくらいだったか……。
あっという間に真上にあった真っ白い太陽が、ほんのり赤みがさした。

「そんな世界があるんですね。実に興味深いですね」
「私も、あの小説の世界が本当にあるなんて知らなかった……」

あの作者が生み出した世界なのか。
それともたまたま偶然なのか。
その細かい仕組みは全く分からない。

「あなたが言う小説……非常に興味深いですね。ほとんど私達の世界を投影している」
「そうなんです！もちろん、登場人物のびみょ～な違いはあるんですけど」
「微妙な違い……ですか……」

ノアは、何かを考え込んでいるようだ。

「あの……？」
「いや、失礼。少し気になることがありまして……」
「気になること……」

気になることと、言えば。

「あの、さっきカシー様があなたに託した……とか言ってましたけど」
「ああ、そうでしたね。その話を先にしておいた方が良さそうだ。あなたにも、こちら側に来てもらわないと困りますから」
「……こちら側？」

あちら側とかこちら側とか、どういうことだろう？