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4.王子の葛藤

濡れない初夜 ※

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(しまった……!)

俺が思うと同時に、鏡の奥の部屋からメイドが数名出てきた。

「カサブランカ様、失礼します」

そう言って、メイドはカシーの足を広げ、先ほどまで俺の一部が入っていたカシーの入り口に薬のようなものを塗りつけた。

「やめて……ください……」

苦しげな、細いカシーの声が、俺の罪悪感をより抉ってくる。

「王子、申し訳ございません。準備が足りないようでした」

メイドは機械的に俺に報告するだけ。
ここで俺が止めたとしても、結局は変わらない。
それを俺は、よく知っていた。

「……そうか」

本当ならば、ここで別の言葉をかけなくてはいけなかったのだろう。
けれど……。

「あっ……んっ……いやぁ……」

あの女達からは嫌と言いたくなる程聞かされた……でも、カシーからは聞きたくなかった、雌の声がカシーの唇から奏でられ、俺は咄嗟に背をむけてしまった。

「変だわ……カサブランカ様の体が濡れない」
「もう少し、薬の量を増やしましょう」

メイド達の会話の声が耳に嫌でも入ってくる。
ぐちゅぐちゅと、水の音が部屋中に響き始めてからしばらく経ち

「王子、準備が整いました」

と、メイドから声をかけられた俺が振り返ると、薬の液体で体の全身を濡らされ、いやらしく月の光で光っているカシーの裸体があった。
俺は、カシーの乳首に早くむしゃぶりつきたい衝動を抑えるのが精一杯だった。

結果から言えば、薬でカシーの体をドロドロにしたものの、カシー自身から出てくるはずの蜜が一向に溢れ出てこない。
そのため、少し時間が経つとあっという間にカラカラに乾いてしまう。

女は少しでも気持ちいいと思えば、濡れるはずだった。
少なくとも、あの女達は、びしょびしょに濡れて、気持ちよさそうな顔で俺を見ていた。
カシーも、そうしなくてはいけなかった。
俺自身の手で。

でも……。

「カサブランカ様、失礼します」

メイドの1人が、カシーの足をM字に広げ、薬の全てをカシーに注ぎ込んだ。

「うっ……」

すでに涙で顔がぐちゃぐちゃになったカシーから、苦しそうな嗚咽が盛れる。
俺は心の中でどんどん焦っていた。

「どうぞ」
「……わかった」

俺は、再び大きくなった俺の肉棒を掴む。
カシーは、熱を帯びた悲しげな目で、俺の肉棒を見つめていた。何を考えているのか、わからない表情で。
メイド達は、引き下がってはくれなかった。
そのまま、カシーの手足を固定させるために、その場にいた。
きっと、俺の力だけでは、この伽が失敗すると、思ったのだろう。

俺は、そのメイド達の見られながら、カシーの体の中に己を入れざるを得なかった。

(早く、この伽を終わらせなくては……!)

カシーが今何を考えているのかを考えるゆとりは、これっぽちもなかった。
ぷちゅっと、薬をカシーの中に押し込む音がした。

「うっ……」

苦しげなカシーの声が漏れる。
その声が、俺の肉棒を膨らませる。

「……動く」
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