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4.王子の葛藤
それは、確かに魔力によるもの
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(いつの間にか……ここに来ていたのか……)
あの話から、どれだけの時間が経ったのか、どうやってここまで来たのか、俺は覚えていない。
いつの間にか、あの噴水の目の前に俺は来てしまっていた。
カシーに初めて魔法を見せた、あの噴水……。
「くそっ!!」
俺は湧き出ている水に頭を突っ込んだ。
熱くなりすぎた頭を……脳を冷やすため。
(そう言えば、あの日も濡れたな……カシーと一緒に……)
屈託なく笑ってくれた。
自分の魔法で。
その笑顔を見るために、何でもできそうだと思った。
それなのに……。
「くそっ……くそくそくそっ!!」
俺はこの時、魔法を使おうとした訳ではなかった。
だが、自分の苦しい、悔しい想いに魔力が呼応してしまったのか、水の形が次々変わっていく。
あの無理やりキスという行為をする直前までずっと練習していた……花を生み出す魔法。
どんどん、噴水に色が増えていく。
「健気だね。そんな魔法を覚えたところで、どうせもう意味が無いというのに」
ねっとりとした甘い……人によっては聴き酔いしれる声が俺の背中に突き刺さるう。
いつもいつも、俺とカシーのターニングポイントに表れ、絶望へと常に突き落とす男の声がした。
「何の用だ、ノア」
「水も滴る良い男とは……素晴らしいね」
「俺をからかいに来たのか」
「慰めに来てあげたんだよ」
ノアはそう言うと、俺が作り出した花を手にし、口付けた。
すると、驚くべきことが起きた。
「おい……ノア……それはなんだ……」
「え?これかい?」
ノアが口付けた花は、ノアの手の中で小さな光を放った。
それは、確かに魔力によるもの。
「見てわからない?君も、できるだろう」
「だからどういうことだと聞いてるんだ」
俺はノアに掴みかかった。
父親は、こいつには確かに魔力がないと言った。
王族のくせに
白紙の子、と言った。
危険の予兆だと言った。
だから、かの国の王女と俺が結婚をし、確実にこの国を守る手段の1つにしなければならないのだと。
それなのに……何故!?
あの話から、どれだけの時間が経ったのか、どうやってここまで来たのか、俺は覚えていない。
いつの間にか、あの噴水の目の前に俺は来てしまっていた。
カシーに初めて魔法を見せた、あの噴水……。
「くそっ!!」
俺は湧き出ている水に頭を突っ込んだ。
熱くなりすぎた頭を……脳を冷やすため。
(そう言えば、あの日も濡れたな……カシーと一緒に……)
屈託なく笑ってくれた。
自分の魔法で。
その笑顔を見るために、何でもできそうだと思った。
それなのに……。
「くそっ……くそくそくそっ!!」
俺はこの時、魔法を使おうとした訳ではなかった。
だが、自分の苦しい、悔しい想いに魔力が呼応してしまったのか、水の形が次々変わっていく。
あの無理やりキスという行為をする直前までずっと練習していた……花を生み出す魔法。
どんどん、噴水に色が増えていく。
「健気だね。そんな魔法を覚えたところで、どうせもう意味が無いというのに」
ねっとりとした甘い……人によっては聴き酔いしれる声が俺の背中に突き刺さるう。
いつもいつも、俺とカシーのターニングポイントに表れ、絶望へと常に突き落とす男の声がした。
「何の用だ、ノア」
「水も滴る良い男とは……素晴らしいね」
「俺をからかいに来たのか」
「慰めに来てあげたんだよ」
ノアはそう言うと、俺が作り出した花を手にし、口付けた。
すると、驚くべきことが起きた。
「おい……ノア……それはなんだ……」
「え?これかい?」
ノアが口付けた花は、ノアの手の中で小さな光を放った。
それは、確かに魔力によるもの。
「見てわからない?君も、できるだろう」
「だからどういうことだと聞いてるんだ」
俺はノアに掴みかかった。
父親は、こいつには確かに魔力がないと言った。
王族のくせに
白紙の子、と言った。
危険の予兆だと言った。
だから、かの国の王女と俺が結婚をし、確実にこの国を守る手段の1つにしなければならないのだと。
それなのに……何故!?
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