上 下
5 / 9

3

しおりを挟む
「も……」
「…うん…!とっても美味しい!」
萌え萌えオムライスを頼まれて俺はハートを作ろうとしたんだがこの無駄イケメン気づかず先に食われちまった。
「来てよかった。とっても楽しいよ…!」
ニコニコとただでさえ良い面がより良い…いや、半端なく良い面になる。
「よ、喜んでもらえて嬉しいです」
俺はちょっと恥ずくて俯いてお礼を言う。
「初めて喋ってくれたね…!」
「その…喋ったら帰っちゃうかなって…」
「え!そんなことないよ。とっても可愛いよ」
俺は素直にそう言われ恥ずかしくて下をより俯く。
「その…そのオムライスもえもえ付きなんです…。」
「え!?!そ、それはもったいない事しちゃったなぁ…」
4口ほど食べたオムライスに俺はハートを作る。
「遅くなっちゃってごめんなさい。今からやりますね。」
「や、やってくれるの?!」
「はい。せっかく来てくれたんですし…、それでは…!」
「……!!!」
「も…萌え萌えきゅん…!!!」
気合を入れてハートをオムライスに向ける。
そしてこの人には感謝の笑顔。
「か…、、可愛い!ありがとう!オムライスがより美味しくなったよ!!」
そう言うとオムライスをがつがつと口に突っ込む。
さっきより真っ赤になってるのを見て俺は嬉しくなる。
「喜んでもらえて良かったです!!」
俺がより笑みを浮かべるとイケメンはより赤くなって俺のメッセージカードを指差す。
「えと…それじゃあ写真撮ってもらっても良いかな…!」
「はい!」
「あのこれって一枚何円ぐらいかな。もし行けそうなら何枚か撮ってもらいたいんだけど…」
イケメンは首の後ろに手をやるとまた真っ赤に顔して言う。
「一枚50円です!!」
「え!?!」
「高いですか…?もしそうなら安くしますよ!」
だから是非撮りたい!俺が!このイケメンの写真普通に欲しい!
「いや…安すぎない?もっと一枚高くていいと思う…というかもっと払わせて欲しい…」
「あの…是非俺からお願いしたいです。撮らせてください!!!」
そう言うとイケメンは驚く。
「お金は俺が代わりに払っとくんで一緒に撮ってください!俺が好きなポーズ言うんで!!」
「えぇ!!!お…ぼ、僕と!?」
「はい!是非」
「……けど何枚も欲しいからやっぱりちゃんと払うよ。あ、一枚5000円からで」
そう言うと財布から50000円が出てくる。
「え…?」
「ん?」
俺は静かに50000円を渡す。
「財布…!貸してください!」
「うん!是非是非!」
笑顔でそう言うイケメンから静かに財布を受け取る。
「え!なんで小銭がないんだ!?」
「小銭は持ち歩いてないんだ」
「はぁ?!」
「カードで大体支払うから今日は一応と思って…。千円札持ってきた方が良かったかな……」
「……500円玉は候補に無いのか…」
俺はポケットに入れていた500円玉を手に持つ。
「俺が代わりに払いますから10枚撮りましょ!」
正直とてつもなく痛い出費だが仕方ない!
だって50000は頭おかしいでしょ!!!
「え!そんなの申し訳ないよ!」
「50000貰う方が申し訳ないです!俺にそこまで価値ないので!!」
「あるよ!ある!」
「と、とにかく早く撮りましょ!!」
俺とイケメンはあれやこれやとポーズを決め10枚写真を撮った。
「あ、ありがとう!とっても可愛い!!」
イケメンがお気に入りなのはやっぱりハートポーズらしい。
「俺見送りしてくる!」
レジ係の友達はそう言われると静かに親指を立てた。


「本当に君に出会えて良かった!楽しかったよ!!」
「こちらこそ…ありがとうございました!オムライスも食べてくれたしジュースとかも飲んでくれたし写真も撮ってくれたし…!」
「写真は僕払ってないからなぁ…。本当申し訳ないよ。」
「そんな!俺こそ一緒に撮ってもらえて感謝してます!」
「…今度またどこか遊びに行かない?君のこと本当に好きになってしまって…」
「…え」
俺が本当に好き…?いや…俺…
「ちゃんと男ですよ。俺」
「分かってるよ!?」
「え!?」
「男の子だって分かったけど普通の格好してる君とも会ってみたくなったんだ…。」
そう言われ俺は何故か縦に首を振っていた。
「あ、ありがとう!!」
「それじゃあ」
俺はスマホを出すとイケメンもハッとしたようにスマホを鞄から出す。
「…あつしくん…」
「はい。宮村篤みやむら あつしです!是非仲良くしてくださいね。伊織いおりさん!!」
「い、伊織でいいよ。」
俺は何故か少し照れてしまったけど頷いた。
「それじゃあまた。写真のお礼楽しみにしててね」
そう言う伊織に手を振り返した。
お礼とやらはなんだか怖い気がするが俺はその不安を無視して笑顔を浮かべた。
「はい!」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

ずっと女の子になりたかった 男の娘の私

ムーワ
BL
幼少期からどことなく男の服装をして学校に通っているのに違和感を感じていた主人公のヒデキ。 ヒデキは同級生の女の子が履いているスカートが自分でも履きたくて仕方がなかったが、母親はいつもズボンばかりでスカートは買ってくれなかった。 そんなヒデキの幼少期から大人になるまでの成長を描いたLGBT(ジェンダーレス作品)です。

男子中学生から女子校生になった僕

大衆娯楽
僕はある日突然、母と姉に強制的に女の子として育てられる事になった。 普通に男の子として過ごしていた主人公がJKで過ごした高校3年間のお話し。 強制女装、女性と性行為、男性と性行為、羞恥、屈辱などが好きな方は是非読んでみてください!

不良の兄が突然女装に目覚めたらしいけどめちゃくちゃ可愛いかった話

綾菜
BL
熊金マサユキは兄貴の女装姿を見てしまった。 しかも困ったことにめちゃくちゃタイプ。 不良である兄貴ハルカのことは大嫌いだけど、女装した兄貴ハルちゃんにはデレる、デレる。 デレデレである。

タイは若いうちに行け

フロイライン
BL
修学旅行でタイを訪れた高校生の酒井翔太は、信じられないような災難に巻き込まれ、絶望の淵に叩き落とされる…

クラスの仲良かったオタクに調教と豊胸をされて好みの嫁にされたオタクに優しいギャル男

湊戸アサギリ
BL
※メス化、男の娘化、シーメール化要素があります。オタクくんと付き合ったギャル男がメスにされています。手術で豊胸した描写があります。これをBLって呼んでいいのかわからないです いわゆるオタクに優しいギャル男の話になります。色々ご想像にお任せします。本番はありませんが下ネタ言ってますのでR15です 閲覧ありがとうございます。他の作品もよろしくお願いします

初恋の幼馴染の女の子の恰好をさせられメス調教もされて「彼女」の代わりをさせられる男の娘シンガー

湊戸アサギリ
BL
またメス調教ものです。今回はエロ無しです。女装で押し倒されいますがエロはありません 女装させられ、女の代わりをさせられる屈辱路線です。メス調教ものは他にも書いていますのでよろしくお願いいたします

女装とメス調教をさせられ、担任だった教師の亡くなった奥さんの代わりをさせられる元教え子の男

湊戸アサギリ
BL
また女装メス調教です。見ていただきありがとうございます。 何も知らない息子視点です。今回はエロ無しです。他の作品もよろしくお願いします。

或る実験の記録

フロイライン
BL
謎の誘拐事件が多発する中、新人警官の吉岡直紀は、犯人グループの車を発見したが、自身も捕まり拉致されてしまう。

処理中です...