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5 目が覚めたら侯爵邸!?
しおりを挟む目を開けたら、いつもの私の部屋。。。
じゃない!ここはどこ!?
ガバッと起き上がるが頭の急な痛みに手で押さえる。
「起きましたか。心配しましたよ!僕の剣がすみませんでした。」
急に見知らぬ若者が近づいて泣き目で言う。
「えっとー。。。。あなたは?」
「僕はロイ・ハントです。」
ロイ・ハント。。。ロイ・ハント!?
ロイ・ハントって言ったら、有名な大剣使い。
小柄で明るい性格でお調子者だが、本性は幅が広く大きくて重たい剣でルカエル侯爵と一緒に国を救った英雄。そして、ルカエル侯爵様の右腕。。。
「ん。。?と言うことは、ここはローズバルト侯爵邸。。。。?」
「はい。そうですが?」
あっちゃー。。。どうしよう。。
とりあえず、逃げよう。
一番今、侯爵様に会いたくない。
「帰ります。出口はどちら。。。わっ!」
立ったときにフラッと転けそうになる。
そりゃそうだ、昨日 15キロあると言われている剣が頭の上に降ってきたんだから。
「今日は1日、ここにいた方が。。。。」
「嫌です!!」
「はっ。。!やっぱり昨日侯爵様とケンカでも?これは失礼しました!」
失礼しすぎます。剣の腕だけでなく妄想力の方もすごいとは。
「とにかく、侯爵様に会いたくないので失礼します。」
帰ろうとした私にロイは「門まで送ります」と言って馬車まで送ってくれることになった。
それまで、侯爵様と遭遇することはなく無事家に帰ってこれた。
「ただいま。。。わっ!リジー?!」
「お嬢様お帰りなさいませ。侯爵様とはどうでしたか!?あれはローズバルト侯爵様の馬車ですよね!キャァァーー!ロマンチック!」
帰ってきてそうそう、リジーがキラキラ目を輝かせて質問攻めしてくる。
弁解しようとしたが出来なかった。
なぜなら、リジーの後ろに鬼の顔をしたお母様がいたから。
結局、ガンガンしてる頭の中に説教言葉が沢山入ってくる羽目になった。
少し休んで痛みも収まって一息ついている、エディトリスの耳にとんでもない言葉が入ってくる。
「お、お嬢様。ろ、ローズバルト侯爵様がおいでになりました。」
女に全く興味のなく、国を支えている侯爵家当主。
そして怪物とまで言われた侯爵様が子爵家の家に来るなんて、誰一人想像していなかった
為、エディトリスはもちろん他の使用人たちも青ざめている。
ただ後ろでキャーキャー言っているリジーを覗いて。
恐る恐る、応接間に向かうエディトリス。
ふぅー。。。と深呼吸し応接間に入る。
「失礼します。ローズバルト侯爵様。」
エディトリスが入っても侯爵は顔色一つ変えなかった。
「頭の方は大丈夫か?」
「いたって、絶好調でございます!!!」
思わず訳の分からない言葉が口から飛び出す。
だって、あの侯爵が人の心配?!
ま、侯爵様の横に書類の山ってことはお父様と仕事の話でついでなんだろうけど。。。
あんな恥ずかしい誘いを断った相手に?!
予想外の質問にどうやって答えたらいいかわからない。
フっと笑った声がして、バッ!と顔を上げる。
上げたけど、元の顔のままだった。
けど、確かに笑ってた。。。よね。。?
「何か俺の顔についてるか?」
「????。。。目と口と鼻がついてます??」
私の言葉に、怪物と呼ばれた侯爵が顔を崩して静かに笑う。
ふぅわぁぁぁぁぁぉぉぉぁぁ!!!
それは反則!!
笑った顔が可愛すぎ!!!!!
なにこれ、なにこれ!!
萌え?萌えなの?!
おさまれ私!落ち着くのよ!
心で騒いでいる声を必死に押さえる。
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