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第77話 ビリから始める真っ当冒険者への㊙︎特訓術⑥
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読みに来てくださりありがとうございます。私事で長らくお待たせしています事、深くお詫び申し上げます。この物語だけは完結させたいので応援のほど、よろしくお願いします。
それでは、お楽しみください。
◆
デコグリフ教国 クランデリア自治領最西端
シャンリン村 近隣の森
「見えて来たぞ」
「ここからは、私のスキルの秘匿の為、普通に会話します」
「ああ、だけどこんなスキル解ったとして何が出来るんだ?」
「要らぬ嫉妬は少ない方がいい」
「どう言う?」
「お前達だってスキルを知る前は嫉妬したろう? 何か知らない恩恵を受けてるに違いないって」
「それが明確になれば諦めもつくのでは?」
「ユニークスキルを殺して奪うユニークスキルもあるかも知れない」
「まさか?」
「ないとも言い切れんだろう。強かな奴はそう言うのを隠すのが上手い。逆に下手な奴だったら使えないスキルで有名かも知れない」
「見習い系なんて無駄スキルが有名ですぜ」
「無駄スキル?……あぁ、長寿種族なら、最強になるスキルなのですけどね、人間だと見習う為の習得スキルを絞った上で相当時短鍛錬しないと使い物にならなかったりしますからね。そこら辺の研究されてる方も見かけませんし、ただ、生活魔法は無双クラスに出来た筈ですね」
「おい、村の門まですぐそこだ。そろそろ切り上げろよ。一応、秘密の特訓なんだ」
「承知」「承知」「へいへい、承知」
◆
村に入ると、いつもなら二、三人は見かけるが珍しく誰にもすれ違わないまま、大きな家の前まで辿り着く。馬車を止めると声をかけられた。
「ジェシカ様!」
大きな家の扉を開け放ったまま、見るからに仕様人を具現化した衣装を着こなす女性が駆け寄って来る。
「ゲルダさん、いつもお疲れ様です、今回は遂に間引きではなく討伐になります。ギルドが迷惑をお掛けして申し訳……」
「そんな事より、遂に村の娘が攫われたようなのです!」
「一足遅かったですか、いつです? 点呼は欠かさずやってましたか?」
「点呼は、しておりました、今朝は全員いましたが、昼休憩を過ぎた後、エッカルトさんとこのメータちゃんが見当たらなくなったらしいんだよ」
「確か、11でしたか? 一緒にいた子達は?」
「直ぐに大人に知らせてくれて、今、男衆が武器を手に山へ出たところだよ」
「ありがとう、私たちも直ぐ追いかける」
ジェシカは、そのまま馬車を再発進させた。
◆
『一時解禁する。状況は良くないが最悪では無い。武装した村人に合流し、負傷させない様且つゴブリンを逃さない為の包囲網を構築する。しかし、キャシーのスキルは伏せる事。質問はあるか?』
『ない! 早く討伐してやろう』
『急くな。思ったよりも厄介になる。十分間引いてきた筈が、移動せずに拐いに来たとなると進化個体が出た可能性がある。その場合は長丁場になるだろう』
『何故そんなことが分かる?』
『奴らの成長速度は早い。魔力によるモノだろうが、誰も研究しないから詳しい生態は定かではないが、子供でも黒曜石でナイフを作ることを覚えれば戦力になる。週一で見張りに出て来るゴブを次々にキャシーに狩らせ、だいたい戦力を村の男衆の想定で半分を目安に狩っていたが、半分の戦力差を最悪覆せる何かが起こったと考えた方が良い』
『亜種が生まれたとかでしょうか?』
『戦力差を覆せるならそれもあり得る』
『ボブゴブリンか? ゴブリン・シャーマンか?』
『それは、わからないが、その程度ではない気がする』
『何故?』
『子供が外にいるギリギリの時間は奴らに取って夜中~未明にあたる。余裕が出たか、切羽詰まったかのどちらかで行動を起こしたと考えられるが、数は狩りに影響し、それは食糧事情に繋がる。村に気づかれず少女だけが点呼まだ気づかなれないとなるとまるで手練れの所業だ』
『へ、面白くなって来やがったぜ』
『モンシア、村から出るぞ足跡は見えるか?』
『ちょっと見せてくれ、直視する』
『よし、視覚とスキルを使う感覚を全員と共有して、少しだけ経験を積ませておけば、将来お前達のパーティーは安泰になる』
『俺の専売特許だぞ?』
『安心してスキルの伸びは一日の長に勝てないからサポート程度よ。全員がある程度できる上に連携が可能なパーティーの強力さ加減を認識しなさい』
モンシアは、言っている理屈を理解したが故黙るしかなく、御者台と馬越しの景色の向こう、ランプの弱い光と二つの小さな月の灯に仄かに照らされた半ば獣道と化した道に真新しい足跡を見つける。
『……見えるか? まだ新しい草を踏み荒らした足跡だ。こんなの駆け出しでも見つけられる』
『なるほどなぁ、お前そんなとこ見てたんだな』
『他にもどんな見方があるのですか?』
『!?』
モンシアの他の二人の食いつきに驚く感情が共有された。
『おお?なんか追跡スキルが0レベルで入ってるぞ!?』
『そうやって出来ない事を補うから、出来ない時に補うに変えていけば、クエスト達成率も上がる』
『止めろ、森に入ってる』
早めに言ったにも関わらず、スピードを出していた為、馬車は行き過ぎてから完全に止まる。
全員馬車から降りて、村人達を追うことになった。
◆
「マズい!」
「なに?」
モンシアが叫ぶと離れた場所の茂みから何かが飛び出し木の上から網に入れられた岩と飛び出た竹が振り子運動で落ちてきていた。その振り子運動の質量凶器の先には今し方足に絡まったロープで逆さ吊りになった村人が悲鳴を上げている。
『どこを狙えば!?』
『慌てるな先ずは吊り下げロープが2本コレでコースを固定している。確実に獲物に当てるためだろう、ならばその一本を失わせる』
『ナイフだと一回で切れないかも』
『小さな火球で連続して同じ箇所を狙えば、重量で切れる。ただ熱量を与える時間が』
『ナイフの先端の様に鋭い位集中させれば』
『それなら回転する円盤型で且つ境界の力場も使えばいい、ギザギザの刃が突き出た平べったいコインを上から見て右回転、左回転と交互に当ててやれば切れるとにかく熱い炎のイメージで!』
『ターゲットはあの縄の外側、集中して見て!』
テンドールが狙いを、アンディが振り子コースの分析と熱圧縮したナイフのイメージを、モンシアがナイフと蔦の強度を、ジェシーが対応策を、キャシーが魔法のターゲッティングと行使を、言葉にしたら前述の様になる動画イメージが、瞬時に五人の頭の中を駆け巡った。
紡がれる五人の凝縮極熱高速回転鋸の呪文。
不協和音にも関わらず不自然な程、見事に一致した詠唱が早口で行われる。直後、点火の三倍程度の魔力で小指の爪位に超濃縮された魔力の蒼く輝く火炎輪が虹色の軌跡を残し、スイングする蔦の結び目の少し上に着弾した。
すると、その熱量により蔦内部の水が小さな水蒸気爆発を起こし蔦が粉砕され、質量凶器は左回転をしながらコースを外れる。更に結び目が解けて左広範囲に子供の頭ほどの岩をばら撒いた。
その岩の一つが先行していた村人の左足弁慶の泣き所に内側から当たる。丁度、逆さ吊りになった村人の視線を追い、飛来する岩の塊へ振り返るトコだった村人は避けることが出来ずに人形の様に倒れた。
倒れてから悲痛な叫びが男の喉から上がり、隠れていたゴブリン達が一斉に現れ、木の上や藪の中から、弓や槍を投げて来た。
「何だと!?」
『あの罠は、囮を作って本命を殲滅する作戦!』
『ゴブリンと侮った大人にこんな戦術仕掛けるなんて普通じゃない!』
『いや、それでも少数だ、致命症コースのみ
対処しろ!』
「そん、ど」
アンディの口をついて思った事が意図せず出る。しかし次の会話が既に終わるほどの速度に追いつかず、ただその行動の残滓を肉体が追いかけて言葉が出たのだった。
『そんなん、どうやって』
『ナイフでも石でも投げろ! 目標誘導魔法を使う!』
『んなろ!』『儘よ!』『どっせーい!』
モンシアが投擲ナイフを2本、アンディが習得したばかりの凝縮極熱高速回転鋸を2つ、テンドールが拾った複数の石を鷲掴みし、時間差で投げた。
『馬鹿者! ココで石の散弾をするな!』『ターゲットキャパオーバー、増幅に回せないので、増幅はオミット、ホーミング、待機遅延発射__ディレイファイア__#で対処します』
『す、すまん』
____
いつもお読みいただきありがとうございます。
それでは、お楽しみください。
◆
デコグリフ教国 クランデリア自治領最西端
シャンリン村 近隣の森
「見えて来たぞ」
「ここからは、私のスキルの秘匿の為、普通に会話します」
「ああ、だけどこんなスキル解ったとして何が出来るんだ?」
「要らぬ嫉妬は少ない方がいい」
「どう言う?」
「お前達だってスキルを知る前は嫉妬したろう? 何か知らない恩恵を受けてるに違いないって」
「それが明確になれば諦めもつくのでは?」
「ユニークスキルを殺して奪うユニークスキルもあるかも知れない」
「まさか?」
「ないとも言い切れんだろう。強かな奴はそう言うのを隠すのが上手い。逆に下手な奴だったら使えないスキルで有名かも知れない」
「見習い系なんて無駄スキルが有名ですぜ」
「無駄スキル?……あぁ、長寿種族なら、最強になるスキルなのですけどね、人間だと見習う為の習得スキルを絞った上で相当時短鍛錬しないと使い物にならなかったりしますからね。そこら辺の研究されてる方も見かけませんし、ただ、生活魔法は無双クラスに出来た筈ですね」
「おい、村の門まですぐそこだ。そろそろ切り上げろよ。一応、秘密の特訓なんだ」
「承知」「承知」「へいへい、承知」
◆
村に入ると、いつもなら二、三人は見かけるが珍しく誰にもすれ違わないまま、大きな家の前まで辿り着く。馬車を止めると声をかけられた。
「ジェシカ様!」
大きな家の扉を開け放ったまま、見るからに仕様人を具現化した衣装を着こなす女性が駆け寄って来る。
「ゲルダさん、いつもお疲れ様です、今回は遂に間引きではなく討伐になります。ギルドが迷惑をお掛けして申し訳……」
「そんな事より、遂に村の娘が攫われたようなのです!」
「一足遅かったですか、いつです? 点呼は欠かさずやってましたか?」
「点呼は、しておりました、今朝は全員いましたが、昼休憩を過ぎた後、エッカルトさんとこのメータちゃんが見当たらなくなったらしいんだよ」
「確か、11でしたか? 一緒にいた子達は?」
「直ぐに大人に知らせてくれて、今、男衆が武器を手に山へ出たところだよ」
「ありがとう、私たちも直ぐ追いかける」
ジェシカは、そのまま馬車を再発進させた。
◆
『一時解禁する。状況は良くないが最悪では無い。武装した村人に合流し、負傷させない様且つゴブリンを逃さない為の包囲網を構築する。しかし、キャシーのスキルは伏せる事。質問はあるか?』
『ない! 早く討伐してやろう』
『急くな。思ったよりも厄介になる。十分間引いてきた筈が、移動せずに拐いに来たとなると進化個体が出た可能性がある。その場合は長丁場になるだろう』
『何故そんなことが分かる?』
『奴らの成長速度は早い。魔力によるモノだろうが、誰も研究しないから詳しい生態は定かではないが、子供でも黒曜石でナイフを作ることを覚えれば戦力になる。週一で見張りに出て来るゴブを次々にキャシーに狩らせ、だいたい戦力を村の男衆の想定で半分を目安に狩っていたが、半分の戦力差を最悪覆せる何かが起こったと考えた方が良い』
『亜種が生まれたとかでしょうか?』
『戦力差を覆せるならそれもあり得る』
『ボブゴブリンか? ゴブリン・シャーマンか?』
『それは、わからないが、その程度ではない気がする』
『何故?』
『子供が外にいるギリギリの時間は奴らに取って夜中~未明にあたる。余裕が出たか、切羽詰まったかのどちらかで行動を起こしたと考えられるが、数は狩りに影響し、それは食糧事情に繋がる。村に気づかれず少女だけが点呼まだ気づかなれないとなるとまるで手練れの所業だ』
『へ、面白くなって来やがったぜ』
『モンシア、村から出るぞ足跡は見えるか?』
『ちょっと見せてくれ、直視する』
『よし、視覚とスキルを使う感覚を全員と共有して、少しだけ経験を積ませておけば、将来お前達のパーティーは安泰になる』
『俺の専売特許だぞ?』
『安心してスキルの伸びは一日の長に勝てないからサポート程度よ。全員がある程度できる上に連携が可能なパーティーの強力さ加減を認識しなさい』
モンシアは、言っている理屈を理解したが故黙るしかなく、御者台と馬越しの景色の向こう、ランプの弱い光と二つの小さな月の灯に仄かに照らされた半ば獣道と化した道に真新しい足跡を見つける。
『……見えるか? まだ新しい草を踏み荒らした足跡だ。こんなの駆け出しでも見つけられる』
『なるほどなぁ、お前そんなとこ見てたんだな』
『他にもどんな見方があるのですか?』
『!?』
モンシアの他の二人の食いつきに驚く感情が共有された。
『おお?なんか追跡スキルが0レベルで入ってるぞ!?』
『そうやって出来ない事を補うから、出来ない時に補うに変えていけば、クエスト達成率も上がる』
『止めろ、森に入ってる』
早めに言ったにも関わらず、スピードを出していた為、馬車は行き過ぎてから完全に止まる。
全員馬車から降りて、村人達を追うことになった。
◆
「マズい!」
「なに?」
モンシアが叫ぶと離れた場所の茂みから何かが飛び出し木の上から網に入れられた岩と飛び出た竹が振り子運動で落ちてきていた。その振り子運動の質量凶器の先には今し方足に絡まったロープで逆さ吊りになった村人が悲鳴を上げている。
『どこを狙えば!?』
『慌てるな先ずは吊り下げロープが2本コレでコースを固定している。確実に獲物に当てるためだろう、ならばその一本を失わせる』
『ナイフだと一回で切れないかも』
『小さな火球で連続して同じ箇所を狙えば、重量で切れる。ただ熱量を与える時間が』
『ナイフの先端の様に鋭い位集中させれば』
『それなら回転する円盤型で且つ境界の力場も使えばいい、ギザギザの刃が突き出た平べったいコインを上から見て右回転、左回転と交互に当ててやれば切れるとにかく熱い炎のイメージで!』
『ターゲットはあの縄の外側、集中して見て!』
テンドールが狙いを、アンディが振り子コースの分析と熱圧縮したナイフのイメージを、モンシアがナイフと蔦の強度を、ジェシーが対応策を、キャシーが魔法のターゲッティングと行使を、言葉にしたら前述の様になる動画イメージが、瞬時に五人の頭の中を駆け巡った。
紡がれる五人の凝縮極熱高速回転鋸の呪文。
不協和音にも関わらず不自然な程、見事に一致した詠唱が早口で行われる。直後、点火の三倍程度の魔力で小指の爪位に超濃縮された魔力の蒼く輝く火炎輪が虹色の軌跡を残し、スイングする蔦の結び目の少し上に着弾した。
すると、その熱量により蔦内部の水が小さな水蒸気爆発を起こし蔦が粉砕され、質量凶器は左回転をしながらコースを外れる。更に結び目が解けて左広範囲に子供の頭ほどの岩をばら撒いた。
その岩の一つが先行していた村人の左足弁慶の泣き所に内側から当たる。丁度、逆さ吊りになった村人の視線を追い、飛来する岩の塊へ振り返るトコだった村人は避けることが出来ずに人形の様に倒れた。
倒れてから悲痛な叫びが男の喉から上がり、隠れていたゴブリン達が一斉に現れ、木の上や藪の中から、弓や槍を投げて来た。
「何だと!?」
『あの罠は、囮を作って本命を殲滅する作戦!』
『ゴブリンと侮った大人にこんな戦術仕掛けるなんて普通じゃない!』
『いや、それでも少数だ、致命症コースのみ
対処しろ!』
「そん、ど」
アンディの口をついて思った事が意図せず出る。しかし次の会話が既に終わるほどの速度に追いつかず、ただその行動の残滓を肉体が追いかけて言葉が出たのだった。
『そんなん、どうやって』
『ナイフでも石でも投げろ! 目標誘導魔法を使う!』
『んなろ!』『儘よ!』『どっせーい!』
モンシアが投擲ナイフを2本、アンディが習得したばかりの凝縮極熱高速回転鋸を2つ、テンドールが拾った複数の石を鷲掴みし、時間差で投げた。
『馬鹿者! ココで石の散弾をするな!』『ターゲットキャパオーバー、増幅に回せないので、増幅はオミット、ホーミング、待機遅延発射__ディレイファイア__#で対処します』
『す、すまん』
____
いつもお読みいただきありがとうございます。
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退会済ユーザのコメントです
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