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高校生編
第20話 自信
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「おー、風邪は治ったんか?」と、清人が声をかけてくる。
「まぁね」
「そっかそっか。良かった良かった」と、話しているとクラスのギャルに声をかけられる。
「んね、山口ぃ~。山口って彼女いんの?」
「...え?...居ないけど」
「だよね~wいや、この前駅前で黒髪の超絶美少女とデートしてたのを見たってやつがいてさーwっぱ、人違いかーw」
...あっぶねぇ。
てか、俺のことを認識してた人居たんだ...。
「あはは、人違いだねー...」と、適当に笑ってやり過ごす。
すると、そのまま少し嫌な笑みを浮かべてそのギャルっ子は帰っていくのだった。
「おい。ギャル子様に話しかけられるなんてラッキーすぎるだろ!」
「...ギャル子様?」
本庄千里《ほんじょうちさと》...。だっけか。
通称ギャル子様。
不動の人気を誇る真凜ちゃんに次いで人気の女の子。
明るく、可愛く、気分屋で、ギャルな女の子。
「あんま男子とは話さないんだぞ!ギャル子様は!」
「...そっすか」
そう言えば確かにあの子が男子と楽しそうに話しているのを見たことがない。
いつも女子同士でケラケラと笑っており、男子に話しかけられるとゴミを見るような目をしながら、適当に返事をしていた気がする。
あのタイプで男子と話さないのは確かに意外である。
「てか、碧が来たと思ったら今度は天使様がお休みかよ。ちぇー」
...いつかはバレてしまうであろうこと。
ならいっそ、今ここで言うのも有りじゃないか?なんて、少し血迷ったことを思うのであった。
◇
学校が終わると急いでスーパーに向かい、適当に具材を買い込む。
最近は料理を任せっきりだったので、久々に料理ができると楽しみにしていた。
真凜ちゃんは風邪ひいてるわけだし、元気が出るような栄養たっぷりの料理がいいよな。
鍋とかなら食べ易いかな?
そう思いながら、野菜を手に取り鮮度を見ていると「へぇ。もしかして誰かに風邪移っちゃった?」と、不意に声をかけられ驚くとそこに居たのは本庄だった。
「...えっと...そうだけど...」
「へぇ。それは大変だね」
「...それじゃあ」と、立ち去ろうとすると手を掴まれる。
「ねぇ。最近シャンプー変えたでしょ」
「...はい?」
「その香りは...真凜様と同じ匂いだ。偶然?それとも意図的に真凜様のシャンプーを真似した...とも思えないんだよね。じゃあ質問を変えようか。真凜様と結婚したのはあんたでしょ。山口碧」
突然そんなことを言われて思わず固まってしまう。
「...いや...そんなわけないじゃん。俺なんかが...汐崎さんと釣り合うわけじゃん...」
「何それ。釣り合うかどうかってなんか関係ある?あんたは他人の目線で生きてんの?」と、強く手を握られる。
「いたっ...ちょっと...本庄さんは...汐崎さんの何なんですか?」
「...親衛隊」
「はい?」
「私は汐崎真凜親衛隊の隊長だから」
「...」
どうやら彼女があのやばいと噂の汐崎真凜ファンクラブの代表らしい。
そんなものがあるとは聞いたことがあるが、まさかその代表が同じクラスの女子だなんて思わなかった。
家族にご飯を作ってあげないといけないと伝えると、仕方なく俺の手を離し「真凜様を泣かせたら許さないから」と言われた。
つい最近泣かせてしまった自分にはその言葉は痛いほど突き刺さってしまう。
確かに隠し続けるのが正しいのか俺にも分からなくなってきた。
未だに真凜ちゃんが一部の人間から熱狂的なアプローチを受けているのは、その夫の存在が不透明だからだ。
けど、俺だと分かれば俺なんかより自分の方がいいと思ってアプローチする人間もいる気がする。
「...どうしたもんかな」
そうして、色々と考えながら家に帰ると、キッチンの方から何か音がする。
すると、頭に熱ピタを貼って当たり前のように料理している真凜ちゃんが居た。
「あっ、おかえり~」と、少し辛そうに笑う真凜ちゃん。
「...真凜ちゃん。何してるの?」
「え?ご飯作らないとって思って...」
「...馬鹿!ちゃんと寝ないとダメだろ!」と、怒った。
すると、初めて俺に怒られて驚いた顔をする真凜ちゃん。
「...ごめんなさい」
そのまま無言で彼女の手を引いて、ベッドに連れていく。
「...とりあえずちゃんと寝ること。後は俺がやるから。ご飯は食べれそう?お粥とかなら行けそう?一応鍋の具材は買ってきたけど」
「...うん。お粥と少しなら鍋もなら...大丈夫」
「...風邪を引いた時くらい俺を頼ってよ。そんなに頼られないと...ちょっと悲しいよ」
「...ごめん...なさい」
謝ってほしくて怒ったわけじゃない。
分かって欲しかったんだ。
「...とりあえず、風邪が治るまでは家のことは全部俺がやるから。安静にしてること。いいね?」
「...うん。...嫌いにならないで...」と、涙目でそんなことを言う。
「嫌いになんてなるわけないから」と、告げて家のことを色々とやり始める。
掃除、洗濯、料理を久々にやった。
たまにやると少し楽しくなってきた。
そうして、できたお粥と鍋を持っていくと布団の中から可愛く顔を出している真凜ちゃん。
「...体調大丈夫?」
「...うん。大丈夫...じゃないかも」
「分かってるよ。ちゃんとあーんしてあげるから」と、俺が察していることを伝えると、「...むん。むー//」と、何やら恥ずかしそうにしている。
どうやら自分から攻めるのは得意だが、責められるのは苦手なようだった。
「はい、あーん」
「...あーん...。おいひぃ...」
「そう?それは良かった」
「...うん」
そうして、しっかり完食した後、プリンもしっかりと食べた。
「美味しかった...。ありがとう...」
「いいえ」
「は、歯磨きも...碧くんがしてぇ~」と、ここぞとばかりにめちゃくちゃ甘えてくる。
一瞬、断ろうとしたが先ほどの自分の発言を振り返り、首を縦に振るのだった。
「...うん」
「...うへへへ。しらわせぇ~」と、歯磨きしてあげると幸せそうな顔をしていた。
そうして、家のことを一通り終えると、甘えまくる真凜ちゃんの横に行く。
「あー...来てくれたぁ」と、頭を胸に擦り付けてくる。
「うん。来たよ」と、布団の上からトントンする。
子供ってこんな感じなんだろうなぁと思いながら、寝かしつける。
すると、直ぐに寝つく真凜ちゃんだった。
「まぁね」
「そっかそっか。良かった良かった」と、話しているとクラスのギャルに声をかけられる。
「んね、山口ぃ~。山口って彼女いんの?」
「...え?...居ないけど」
「だよね~wいや、この前駅前で黒髪の超絶美少女とデートしてたのを見たってやつがいてさーwっぱ、人違いかーw」
...あっぶねぇ。
てか、俺のことを認識してた人居たんだ...。
「あはは、人違いだねー...」と、適当に笑ってやり過ごす。
すると、そのまま少し嫌な笑みを浮かべてそのギャルっ子は帰っていくのだった。
「おい。ギャル子様に話しかけられるなんてラッキーすぎるだろ!」
「...ギャル子様?」
本庄千里《ほんじょうちさと》...。だっけか。
通称ギャル子様。
不動の人気を誇る真凜ちゃんに次いで人気の女の子。
明るく、可愛く、気分屋で、ギャルな女の子。
「あんま男子とは話さないんだぞ!ギャル子様は!」
「...そっすか」
そう言えば確かにあの子が男子と楽しそうに話しているのを見たことがない。
いつも女子同士でケラケラと笑っており、男子に話しかけられるとゴミを見るような目をしながら、適当に返事をしていた気がする。
あのタイプで男子と話さないのは確かに意外である。
「てか、碧が来たと思ったら今度は天使様がお休みかよ。ちぇー」
...いつかはバレてしまうであろうこと。
ならいっそ、今ここで言うのも有りじゃないか?なんて、少し血迷ったことを思うのであった。
◇
学校が終わると急いでスーパーに向かい、適当に具材を買い込む。
最近は料理を任せっきりだったので、久々に料理ができると楽しみにしていた。
真凜ちゃんは風邪ひいてるわけだし、元気が出るような栄養たっぷりの料理がいいよな。
鍋とかなら食べ易いかな?
そう思いながら、野菜を手に取り鮮度を見ていると「へぇ。もしかして誰かに風邪移っちゃった?」と、不意に声をかけられ驚くとそこに居たのは本庄だった。
「...えっと...そうだけど...」
「へぇ。それは大変だね」
「...それじゃあ」と、立ち去ろうとすると手を掴まれる。
「ねぇ。最近シャンプー変えたでしょ」
「...はい?」
「その香りは...真凜様と同じ匂いだ。偶然?それとも意図的に真凜様のシャンプーを真似した...とも思えないんだよね。じゃあ質問を変えようか。真凜様と結婚したのはあんたでしょ。山口碧」
突然そんなことを言われて思わず固まってしまう。
「...いや...そんなわけないじゃん。俺なんかが...汐崎さんと釣り合うわけじゃん...」
「何それ。釣り合うかどうかってなんか関係ある?あんたは他人の目線で生きてんの?」と、強く手を握られる。
「いたっ...ちょっと...本庄さんは...汐崎さんの何なんですか?」
「...親衛隊」
「はい?」
「私は汐崎真凜親衛隊の隊長だから」
「...」
どうやら彼女があのやばいと噂の汐崎真凜ファンクラブの代表らしい。
そんなものがあるとは聞いたことがあるが、まさかその代表が同じクラスの女子だなんて思わなかった。
家族にご飯を作ってあげないといけないと伝えると、仕方なく俺の手を離し「真凜様を泣かせたら許さないから」と言われた。
つい最近泣かせてしまった自分にはその言葉は痛いほど突き刺さってしまう。
確かに隠し続けるのが正しいのか俺にも分からなくなってきた。
未だに真凜ちゃんが一部の人間から熱狂的なアプローチを受けているのは、その夫の存在が不透明だからだ。
けど、俺だと分かれば俺なんかより自分の方がいいと思ってアプローチする人間もいる気がする。
「...どうしたもんかな」
そうして、色々と考えながら家に帰ると、キッチンの方から何か音がする。
すると、頭に熱ピタを貼って当たり前のように料理している真凜ちゃんが居た。
「あっ、おかえり~」と、少し辛そうに笑う真凜ちゃん。
「...真凜ちゃん。何してるの?」
「え?ご飯作らないとって思って...」
「...馬鹿!ちゃんと寝ないとダメだろ!」と、怒った。
すると、初めて俺に怒られて驚いた顔をする真凜ちゃん。
「...ごめんなさい」
そのまま無言で彼女の手を引いて、ベッドに連れていく。
「...とりあえずちゃんと寝ること。後は俺がやるから。ご飯は食べれそう?お粥とかなら行けそう?一応鍋の具材は買ってきたけど」
「...うん。お粥と少しなら鍋もなら...大丈夫」
「...風邪を引いた時くらい俺を頼ってよ。そんなに頼られないと...ちょっと悲しいよ」
「...ごめん...なさい」
謝ってほしくて怒ったわけじゃない。
分かって欲しかったんだ。
「...とりあえず、風邪が治るまでは家のことは全部俺がやるから。安静にしてること。いいね?」
「...うん。...嫌いにならないで...」と、涙目でそんなことを言う。
「嫌いになんてなるわけないから」と、告げて家のことを色々とやり始める。
掃除、洗濯、料理を久々にやった。
たまにやると少し楽しくなってきた。
そうして、できたお粥と鍋を持っていくと布団の中から可愛く顔を出している真凜ちゃん。
「...体調大丈夫?」
「...うん。大丈夫...じゃないかも」
「分かってるよ。ちゃんとあーんしてあげるから」と、俺が察していることを伝えると、「...むん。むー//」と、何やら恥ずかしそうにしている。
どうやら自分から攻めるのは得意だが、責められるのは苦手なようだった。
「はい、あーん」
「...あーん...。おいひぃ...」
「そう?それは良かった」
「...うん」
そうして、しっかり完食した後、プリンもしっかりと食べた。
「美味しかった...。ありがとう...」
「いいえ」
「は、歯磨きも...碧くんがしてぇ~」と、ここぞとばかりにめちゃくちゃ甘えてくる。
一瞬、断ろうとしたが先ほどの自分の発言を振り返り、首を縦に振るのだった。
「...うん」
「...うへへへ。しらわせぇ~」と、歯磨きしてあげると幸せそうな顔をしていた。
そうして、家のことを一通り終えると、甘えまくる真凜ちゃんの横に行く。
「あー...来てくれたぁ」と、頭を胸に擦り付けてくる。
「うん。来たよ」と、布団の上からトントンする。
子供ってこんな感じなんだろうなぁと思いながら、寝かしつける。
すると、直ぐに寝つく真凜ちゃんだった。
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