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第二百十五話
しおりを挟むペンと紙が無い。有るにはあるが本当に高価な物で、買ってしまってから三日坊主では済まない。だが買おう。人類の進化を記録する為にも。
僕は白百合団と分かれ戦果報告の為にリア様の所へ訪れた。プリシラさんにはルフィナを見に行ってもらう。少し様子が変だったしロッサが居なかったのも気になる。
「──僕の報告は以上です」
「ご苦労様でした。これで全ての報告は終わりですね」
集まったのはドワーフの重鎮達も。せっかく二人きりになれると思ったのに、もう少し気を効かせて欲しかったよ。
重鎮の皆さんから戦果に付いて、お褒めの言葉を頂戴したが、良くやったと背中を叩くのは止めてね。最初の一撃をもらった時、あまりの痛みに睨み返してしまった。
「今日は持ちこたえましたが、魔王軍は未だに強大です。警戒を怠らずにお願いします」
「うぉー! 任せてくだされ!」
部屋の中で怒鳴るな。広くたって聞こえてるから。報告が終わったから解散と思ったが、僕だけ呼び止められた。僕は心の中でグッとポーズを取ったが、リア様の隣にいたアスムスさんは退席しないのね。
「シャイデンザッハ王は未だに到着されません。もしかしたら魔王軍の包囲が速く、包囲陣の外にいるのかもしれません」
あれだけの被害を与えたはずの魔王軍が思っていたより早く来たのは誤算だった。まさか本当に酒を飲んで遅くなったとか、言わないよな。
「馬車には魔導砲の砲弾が乗っています。さすがに砲弾を乗せて包囲を破るのは無理でしょう」
こんな時、一方向からしか侵入出来ないのは不便だ。守るのには楽なんだけどね。援軍として随伴したドワーフもそれほどの数はいない。突破するのは自殺行為だ。
「突破は無理と言ったのですが、砲弾を手で運んで洞窟内を通る事は可能だろうか?」
アスムスさんなら分かるかも知れない。体が大きいとは言えドワーフには違いない。洞窟内には詳しいはずだ。
「……可能だと思う。実際の砲弾の大きさが分からないが魔導砲の大きさから見て可能だと思う。後は重さだな、いくらドワーフと言えど限界はある」
ルンベルグザッハへの到着が遅れている理由がそれなら納得出来る話だ。もしそれが本当なら酒飲みの話は心の中で詫びよう。
「なんだか、希望が見えて来ましたね」
リア様の笑顔に目が眩みそう。砲弾さえ来てくれれば押し返すどころか殲滅出来るかも知れない。魔王軍への初勝利をリア様へ。ヤる気が出て来た! ……殺る気が出て来た。
その殺る気も次の日の朝までだった。
「落盤!? 洞窟が崩れたの!?」
朝は静かに起こして欲しい。せめて、いい話で起こして欲しいよ。テレサさんだったかな? 朝から働いて偉いけど、僕の夜の働きはどうでしたか?
「南側の方が崩れました。大き目の通路から細かい所まで全てです。幸い中央から北にかけては大丈夫な様です」
寄りによって砲弾が来る方かよ。まさか砲弾が破裂して落盤じゃないだろうな。 ……それならもっと酷い事になってる。もし国王が砲弾を運んでるとしても時間がかかるか、諦めて酒飲んで寝ちまうかだな。
「魔王軍の様子はどうですか!? 何か動きはありますか?」
「炊き出しの煙が上がってるくらいで何も……」
補給は切れてないのか。クリスティンさん達は上手くやってくれたのかな。ソフィアさんもアラナもオリエッタもいて補給部隊くらい訳はない。
砲弾の望みが絶たれた以上、守りきって補給が切れる方に望みを託す。もしくは、ある程度、戦って洞窟内に逃げ込もう。きっと逃げ道がどこかに繋がってるはずだ。
「白百合団を全員起こして。それとプリシラさんとルフィナはどこ行った?」
昨日から見てないプリシラさん。ルフィナの様子を見に行かせて、帰って来ないなんて少し心配になる。白百合団には「女の子のにはさせられねぇよ」と、僕も含めて夜警に立つ事も無く部屋をもらってゆっくりさせてもらったが、睡眠時間は極めて少ない。
部屋中が薔薇の香りが立つくらいに重なって寝ている新白百合団。皆さん寝相が悪いですね。一人、痙攣している人がいるけど大丈夫だろうか?
「僕はプリシラさんとルフィナを探して来ます。ローズさん、 ……ローズ! 起きろ! 留守中、白百合をまとめておいてね」
背中越しに面倒くさそうに手を上げたローズさん。伝わってるならいいか。僕は二人が心配になって部屋を出ようと、誰かさんのお尻を揉みっとしてから部屋を出た。
本当なら落盤現場やリア様の所に向かった方がいいのだろうけど、他にも偉い人はいるんだ、一人くらい欠けても問題ないだろうと完結し、二人を探しに行った。
二人を見付けるのは思いの外、簡単だった。城壁内の倉庫にでも使われていた建物の前に黒いオーラと、人混みからの罵声が遠くからでも目についた。
罵声を浴びせているのはドワーフ。浴びせられているのはドアの前に立ち尽くす骸骨ロッサ。朝から見たくない骸骨モードと黒いオーラが、怒りを抑えているのが分かった。
「はい、はい、ごめんなさいねぇ。ちょっと通りますねぇ」
後ろから、罵声を浴びせてるドワーフをどつき回してもいいのだが、今は協力関係にいるんだ。出来るだけ事を穏便に済ませたい。
「ミカエルさま……」
骸骨のロッサの表情は読めないけど、言葉尻から安堵の声かな。助かったと言うより、殺さなくて済んだって感じに思えるよ。無益な殺生はダメと教えてて良かった。
「お前がこの魔物の主人か! 良くも洞窟を崩落してくれたな!」
分かりやすい説明をありがとう。どうやらロッサが洞窟の件で咎められているみたいだ。魔物と言うだけで差別はいけないよ。良く命令を聞くし、赤いドレス姿のグラマーな美人のロッサがそんな事をする訳がない。今は不気味な骸骨だけど。
「彼女は白百合団に所属するネクロマンサーの配下に置かれています。決して人に害を成す者ではありません」
確信を付いたいい説明だ。これで皆も納得して帰ってくれるに違いない。ご苦労様、後の事こちらでするから、皆は家に帰って女房でも抱いて寝てくれ。
「誰がそんな事を信じられるか! そいつは不気味な骸骨じゃないか!」
見た目と信用は必ずしも一致するものじゃないが、やっぱり銀行にお金を融資してもらうなら、スーツ姿の方がダメージ加工のジーンズより効果的かな。ボロボロの骸骨姿でお金を借りるなら、他よりインパクトを強調しないとダメだろう。
「ロッサ、自分で自分の頭を吹き飛ばせ」
ロッサは自分の右手を顔に当てると、躊躇う事もなく自分の頭を吹き飛ばした。体は震えながら二、三歩ドワーフの方へ行き、力無く倒れ塵となって消えた。
「ロッサは不死の女王ですが、僕の命令は絶対です。これで彼女の無罪を晴らした事になるでしょう。それでは全員散れ! 邪魔をするな!」
滅茶苦茶な理論もロッサが自分で自分の頭を吹き飛ばすパフォーマンスに衝撃が大きかったのか、一人一人と、帰って行くオーディエンス。
僕は観客の居なくなった舞台を他所に部屋の中に入ると、プリシラさんとルフィナは抱き合う様に眠って、ロッサはルフィナの枕元で肉を付けて佇んでいた。
「お久しぶりです、ミカエルさま。あれで良かったのでしょうか?」
たかが一度くらい頭を吹き飛ばされても簡単に生き返る不死の女王。僕も大変だったんだよ、ロッサを殺すのに。
「上出来だったよ。プリシラさんとルフィナはどうなってるの? それとロッサも昨日は簡単に殺られていなかったかな?」
「申し訳ありません。昨日はマスターとの同調が上手く行かず、一度殺されてから戻るのに時間がかかってしまいました」
そんな事もあるのか。いつかは一心一体になるのだろうけど、調子の悪い日とかもあるんだね。僕も斬られたり、折られたり、心臓止められたり、その後は調子が悪いからね。
「二人の調子が悪いって事かな?」
「はい、特にマスターがあまり……」
調子に乗って巨人の血を浴びるからだよ。あんな滝のように降る血の雨に打たれていたら風邪も引くよ。ちゃんと着替えたみたいだけど、念の為に中も見ておくか。
「ロッサ、手を貸して。プリシラさんを引き剥がさないとルフィナの首が締まる」
どんな狂暴な夢を見てるのか、プリシラさんはルフィナに腕を回して笑顔で首を締めていた。僕もたまに寝起きに首が痛い時があったけど理由はこれだな。どうせなら向かい合って締めてもらいたい。埋もれたい。
僕とロッサがプリシラさんの腕をルフィナから引き剥がしていると、僕の頬にフックが飛んで来た。もちろん避けたけれど、どんな狂暴な夢を見てるんだろうね、このバカ女は!
「プリシラ、起きろ! ルフィナが死んだらどうする!?」
僕は素直に起こすのが可哀想になって、プリシラさんの胸を揉んであげる事にした。悪夢より楽しい夢の方がいいからね。
「起きてる! 舐めんな!」
次の素早いフックの二連は避ける事が出来ずに、頭を揺らされ膝を付き倒れ込む。何で寝転んだ零距離でその威力が出るのか教えて欲しいよ。
だが、只では死なん! せめて倒れ込むならルフィナの胸の中に…… 忘れてた、こいつの胸は悪魔の血が入ったガラス瓶のフェイクだった。
「い、痛い……」
「団長はバカであるか」
バカって言うヤツがバカなんだからね、ふん! しかし、ぺったんこだね、ルフィナちゃんの胸は。ロッサと一体化したら半分はもらえるのだろうか、期待をして待ってるよ。
「ルフィナ、調子はどうですか?」
「倒れ込んでる者に言われたくないのである。調子は…… どうもルンベルグザッハに来てから良くないのである」
それは巨人の血を浴びたからではないですか。あれほど浴びる様に飲めば具合も悪くなるよ。ルフィナも歳かな。若い頃にはウィスキーの一本も空けたけど、歳を取ると肝臓が厳しいからね。
「戦えますか?」
「もちろんである。すでにロッサに命じて使えそうな死体はアンデット化してあるのである」
それこそネクロマンサーが戦場で嫌われる理由だ。死んだ味方も殺した敵も全てネクロマンサーの物となってしまい、戦線の維持を読み間違う。
「ロッサ、アンデット化した内訳は?」
「ゴブリンは切り捨てました。オーガが約三百、巨人も継ぎ接ぎだらけですが一体確保してあります」
フランケンシュタインを作った人もネクロマンサーだったのかな。科学者だったと記憶してるけど、これだけの戦力アップは敵の戦力ダウンに繋がる。
「ドワーフのアンデット化は無いですよね?」
「ドワーフは居ません」
それなら良かった。味方、さっきまで一緒に命を掛けて戦って来た味方もアンデット化したら印象が悪くなるからね。本当なら欲しいけど……
「分かりました。魔王軍は朝飯中みたいで終われば攻めて来るでしょう。アンデット化した者は城壁外に配置、ルフィナとロッサは左翼にプリシラさんは白百合団と中央に向かって下さい」
「お前…… 寝ながら指示してるんじゃねぇよ」
誰のせいで倒れていると思ってるんだ! 心配するなら添い寝してくれよ。首を絞めるのは無しで。僕は細かい所まで指示を伝え三人は部屋を出て行った、僕をおいて。
「団長、ローズさんが呼んでます」
元気になって良かった。ウェンディさんだよね。見られたくなかった。この無様な姿を。僕は少し手を借りウェンディに寄り掛かりながら立つ。
「ウェンディ、ケガの具合は大丈夫かな?」
「もう大丈夫ですよ。団長の方こそ大丈夫ですか?」
部下に心配を掛けるとは情けない団長でゴメンよ。僕はもう大丈夫! 君の笑顔で勇気付けられたさ。さぁ、戦おう。時間は待ってくれない。魔王軍を引き付け、アシュタールの騎士団がアンネリーゼ女王陛下と無事に会うまで僕は戦う。
「報酬が頂けると聞いたのですが……」
時間は待ってくれないが、十五分くらいなら待ってもらおう。僕の戦場は時と場所を選ばないから。
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